「Xbox 360 『大』感謝祭 2012 夏」ステージイベントレポート
「バイオ6」はプレーヤーを襲えるモードをデモ、「怒首領蜂 最大往生・完」はオリジナルモードに注力
「Xbox 360 『大』感謝祭 2012 夏」の初日である8月24日には、カプコンの「バイオハザード6」、ケイブの「怒首領蜂 最大往生・完」のイベントが行なわれた。内容的に事前に行なわれたプレス向け発表会と重なる情報も多かったが、本稿では新情報にフォーカスしてレポートしたい。
「バイオハザード 6」はプレイステーション 3/Xbox 360用サバイバルホラーで、10月4日発売、価格は7,990円 、CEROレーティングはD(17歳以上対象)。「怒首領蜂 最大往生・完」はXbox 360独占で、2013年春発売予定。価格は未定。
「バイオハザード 6」では、新たなゲームモード「AGENT HUNT」が明らかになった。また、カプコンのプロデューサー平林良章氏によるデモプレイも行なわれた。「怒首領蜂 最大往生・完」のイベントでは、ケイブのプロデューサー浅田誠氏に加え、ゲーム内キャラクター「シュリ」を演じた声優のゆかなさんが登場した。
■ 「バイオハザード 6」それぞれのテーマを持った4つのキャンペーン。新モードも明らかに
カプコン「バイオハザード 6」のプロデューサー平林良章氏 |
他のプレーヤーを襲える「AGENT HUNT」モード |
「バイオハザード6」ではカプコンのプロデューサーの平林氏がゲームの特徴を語った。本作は4つのキャンペーンで進行する。クリス、レオンというこれまでの作品での主人公のストーリーに加え、ウェスカーの息子であるジェイク、そして謎の女性エイダの4つのストーリーが用意されている。
エイダのストーリーは他の3人のストーリーで残っている謎に触れるものだという。このためエイダのストーリーは3人のキャンペーンをクリアしてからプレイできるようになる。3人のストーリーもそれぞれクロスオーバーし、他のキャラクターをプレイすることで、彼らが出会うまで何をしていたか、そして出会った後、何をしていくか他のキャンペーンをプレイしていくことで厚みが出る。
4人のキャラクターのストーリーにはそれぞれテーマがあり、レオンは探索が多い、昔からの「バイオハザード」のスタイル。クリスはパワフルなプレイが楽しめる。ジェイクは常に何者から追われ、追い詰められていくという。エイダのテーマはまだ秘密とのことだ。
平林氏はジェイクのデモプレイを行なった。極寒の地で怪物達に追い詰められ、ジェイクと相棒のシェリーは籠城戦を行っていく。ジェイクは武器に加え「素手」が選べ、強力な格闘攻撃で怪物達を殲滅できる。しかし数が多いため、追い詰められ、突破口として山小屋の壁に手榴弾を押し込み、壁に大穴を開けて脱出する。
しかし、それと同時に大雪崩が起き、今度は膨大な雪が襲いかかってくる。ジェイクとシェリーはスノーモービルに乗って離れる。しかし一瞬のミスが命取りになり、ジェイクは雪にのまれてしまった。平林氏はしょんぼりとして、「開発チームにきっと突っ込まれる……」。どうやら無事に脱出してデモを終える予定だったようだ。
イベントではゲームの基本要素の他に、「AGENT HUNT」というゲームモードのデモを行なった。キャンペーンをクリアすると選べるようになるモードで、他のプレーヤーが進めているキャンペーンに“敵”として参加できる。「バイオハザード 6」ではプレーヤーがあらかじめ設定しておくと、オンラインを通じていつでも他のプレーヤーがキャンペーンに参加できるようになる。協力プレイだけでなく、「AGENT HUNT」はストーリーを進めているプレーヤーを攻撃できる。
この時、ゾンビなども選べるが、今回紹介されたのは進化する怪物B.O.W。プレーヤーがB.O.Wの時、最初は格闘に優れた人間、という感じだったのだがダメージを受けると身体が醜く、そして不気味に変化していく。そして最終的には原型が人間だったとは思えない体中にトゲを生やした獣のようになってしまった。人間側プレーヤーはB.O.Wプレーヤーと対決してるときはできるだけ大きなダメージを与えることで進化する前に倒せる。B.O.Wの方は、ダメージを受けるのは大きなピンチだが、進化できるチャンスとなる。キャンペーンを対戦プレイの場所として遊ぶことも可能になるのが、「バイオハザード 6」の新要素だという。
最後に平林氏はファンに向かって、「これからXbox 360先行配信DLCなど、いろいろな情報を出していきますので、興味を持って待っていて下さい」と語りかけた。
平林氏によるジェイクのプレイ。閉鎖空間での戦いから、スノーモービルへ | ||
こちらは、「AGENT HUNT」。ダメージを受けていくと、キャラクターがどんどん異形の者に変わっていく |
■ 「怒首領蜂 最大往生・完」の新モードはプロデューサーの浅田氏の“意地”による間口の広い難易度を実現
ケイブの「怒首領蜂 最大往生・完」のプロデューサーの浅田誠氏 |
プレーヤーを補佐するエレメントドール「シュリ」を演じた声優のゆかなさん |
「怒首領蜂 最大往生・完」のイベントでは、ケイブのプロデューサー浅田誠氏が登壇し、ゲームの紹介を行なった。「怒首領蜂 最大往生・完」は2012年4月から稼動しているアーケードゲームで、Xbox 360に移植が決定したのは8月だという。このため、グラフィックスのHD化、オリジナルモードの搭載、そして新キャラクターの追加は決まっているものの、開発作業そのものは9月からの予定だという。
浅田氏は2012年5月24日にXbox 360用に発売したシューティングゲーム「虫姫さま」がXbox 360向けの最後の仕事になる、と感じていたのだが、日本マイクロソフトと話していく中で、「怒首領蜂 最大往生・完」の移植を決定したという。
「怒首領蜂 最大往生・完」は“敵の弾を避ける”というシリーズの原点に戻った作品であり、しかし一方で難易度が上がり、ファンの評価は得たが、間口の狭い作品という一面ももってしまった。オリジナルモードでは間口を広げるために、単純な簡単さではない方向性を探していきながら開発していくという。
イベントではゲストとして、プレーヤーを補佐するエレメントドール「シュリ」を演じた声優のゆかなさんが登場した。ゆかなさんは開口一番、「派手に行くわよ」とゲーム内のセリフを言い、会場のファンの拍手を浴びた。シュリは機体に付属し、プレーヤーのサポートを行なう少女の姿をした“サポートシステム”だが、プレーヤーに命令するような高飛車なセリフの多いキャラクターだ。
ゆかなさんは「シュリはサポートシステムだけど、立場としては対等のつもりで演じました」と語った。そしてお気に入りのセリフとして「ボンバー投下」というセリフを披露した。本当はゲームを進めていくと変化していくシュリのセリフを出したかったのだが、ネタバレになるためやめたとのことだ。ゆかなさんは普段の声は柔らかい声なのだが、シュリの声の時は凛々しく変わる。声優達の熱演も注目ポイントだ。
浅田氏はオリジナルモードにかなり思い入れを持っているようで「易しいではなく、“マイルド”」という難易度を模索しているという。今も様々なアイデアを練っていると言うことだ。「ソーシャルゲームが今は流行っているけども、一方で『ゲームのクリエイターなめんなよ』という想いがあり、自分の意地を見せたいと思う」と、自身のゲーム作りへの熱い想いを語った。
「怒首領蜂 最大往生・完」は開発バージョンとして、Xbox 360で動くバージョンが作られていた。製品版はここからグラフィックスをHD化してオリジナルモードなどを作り込んでいく。このため、アーケードと同じ現在のバージョンは公開しない予定だったが、急遽会場のユーザーに遊んでもらうために公開を決めたという。「Xbox 360版は、『怒首領蜂 最大往生・完』を評価してくれたユーザーさんがたくさんいたから実現しました。ユーザーの期待に応える作品にしたいと思います」と浅田氏は最後に語った。
Xbox 360で動くアーケード版の「怒首領蜂 最大往生・完」。イベントの後は試遊台でも公開された |
(2012年 8月 24日)