セガ、体験会イベント“「初音ミク -Project DIVA- f」Touch & Try Tour 2012 summer”を開催
新曲「サマーアイドル」も楽しめる体験会をレポート


7月29日 開催

会場:東京・池袋GiGO


会場となった池袋GiGOのイベントフロアには10台の試遊台を用意。それぞれにヘッドホンが用意されており、好きな曲をじっくりと楽しむことができた。また、壁面には、すだれに初音ミクのお面や綿菓子のビニールなども吊されており、夏らしさを感じられる装飾が施されていた

 株式会社セガは、8月30日に発売を予定しているPlayStation Vita用リズムアクション「初音ミク -Project DIVA- f」(以下、「Project DIVA f」)を全国のセガアミューズメント施設で体験できるイベント、“「初音ミク -Project DIVA- f」Touch & Try Tour 2012 summer”を順次開催中だ。

 本イベントは、「初音ミク -Project DIVA-」(以下、「Project DIVA」)シリーズ初のPS Vita用のタイトルとなる「Project DIVA f」の体験会を全国11カ所にあるセガのアミューズメント施設で行なうというもの。今回は7月29日に東京・池袋GiGOで行なわれた体験会の模様をお届けする。

 本イベントの体験版では、これまでの体験会でプレイできた「Weekender Girl」(アーティスト:kz&八王子P)、「ワールドエンド・ダンスホール」(アーティスト:wowaka)、「ODDS&ENDS」(アーティスト:ryo)に加えて、新たに「サマーアイドル」(アーティスト:OSTER project)がプレイ可能となっていた。これらの4曲のうちから1曲を難易度EASY、NORMALのどちらかでプレイ可能となっており、1回あたりのプレイ時間は5分程度。体験プレイ後には、うちわとネックストラップという2つのオリジナルグッズをもらうことができた。

 気になる新曲の「サマーアイドル」を難易度NORMALでプレイしてみた感想としては、若干の同時押しや長押しがあるものの、基本的には速すぎないテンポと素直なリズムの譜面となっており、「Project DIVA」シリーズのファンならばクリア自体は簡単ではないかと思われた。ただし、ところどころに複雑なリズムの譜面があるため、簡単にはPERFECTを取ることはできなそうな印象。

 楽曲自体については、初音ミクと鏡音リンがビキニタイプの水着モジュールで、元気に歌って踊る内容になっており、コミカルながらストーリー性のある内容になっているだけでなく、最後にちょっとしたオチまで用意されており、プレイして非常に楽しい1曲となっていた。

 なお、同様の体験会は、まだまだ全国各地で開催される予定になっているので、今回のチャンスを逃してしまった方は、こちらの記事を参考に、近隣で開催される際には参加してみてはいかがだろうか。


体験会場の壁面に展示されていたタペストリー。「サマーアイドル」に合わせて水着姿のボーカロイドたちが描かれたものも用意東日本大震災で被災した東北の方へのメッセージを綴るコーナーも用意。熱心にメッセージを書き込むイベント参加者の姿も見受けられた会場の池袋GiGO1階にあるクレープ屋「Crazy Crape」では、初音ミクをはじめとしたボーカロイドたちが描かれた特製の包み紙にクレープを入れて販売していた



■ プロデューサー林氏とOSTER project氏へのミニインタビュー
  「Project DIVA」シリーズならではのこだわりに注目!

「Project DIVA f」の開発プロデューサーである株式会社セガの林誠司氏(写真右)と「サマーアイドル」の作曲者であるOSTER project氏(写真左)

 イベント会場には「Project DIVA f」の開発プロデューサーである株式会社セガの林誠司氏と、「サマーアイドル」のアーティストである、OSTER project氏が訪れており、報道陣向けに囲み取材を行う機会が設けられていた。お2人へのインタビューの内容についてもお届けしていこう。

――まずは林プロデューサーにお聞きしたいのですが、開発もひと通り終わられたということで、あとは発売日まで1カ月という状況ですが、今の心境はいかがですか?

林誠司氏(以下、林氏): 今までのシリーズで、1番準備期間の時間をかけた作品なので、ひと区切りついてホッと安心しつつ、発売に向けてできることを一所懸命やろう、やれることはなんでもやるぞ! という心境ですね。


――続いてOSTER projectさんにお伺いしたいのですが、今回「サマーアイドル」というこの季節にピッタリの楽曲を書き下ろしていらっしゃいますが、この曲はどのようなコンセプトになっていますか?

OSTER project氏: まずは「水着曲を作ってくれよ」というオファーを受けまして。どうせだったら今までやったことない感じの曲を作って、新たなところを開拓したいな、と思っていたところ、去年の夏に「ミクパ!」で北海道に行った際に、ホテルでの晩ご飯中にステージでビンテージロックの演奏をやっていて、「あ、これだ!」と思いまして。「夏でレトロな感じで、かわいい古臭いアイドルソングみたいなのを作ろう!」と思って制作しました。

――「Project DIVA f」をプレイしてみての率直な感想はいかがですか?

OSTER project氏: 今までの携帯機に比べて、すごくグラフィックスとかが綺麗になっていて、ビックリしました。

――スクラッチとかはいかがでしたか?

OSTER project氏: スクラッチも最初出てきたときは「これは何だ?」と思ってビックリしました(笑)。でも実際にやってみたら、面白い要素だなと思いました。


――林さんは「サマーアイドル」の楽曲を映像化する上で気をつけた点などはありますか?

林氏: まず、やっぱり最初に水着のモジュールを生かせる映像にしたいと思いまして、OSTER projectさんにお願いしたら、夏にピッタリの「これしかない!」という感じの曲をいただけたので、映像化に関しては全然困らなかったですね。すぐにアイデアが出て「リゾート風のところに2人でいて、ちょっと残念な女子(笑)」みたいなコンセプトで可愛らしくやろうという形で。これに関しては即決みたいな感じでした。

 なので、気をつけたのは、モーションを振り付けするときに、いかにも可愛らしくするか。特に最後の盛り上がりのところは可愛らしくて、しかも楽しいちょっとコミカルな感じになっているのですが、そういう夏のちょっと跳ねるような感じを出せるように、というのは気をつけましたね。


――OSTER projectさんにお聞きしたいのですけれど、「Project DIVA」シリーズ用の楽曲の依頼と、普段の楽曲の制作の違いみたいなものはありますか?

OSTER project氏: やっぱり、私は「こうしてほしい」という意図を汲んで曲を作るというのはどの仕事でもやっていることなんですけれども、特に「Project DIVA」っていえば、やっぱりボーカロイドのファンがプレイされるので、ボーカロイドの魅力とか可愛さだったり、かっこよさだったりを前面に出す楽曲を作るように心がけてはいます。

――ボーカロイドの魅力を引き出すというのは、具体的にはどのようなことでしょうか?

OSTER project氏: 今回の曲で言えば、すごくはっちゃけていて、百合展開とかになったりとかしている(笑)。ただ、あれって人間がやったら叩かれそうじゃないですか? ボーカロイドだから許されるというか、今回の曲とかは、そのボーカロイドならではの曲ではあるのかなとは思います。


――7月も終わりますが、これから夏本番になりますが、これから夏にやってみたいこととか遊びたいこととかはありますか?

OSTER project氏: プール行きたいです、暑いです(笑)。あと痩せたいです。ただ、仕事が忙しくていけなそうなんで……ビアガーデン行きたいです(笑)。

林氏: 野球を観に行きたいです。おっさんなんで、ナイターで野球観ながらビール飲むのが大好きなんですね! それが生き甲斐のような感じなので。あとは次もいろいろあるので、がんばって仕事もします。


――今回の「サマーアイドル」もそうなんですけれども、前作「Project DIVA extend」からキャラクターのモジュールがリニューアルされていますが、それぞれのモジュールはどのようなイメージで作成されましたか?

林氏: 今回、すべてのモジュールを1からリニューアルしてやっていこう、という方針があったので、水着もそれぞれやろうということで、考えていまして。水着に関しては、ウチのつぼーんDこと大坪が非常に力を入れて、それぞれ作り込んでいきましたので、大坪しか答えられないと思うのですけれど……。

 基本的にはミクとリン、この2人が友達のサマーアイドルで、一緒に水着を買いに行ったという裏設定がありまして、髪飾りと手首に巻いているシュシュがあるんですが、これを交換したという設定がありまして、実はリンが手に巻いているシュシュは水玉で、ミクが髪に結んでいるシュシュの1つはしましまなんですよ……、こんな誰も気づかないネタが仕込まれているという(笑)。で「2人で一緒に遊びに行こうね!」と水着を買ったというイメージでやっています。

 ルカさんメイコさんに関しては、やっぱり大人なので、特にルカさんに関してはこれまで赤系だとか金だとかのゴージャス系のイメージから、リゾート風という緑でカジュアルな感じにしています。メイコさんに関してはパレオとか……、今までPSPだとどうしても板っぽくなってしまっていたんですが、今回布の表現ができるようになったのでやってみようと、そういう感じでそれぞれ味付けというかイメージを考えて作っております。


――ちなみにお2人の好みの水着はどれですか?

OSTER project氏: これって自分が着るならとかじゃないですよね?(笑)見ていて可愛いなと思うのはミクちゃんかなぁ。ドット(水玉)がカラフルなのがすごく可愛いと思います。

林氏: 私はですね、ミクも捨てがたいのですけれど、今回はルカさんの髪型がかつてない感じでふさが2つついていまして、いつもと違うイメージになっていましてドキッとしますね。髪型も含めてかなり一所懸命作っています。それぞれ可愛いんだけれど、あえて言うなら(ルカさん)ですね。


――最後に、発売日を楽しみにしているユーザーさんに向けてのメッセージをお願いします。

林氏: 今日も暑い中、たくさんの方に朝から並んでいただいて、手応えというか期待感を感じていますので、そういったものを裏切らないように。開発自体はひと区切りついているのですけれども、その開発については今できるベストを尽くしたつもりなので、それを楽しんでいただきたいですね。

 あと、OSTER projectさんにはこういう形で楽曲を提供して参加していただいたのですけれども、「Project DIVA」1作目から非常にお世話になっていまして、OSTER projectさんの曲がなければ「Project DIVA」ここまでこれなかったのは間違いないので、この場を借りまして改めてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

OSTER project氏: 先ほどお話しがあったように、1作目から私はしつこく関わり続けているのですけれども(笑)、今日ちょっとプレイして思ったのは、1作目からどんどんゲームのグラフィックスとかのいろいろな要素が進化を続けているし、今回の「Project DIVA f」に関しても、今までになかった要素とか進化が見てとれるので、そのあたりをプレイする方は楽しんでいただければなと思います。


――ありがとうございました。



(C)SEGA / (C)Crypton Future Media, Inc. www.crypton.net
記載の商品名および社名は各社の登録商標です。

(2012年 7月 30日)

[Reported by 菅原哲二]