SCEJ、「SCEJ Press Conference 2012」開催

新型PS3、未公開新作タイトル、TGS出展情報などを発表


9月19日 発表

会場:品川インターシティホール



 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEJ)は、プレイステーションプラットフォームの販売戦略発表会「SCEJ Press Conference」を品川インターシティホールにて開催した。会場ではハード、ソフト、東京ゲームショウ2012出展ブース情報など多彩な発表が行なわれたが、まずはハードウェアに関する発表から順次お伝えしていく。


■ 軽量・コンパクト化された新型PS3が登場! PS Vitaは新色投入、PSPはプライスダウンで幅広い層にアピール

アンドリュー・ハウス氏と新型PS3

 本発表会最大の目玉は、速報などでもお伝えしたように新型PS3(CECH-4000)の発表だろう。株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント代表取締役 社長 兼 グループCEOのアンドリュー・ハウス氏は「現行機能はそのままに、さらなる小型化を実現。デザインを一新しました。これが新たに生まれ変わったプレイステーション 3です」と新型PS3を公開。

 本体各部の構造を見直し新たな設計デザインを行なったことで、初期型比で50%、現行機種比で25%の小型化と20%の軽量化を実現したという。搭載HDDは、現行機種の320GBが500GBに、160GBが250GBにそれぞれ容量アップ。アンドリュー氏は「好きなゲームをPlayStation Storeからダウンロードしたり、音楽、写真、動画などのコンテンツをどんどん保存してお楽しみください」とコメント。

 本体カラーはチャコール・ブラックとクラシック・ホワイトの2種類。クラシック・ホワイトは250GBモデルのみとなる。価格は500GBモデルが29,980円、250GBモデルが24,980円。発売日は日本が10月4日、北米が9月25日(250GB:269ドル。ソフトウェアタイトル同梱版のみ発売)と10月30日(500GB:299ドル)、欧州が9月28日(500GB:299ユーロ)。なお、欧州のみ10月12日にフラッシュメモリ12GBを搭載した独自モデルが発売される。価格は229ユーロ。

 新型PS3関連では、この他にも国民的ゴルフゲーム「みんなのGOLF 6」をセットにした「PlayStation 3 スターターパック」が11月22日に発売される。カラーはチャコール・ブラックとクラシック・ホワイトの2種類で、いずれ250GB搭載モデル。価格は25,980円。

 PS Vitaは、ユーザーから要望が多かったという新カラーが登場。バリエーションは「コズミック・レッド」と「サファイア・ブルー」の2色で、11月15日に発売される。価格は3Gモデルが29,980円、Wi-Fiモデルが24,980円。

 発売から9年目を迎えるPlayStation Portable(PSP)は、ユーザー層の広がりをさらに加速すべく、9月8日より本体価格が13,800円、バリューパックが14,800円に価格が改定される。


【新型PS3】
初期型はもとより現行機種比でも大幅な小型軽量化に成功した新型PS3。ハードディスクの容量アップも嬉しい
11月22日に発売される「PlayStation 3 スターターパック」。250GBモデルに「みんなのGOLF 6」が同梱される
上写真はモックなので動かないが、実際の製品は上面パネルがスライドしてディスクをセットする仕組みになるという

【PS Vitaに新色登場】
ファン待望の新カラーが登場! 「コズミック・レッド」と「サファイア・ブルー」の2種類が用意される

【PSPは価格改定】
PS Vita発表時「(今後PSPは)PlayStationフォーマットの入門機として位置づけられる」と説明があったとおり、よりお求めやすい価格にプライスダウン

 なお、各ハードウェアの詳細については本日掲載の各記事「新型PS3」、「PlayStation 3 スターターパック」「PS Vita新色」、「PSP値下げおよび新色発売」をご参照いただきたい。


■ マーベラスAQL、コーエーテクモ、バンダイナムコゲームスが未発表新作を公開!

 新型PS3に続いて来場者を驚かせたのは、未発表タイトルの数々。株式会社マーベラスAQLが3タイトル、株式会社コーエーテクモゲームスが1タイトル、株式会社バンダイナムコゲームスが2タイトルをそれぞれ初公開した。


●マーベラスAQL ~PS Vita「ヴァルハラナイツ3」、PS Vita「閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の真影-」、PS Vita「朧村正」

はしもとよしふみ氏

 マーベラスAQLは、一挙3タイトルを発表。デジタルコンテンツ事業部CCOのはしもとよしふみ氏によれば「6月にダウンロード専売タイトル『アサルトランナーズ』を発売させていただいた。状況も好調で、今回PS Vitaに本格参入させていただく前準備が整ったのかな、と思っています」と説明する。

 PS Vita「ヴァルハラナイツ3」は、2006年にPSPでリリースされたファンタジー・アクションRPGのシリーズ最新作。はしもと氏は「原点回帰という部分も含め、プレーヤーを繰り返しカスタマイズして敵にチャレンジしていく魅力を突き詰めるべく現在制作中。画面クオリティの大幅な向上はもちろんだが、今まで触れていなかった“大人の空間”が存在する。バトル、フィールド、大人の空間。男性には喜んでいただける、かなり過激なタイトルになっている」という。2013年初頭発売予定で、予定価格は6,980円。

 PS Vita「閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の真影-」は、昨年リリースされた人気アクション。PS Vita版は新シリーズとして展開されるという。「PS Vita、色々な性能(機能)がございます。色々な部分での限界にチャレンジして制作していきたいと思っております」とはしもと氏は心強いコメントを披露。2013年2月28日発売予定で、予定価格は6,980円。

 PS Vita「朧村正」は、2009年に発売された和風剣戟アクションRPG。2Dの緻密なグラフィックと爽快感あふれるアクションが特徴。PS Vita版は、発色が難しい中間色を有機ELで美しく表現。追加コンテンツの配信も予定されている。2013年3月28日発売予定で、予定価格は4,980円。


未発表3タイトルを一挙公開。個人的には「ヴァルハラナイツ3」の“大人の空間”がとても気になる……

●コーエーテクモ ~PS Vita/PSP「討鬼伝」~

鯉沼久史氏

 「まずはティザー映像をご覧ください」と切り出したプロデューサーの鯉沼久史氏。着物姿の美しい女性が、刀を武器に巨大な鬼と渡り合う迫真の映像が展開されていく。

 鯉沼氏は「当社開発チーム『ω-force』がPSプラットフォーム専用として制作中の完全新規プロジェクト。当社が得意とする“和と歴史”がキーワード。オリジナル世界を舞台に、強大な異形の敵“鬼”を討つべく激しい戦いを繰り広げるアクションゲーム。無双など当社従来シリーズとは位置づけが異なる」とコメント。

 続けて「敵を断ち切る、貫く、打ち砕くといった本能を刺激するダイレクトなアクション表現が最大の特徴。かつてない迫力と爽快感をお楽しみいただけるよう、現在鋭意開発を進めている。PS Vita、PSPの2機種で同時発売予定。PS Vita版は専用グラフィックリソースを用意し、携帯ハード最高水準のクオリティを実現する。各種機能を活用して没入感を高める、さまざまな仕掛けを準備中。クロスプラットフォームにも当社として初対応する」と説明。2013年発売予定。


コーエーテクモゲームスでは、本作だけでなくPS Vitaタイトルを数多く取り揃えるべく準備しているという。続報が非常に楽しみだ

●バンダイナムコゲームス ~PS3/PS Vita「ガンダムブレイカー」、PS Vita/PSP「GOD EATER 2」~

稲垣浩文氏

 「今までのガンダムゲームの常識を覆すところから“破壊”をテーマに始めた企画」という本作。ゼネラルマネージャーの稲垣浩文氏は「モチーフはガンプラです。ガンプラだからこそできる、今までのガンダムゲームの枠にとらわれない遊びを実現する。本日はその一部分をご紹介したい」とコメント。

 一部分として説明されたのが「破壊」、「戦場」、「スケール」の3点。破壊については「今までも部分的に破壊できるものはあったが、今回は頭や腕が吹っ飛ぶ大胆かつ爽快感あふれるアクションゲームを目指したい。ガンダムのプラモデルですので、腕のパーツなどこだわった仕掛けを作っていきたい」と説明。

 戦場は、従来の世界観やストーリーの再現から「ガンプラなので“ジオラマ”の世界で戦う。原作のシチュエーションも再現するが、1/1ガンダムが立っているダイバーシティ東京の前で戦闘が行なわれるとか、そういったことが可能になる」と説明。スケールは「ガンプラは1/144、1/100、1/60などサイズの違いがある。ゲームでは1/144ガンダムが1/60ガンダムに挑むなど、スケールの違いによる迫力ある戦闘を楽しんでいただきたいと考えている」という。

 PS3とPS Vitaの連動など、まだまだ話したいことがあるという稲垣氏。本日より公式サイトとツイッターが設置されるので、興味がある人はぜひチェックしていただきたい。


ガンプラをモチーフにした、従来のガンダムゲームにはない斬新な切り口が特徴。ある意味、かつてないほど自由度の高い作品といえるかもしれない

富澤祐介氏

 ディビジョンマネージャー/プロデューサーの富澤祐介氏は、PS Vita/PSP「GOD EATER 2」を発表。上映されたムービーでは、シリーズならではのスピード感あふれる戦闘シーンが畳み掛けるように展開されていく。

 富澤は「PSPで開発していたが、PS Vitaでも発売が決定した。両機種版でクロスプラットフォームに対応。相互の機種をまたいだ協力プレイ、アバター好感がこれまで通りできる。アドホックパーティにも対応する」と説明。

 続けて「PS Vita版はグラフィックスを強化。各ハードのインターフェイスにあわせて操作性を最適化する。それ以外はどちらも同じ内容を楽しんでいただける」といい、将来的なハードの買い替えなどを考慮しハード間でのセーブデータの共有、移動も検討中としている。両機種版とも2013年発売予定。


詳細は明日の東京ゲームショウ2012にて紹介するとコメント。これまた非常に楽しみだ

■ PS3「ソウル・サクリファイス」は発売延期も体験版を今冬配信!

稲船敬二氏

 5月の発表以来、ファンが続報を待ち焦がれているPS3「ソウル・サクリファイス」では、株式会社conceptの稲船敬二氏が登場。本作は東京ゲームショウ2012の同社ブースに4人マルチプレイが楽しめるバージョンがプレイアブル出展される。

 発売日は「ただ単に遅れていますということではない。東京ゲームショウ2012でプレイしていただければ大変面白い作品になっているいことがおわかりいただけると思う。もっと多くの人々に触っていただき、たくさんの意見を取り入れてもっといいゲームにしたい(稲船氏)」ことから、今冬から2013年に延期された。

 ただし「申し訳ないという気持ちもあって(稲船氏)」今冬に体験版がリリースされることが明らかにされた。「ぜひたくさんの人に遊んでいただきたいと思っています」という稲船氏。河野氏は「このタイトルを大事に育てたい、ローンチさせたい」とコメント。少しでも早く触れたい人は、東京ゲームショウ2012同社ブースにてぜひ本作をプレイしていただきたい。


残念ながら発売延期となってしまったものの、体験版が今冬配信されることが決定

【ロゴおよびスクリーンショット】

■ 東京ゲームショウ2012出展情報 ~コンセプトは「一遊入魂(ONE PLAY NYU-KON)」~

河野弘氏

 「今年も豊富なタイトルラインナップをご用意しています」という、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン プレジデントの河野弘氏。

 試遊が可能なタイトル数は、PS3が30タイトル、PS Vitaが27タイトル、PSPが3タイトル、PlayStation Mobile専用コンテンツが15タイトル。なかでも「ソウル・サクリファイス」は試遊台30台を用意するという念の入れようで、SCEJがいかに本作を重要視しているかが伝わってくる。

 「試遊以外のも特別なイベントを用意している」と前置きして説明されたのが「一遊入魂(ONE PLAY NYU-KON)」。今後の注目タイトルについて「ここでしか見られない臨場感満点のプレイを最強の演出とともにお送りするステージイベント」といい、一例としてプロゲーマーによる試合(ストリートファイター × 鉄拳)、開発ディレクターによる華麗なデモプレイ(バイオハザード6)、女性ギタリストによるテクニックの披露(ロックスミス)、開発陣によるマルチプレイ(ソウル・サクリファイス)、生トロが屈強なキャラクターたちに挑む(プレイステーション・オールスターズ)、などのプログラムが明らかにされた。

 また、PS VitaのAR機能を用いた体験型の謎解きイベント「東京ゲームショウ探偵団 消えた女スパイを探せ!」も実施される。参加希望者は専用アプリをインストールしたPS Vitaを持参し、TGS会場のSCEJブース内に設置されたさまざまな謎に挑戦。女スパイを探し当てた人には、抽選で100名にプレイステーションネットワークチケット2,000円分がプレゼントされる。

 同社では、来場できない人向けにスペシャルサイトにてストリーミング配信を実施。「一遊入魂(ONE PLAY NYU-KON)」の一部ステージ、会場限定映像などが楽しめるとしている。


多数のタイトルと試遊台を用意。「ソウル・サクリファイス」の30台は圧巻だ

一般公開日は多数のステージイベントを予定。一部はスペシャルサイトでもストリーミング配信される

PS Vitaに専用アプリをインストールして参加する体験型イベントを会場にて実施。興味がある人はインストール済みのPS Vitaを持参しよう

■ 河野氏が年末商戦向けタイトルなどを紹介 ~ゲーム以外のコンテンツも充実~

 発表会では、河野氏が「これはごく一部。すべてのタイトルを紹介しきれませんが」と前置きしつつ、年末商戦向けの話題作、注目作を紹介。

 実際のエレクトリック・ギターを入力デバイスとして使用するUbisoft「ロックスミス」、E3にて発表されたPS Move専用タイトル「Wonderbook:Book of Spells」、「リトルビッグプラネット2(PS3とPS Vitaによるクロスプレイ)」は、それぞれステージにて実演が行なわれた。

 ゲームコンテンツ以外では、音楽配信サービス「Music Unlimited」と映像配信サービス「Hulu」、カラオケ配信サービス「JOYSOUND DIVE」に言及。いずれも定額制のリーズナブルな価格が利用者から好評を博しているという。



■ PlayStation Plus ~11月よりPS Vitaに対応~

 PlayStation Networkにてさまざまな特典が利用できる定額制サービスパッケージ「PlayStation Plus」。今回、11月よりPS Vitaに対応することが明らかにされた。

 利用権は、日本が500円(30日)と5,000円(365日)、北米が17.99ドル(90日)と49.99ドル(365日)、欧州では14.99ユーロ(90日)と49.99ユーロ(365日)、アジアでは38香港ドル(30日)、233香港ドル(365日)。

 なお、すでにPS3でPlayStation Plusを利用している既存会員は、追加料金を支払うことなくPS Vitaでもサービスが利用できる。PS Vitaで新規会員になったユーザーも、同様にPS3でサービスが利用できるとしている。詳細については本日の弊紙記事をご参照いただきたい。


■ PlayStation Mobile ~10月3日より9カ国で配信開始~

 “クロスプラットフォーム”、“クロスデバイス”をキーワードに、プレイステーション専用デバイス以外にプレイステーションの世界を展開していく同社の新たな取り組みのひとつ。

 10月3日より、日本、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オーストラリアの9カ国にて専用コンテンツの配信が開始される。日本向けの価格は「50円~850円までのお求め安い価格帯での提供を予定している(アンドリュー氏)」といい、会場ではPlayStation Certifiedライセンスプログラムにシャープ株式会社と富士通株式会社が新たに参入することが明らかにされた。


■ PlayStation Networkの未来像 ~米Gaikaiの買収によりクラウドサービスを強化~

 発表会の途中、アンドリュー氏は「少し未来の話をしましょう」と前置きしつつPlayStation Networkの現状を説明。2012年6月現在、世界59の国と地域で展開され、使用言語数17、使用通貨数30、全世界累計コンテンツダウンロード数24億以上、累計売り上げ金額は2,010億円以上を達成しているという。

 今年7月に発表されたa href="http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20120702_544284.html">米Gaikai Inc.の買収は、こうした成功を今後さらに推し進めるためのものだという。アンドリュー氏は「SCEは今後、Gaikaiの技術や人材を活用しながら、新しいクラウドサービスを立ち上げ、ユーザーの皆様にゲームをお届けする方法や遊び方そのものまで変えるような、今までにない楽しみ方を提案していく」とコメント。

 続けて「快適なサービスをお届けするうえで、クラウドゲームのレインテシーを低く抑えることはとても重用。Gaikaiはその最先端技術を保有している。その技術と私たちがこれまで得た経験の融合から生み出されるクラウドサービスを通じて、さらに可能性を広げ、世の中のあらゆるネットワーク対応機器の魅力を高めていきたい。このサービスを1日も早くご覧いただけるよう、急ピッチで開発を進めている。All day PlayStation, Everyday PlayStation。ご期待ください」と締めくくった。


■ その他の主な発表内容

【アプリ「ニコニコ」がニコニコ生放送に対応】【コミックが読めるアプリ「Reader Store」】
PS Vitaのカメラとマイクで実況生放送を実現。会場では実機を使った動作デモが行われた。2013年配信予定PS Vitaでコミックが読める配信サービス。当初は約3,000冊を用意。10月中旬予定

(C)Sony Computer Entertainment Inc. All Rights Reserved.

(2012年 9月 19日)

[Reported by 豊臣孝和]