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【特別企画】あふれる愛! 「メガドライブメガトロン」レビュー

どこから見てもメガドライブ! コンパクトに完全変形

どこから見てもメガドライブ! コンパクトに完全変形

全高19cmのロボットモードから、横幅10.5cm、縦6cmのデバイスモードへ。ちなみにオリジナルのメガドライブは幅約27cm
幅4cmのカートリッジ。印刷の精密さに驚かされる

 それではロボットモードから、メガドライブ形態「デバイスモード」に変形させていこう。このスマートなロボットがびっくりするほどコンパクトなメガドライブのミニチュアに変形するのは、本当に驚きである。

 まずMDカノンと、背中のウィングを取り外して変形開始だ。デバイスモードの変形は足から行なう。足は背面が“ふた”になっており、これを開き、足首を収納してから外側をスライドさせることで、すねの部分が半分に縮小する。太ももも、すねの中に折りたたむことで、メガドライブの前面部分が形成されていく。

 次は腕部分だ。長い腕がコンパクトに収まる機構はカバーに隠されているため目で確認しにくいが、コンパクトに収まる設計はとても感心させられる。カバー部分を残し、銀色の内部部分が収納され、包み隠される。こういった部分は、劇場版「トランスフォーマー」の商品を感じさせる。生物的なデザインの部分が車の外側に隠されていく機構を思い起こさせる。

 ただし、オリジナルの「トランスフォーマー」は、車体をひっくり返すと折りたたんだメカ部分がむき出しになってしまう商品もあるが、「メガドライブメガトロン」のデバイスモードは、どの角度を見てもメガドライブそのものになるのだ。おもちゃという側面から見れば複雑で、強度的にもトランスフォーマーシリーズほどではないところがるが、このロボットモードの存在を全く感じさせない変形はとても楽しい。“変形”に関する強いこだわりを感じさせられる。

 びっくりするくらい小さくなった「メガドライブメガトロン」本体に、変形させたMDカノン、そしてコントローラを接続し、「ソニック ザ ヘッジホッグ」のカートリッジを差せばデバイスモードへの変形完了である。

 今回、筆者の家の押し入れから、メガドライブを持ってきて、デバイスモードと比較してみた。もううれしくなるほどの再現度なのである。裏面のデザインから、細かい出っ張り、メガドライブは他のゲームハードに比べてもスジ彫りや、模様などのデザインとして凝ったゲームハードだったが、そのディテールをかなり再現しているのだ。

 デバイスモードから感じるのは、そのあふれんばかりの“ゲーム機への愛”である。NEXTAではPS2以降のハードを再現したミニチュア「PlayStation History Collection 20th Anniversary Edition」の発売も予定している。この試作品を見たときの高揚感を思い出させる。ゲーマーはソフトだけでなく、ハードにも強い思い入れを持っているのだと、改めて実感させられた。

 実は個人的に、メガドライブは1番好きなゲームハードなのである。MEGA-CDも32Xも買った。店頭に出回らなくなったとき、慌てて中古屋で予備の本体も入手した。その思い入れの強いハードを、細部まで再現してくれている玩具がここにある。「メガドライブメガトロン」はもちろん変形玩具としてのコンセプトが最も魅力的だが、筆者にとって、ここまで精密に“メガドライブ”を再現してくれたことがなによりもうれしかった。

 「メガドライブメガトロン」はかなりコアな作品だが、多彩な魅力を持っている。ゲームハードのミニチュアとして、ロボットフィギュアとして、トランスフォーマーシリーズの1作品として、新進の玩具メーカーの第1歩として注目して欲しい。もちろん、次回作である「Optimus Prime featuring Original PlayStation」にも大いに期待したい。

【メガドライブへの変形】
足をたたみ、腕をたたみ、武器を変形させて取り付ける。ロボットモードを感じさせない変形が楽しい
本物のメガドライブと裏面を比較してみる。全面のヘッドフォン端子や、背面のケーブルや電源の差し込み口もモールドで再現している

(勝田哲也)