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終わりから始まるRPG「勇者死す。」発売決定!

PS Vitaにブラッシュアップ移植

2016年2月25日 発売予定

価格:
5,980円(パッケージ版・税別)
5,143円(ダウンロード版・税別)

 日本一ソフトウェアは、2007年にケータイアプリとして発売していた「勇者死す。」をPS Vita専用ソフトとしてブラッシュアップ移植し発売することを決定した。価格はパッケージ版が5,980円(税別)、ダウンロード版が5,143円(税別)。

 本作は桝田省治氏が描く「ありそうでなかった」新しいゲーム体験を提供するタイトル。音楽に伊藤賢治氏、キャラクターデザインにクロサワテツ氏といった豪華クリエイター陣が参加する。

 今回は「勇者死す。」のコンセプト、ストーリー、キャラクターやゲームシステムなどを紹介する。

「勇者死す。」について

 「勇者死す。」は、2007年から2012年にケータイアプリとして配信されたマルチシナリオRPG。「限られた時間で物語を進める」といった基本ルールの元、様々な独創的システムでロングヒットを記録した。

【ケータイアプリ版「勇者死す。」スクリーンショット】

 このシナリオとシステムは2つのコンセプトにより形作られている。

【自分の葬式が見てみたい】

 今死んだら、誰が泣くか、葬式には何人集まるか、友人はなんと言って自分を送るのか、知りたい。怖い気もするが、自分の葬式をこの目で見て確かめたい。誰もが少なからず持つ興味である。

 が、現実的には、生前葬でもしない限り、絶対に充足することはできない。これをゲームを通じてプレーヤーに疑似体験させたい。

~桝田省治「勇者死す。」企画書より~

 「勇者死す。」はタイトルの通り、プレーヤーの分身である勇者が5日経過すると死んでしまう。これを避ける事はできない。本作は勇者の死後執り行なわれる「自分」の葬式を体験するタイトル。

【魔王を倒して、本当に平和が来るのか】

 いわゆるファンタジーの冒険談は、勇者が魔王を倒した後が描かれることは希有である。

 本当に世界に平和は訪れたのか!? 全国100万人の勇者経験者は知りたいはずである。その1つの答をRPGファンに掲示したい。

~桝田省治「勇者死す。」企画書より~

 魔王の部下である魔物たちはどこへ行ったのか? 魔王討伐のために手を取り合った人間とそれ以外の種族はその後共存できるのか? 魔王の軍勢によって滅ぼされた町は誰が復興するのか? 誰がお金を払うのか?

 「勇者死す。」はこうしたRPGをクリアした時ふと思う疑問に向き合い、1つの答を提示するタイトルとなっている。

ストーリー

 「勇者死す。」は主人公である勇者が魔王を倒すところから物語が始まる。

 勇者と魔王の戦いは勇者と魔王が刺し違えることで決着した。1度は落とした命を神様の計らいで5日間だけ復活を遂げ、自分の救った世界を見て回ることになる。

 しかし、その世界は善と悪では割り切れない様々な問題に直面し、未だ混乱の渦中にあった。さらに、「魔王を倒した時をピーク」に勇者の力は余命が減るごとにどんどん減っていき、最終的には雑魚モンスターを仲間の助けなしには苦戦するようになってしまう。

 そんな勇者が限られた5日間で何を見て何をなすのか。世界はどのように勇者を迎え入れるのか。避けられぬ「死」が訪れた時、どのように葬式が行なわれ、人々はどのような言葉を捧げるのか。

キャラクター紹介

勇者

CV:代永翼

「いざとなったら刺し違えてでも魔王ギールは必ず俺が倒す。だから俺を行かせてくれッ!」

 自らの命と引き換えに魔王ギールを倒した勇者。その後神様の計らいで5日間の命を与えられ、自分が救った世界の各地をめぐる。

 魔王を倒す前の記憶に欠落があり、「とある女性を愛していた」という強い思いはあるが、その人が誰なのかを思い出すことはできない。

天使ユリア

CV:今井麻美

「では、悔いなき5日間を」

 1度命を落とした勇者を再び現世へと蘇らせた神様の使いである天使。記憶をなくし、蘇った勇者のサポートを行ない、5日後に死す勇者を迎えに来る。

 勇者に世界を見て回ったり、忘れてしまった最愛の人を探すことを薦める。

フローラ

CV:村川梨衣

「せめて、あなたが救ったこの国の各地をめぐり、ご自身の偉業をこの目で確かめてくださいませ。」

 やや世間知らずなところがあるが、心優しいこの国の王女。

 勇者に恋焦がれており、勇者が蘇った後もアイテムの支援をしてくれるのだが、交換条件として勇者に結婚を持ちかける。

魔王ギール

CV:最上嗣生

ならば、勇者よ、ともに地獄に堕ちようぞ!!」

 破壊の限りを尽くし、勇者の命と引き換えに倒された魔王。

 死してなおその影響力は凄まじく、破壊された町家人々の心に大きな爪痕を残している。中には魔王の復活を目論むものさえ……。

ゲームシステム

 「勇者死す。」はその特異なゲーム性を実現するために、普通のRPGにはないシステムが搭載されている。

【ゲームの流れ】
勇者は自らの命と引換に魔王を討伐。ここから物語は始まる
蘇った勇者だが、余命が近くなるにつれ次第に弱っていく
6日目に再び死がやってくる。勇者の葬式には様々な人が訪れ、別れの言葉を送る

 やり残したことがあれば何度でも最初の日に戻ることが可能。

日に日に弱っていく勇者

 ゲームスタート時には「魔王を倒した直後」だから最大レベルの状態で始まる。しかし時間が経つに連れどんどん弱くなっていき、戦闘にも仲間の助けが必要に。通常のRPGとは違い、ゲームを進めるほど勇者が弱り、覚えた魔法を忘れ、重い武具を装備できなくなる。

ゲームスタート時のステータス
無茶をするとHPが1まで下がってしまうことも

避けられない死

 6日目の死を避ける方法は、このゲームにはない。勇者には必ず死が訪れ、後に葬式が執り行なわれる。

 この葬式はゲームの評価でもあり、5日間で関わった人々やシナリオの進捗具合によって変化する。愛をささやかれることもあれば、正反対の態度をとられることもある。

そして繰り返される5日間

 葬式が終わると、再び勇者が蘇った日に戻ることができる。また最大レベルの状態から似て非なる5日間を過ごすことができる。前の5日間では出会えなかった人やクリアできなかった課題、訪れなかった場所など、試行錯誤を繰り返すことで物語の全体像が見える。

新要素

 「勇者死す。」は、勿論グラフィックスがリファインされたほか、いくつかの新要素が加えられている。

・全ヒロインの新シナリオ追加、そして新規ヒロインキャラを2人追加

 桝田省治氏が書き下ろした追加シナリオによりボリュームはケータイアプリの約2倍になる。これにより複雑な分岐が発生し、新しい遊びの選択肢が増えている。

・より美しくなった音楽と新規楽曲の追加

 ケータイアプリ版よりも多彩で美しい音による楽曲をVitaの性能で実現。また伊藤賢治氏による新規BGMも追加される。

・メインキャラにはキャラクターボイスを追加

 各キャラクターの個性をより際だたせるためにメインキャラクターにボイスを搭載。

 勇者役が代永翼さん、天使ゆりあ役が今井麻美さん、フローラ役が村川梨衣さん、魔王役が最上嗣生さんが演じるほか、五十嵐裕美さん、加隈亜衣さん、松井恵理子さん、行成とあさん、福圓美里さん、藤田咲さん、金子寿子さん、高垣彩陽さん、後藤ヒロキさん、拝真之介さんの出演が決定している。

予約特典も発表

 「勇者死す。」の予約特典としてゲーム内BGMを厳選、収録した「勇者死す。サウンドセレクション」が同梱される。

(稲村亜樹)