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LINE、日本産ゲームコンテンツ対象の投資ファンド設立を発表

gumiとの資本業務提携も発表。「世界を取りに行く」ゲームの年内配信を目指す

8月6日 発表

LINE上級執行役員/CSMOの舛田淳氏

 LINEは、ゲーム事業「LINE GAME」における新たな展開として、ゲームコンテンツを対象とした投資ファンド「LINE GAME Global Gateway(仮称)」の設立を発表した。

 「LINE GAME Global Gateway」は、日本のゲーム開発会社を対象とした投資ファンドで、ゲームコンテンツの海外展開を積極的に支援するというもの。資金面での支援や「LINE GAME」プラットフォームを通じて、世界に通用するコンテンツの創出を目指す。運用期間は今年の9月9日より5年間で、予定投資規模は約100億円。LINE Ventures株式会社という新たな会社を設立し、同社が運営を行なっていく。

 8月6日には「LINE GAME Global Gateway」に関する発表会が開催され、LINE上級執行役員/CSMOの舛田淳氏が登壇した。舛田淳氏は、LINEの現状についてLINEの関連アプリが10億ダウンロードを突破したり、App Annie調査においてアプリパブリッシャーの収入ランキングで世界5位に入るなど成功面を述べる一方で、LINE GAMEについてはアメリカでは十分なヒットを飛ばせておらず、またサードパーティタイトルからは上位ヒット作が少ないなど、まだまだ展開の余地があることを話した。

 しかし、ゲームの開発コストは年々上昇しており、アプリ開発者も膨大にいるとなると、なかなか世界へと展開するのが難しい状況もある。そこで今回企画されたのが、「LINE GAME Global Gateway」となる。LINEが自らゲーム開発会社に資本を提供することで、投資ファンドが世界へと羽ばたく「Gateway(入り口)」として機能することを目的としたプロジェクト、というわけだ。

投資ファンドによる支援によって、日本のゲームを世界でヒットさせる取り組みの「LINE GAME Global Gateway」

gumi代表取締役社長の國光宏尚氏
gumiとの資本業務提携はプロジェクト第1弾。これも世界展開を見据えた取り組みだ

 また一方で、LINEはゲーム開発企業との資本提携やジョイントベンチャー企業の設立を積極的に行なっていく。発表会ではその第1弾としてgumiとの資本業務提携を発表し、gumiタイトルの海外展開を支援することを明らかにした。

 gumiは、海外拠点も構えているモバイルゲームの開発企業で、最近では子会社のエイリムが提供するタイトル「ブレイブフロンティア」が世界的なヒットを飛ばしている。登壇したgumi代表取締役社長の國光宏尚氏はこの提携により、「圧倒的に世界を取りにいく」と述べた。

 gumiは東南アジアや北米、ヨーロッパにも拠点を構えているが、今後の「圧倒的世界ナンバーワン」を狙うためには、単独で動くよりもプラットフォームとして世界に基板もあるLINEと組んだ方が良いと判断した。國光氏はかねてから「世界ナンバーワン」を明言しているが、今回の資本提携は「それが見えてきた」ものだと話した。

 肝心のゲーム内容は今後詳細を詰めていくということだが、「LINE GAME」の中心となっているカジュアルゲームから1歩踏み込んだ「ミッドコア」なゲームを目指しているという。「LINE GAME」の立ち上げから数年経ち、ユーザーのニーズも多様化している点から、LINE側としても「ブレイブフロンティア」を開発したgumiに期待しているそうだ。ゲームの配信は、年内を予定している。

 LINEの他企業との連携は「LINE GAME Global Gateway」などで様々に行なわれていくが、支援を受ける条件は、「世界を目指したいと思っているのか」、「ゲームのトレンドを理解しているか」、「LINEプラットフォームを面白いと思ってもらえるか」がポイントになるという。

 舛田氏は今回の取り組みについて、「LINE GAMEが新しいステージに上がるための着実な1歩になる。今後も様々な取り組みをしていくので、よろしくお願いします」と語った。

舛田氏は、「ブレイブフロンティア」のような「ミッドコア」なゲーム開発もgumiの魅力だと話した。両社の強みを活かし、「世界ナンバーワン」を狙う

(安田俊亮)