Game Developers Conference 2012レポート
【GDC 2012】「GDC 2012 EXPO」レポート
SCEAはPS Vitaの最新AR技術を出展。任天堂は「パルテナの鏡」を出展
「GDC 2012」会期中の3月7日から9日にかけて、Moscone Centerでは「GDC 2012 EXPO」が開催された。GDCでは各セッション講演がメインの催しとなるが、この「GDC EXPO」にも毎年多くの企業が出展をしている。
会場の入口付近では、PlayStation Vitaを前面に打ち出したSCEA(Sony Computer Entertainment America)のブースが大きく構えられており、来場者の目に真っ先に留まるようになっていた。フリーミアムゲームの話題がGDCのセッションでも急増している中で、コンソール機はまだまだ元気がある。本記事では、このSCEAブースを中心に、会場の様子やいくつかのブースの様子をお届けする。
■ PS VitaのAR技術と「DATURA」に注目。会場の様子をレポート
会場入口近くに大きく出展したSCEA。主役はもちろんPlayStaition Vita |
【SCEA】
SCEAは各出展ブースの中でも最大級で、会場の入口目前にあるためその存在感も大きかった。ブースでは各コンソール機の最新タイトルも体験できたほか、PlayStation Vitaを使ったARゲームのデモプレイなどができた。
このARゲームのテストプレイでは、台の上に作り出された架空のホッケー場を使っての対戦ゲームができた。ARと言えばARマーカーを使ったものが主流となっているが、このテストではリアルタイムに空間の位置を認識してオブジェを作り出すという手法が取られているため、マーカーを必要としないAR体験が可能となっている。カメラをかなり激しく動かしてもオブジェの位置は崩れず、クラッシュもしないという特徴も併せ持つ。
また体験できたタイトルの中では、SCE Santa Monica StudioとポーランドPlasticが共同開発している「DATURA」に注目しておきたい。「DATURA」は、PlayStation Moveを使った1人称視点のアドベンチャー。プレーヤーは画面の「手首」をPlayStation Moveを使って操り、叩く、掘るなどのアクション操作で冒険をしていく。孤独感の漂う静かで乾いた世界観も特徴的。PlayStation Moveを使った新しいゲーム体験が味わえそうだ。
任天堂のブース |
【任天堂】
任天堂のブースでは、ニンテンドー3DSのアメリカでの発売前タイトルなどが体験できた。特に大きく空間が割かれていたのは、「Kid Icarus: Uprising」(新・光神話 パルテナの鏡)と、「Spirit Camera: The Cursed Memoir」(心霊カメラ ~憑いてる手帳~)。特に多く人が集まっていたのは「Kid Icarus: Uprising」で、海外認知度の高い「Kid Icarus」シリーズの最新作のために注目が集まっていたようだ。
発売前のニンテンドー3DSソフトが体験できた任天堂ブース。上記のほかにも、ニンテンドーeショップのダウンロードソフト「ザ・ローリング・ウエスタン」なども体験できた |
【シリコンスタジオ】
ミドルウェアソフトの開発等を行なっているシリコンスタジオのブースでは、同社の3Dエフェクトミドルウェア「BISHAMON」を使用した作品「Child of Eden」の体験ができた。また同社の各種ミドルウェアである「DAIKOKU」や、「PARADOX ENGINE」などの展示が行なわれていた。「PARADOX ENGINE」についてはまだ未流通の商品となっており、50以上の言語に対応した素早い開発環境の実現や、何人かのスタッフが同時に同じ場面を編集できる機能も備わっているという。
シリコンスタジオのブースでは、「Child of Eden」の体験ができたほか、マーケットに流通してない「PARADOX ENGINE」も出展されていた |
【INDEPENDENT GAMES FESTIVALブース】 | ||
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数あるブースの中でも人気のあったのが、先日第14回の授賞式が行なわれたばかりのINDEPENDENT GAMES FESTIVALブース。世界中からアイデアの詰まった優秀作品が集まっているということで、その感性に触れようと考える人が多かったようだ |
【その他会場の様子】 | ||
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会場では、ほかにもUnity、NVIDIA、Googleなどの有名企業がそれぞれブースを出展していた。企業はそれぞれ、その場で講演したり、デモンストレーションをするなどして来場者にアピールを行なっていた |
□「GDC 2012」のホームページ(英語)
http://www.gdconf.com/
(2012年 3月 10日)