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「サドンアタック」、新モード“インビジブルモード”を先行体験

姿を消し敵に忍び寄る緊張感と、迫られる恐怖が楽しい対戦ルール

 ネクソンは3月5日、オンラインFPS「サドンアタック」において、新モード“インビジブルモード”を実装する。インビジブルモードとはその名の通り、攻撃側のメンバー全員が透明になることができるモード。実装直後はインビジブルモードは「第3補給倉庫」のマップのみでプレイでき、3月19日にもう1つのマップ、「プロバンス」が追加される。

 インビジブルモードでは攻撃側は立ち止まっていれば徐々に姿が消え、完全に見えなくなる。攻撃したり、通常の移動をすると姿を現してしまうが、そのままゆっくり動けば姿を消したまま移動できる。防御側はこの見えない敵に対処しなくてはならない。攻撃側は武器としてナイフしかないが、それでもかなり有利なルールだ。

 今回、実装に先がけメディア体験会が行なわれ、インビジブルモードをプレイできた。体験会には「サドンアタック」の有名プレーヤーである紙投げ氏、抹茶氏が参加しプレーヤーならではの感想も聞くことができた。

息使いで敵の位置を探れ! 姿を消せるルールならではの戦い

「サドンアタック」プレーヤーの抹茶氏
同じく紙投げ氏。ゲームを一緒にプレイしながら気が付いた点や、感触を語ってくれた
前のプレーヤーは少しだけ姿が見えている。筆者は完全に姿が消えているので、手前のナイフを握る手も見えない
消えたプレーヤーは攻撃すると姿を現わす。集団で襲われるととても怖い

 「サドンアタック」のインビジブルモードは、最もスタンダードと言える“爆破モード”をベースに攻撃側が透明になるという特性をプラスしている。防御側は爆弾を仕掛けようとする透明な敵に対処しなくてはならない。

 攻撃側はメンバー全員が透明化できる。画面上には透明化ゲージがあり、武器を使ったり、通常移動すると赤いゲージが伸び、姿がはっきりと表示されるようになる。このゲージを下げ、再び透明になるにはキャラクターを立ち止まらせゲージが下がるのを待たねばならない。赤いバーが伸びるのは、通常速度で歩いたり、攻撃を行なったり、撃たれた場合だ。

 シフトキーを押した隠密移動や、Ctrlキーでのしゃがみ移動の場合、透明度は維持される。透明になれる攻撃側はかなり有利となるが、武器としてはナイフしか使用できない。このため敵を倒すにはかなり接近しなくてはならない。もう1つ特殊な武器として「ショック手榴弾」があり、こちらは殺傷能力はないが当たった敵が武器を落とす効果がある。メインウェポンを持っている敵に当てられれば、近づくのに有利だ。

 防御側は透明な敵を“息づかい”で察知できる。探知距離はかなりあり、遠くでも耳をすませば聞こえるし、敵が近くにいるとはっきりわかる。ヘットフォンで注意深く聞けば敵の方向もある程度察知できる。防御側はこの息づかいを頼りに敵の位置を推測することができる。

 インビジブルモードはまるでホラー映画の様になる展開が楽しい。息づかいが聞こえてくると防御側は敵の姿を探し出そうと銃を怪しそうな場所に乱射する。攻撃側は姿を現わすとあっという間に倒されてしまうので、ゆっくりと獲物に近づいていく。映画「プレデター」の様な、透明な怪物におびえる恐怖と、怪物側の楽しさの両方が体験できる。

 動く敵にナイフを当てるのは難しい部分もあり、攻撃側は慣れが必要だと感じた。ナイフで奇襲し、複数で固まっている敵を次々で倒せるのはかなり楽しかった。一方透明な敵数人に襲われたときは恐ろしかった。敵を攻撃すると姿が見えてしまう。これをしとめるために固まって動くのは有利だが、姿を見せた人が囮で、もう1人が背後に迫っていた、なんてこともある。気心の知れたクランで戦うと、一層楽しそうだ。

 インビジブルモードでもやはり連携が必要なのは変わらない。特に防御側は情報の共有が大事だ。「ここに敵がいる!」、「A地点に爆弾が仕掛けられた!」、「俺が解除するからバックアップお願い」など声を掛け合うことで透明な敵からの奇襲を回避できた。

 今回はこのモードの楽しさを感じるところが大きく、マップの違いに関してはあまりチェックできなかったが、「第3補給倉庫」は狭い空間が多く、敵を待ち伏せしやすいため、攻撃側が有利だと感じた。防御側が守る場合は、マップの広い通路を活用すれば効果的に守れるかもしれない。ただし、防御側が待ち構えているショック手榴弾の的にもなりやすいので注意が必要だ。

 「プロバンス」は開けた空間があり、防御側が防衛陣地を作りやすい。攻撃側は段差のある障害物を活用すると位置を察知されにくいように感じた。この段差をうまく活用することで解除しにくい場所に爆弾が仕掛けられるし、爆弾を仕掛けられれば、攻撃側が防御側を迎撃する形になる。開けた場所だけに敵を視認しやすい。防御側は爆弾近付くため、姿の見えない敵がどこに潜んでいるか、かなりの注意が必要となる。

 紙投げ氏は爆弾を設置し、それを解除しようと近づくプレーヤーを倒す位置に隠れるのがうまかった。抹茶氏は敵を探すためには弾数だ! ということでガトリングガンを持ち出し連射していた。しかしガトリングガンといえど、長時間連射すると弾切れを起こしてしまうため敵をあぶり出すという所まではいかなかった。

 プレーヤーの感想として抹茶氏は「インビジブルモードはわいわい楽しめるモードだと感じました」と語った。紙投げ氏は「僕や抹茶くんのようなコアプレーヤーは基本的に爆破モードで勝敗を突き詰めるタイプなのですが、そういうプレーヤーでも手軽に楽しめるモードなのではないかと」とコメントした。紙投げ氏は赤チームがかなり有利ではないかと感じていたが、実際プレイすると青でもきちんと戦えるのがわかったとのこと。ヘッドフォンでプレイすることで、息づかいからきちんと敵がわかるという。

 コツとしては防御側はやはり音に注意するのが一番で、攻撃側はしゃがみ移動だと的が小さくなって有利だ。抹茶氏は「こちらの位置を確認しようと防御側は怪しい場所を撃つので、1回弾を撃った場所に隠れるのは良いかもしれない」と語った。心理戦の駆け引きも面白そうだ。紙投げ氏は「爆弾設置を禁止して、攻撃も防御ナイフだけのバトルは楽しいんじゃないか」というローカルルールを提案した。

 抹茶氏や紙投げ氏はニコニコ動画で実況しながらもプレイするのだが、対戦するプレーヤーは彼らに勝つために実況を見てプレーヤーの位置を特定して倒すことに夢中になることも多いとのこと。このためゲームの楽しさを伝える一方で、実況プレーヤーはとても不利となってしまうため、実況プレイはゲームとして完全に楽しめない側面もある。しかしインビジブルモードならば実況でも勝敗をあまり気にせず楽しめるし、実況画面も面白くなるかもしれないとのことだ。

 紙投げ氏、抹茶氏が特にオススメしたい部分は“称号”とのこと。インビジブルモードでは“亡霊”、“透明人間”など新称号が追加されているので、これらを取りたいというプレーヤーはぜひ挑戦して欲しい。抹茶氏は「わいわい楽しめるモードなので一緒に楽しみましょう」。紙投げ氏は「このモードで僕に勝てる人はいないんで、皆さん楽しくやりましょう」とファンにメッセージを語った。

【インビジブルモード】
こちらは「第3補給倉庫」のマップ。姿を見せずに標的に迫るのは楽しい。一方狙われる立場だと怖く、息づかいが聞こえてくると怪しげな所に向かって銃を思わず乱射してしまう
こちらはプロバンス。開けた空間と、障害物をどう活用するかが鍵となる
ショック手榴弾に当たった瞬間。手に持っていた武器を落としてしまう
こちらは検証用。この位置でもう息づかいが聞こえる。現在は女性の声の息づかいのみだが、エクストラボイスで“含み笑い”などが追加されると楽しいかもしれない

(勝田哲也)