ニュース

「World of Tanks The Grand Finals 2015」メディアインタビューレポート

Victor CEOが語るWargamingのe-Sports戦略。ポーランド戦車やタンケッテはいつ登場する!?

4月25日、26日開催



会場:Expo XXI(ポーランド・ワルシャワ)

 本稿では「World of Tanks The Grand Finals 2015」の開幕に先立ち実施されたプレスカンファレンスでの質疑応答の内容をまとめてお伝えする。質疑応答に応えたのは、Wargaming.net CEOのVictor Kislyi氏と、e-Sports担当のMohamed Fadl氏の2人。

 今回は世界中から311ものメディアが集められ、質疑応答ではポーランドを中心としたヨーロッパのメディアからユニークな質問が出された。中にはメディアというより単なる熱狂的な「WoT」ファンで、スタッフに注意されてもなお想いを語り続ける人もいるなど(最後の質問がそれ)、「WoT」のホームならではの盛り上がりを見せた質疑応答だった。

ポーランド戦車はプレミアムタンクで実装!? 機銃は対人兵器なので装甲車の実装は不可

e-Sports担当ディレクターのMohamed Fadl氏
質問に答えるFadl氏
e-Sports関連に2,600万ドル(約30億円)を投じる
2014年から2017年にかけてe-Sportsの市場規模は倍に成長すると見込む

――「World of Tanks」が世界でヒットした理由は何だと考えているか? 特にロシア圏は桁違いに好調だが、その理由は何か?

Wargaming:ロシアの方々はe-Sportsに興味を持っており、アクション性の高いゲームを好んでいる。1番成長しているエリア。e-Sports強い関心を持っている国には、今まではe-Sports的なシステムはロシアと比べて弱かったが、新しく導入したモードや今後のシステムアップデートにより、今後6カ月間で、各地域も大きな成長を見込めると思っている。最近は無名だったチームが、上位チームを倒すということもあるので、欧米市場も今後も成長してロシアに負けない成長を見込んでいる。

――ポーランド製の戦車は追加される予定はあるか?

Wargaming:予定はあるが次期は未定。将来的にはぜひ追加したいと思っている。プレミアムタンクになるかもしれないが。

――「WoT」は世界的に成功してe-Sports的な展開を行なっているが、「Worlds of Warships」や「World of Airplanes」などでそういった展開の予定はあるか?

Wargaming:すべて同時に開発を進めているが、違うプロジェクト。将来的な予定は立てているが、やるかというと難しい。実際にリリースされていないので実際にどうなるかはまだ話ができない。これらのタイトルは、他のタイトルを真似をするわけではなく、それぞれにおいて新しいトレンドを作って行きたいと考えているし、最高のものを提供したいと考えている。その期待に応えるためには開発、テスト、ポリッシュという長い長いプロセスを経る必要がある。

 「WOWS」はまだβテスト中だが、数字上ではとても良い結果が出ている。だが、実際にリリースされてみないと、成功か失敗かはわからない。また、タイトル間での成功失敗の判定は難しい、「WoT」は成功して大きな数字を出しているが、それと比較すると「WoT ブリッツ」などはとても小さな数字になってしまうが、失敗とは限らない。

――ゲームコンソールでe-Sports的な展開を行なう予定はあるか?

Wargaming:もちろんその予定はあるが、「The Grand Finals」のような大きなイベントは、多くの参加者が必要になる。基本的にゲームをプレイしている人は自宅で1人で遊んでいる人が多いので、ゲームの規模が成長するにつれて、そういった人々が1つの目的に向かって集まれるようなこういった大会を開催する計画はある。ただ、今現在は、Xbox 360版は数字上ではe-Sportsを実施するようなクリティカルマスには達していないので、まだ時間が必要。今後リリースされるXbox One版が大ヒットして、そのような大会が実施できることを期待している。e-Sportsは我々が成長させるわけではなく、ユーザーの参加によって成長していくもの。このため今現在はコミュニティの規模から大会は「WoT」に限定している。

――World Cyber Games(WCG)のように他のトーナメント大会を今後もサポートしていくつもりはあるか?

Wargaming:もちろん、我々としては協力していく方針。これらの大会によって選手がスポンサー、賞金を得たりできるから。今後も協力し、知名度を上げるために協力したいと思っている。他の大会は決して競合ではなく共存したいと考えている。

――e-Sportsに多額の金額を投資していて、TVを観ている人にまでアピールするとしているが、そこまでの投資が必要なのか?

Wargaming:たとえばTwitchという会社があるが、わずか数年で10億ドルで買収されるという驚きの結果を示した。世の中、何が成長するか、どういうものが求められているのかわからない。e-Sportsも同じで近年著しく成長していて、我々としてもそれに備える必要があると考えている。多くの人に、e-Sportsに大金を投じ、多くの受け皿を作っていきたい

――e-Sportsはハードコアでニッチなマーケットだと思う。多額の金額を投じてより多くの人に提供したいと考えているということだが、今後は一般ユーザーに対してもアピールしていくつもりはあるか?

Wargaming:一般ユーザーはとても大事な存在だと思っている。彼らに対するアピールはよりよいモノを作っていくということで、e-Sportsというハイエンドの場を提供しつつ、一般の方には観客として試合を楽しんだり、イベントを通じてゲームを楽しませる場を提供したいと考えている。ゲームショウにも出て、出るからには目玉が必要、スペシャルな場が必要、e-Sportsはそういうスペシャルな場の1つだと思っている。

――「WoT」にはルノーFTのような小さな車両もあるが、タンケッテ(豆戦車)や装甲車など軽戦車より軽い車両、あるいは対戦車砲のような兵器をを入れる予定はあるか? 私はそういう兵器が活躍する戦場はとても素晴らしいと思う。パンターやティーガーが好きな人は多いが、そういうタンケッテを好む人もいると思う。とても素晴らしい兵器なのでぜひ検討して欲しい。

Wargaming:もちろん歴史はとても大事で、そういう小さい戦車も大事。ただ、やはりゲームという部分からみると、バランスを取るのがとても難しく、そして先ほど仰った装甲車は主砲がなく、機関銃が搭載されている。我々のゲームはあくまで戦車対戦車にフォーカスしているので、機銃は対人兵器であり、我々が提供しているゲームは人が死なないゲームであることを掲げているので、そういう意味では実装は難しいと思う。

 ほかにも列車砲などのアイデアがあることも承知しているが、「WoT」はあくまで戦車のゲームなので、列車砲の場合は線路が必要になり、いろいろ制限が出てくるので、今後「World of 装甲列車」がリリースされれば出すかもしれないが、「WoT」には今のところ実装する予定はない。最終的にはエンターテインメントであり、ユーザーが楽しめることが前提。たとえば、亀もレースをすると思うが、亀をレースに出しても楽しくないのでゲーム化には適さない。それと同じように我々も楽しめるものを実装しなければならない。皆さんお時間となりました。ありがとう。

(中村聖司)