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「War Thunder」のMorpheus版がスゴい!Oculus VRもTGS初出展!

未来のゲームを体験する、東京ゲームショウ 2014 VRゲーム出展模様

9月18日~21日 開催(一般公開日 20日~21日)

会場:幕張メッセ1~9ホール

入場料:
前売り 1,000円
当日 1,200円
小学生以下無料

 VRゲーミングの波が東京ゲームショウ 2014にもやってきた。会場ではソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアのプレイステーション・ブースにてPS4用VRヘッドセット「Project Morpheus」の試遊コーナーが設置されていたほか、ビジネスデイ限定の対応タイトルの出展も行なわれていた。

 少し離れたホール6にはVRブームの火付け役、Oculus VRのブースも出展。こちらは全く事前情報がなかったためビックリだ。どちらもものすごい行列ができていたので、一般日に試遊を希望する皆さんは覚悟して欲し!

ビジネスデイ限定出展の「War Thunder」Morpheus対応版がスゴイ

ブース1FのMorpheusコーナー
ここで出展されているのはGDC、E3でも出展された定番のデモ
2Fの試遊コーナー。プレス向けに開放されていた
「War Thunder」の試遊はビジネスデイのみ

 プレイステーション・ブースでは、Morpheusのデモコーナーが3系統用意されていた。一般の来場者が体験できる1F試遊ゾーンと、VIP、プレス向けに用意された2F試遊コーナー、そして2Fプレミアムラウンジの試遊コーナーだ。

 1Fでは、水中に潜るデモ「THE DEEP」、カカシを剣や鈍器で思う様殴れる「THE CASTLE」、寝そべってスケートボード体験をする「VR RUGE」、スペースコンバットゲーム「EVE VALKYRIE」の4種が展示。いずれもGDC、E3等の海外イベントで出展されてきた既存のデモだ。

 2F試遊コーナーでは「AKB0048 × 創聖のアクエリオン 多次元ライヴ」が体験できた。こちらの内容についてはブースレポート記事にてご紹介しているのでぜひご一読を。MMDライクなバーチャルコンサートから巨大ロボとの戦闘シーンへとスケール感たっぷりの演出が楽しめるデモだが、個人的には、視差の調整が甘いのか、AKB0048のキャラクターたちが大きめのアクションフィギュアサイズに見えたのがちょっと気になった。

 そして今回始めて体験できたのが、ビジネスデイ限定出展となっていた「War Thunder」Morpheus版だ。「War Thunder」はロシアのGaijin Entertaimentが開発するMMOフライト&タンクコンバットシムで、6月4日に北米でPS4版が正式ローンチ。日本版は未提供だが、先行するPC版を含め同時接続数10万を超えるなど非常に勢いのあるオンラインゲームだ。(タイトルレポートはこちら

 試遊ブースにはHOTASフライトシステムを接続したPS4+Morpheusが用意され、ラダーペダルが欠けていたものの、それなりに本格的な環境でバーチャルフライトを楽しむことができた。デモの内容は、戦闘機をコックピット視点で操縦し、規定のウェイポイントを進んでいくというもの。上品に真っ直ぐ飛行してもクリアできる内容だが、Morpheusとの相性を確かめるために敢えてアクロバティックな飛行をしてみた。

 ウェイポイントを斜め前方に見据え、バレルロールを入れながら接近。谷底すれすれに飛び込んで、垂直上昇に近い姿勢で次のウェイポイントへ。そのまま宙返りしつつ次のウェイポイントを確認。崖から突き出した岩盤のスキマを背面飛行で通過し、マイナスGで上昇、ハンマーヘッドで次の地点へ機首を向け、シザースで接近する……。

 という感じで、ドッグファイト並みの激しさでグリングリンと飛び回った。これだけやれば“VR酔い”に襲われるだろうと思ったのだが、実は嬉しい事に、ほとんど酔わなかった。正確に言うとデモをプレイしたあと少々ふらつく感覚はあったのだが、吐き気を催すような悪性ではなく、体がフワフワとするような心地良い感覚だ。コックピット視点にて得られる、機体との一体感がが立体機動による三半規管の混乱を抑えてくれた感じである。かねてより「フライトシムとVRヘッドセットは相性抜群」という説を唱えてきた筆者だが、今日はその確信をさらに深めた。

 ちなみに、こちらの記事「【特別企画】『Oculus RIFT DK2』で覗きこむVRゲーミングの現状と将来」でチラリと触れているが、Oculus Rift DK2版の「War Thunder」は視差の調整が甘くコックピットが巨大に見えた。それは今回のMorpheus版も同様だったので、本作の3D描画の基本的な部分に由来する現象なのかもしれない。ただ、Morpheusでは画素の網目感が少なく、ソリッドな映像を見られるおかげで、DK2よりも遠景がしっかり視認できたのが好印象だった。これならドッグファイトもできる。今後きちんと調整されれば、さらに機体との一体感が増し、PS4+Morpheusが最高のパイロット体験をもたらしてくれるはずだ。

本格的なフライトシステムで、ゲーム内と現実の高いリンク感が得られる。メチャメチャに飛び回ってもあまり酔わない
ブース内では画撮できる環境ではなかったのでPC版のイメージだが、コックピット視点とVRヘッドセットの相性は最高にいい

TGS初出展のOculus VR。日本オフィス開設に向けての第1歩

ホール6の出入口付近にあるOculus VRブース
8台の試遊機で「EVE Valkyrie」、「ユニティちゃんライブ!」のいずれかを体験可能
ユニティちゃんが踊り狂う「ユニティちゃんライブ!」のDK2版はこの日のためにUnity Technologies Japanが用意したという

 方や事前情報すらほぼ無しの状態でサプライズ出展となったのがOculus VRのブースだ。時代の寵児「Oculus Rift」を開発するOculus VRでは、GDC、E3、Gamescom等様々なイベントにブースを構えてきたが、日本国内のゲームイベントで公式ブースを出展するのはこれが初めて。

 2コマサイズの小さなブースではあったが、DK2を用いた8台の試遊台を設置。定番デモの「EVE Valkyrie」のほか、Unity Technologies Japan提供による「ユニティちゃんライブ」のDK2版も体験できる。

 事前に出展情報がほとんどなかったにもかかわらずブースの前は試遊待ちの大行列で、一般日はちょっと大変なことになりそうだ。特にDK2版としては初出となる「ユニティちゃんライブ」(2D版はコミックマーケット86が初出)は、いくら我慢しても口元が緩み、ニヤニヤしながら体験する来場者が大半……というかほぼ全員そうだったのが印象的。

 本ブース出展を主導したのは、Oculus Festival In Japanの仕掛け人である井口健治氏。Oculus Riftの公認エバンジェリストとして知られる井口氏は現在、Oculus VRの外部ローカライゼーションスタッフとして活動中とのことだ。そのあたりのことについて話を聞いてみた。

 井口氏はOculus Rift DK1がリリースされた当初よりデモソフトの開発や、国内のVR開発者&ユーザーイベントであるOculus Festival in Japanの開催を通じて精力的にOculus Riftを国内に広めてきた。そんな中、海外イベント会場にてOculus VR設立者のPalmer Luckey氏と出会い、意気投合。最近ではきちんと契約を結んでOculus VRの現地スタッフとなり、日本オフィス設立に向けて準備を進めているとのことだ。

 具体的な設立時期等については井口氏の口からは開かせず、Oculus VRからの公式発表を待って欲しいとのこと。いずれにしても日本のOculusコミュニティに多大な貢献をしてきた井口氏がその中心になることで、日本のゲームデベロッパーによるOculus Rift向けゲーム開発が加速していくことは大いに期待していいだろう。

 ちなみにPalmer氏その人は、大の日本好きであり、TGSに来たいと以前から言っていたものの、ちょうどロサンゼルスで開催されるイベントに日程がかぶってしまい、今回の来日は断念したとのこと。そのかわり、井口氏らにブース出展のための惜しみない支援を送ってくれたという経緯だ。

 小さな小さなOculus VRブース。一般日の大混雑は容易に想像できるので、DK2を体験したい方にはお早めの来場をオススメする。

ブースは小規模。一般公開日では大変な混雑がが予想される

(佐藤カフジ)