韓NCsoft、「ブレイドアンドソウル」CBT3体験レポートその1

大幅にスゴくなったキャラメイクと、アートボードをたっぷり紹介!


「ブレイドアンドソウル」CBT3:5月9日~22日開催



「ブレイドアンドソウル」のロゴ
キム ヒョンテ氏がアートディレクターとしてビジュアル周りを担当している

 韓国NCsoftは、Windows用MMORPG「ブレイドアンドソウル」の第3次クローズドβテスト(CBT3)を5月9日から22日まで韓国内で開催している。

 「ブレイドアンドソウル」は東洋系のファンタジー世界を舞台にした、アクション性の高いMMORPG。「マグナカルタ」(バンプレスト)などで日本でも人気のイラストレーター、キム ヒョンテ氏をアートディレクターに起用して、かわいいキャラクターや、無国籍な東洋ファンタジーテイストで武侠ものの無骨なイメージを取り払った。

 本作は2011年の9月にCBT2が行なわれ、正式サービスに移行する予定だったが、さらにクオリティをアップさせるためにオープンβテストを延期してCBT3を行なうことになった。日本へのサービスがますます遅くなるとお嘆きの方も多かっただろうが、今回、プレイした感触からは延期した価値は十分にあったと思えるだけの手ごたえを感じた。

 韓国ではCBT3が終わり次第、上半期中のサービスインが予定されており、今回のバージョンはほぼ製品版と言える。ちなみに中国では、8月からCBTが予定されており、日本での動き出しもそれほど遠くはないのではないかと期待できる。実際に、日本でのサービスも予定されているせいか、「ブレイドアンドソウル」に関する情報も日本法人のエヌ・シー・ジャパンから発信され始めている。

 今回は、韓国で行なわれているCBT3に潜入してプレイしたレポートを、たっぷり2回に分けてお届けしたい。さらに、キャラクターのアートワークを多数入手することができたのであわせて紹介する。第1回の今回は、CBT2で紹介した内容をおさらいする形で、新職業「召喚士」を含めた全職業や、「ブレイドアンドソウル」の世界観を紹介したい。

 第2回のレポートでは、「ブレイドアンドソウル」がどのようなゲームなのか改めて紹介するとともに、CBTの実際の様子、そしてCBT2レポートではお伝えできなかったレベル15以降のコンテンツと、召喚士のスキルについても詳しくお伝えしたい。

 なお、レポート内で使用している固有名詞や呼称は、韓国語ベースのもので、日本でのサービスの際には変更になるかもしれないということをご留意願いたい。





■ 美しい東洋の世界を舞台にした壮大なファンタジー

 何かと見所の多い本作だが、その世界観全体を支える美しい背景も注目点の1つ。濃淡の重なり合った背景は非常に絵画的。リアリティのある日差しや水の表現も非常に鮮やかで、山紫水明という言葉がふさわしい美しさだ。現在あるオンラインゲームの中でもトップレベルの美しさといって間違いない。開発に長い時間をかけただけあり、細部まで作り込まれた風景はただ移動しているだけでもいろいろな発見があって楽しめる。

桂林を思わせる渓谷や、カンボジアの遺跡のような巨大仏頭などの東洋風のモチーフが、不思議な風景を作っている

 韓国の公式HPには、これまで明らかにされていなかった世界観についての説明が掲載されている。「ブレイドアンドソウル」にはたくさんの勢力や種族が登場する。それを理解するためにも、世界設定はぜひ押さえておきたい。

 「ブレイドアンドソウル」の舞台は大海に囲まれた4つの大陸。かつては人と妖怪がともに暮らす平和な世界だった。しかしはるか昔、濁気の混沌に包まれ、魔界の門から魔王が出現する。そんな世界の混乱を憂えた仙界の神仙たちは、信託を受けた武人らとともに魔王を封じる。

 魔王との戦いが伝説になったころ、中原は2つの王国によって支配されていた。1つは、悠久の歴史を誇る北方大陸の千年王国「雲国」。一時期は4大陸を平定するほどの大国家だったが、今は皇室の暴政で国が傾いている。そんな雲国に反旗を翻した軍馬炎将軍は東方大陸に軍事大国「風帝国」を建国する。

 さらに西方大陸には、消えたはずの濁気が沸き起こり、生き物の入れない死の大地となった。濁気はその後も徐々に広がり、北方大陸や東方大陸にも影響を及ぼし始めている。濁気に侵された人や獣は魔物となって、人を襲い始めるのだ。

 皇帝の暴政や、2つの大国の戦争、各地を跋扈する暴力的な勢力が人々を脅かしている中、乱世を平定するための正派を名乗る集団が各地に登場した。彼らは門派を超えて団結し「武林猛」を結成した。正派に対抗するため、邪派の勢力は渾天教という宗教と手を結んだ。正派は渾天教を弾圧し、2つの勢力の争いは乱世をますます混乱させた。

 そんな乱世の中、俗世を遠ざけて無逸峰に住む紅門派の一門は、師匠の指導のもと熱心に修行を続けていた。主人公もその中の1人だったが、ある日謎の女性「ジンソヨン」とその仲間の「ユラン」、「ゴゴブン」に襲撃されてしまう。大切な仲間を皆殺しにされた主人公は、1人断崖から墜落して漂流し、竹村海岸の漁師に助けられる。

「ブレイドアンドソウル」の世界観を表現したアートボード。ゲーム内ではローンディング画面で使用されている

■ 種族

 プレーヤーが選べる種族は「ジン」、「リン」、「ゴン」、「クン」の4種類。女性しかいないクン以外は、男女が選択できる。

・ジン -JIN-

 人間のような外見の持ち主で、仙骨と仙筋を持っている特別な種族。どの種族よりも多様な方面で能力を発揮できる。この種族は任されたことに最善を尽くし、最後まであきらめない努力家。知恵と努力のシンボルである「亀」の気運を受け継いでいると言われている。

・リン -RYN-

 伝説の動物である麒麟の力を受け継ぎ、冥界との共感能力に長けていて、俗世の人間にはない霊的能力を持っている。「麟(リン)」という名前は、鬼のような彼らの行動と能力からつけられた。可愛らしい外見の小種族で、大きな耳としっぽが特徴。生まれつき鋭敏で、優れた五感を武器に、身体的不利にも関わらずどの種族よりも強い生命力を保ってきた。

・ゴン -GON-

 伝説によれば、この種族は龍の気運を受け継いで生まれたが、神からかけられた呪いを受け継いだと言われる。大地を意味する「坤(ゴン)」という名前のように、どの種族よりも心強く頼りがいがある仲間になりうるが、純粋でまっすぐな性格なので人に利用されることもある。敵に回すと一番怖い存在になるかも……。

・クン -KUN-

 女性のみで構成されている種族。秀麗な外見と気品のおかげで天界の神仙や仙女と誤解される場合がある。俗世よりも自然と戯れることを好み、秩序と調和を重んじ、大自然の中で誌や音楽を楽しむなど、風流な一面を持っている。

ノーマルな人間タイプの「ジン」。男性は細身なイケメンが多い耳としっぽのある「リン」。よく見ると足もうさぎの足のような形をしている
肉体美を誇る「ゴン」。男女ともマッチョ揃いで巨体。エモーションも豪快だ繊細な雰囲気の「クン」。綺麗どころ担当。気品のある美人揃い

 選べる職業は「剣士」、「拳士」、「力士」、「気功士」、「暗殺者」とこのCBT3から追加された新職業「召喚士」の6つ。新職業の召喚士は「G-star 2009」で発表されたPVの冒頭にも登場している。PVでは厳つい召喚獣を呼び出していたが、実際にはキュートなネコの精霊を使うペットクラスだった。毎回召喚するのではなく、ネコは基本的には常にプレーヤーと行動を共にする。召喚は、ネコが力尽きて消えた時、新しく呼び出す時に使う。

【「召喚士」トレーラー】


 職業は種族によって選べるものと選べないものがある。種族と選べる職業の詳細は以下の通りだ。


ジン…「剣士」、「暗殺者」、「拳士」

ゴン…「拳士」、「力士」

リン…「気功士」、「召喚士」

クン…「剣士」、「気功士」

・剣士 Blade Master
 剣を使って多様な攻撃をする。剣術と抜刀術を使いこなし、攻撃と防御を瞬時に選んで相手を切り、突き、攻撃を防ぎ、かわす。危機的な状況では御剣術を駆使して遠距離の敵を制圧できる。あらゆる状況に対処できるもっとも基本的な職業。

・暗殺者 Assassin
 素早い動きで相手を幻惑する職業。爆弾を設置したり、姿を消して相手の背後に忍び寄ったりと、変幻自在の動きで相手を困惑する。攻撃を受けた時にも、防御するのではなく自分の身代わりを残して姿を消したり、攻撃を受け流して反撃に転じたりとトリッキーに立ち回る。

・拳士 Kung-Fu Master
 拳と足を利用した拳法と拳甲で素早く華麗な連続攻撃ができる。近距離攻撃を得意としており、相手の動きに合わせて迅速に対応できる。防御態勢からでも瞬時に攻撃に切り替え、相手の弱点を突いて制圧した後、連続攻撃を加えるのが得意技。

・力士 Destroyer
 有り余るパワーで相手を圧倒する職業。巨大な斧を利用した強力な攻撃を得意とし、周囲の対象を巻き込む攻撃や防御技は近距離の多数の敵を一気に制圧できる。力士の体は多くの攻撃に耐えられるほど鍛えられているので、心強く頼りになる。

・気功士 Force Master
 気を操り、強力な気功攻撃ができる職業。手首に付けている気功牌から気を放出し、遠距離の相手に莫大な被害を与えたり、吸功を活用して相手の抵抗を封じることもできる。1度に多くの対象に対して使えるので、多くの敵を相手にするのに向いている。

・召喚士 Summoner
 ネコ型の精霊を召喚して共に戦う。ネコはただ相手を攻撃するだけでなく、ダウンした召喚士の身代わりになったり、召喚士が危機に陥っている時瞬時に助けに来たりと攻守で召喚士を支える。召喚士自身は、猫や自分を回復させる術や、相手を足止めする術を使う。


もっともスタンダードな立ち回りを楽しめる「剣士」トリッキーで忍者のような動きが楽しい「暗殺者」素早い連続攻撃が爽快感を生む「拳士」
豪快でパワフルな攻撃で相手をなぎ倒す「力士」炎の弾や氷の竜で華麗に攻撃する「気功士」ネコとのコンビネーションが重要な「召喚士」

【職業選択画面(ムービー)】

■ カスタマイズのバリエーションがぐんと広がったキャラクター作成

「ブレイドアンドソウル」のキャラクター作成画面。映像で職業説明を見ることができる

 今回、大きく進化して筆者を驚かせてくれたのがキャラクター作成だ。CBT2では顔と髪型、体型はセットになっていて、男女各18種類の中から選ぶという形だった。しかし、CBT3では大幅に自由度が進化して、自分だけのオリジナルキャラクターが作れるようになった。


【キャラクター作成の様子(ムービー)】

 パーツは顔、髪型、体型、リンの耳としっぽの種類、肌の色、髪の色がそれぞれ選択でき、さらにタトゥー、髭、眉の形、光彩の形と色、顔のしわなどなど、とても紹介しきれないほどの項目をカスタマイズすることができるようになった。

 カスタマイズ画面では、自由にキャラクターを回転できるのはもちろん、キャラクターの服をかえたり、ポーズをかえたり、ライティングをかえたりと、いろいろなシチュエーションを試すことができる。

 キム・ヒョンテ氏自身がモデリングまで担当した美しいキャラクターの造形に見とれながら、ポーズや服をかえてあれこれバリエーションを組み合わせているだけでアッという間に時間が過ぎてしまう。そっけなかったキャラクター作成が、キャラクター作成の自由度に定評のある「タワー オブ アイオン」をしのぐほどの豪華さになったといったところだ。

 また、前回はキャラクター作成の時点で勢力を選ぶ形になっていたが、CBT3ではなくなった。勢力はゲーム内のクエストの中で選ぶことになる。


最初に種族と職業、性別を選ぶポーズや服装、光源を変えつつベースに使う顔と体型を選択ジンの男性は、なんとなく“チャラ男”っぽいモーションが多い
髪型や色、体型などをカスタマイズキャラクターはマウスのホイールで拡大縮小が可能さらに細かいカスタマイズで、自分だけのキャラクターを作っていく


■ キャラクターのアートワークで一足先に「ブレイドアンドソウル」の世界を感ぜよ!

 「ブレイドアンドソウル」の装備は頭と体、アクセサリーという分け方で、服は上下で1つのアイテムになっている。クエストでもらえる服や、敵からのドロップ、店売りなど装備は多種多様。見た目と性能は切り離されているので、自由なおしゃれを楽しむことができる。今回はそんな装備品のアートワークを一部紹介しよう。

【リン】
可愛い外見に似合わず、落ち着きのある大人っぽいキャラクターも多いリン

【女性キャラクター】
ゴンの女性は筋肉質で発達したボディを持つ。クンの女性は知的で物静かな雰囲気

【男性キャラクター】
パワータイプのゴンとスタイリッシュな雰囲気のジン

【「ブレイドアンドソウル」ビジュアル集】
プロモーションなどに使用された「ブレイドアンドソウル」のビジュアル

Blade & Soul (R) is a registered trademark of NCsoft Corporation. Developed by Team Bloodlust. Copyright (C) NCsoft Corporation. All rights reserved.

(2012年 5月 19日)

[Reported by 石井聡]