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NVIDIA、ゲームイベント「GEFORCE eSPORTS」を上海で開催
中国もDirectX 11世代へ急速シフト。“GTX 780”を披露のサプライズも!
(2013/5/19 12:22)
NVIDIAは、5月18日から19日にかけ、中国・上海にてゲームイベント「GEFORCE eSPORTS」を開催し、世界的に人気のあるPCゲーム「League of Legend」、「StarCraft 2」、「World of Tanks」の大会を中心に、ゲームプレイを支えるNVIDIA製品の魅力を伝える様々な展示が行なわれた。
ゲームマーケットの大半をPCゲームが占める中国は、NVIDIAにとって重要な市場だ。特にネットカフェ向けのB2Bビジネスカテゴリーでは9割以上という圧倒的シェアを確保。近年では個人向けの販売も伸びてきていることから、NVIDIAの中国におけるGPUビジネスは金額ベースで日本の10倍という規模に成長している。
事実上、中国におけるGPUの独占に成功したNVIDIAにとって、次の1手はなんだろうか。本稿ではそのあたりも見えてきた本イベント全体の概要をお届けしていこう。
現地企業とのタイアップでDirectX 11フィーチャーを強力プッシュするNVIDIA
上海の大型ショッピングモール「Superbrandmall」にて開催された本イベントでは、メインステージで「League of Legend」、「StarCraft 2」、「World of Tanks」などの大会をはじめ、各種PCベンダーによる出展や、NVIDIA自身によるGeFoce/Tegraソリューションの展示が行なわれていた。
開会にあたって行なわれた基調講演では、NVIDIAのコンテンツ&テクノロジー担当上級副社長のTony Tamasi氏が登壇。PCゲームの最適設定を自動化する「GeForce Experience」から、クラウドゲーミングのバックボーンとなる「NVIDIA GRID」、6月に出荷が予定されているポータブルゲーム機「NVIDIA SHIELD」など、NVIDIAが提供するゲームソリューションを包括的にアピールした。
その中で特に注力して紹介されていたのが、DirectX 11フィーチャーに対応するゲームタイトルの数々だ。その皮切りとして、3月のGDC 2013で初公開となったEpic GamesのUnreal Engine 4デモ「Infiltrator」を上映。続いて、中国内の大手オンラインゲーム企業であるGIANT Networksの新作FPS「Preemptive Strike」のプレゼンテーションが行なわれた。
「Preemptive Strike」はCrytekのゲームエンジン「CryEngine 3」を使用して開発されているタイトルだ。テッセレーションの使用を始め様々なDirectX 11フィーチャーの実装が行なわれており、従来の中国製ゲームタイトルとは一線を画する映像品質を実現している。
こういった取り組みの中でカギとなるのはNVIDIAによる開発協力だ。NVIDIAでは数十社にものぼるの中国内の現地デベロッパーへの開発協力を進めており、各タイトルにおけるDirectX 11フィーチャーへの対応を強力に推進している。
その狙いは、既に圧倒的なシェアを誇っている中国内のGPU市場において、今後は新世代GPUへのアップグレードを促すことにあると見られる。別会場で行なわれたプレスカンファレンスでは中国大手のShanda Networksが開発するMMOARPG「Age of Dawn」についてもDirectX 11対応が謳われ、この取り組みが幅広い企業・ゲームジャンルに広がっていることを改めて確認できた。
並行してNVIDIAでは、Tegraファミリによるモバイル分野の展開にも本腰をいれていくようだ。その象徴となるのはポータブルゲーム機「SHIELD」(関連記事)。これは今後急速な普及が期待されるクラウドゲーミングに最適な端末として最右翼となっている存在だ。
「SHIELD」については基調講演内でプレイデモが披露されたほか、会場内のNVIDIAブースに10台以上の試遊機が用意され、そのルック&フィールを実際に確かめることもできた。このさらに詳しい情報を別稿でお届けする予定だ。
基調講演の最後には未発表の新製品がお披露目されるというサプライズも用意されていた。急遽登壇したNVIDIAのGeForceジェネラルマネージャー、Scott Herkelman氏が「これについて今は何も話せない」としつつ、誇らしげにグラフィックスカードを掲げる。そこに「GTX 780」の刻印が確認できた。
当日はこれ以上の情報開示がなく、現時点のファクトは「GTX 780の刻印が施されたグラフィックスカードらしきものが披露された」という内容に留まるが、会期中にさらに詳細な情報が得られれば別稿でお届けしていきたい。