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ネクソン、オンラインFPS「サドンアタック」オフライン決勝戦を開催
1,028のクランの頂点に立ったのはファンおなじみの強豪クランNabD
(2013/12/16 00:00)
ネクソンは12月15日、オンラインFPS「サドンアタック」日本公式大会SACTL(Sudden Attack Clan Tournament League)のオフライン決勝戦を渋谷ヒカリエで開催した。
イベントには1,028の参加クランから勝ち進んだ4クランが集結し、「サドンアタック」日本最強クランの座を競った。今回の会場には500人以上の観客が集まり、声を上げて選手達を応援した。試合は準決勝2試合に決勝の合計3試合と、試合数そのものは少なかったが、内容は濃く、非常に熱い戦いが繰り広げられた。
上級者同士が火花を散らす決勝大会。観客席からは大きな感嘆の声が上がる
今回オフライン決勝戦に参加した4クランは、「Adult.V」、「iZoNe」、「Kmn-Gaming」、「NabD」。実況と解説はyukishiro氏と、Kinko氏が行なった。勝ち抜いたクランはこれまでの大会でも勝ち進んでいる「サドンアタック」ファンにはおなじみのクラン達だ。観客達の中に友人も多いようで、会場から盛んに声援を浴びながら選手達は戦いを繰り広げていた。
会場となったヒカリエホールは広い空間に600以上の座席を用意し、大きなモニターで観戦が楽しめた。イベントの人気は高く、500を超える観客が会場を訪れた。解説のKinko氏はこれまで活躍していたプレーヤーで、「○○選手はエイムがすごい」など、出場選手の注目ポイントをピックアップし試合を盛り上げた。
オンラインゲーム大会は、会場の関係でスペース的に小さくなってしまったり、観客席を用意できない事もある。今回は快適な観戦環境を提供し、さらに観客に向かって協賛企業もしっかりと紹介するという、オフラインイベントの運営・進行そのものの完成度の高さを感じた。
そして今回の試合で驚かされたのは選手達の巧みさである。姿が見えた敵を的確に射貫く反応速度の速さ、仲間との連携しかもその息の合った2人をまとめて倒す状況などもあり、選手達全体の力量の高さを感じた。様々なFPSのイベントがあるが、選手の巧みさ、観客の熱さなどで他のタイトル以上の熱気を感じた。
「サドンアタック」はレガシーなタイトルであり、グラフィックスは古く、演出もシンプルだ。しかしそのマップの中で戦う選手達の動き、連携、勢いなどはとても見応えがあった。観戦システムもしっかりしており、マップでの選手の動きや、選手達全員のステータス、プレーヤー達には見えない敵の位置もわかり、試合の流れがつかみやすかった。
準決勝第1試合のiZoNe対Kmn-Gamingはどちらかがポイントを取ると、もう片方が取り返すという一進一退の展開となった。試合開始直後、グレネードや、スモークグレネードの投げ合いになり、その後お互いが肉薄して戦う。どの選手がどこを守るか決めてあり、お互い相手を待ち構えながら、一瞬の隙を突いて肉薄する。
試合は5対5で行なわれる。各チームのスナイパーライフルの所持は2丁までで、アサルトライフルを持つメンバーが突っ込み、スナイパーライフルを持つメンバーがフォローするという形で戦う。仲間と固まり連携を重視するクラン、個人技を重視するクランと言った傾向も見られた。アタッカーメンバーのスピードの速さや、スナイパーの的確さなど、FPSの猛者のすごさを感じさせられた。
試合は1つのマップで5ラウンドごと攻守を交代して進行する。ポイントが接戦の場合は延長ラウンドでの戦いがある。iZoNe対Kmn-Gamingは実力的にはほぼ同じレベルのように見えたが、各ラウンドでぎりぎりのところで勝つのはいつもiZoNeだった。第1セットはもつれにもつれたものの、勢いに乗ったiZoNeがそのまま2セットも取り決勝進出を決めた。
準決勝第2試合は、「Adult.V」対「NabD」はNabDの圧勝だった。第1セットAdult.Vは1ラウンドもとれず、第2セットで何とか食い下がろうとするもNabDは全く寄せ付けなかった。実はNabに関しては今回の予選大会で調子が上がらず、準決勝で負けてしまうのではないか、という声もファンの中にはあったという。しかし結果としてそういった不安の声をはねのける見事な勝利を収めた。こうして、決勝はNabD対iZoNeとなった。
守りのiZoNeと攻めのNabD、最終戦は白熱の攻防
決勝でぶつかることとなったNabDとiZoNeは様々な「サドンアタック」の大会での上位を占めるクランであるが、直接対決は2年ぶりだという。iZoNeはメンバーの連携に定評があり守りが強く、NabDは勢いに乗ったときの攻めの強さの評価が高い。今回はどちらが勝つのか、ファンの見守る中試合がスタートした。
第1セットはiZoNeがその強さを見せつける結果となった。MAPは「ドラゴンロード」という香港の街を思わせるネオンきらめく市街での戦いなのだが、iZoNeは看板をよじ登り、高低差を使っての攻撃が実に巧みなのだ。NabDは1ラウンドしかとれず、第1セットを落としてしまった。
第2セットのマップは「第3補給倉庫」。コンテナなどの障害物が多い地形だが、NabDは速攻で1ラウンドを取り、さらに2ラウンド目はメンバーを3人倒された状態から逆転する。ここで流れが変わったのか、NabDの各選手の動きが良くなり、前のセットの苦戦が嘘のような強さを見せつけて2セットを取った。
今回の大会初めての第3ラウンドまでもつれ込む戦いとなった。前のセットで勢いづいたNabDをiZoNeは必死に押さえ込もうとする。前半iZoNeが取得ラウンドで上に行くが、NabDは食いつき、そこからさらに逆転する。倒し倒されぎりぎりの戦いの中、NabDがわずかにリードする。両チームとも大きくメンバーに声をかけ、会場もヒートアップする激戦となった。
戦いの中、徐々にNabDがリードを大きくしていった。iZoNeは追いつこうと戦うが、NabDはそこからさらに押し、勝利をもぎ取った。勝利が決まった瞬間、会場の喚声の中NabDのメンバーは肩をたたき合ってお互いの健闘をたたえた。NabDのリーダでありMVPに選ばれた抹茶選手は「今回はかなり練習した。試合で練習の形になったかというと、そうではなかったが、連携などメンバーの動きが良かった」とコメントした。
今回のイベントでは、選手やファンの熱さが強く印象に残った。あらためて「サドンアタック」の人気の高さを感じた。観戦環境の良さも評価したい。運営スタッフの経験の蓄積と、ユーザーへの意識を感じた。