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【特別企画】あふれる愛! 「メガドライブメガトロン」レビュー

16-BITの黒いヤツ、伝説のハードが破壊大帝にトランスフォーム

11月20日発売



価格:10,000円(税別)

 タカラトミーアーツはアクションフィギュア「メガドライブメガトロン」を発売した。「メガドライブメガトロン」はタカラトミーアーツのホビー部門の新ブランド「NEXTA」の目玉となる商品であり、発表時から話題を集めていた。

 そのコンセプトは「メガドライブがG1メガトロンになる」というもので、非常に“渋い”と言わざるを得ない。メガドライブとはセガが1988年に発売したゲームハードであり、破壊大帝と呼ばれるG1メガトロンは1985年のアニメ「戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマー」の敵役なのだ。

 この商品のメインターゲットは一体何歳なんだ、といいたくなる濃すぎるコンセプトだが、本作の変形システムの感触や、こだわり、込められた愛を紹介していきたい。

金色に輝く「16-BIT」、メガドライブとメガトロンの華麗なるコラボレーション

黒ボディに、金色に輝く「16-BIT」、G1メガトロンそのままの顔、右腕の巨大武器……「メガドライブで、メガトロン」というコンセプトをしっかりと再現した姿だ
パッケージを開けると、メガドライブの箱と同じデザインが。当時メガドライブを購入した人にはたまらない仕掛けだ
タカラトミーの「マスターピース メガトロン」。デザインの共通点に注目

 「メガドライブメガトロン」のパッケージの外側には、宇宙を思わせる背景にメガトロンの顔が描かれている。そして中心で輝く金色の「16-BIT」の文字。

 解説せねばなるまい。この金の16-BITこそメガドライブに描かれている、ゲームハードを象徴する文字なのだ。ファミコンはもちろん、“パソコン”と呼ばれていた高級個人向けPCも8-BITが主流の時代に現われた“最先端”の16-BITゲームハード、それこそがメガドライブだったのだ。

 パッケージのふたを開けると内側は白い。ここも「メガドライブ」を持っていた人の心を強く揺さぶる。その白いカラーとデザインは、見まごう事なき「メガドライブ」のパッケージのデザインなのである! 本商品は「メガドライブメガトロン」であるが、割合的にはかなり“メガドライブより”になっている。メガドライブを持っていた人にはたまらないアイテムとなっている。

 パッケージを開けて、まずメガトロンを取り出し、立たせてみる。右手に巨大な武器「MDカノン」を持っているところや、上半身の肩の角張ったマッシブなライン、太ももの細さなど、全体的な“シルエット”、そして頭部がメガトロンそのままで、「このロボットはメガトロンだ」と強く印象づける。メガトロンは作品で様々な姿をとるが、G1メガトロンの印象は強い。顔だけでなくシルエットが似ているところが楽しい。

 「メガドライブメガトロン」はメガドライブのコントローラを2つに割った“ウィング”がつくところが面白い。そこから伸びたケーブルがMDカノンに接続されるのは「エルガイム」を彷彿とさせる。手足は複雑なモールドが描かれており、G1メガトロンのシンプルなデザインとは違い、“現代のロボットデザイン”を感じさせる。

 初代メガトロンそのままの顔、腹に輝く16-BITの文字、現代風のモールド、関節部分がむき出しの足……。「メガドライブメガトロン」はチェックすると色々な要素が詰め込まれている、とても面白いロボットだというのがわかる。

 ただ、“おもちゃ”としてみた場合、ロボット形態だと自立しにくいところが気になった。MDカノンの砲身に金属を使っているため、右側が重くなってしまっている。今回はフィギュア用のスタンドを流用して立たせて撮影しているが、専用台座があれば良かったかもしれない。

 わがままを言わせてもらえば、もう少し金属パーツを多用して欲しかったところだ。慣れれば変形にもストレスはないのだが、最初は「壊してしまうかも」と緊張してしまった。「メガドライブメガトロン」はNEXTAとしての初めての変形玩具だからこそ、コストや素材選択などで、試行錯誤が感じられる。今後の商品でどう進化していくかに大いに期待したい

【メガドライブメガトロン】
シルエットは無骨ながら、モールドも細かく、現代風の要素も併せ持つデザインだ。右下はパッケージ。宇宙を感じさせるイラストだ

(勝田哲也)