バンダイナムコ、AC「機動戦士ガンダム 戦場の絆」
「REV.3.08」で「ゲルググ(S)」、「高機動型ゲルググ」が上方修正!
株式会社バンダイナムコゲームスは、アーケード用ドームスクリーン型チーム対戦ゲーム「機動戦士ガンダム 戦場の絆」において、6月20日に「REV3.08」の稼動を開始する。
今回のリビジョンにおいて、地球連邦軍、ジオン公国軍計4機体に調整が施され、さらにレーダーの視認性の向上など調整が入っている。
■ 4機体の調整で地球連邦軍/ジオン公国軍の戦力地図はどう変わる?
● 高機動型ゲルググ
全セッティングで地上におけるダッシュ速度が向上。ジャンプの移動速度も伸び、着地硬直も軽くなっているのが今回のリビジョンでの本機の最大の魅力といえる。格闘武器である「ビーム・ナギナタ」も2段目の威力が6程度向上し、3連撃トータルでは同カテゴリー同コスト帯である「ガーベラ・テトラ」を超える威力となった(1段目は負けているが、2、3段目は本機のほうが上)。
フルオート射撃が可能で適度なバラけのある「MMP-80マシンガンA」で相手を削りながら進行方向を制限し、3発装備されている「クラッカー」と併用しダメージを奪いつつダウンを取る、といった運用は以前と変わらず、ときには格闘でダメージを奪うというスタイルを徹底することで、軽快な足回りと武装を使いこなせれば、単機での運用はもちろん、編成上のダメージソースとなる格闘機とのマンセルも機能しやすい。硬直の少なさを生かせば、射撃機体に狙われても十分逃げ切れる足回りのよさもあり、局地の制圧に向いたポテンシャルを持っているが、その能力を引き出すには腕がいる機体、という印象だ。
4vs4時で近距離戦型が主軸だった時代なら、この機体で1アンチを仕掛け、じっくり敵護衛とタンクを削りながら3拠点を止め、護衛側でコストを回収しつつ、リスタートでこちら側に回ってきた相手を釣りつつ、本機は0落ちで生き延びる、という運用が生きたと思われるが、高機動の格闘型機体が多めの現在では、2機を相手にしのぎきれるかどうかは微妙なところ。
ならば、ということで1護衛の運用を想定すると、「ザクII寒冷地仕様」の代わりに入れるとしたら、本機を投入するにあたって怖いのは、やはり予定外のところで撃墜されてしまういわゆる「事故」。どちらもパイロットの腕を要求する機体ながら、前者なら「事故ってもコストは180で済む」うえ、「クラッカーB」による延焼効果で相手格闘型機体を弱らせることで、敵コストの回収のチャンスも見える。例え落とされてもそれ以上に敵コストを回収する、火力重視が主流とされる現時点では、「ザクII寒冷地仕様」のほうが……というパイロットの判断も当然だろう。それなら、火力枠を削って本機を2機投入すれば、被撃墜を減らせて安定するのか……? など、いろいろ試行錯誤できそうなポテンシャルを持っているので、あとはパイロットの皆さんの手腕に期待したいところだ。
● ゲルググ(S)
格闘武装の「ビーム・ナギナタ」の威力が1、2、3段目いずれも向上。特に3段目が4ほどアップし、1<2<3と連撃を重ねるごとに威力が向上する形となり、3連で104ほどの威力になっている反面、クイック・ドロー外しを含めた連撃可能回数が4と低下。
メイン武装の「ビーム・ライフル」は、威力面で変更が見られる。発射点から100m前後まではこれまでと威力は変わらず、それ以上離れると威力が低下する傾向になった。つまり、クイック・ドローをメインに使っていく分には威力は変わっておらず、発射レスポンスの軽さや貫通性能も変更を受けていない。格闘1発+ビーム・ライフルで73、3連撃+ビーム・ライフルで146ほどのダメージが取れる。
さらに、サブ武装の「シュツルム・ファウスト」が廃され、待望の「クラッカー」へと変更。装弾数は2で、山なりの軌道を描き、障害物を越える高さに投擲される(「ザクII(S)」などと同じ)。射出時に硬直はないため、クイック・ドロー外しを含めて、近距離で敵機をさばきやすくなった。1発ダウンで威力は120m前後まで約11、リロードは約9カウント。
ほかにも、APが全セッティングで向上しており(Nでは23、機動重視3では12、装甲重視5では19)、ダッシュ速度がN~装甲重視セッティングで向上するなど、乗り味が変わっていると感じられるセッティングも用意されている。
いわゆる高バランサーであることを活かしつつ、今までの装甲重視セッティングを活用した「待ち」を重視した戦いはもとより、「クラッカー」の搭載で遮蔽物を挟んでの攻防がやりやすくなったといえる。機動重視セッティング選択時は、1対1での戦闘中、自ら前に出ることもできるだろう。「クラッカー」や「ビーム・ライフル」のクイック・ドローを使いつつ、噛み付いた敵を味方にパスして奥に突っ込んだり、ダウンを取って瞬間的に数的有利を作り、威力の向上した連撃や、「ビーム・ライフル」を被せるなど、戦い方にも幅が出た印象だ。本機はジオン公国軍陣営の編成に一石を投じる、コスト280格闘型機体として相応しいトータルバランスを手に入れたといっていいだろう。
ジオン公国軍でのライバル機といえる「B.D.2号機(NS)」(ビーム・ライフル装備)とコストは10の差があるが、「B.D.2号機(NS)」のEXAMのシステムダウン時は機動力や攻撃力にぐっと差が出るため、変化を嫌う向きには本機の安定感は魅力的に見えるだろう。バランサー性能や武装の違いなども考慮に入れると、ステージや編成にあわせて使い分ければ、4vs4時にも「ゲルググ(S)」の出番はありそうだ。
さらに、ゲルググ(S)のタックルはザクII(S)と同じくキックに変更されている |
● ストライカー・カスタム
格闘間合いが約64mであった「スパーク・ナックル」が59mに、威力が10程度低下と「REV.3.02」以前の性能に。広範囲に攻撃が可能な「バースト・ナックル」に関しては、機動力低下(小)が付き、発射後の硬直が増えたことに加え、機動重視セッティング1~5のタックルダメージが10下がり、50になった。
AP値もノーマルや機動重視5、装甲重視1で15、機動重視4で7、装甲重視2では21、装甲重視3では30ほどの低下量となっている。また、ダッシュやジャンプ後の硬直も少し増えており、「動きが少々重くなった」と体感できるレベルに変更されている。旋回性能は向上したが、ダッシュ性能や速度は下げられ、ブースト回復時間も少し延びており、相手との距離感をよりシビアに見なければならないようになった印象だ。
正直、前リビジョンまでの全機体随一の「スパーク・ナックル」+機動重視5の踏み込みと格闘間合いの広さは、格闘間合いでの「スパーク・ナックル」と「タックル」の2つの選択肢がどちらも強力であるがゆえに、高バランサーであることもあいまって、機動力で格闘間合いに強引に持ち込み2択を迫るという戦いを可能にしている感は否めなかった。
本機の全般的な調整の方向は「REV.3.02」以前の性能に近いもの、ということのようだ。直線的ではあるが機動力があり、タックル追撃を含めた瞬間火力が魅力だけに、今回の調整により、位置取りを含めて確実にチャンスをモノにする、よりシビアな判断力が必要とされる機体になった。空中での機動やブースト管理の扱いやすさ等を考慮すると、機動力が向上する「ナックル・ダガー」を併用したり、「バースト・ナックル」での待ちを重視した運用や、ステージ特性とあわせて、同コスト帯では「アレックス」や「ガンダム」、「プロトタイプガンダム」の起用を考え直す必要が出てきたといえるだろう。
● B.D.3号機
まず、通常時のダッシュやジャンプ後硬直がわずかに増えており、ダッシュ移動速度が若干低下。「ビーム・ライフル」のダメージが全体的に下げられており、密着では5ほど、離れれば離れるほど前リビジョンとの差が広がる調整になっている。
EXAM発動後も、「ビーム・ライフル」の威力が密着で3ほど下げられ、射程が少し短くなっているようだ。また、格闘威力も1連目が9、2連目が6ほど下がり、1<2<3連撃と連撃を継続するごとに高くなる形になった。トータルでは84になる。
射撃型の特性を持つ機体が、EXAMを発動することでブーストリミットのない格闘型の特性を得るという、他の機体にない特性を持つ本機。その魅力は変わらず、射撃型の役割を求められる通常時、格闘型のように戦えるEXAM発動時、それぞれが射撃型、格闘型同コスト帯(220~60)のモビルスーツと比較した場合、今までがコスト以上のとがった性能を持っていた部分(主にダメージ面)が丸くなったという印象だ。
アンチに1機使って、相手遠距離砲撃機体を削りながら護衛とやりあいつつEXAMの発動を待ち、発動後は僚機とともに一気に相手拠点攻撃チームのコストを回収する、といった運用には大きな支障はなさそうだ。また、通常時は蓄積バランサーダメージの高い100mmマシンガンをうまく使いこなしてみるのも一考だ。
■ レーダーの視認性向上
遠距離砲撃型のいわゆる「大マップ」も見やすい |
地球連邦軍機体のマーカーと、地形表示が重なると見えにくい、という意見が多かったレーダー画面だが、地形表示が細かくなり、色味が変更されたことで、視認しやすくなった。
遠距離砲撃型/狙撃型の広域レーダー(いわゆる大マップ)、そしてターミナルリプレイのマップ表示も同様の恩恵を受けており、より見やすくなっている。
「REV.3.08」のレーダー(遠距離砲撃型) | 「REV.3.00」のレーダー(近距離戦型) |
リプレイのマップ表示も変更されており、見やすくなった |
ほかにも、ターミナルでプライベートマッチ向けのマッチングIDの登録を解除することが可能となっている。プライベートマッチのマッチングIDを一度登録すると、その後1週間、ゲーム開始時に「プライベートマッチをしますか?」の確認が表示され続けていたが、ターミナルの「TEAM/OTHERS」から「プライベートマッチ」を選択、画面下部の「登録解除」を押し、確認で「はい」を選択することで、それ以後、確認の表示を止められる。なお、マッチングIDは期限内であれば1度登録解除しても再登録が可能だ。
【6月14日追記】※初出時、一部表記に誤りがありましたので、修正いたしました。
(C)創通・サンライズ
(2012年 6月 14日)