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【Unite Japan 2014】今年、日本のUnityは「ユニティちゃん」祭り!

かわいいキャラクターでUnityゲーム開発を。オープンソース系ヒロインの意図されたデザイン

4月7日〜4月8日開催

会場:ホテル日航東京

 ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社が4月7日19時より無料で提供を開始した「ユニティちゃん」のパッケージデータに合わせて、Unite Japan 2014では「Unity-Chan! スターティングガイド」というセッションが講演された。

 「ユニティちゃん」は、Unity開発者が自らのゲームに利用できる3Dキャラクターモデル。オープンソース系ヒロインとして2013年12月に発表されており、規約に準じる必要があるものの、基本的には自由に2次創作や素材の利用が可能となっている。

 プロジェクトは日本の独自のものとして発足されており、Unite Japan 2014でも会場アナウンスやコスプレ姿のコンパニオンの登場、巨大タペストリーの出現など、様々な場所で活躍を見せていた。その一方で「英語版の利用規約を制作せざるを得ない」ほど海外からの反響も大きいらしく、今後どのような活躍をしていくのか期待できるキャラクターだ。

 セッションでは「ユニティちゃん」の制作の狙いや制作秘話、また今後の方針などが話されていった。登壇したのは、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの大前広樹氏とキャラクターデザインを担当したntny氏。

ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの大前広樹氏
「ユニティちゃん」キャラクターデザインを担当し、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンに転職したntny氏
会場の人気者「ユニティちゃん」
会場の至る所にユニティちゃんが配されていた

日本のHENTAI的創造力がUnityを進化させる。世界よ、これが日本だ!

「世界よ、これが日本だ!」という力強い言葉と共に提示されたスライド。確かにユニティちゃんの方がしっくりくる

 2人は男性が壁を飛び越えているUnityのコンセプトアートの隣に、まったく同じようなポーズで躍動しているユニティちゃんのビジュアルを並べたスライドを表示した。「これがユニティちゃんの何たるかを物語っている」としたのだが、つまりユニティちゃんとは、ムサいリアルなおっさんよりもアニメキャラクターでゲームを作ってこそ日本ではないか! という高らかな宣言なのである。

 「ユニティちゃん」の制作の発端は、「どうせならかわいいキャラクターでゲームを作りたい、でもUnityにはそんなキャラクターがいない!」という欠点に気づいた大前氏がntny氏の前職であるFlightUNITに企画を持ち込んだことにある。

 当初はプロトタイプ版とも言えるキャラクターも創作されて、それはそれでかわいく、セクシーなキャラクターであったのだが、記憶に残らない、良くも悪くも「個性がない」とイマイチな出来であったため、キャラクターの設定から細かく決めていった結果が現ユニティちゃんなのだという。

最初に作られたという初期Unityちゃん。無個性という欠点のため没となった

スク水、ペロペロ、クンカクンカと、制作者自らが日本の誇るHENTAI精神を発揮していた

 ユニティちゃんのデザインは、すべてが意図されたものであり、キャラクターとして埋もれないことが目的にある。ユニティちゃんはゲームのために作られているため、キャラクターの目に力強さを持たせたり、いつも走っているような表情にすることで活発な性格とし、ゲーム内で動いても自然なようになっている。

 またどの方向に向かっているかをわかりやすくするために、大きなお下げや触覚のようなリボンなどの「揺れもの」を多めに入れている。またポージングをはっきりとさせるため、体のラインも隠さないようにしている。

 カラーリングも同様で、港をイメージした青色を基調に、補色である黄色やオレンジを採り入れインパクトの強い配色が完成した。

 ビビッドな色の衣装と明るく快活な表情が印象的な「ユニティちゃん」だが、生み出した本人たちも相当のお気に入りらしく、「もう超かわいい」と大絶賛で、「ペロペロ」、「クンカクンカ」などとHENTAIワードを多用しながら、大前氏に至っては「(ユニティちゃんを)動かしてるとね、時間が飛ぶんですよ……」と溜息混じりのコメントで溺愛ぶりを示した。

 ちなみに唯一ntny氏の“趣味”が入っているのは、ユニティちゃんが穿いているスクール水着となっている。完全な個人的趣味のようにも思えるが、様々なポージングをするため下着では倫理的に良くないし、水に濡れても問題ない……との理由で決定となった。ややHENTAI的な理由ではあるものの、「良くも悪くも1番日本らしい要素になったのでは」と大前氏は振り返った。

ユニティちゃんのデザインは、(スクール水着以外)すべて意図されたものとなっている

ユニティちゃんの2次創作を助けるために、「大鳥こはく」という「設定アセット」も用意。使っても使わなくてもいい

 なおユニティちゃんはそのままでもユニティちゃんなのだが、同時に「大鳥こはく」というキャラクター設定もある。「大鳥こはく」には好きな食べ物や背景、友人などもおり、これらは「設定アセット」として機能するのだという。「設定アセット」とは2人が作った新しい概念で、ユニティちゃんをユニティちゃんとして使用するのも良し、「大鳥こはく」という設定を利用してストーリーなどを構築するのも良しとするもの。ユニティちゃんを取り囲むキャラクターを創造するのが面倒くさい場合などに活用すればいいものとした。

 提供されたユニティちゃんのパッケージデータでは、キャラクターモデルをはじめ、24個のモーションや12個のポーズ、8つの表情、45のボイスなどが入っている。これらは続々増えていくそうで、ボイスについてはTwitterのハッシュタグ「#unitychanvoice」で募集を行なう。

 また使用ライセンスについては、オリジナルのUnity-Chanライセンスによって提供される。ユニティちゃんはキャラクターであり人格があるため、完全なオープンソースとすると過激な政治的主張や風俗の宣伝などをして印象が悪化する場合がある。

 大前氏としてはできるだけ使用を許可していきたいが、「キャラクターへの気持ちも財産」と考え、ケースに応じて断る場合も必要だと判断したのだという。その範囲が既存のラインセンスと折り合わなかったため、法律の専門家と話し合ってオリジナルのライセンスを決めていったという。

 ユニティちゃんは今後、アセットに衣装や武器、ステージ、オブジェクト、モーション、音声などが追加されていくほか、ユニティちゃんを使ったゲームジャム・イベントの開催やフィギュアなどフィジカルなグッズの制作も展開、さらに夏のコミケにも参加予定だという。

 Unityの開発用に公開されたユニティちゃんではあるが、ゲーム開発以外にも様々な可能性が開かれているのが大きな特徴になっている。ゲームの枠を飛び越えて、色々な場所で活躍する姿に期待したい。

こちらがライセンスのざっくり版。詳細はアセットの中に入っている
実際にユニティちゃんを動かしてみる大前氏によるデモも実施された

(安田俊亮)