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【特別企画】「超合金魂 勇者王ガオガイガー」レビュー

完全変形を実現! “我々の待ち望んだ真の勇者”ここに誕生!!

12月27日発売予定

価格:30,000円(税別)

全高約26cm。存在感、重量感………手に持つ満足度はとても大きい。なお、今回はサンプル版のレビューのため、実際の商品と異なる場合がある

 バンダイは、「超合金魂 勇者王ガオガイガー」を12月27日に発売する。ホビーにおいて年末の目玉となるビッグアイテムだ。今回、サンプルを借りることができたので、変形システムを中心にレビューしていきたい。

 “超合金”の“ガオガイガー”、そして“完全変形合体”。この3つのキーワードがそろったアイテムが発売されるのがどれだけすごいことなのか、ファンでない人にはわからないだろう。1997年のTVアニメ放映から17年、ついに「我々の待ち望んだ真の勇者」が登場したのだ。その込められたこだわり、脅威のメカニズムを紹介していきたい。

これまでになかったスマートでスタイリッシュな「ガイガー」に注目

今回の1番の注目はガイガーだ。プロポーションが良く、可動箇所も多い上、金属パーツも多用されており、単体の商品としても売れそうだ。ガイガーだけでも欲しくなってしまう
ギャレオン。こちらもプロポーション的にしっかりしており、“人型”を感じさせない
叫び顔パーツ、2種類の平いた手のパーツが用意されている。ファイナルフュージョンのシーンが再現可能だ

 「勇者王ガオガイガー」は「勇者エクスカイザー」から始まる“勇者シリーズ”の8作目にあたる作品で、“リアルロボット”の風潮を強く受けたシリーズの中での“異色作”といえる作品だった。少年と“勇者”の使命を受けた青年が、たくさんのサポートロボットと共に世界の平和を乱す悪と戦うという物語の基本はシリーズを受け次ぎながら、様々な科学情報が取り入れられたSF色の強い作品で、展開するストーリーもシリアスなのだ。

 主人公のロボット“ガオガイガー”も従来のシリーズに多かった赤、青、白の派手なトリコロールカラーではなく、黒が中心で、太い手足を持ったマッシブな、“悪役ロボ”にも見えるデザインだった。スタッフの挑戦する気持ちが強く出た作品で、続編となるOVAやTVシリーズも制作され、現在でも人気のある作品である。

 ガオガイガーは比較的高年齢のユーザーに評価され、様々なメーカーから立体物が発売された。ガオガイガーは、宇宙から飛来した“「宇宙ライオン・ギャレオン」が、人型の「ガイガー」に変形し中心となる。これに3つの“ガオーマシン”、ステルス爆撃機型の航空機「ステルスガオー」、500系新幹線にそっくりな列車マシン「ライナーガオー」、ドリルで地下を移動できる「ドリルガオー」が“ファイナルフュージョン(合体)”することで誕生する。

 今回発売される「超合金魂 勇者王ガオガイガー」は劇中の“合体変形”の再現にフォーカスした商品となっている。そのメカニズムと、シルエットへのこだわりは他の商品の追随を許さない。

 まずは合体前の各メカから見ていこう。筆者が特にお気に入りなのは、「ガイガー」の造形だ。スマートで、非常にカッコイイ。ガイガーはガオガイガーの中心となるためこれまで出ていた商品ではどうしても身体部分が大きく、手足のバランスが悪かった。しかし「超合金魂 勇者王ガオガイガー」のガイガーは、手足が長く、胴体部分が細い。

 感心させられたのは足のメカニズム。ガイガー変形時すねに当たる部分が伸びる。これによりガイガーのプロポーションが良くなっているのだ。後述するが、ガイガーには胴体の拡大、股関節の位置を変更するギミックも搭載されており、スマートなロボットとしてのガイガーと、ガオガイガーの胴体としてのバランスを両立させているのである。

 そして“重い”のも楽しい。太ももや肩の部分、可動部分などにふんだんに金属パーツが使われていて、手に持つとずしりと重い。太ももの可動範囲が広いのでギャレオン、ガイガーどちらも派手なポーズが楽しめる。ガイガーは叫んだ顔や、派手に手を開いたパーツが用意されている。見得を切ったポーズや、ファイナルフュージョンの時のポーズも可能だ。

 このガイガーが宇宙ライオン・ギャレオンに変形する。変形そのものはシンプルだが、こちらのバランスもばっちりだ。変形時にガイガーの頭のパーツを引っ込めるのだが、このとき合体のメカニズムを応用して腕部分の“扉”を開き側面から頭部を引っ込めたり、引き出せるのが感心させられた。

 ギャレオンのバランスも、人型を感じさせない。「魂ネイション」などのイベントで試作品を見たとき、何より驚いたのがガイガー、ギャレオンの完成度だった。単体で十分魅力的な商品となる。ガイガー、ギャレオンの決定版といえるデキだと思う。

【ガイガー/ギャレオン】
すねが伸びるギミックはプロポーションの変化をもたらす。頭部の収納はそのままでも可能だが、側面を開けることでよりしっかりできる

ガオーマシンも高クオリティ。ライナーの運送や、ガイガーとの合体も

ステルスガオー。コクピットまでしっかり造形されている
新幹線そっくりなのが面白いライナーガオー
ドリルガオー。「ドリル戦車」というセンスは懐かしさも感じさせる

 ガイガー次は3つのガオーマシンを見ていこう。ギミックたっぷりなのがステルスガオー。ガオガイガーの腕になるエンジン部分の接続部品は、ハッチを開くことで内部に収納させられる。ガイガーやライナーガオー用の接続ギミックもハッチ状になっているため、ステルスガオーの底面は多数の扉がついているような形になっている。これが実に「爆撃機」らしく、ニヤリとさせられる。

 新幹線そのままのライナーガオーは、車輪がついていてコロ走行できる。かなりリアルな造形で、Nゲージなどの「鉄道模型」っぽい雰囲気があるのが面白い。そして、原作の設定通り、ステルスガオーと合体し、運搬形態にできる。エピソードで見せてくれた様々なシーンを再現できる“こだわり”に楽しくなってしまう。

 ドリルガオーは赤い部分と足の部分が金属でこちらもずしりと重い。見たままガオガイガーの足になるマシンだが、2つのマシンがくっついているその“ぴったりくっついてる感じ”は驚かされる。写真だとはっきり分割線が出ているが、手に持ったときは2つにわかれるのか疑ってしまった。

 ガオーマシンはきちんとコクピットも造形されている。キャノピーは透明パーツで、きちんとコクピットが造形されている。ガオーマシンは普段はAIが動かしているが、いくつかのエピソードで人が乗り込んでいる。そのときのエピソードを思い起こさせる仕掛けだ。

 ステルスガオー、ドリルガオーはガイガーとの接続ギミックももちろん搭載されている。ステルスガオーは接続パーツを使うことでしっかりと合体できる。ドリルガオーはガオガイガーのつま先部分に接続パーツがあって、ここでしっかりと接続できる。この合体のしっかりした感じはガオガイガーへの期待を盛り上げてくれる。それでは次のページでいよいよファイナルフュージョンしよう!

【3つのガオーマシン】
ステルスガオーは底面のモールドが爆撃機ぽいのが面白い。しかも合体などできちんと機能するのだ。
ライナーガオー運搬形態をきちんと再現しているのはうれしい。各ガオーマシンのコクピットの再現も要チェックだ
ガイガーとの合体もしっかりしている。プレイバリューの高さ、安定性でこれまでのガオガイガー商品を大きく上回る

(勝田哲也)