韓国NCsoft、モバイル&「雀龍門」チームインタビュー

タブレット対応の大作RPGを開発。WIN「雀龍門4」も進行中


左から、Lee Jeongyeol氏、Oh Hanjin氏、Kim Daejin氏、Jee Suenghan氏

11月9日 開催

会場:NCsoft



 韓国NCsoftは、NCsoft本社で11月8日に開催した「G-Star 2011 Premier」に引き続き、同社のモバイルチームと、オンライン麻雀ゲーム「雀龍門」チームに対するメディア合同インタビューを11月9日に実施した。

 同社はこれまでPC向けのオンラインゲームを手がけてきたが、スマートフォン向けのゲームタイトルは10月にiOS向けに配信されたタワーディフェンス系アプリ「Gem Keeper」が初となる(日本法人のエヌ・シー・ジャパンからは数タイトルが配信中)。インタビューには、モバイルビジネスチームのチームリーダーOh Hanjin氏と、モバイルチームチームリーダーのLee Jeongyeol氏が応じた。

 また同じ10月には、オンライン麻雀ゲーム「雀龍門Mobile」も配信された。こちらはWindows版「雀龍門」(現在は「雀龍門3」としてサービス中)シリーズを手がけるStudio 8が開発したもの。先述のモバイルチームとは別の部隊となるが、今回はNCsoftが手がけるモバイルタイトル関連の話ということで同席していただいた。お答えいただいたのはスタジオリーダーのKim Daejin氏と、マネージャーのJee Suenghan氏。




■ タブレット対応RPGを1年以上かけて開発中。モバイルでもハイクオリティなゲームを提供

Oh Hanjin氏
「Gem Keeper」

 現在は「Gem Keeper」に続くタイトルを開発しているNCsoftのモバイルチーム。その次に開発中のタイトルは、タブレット対応のRPGだという。ただこれは2本目ということにはならないかもしれない。なぜなら本作を「1年以上かけて開発する」としているためで、順番的には他の小規模なタイトルが先に出る可能性があるからだ。具体的な内容についてはまだ話してはもらえなかったが、モバイル向けで1年以上かけて開発するタイトルというだけでも、かなり貴重な存在だ。

 ではモバイルチームとしては、今後どういったゲームを作っていくのか。チームでは方針として、「NCsoftはPCでクオリティの高いゲームを提供してきた。その名声を損ねないものを作る」というものがあるという。しかしモバイルにはまだ参入したばかりでもあり、「勉強しながらアプローチしたい。認知度を上げていきたい」とも語った。

 では「リネージュ」や「The Tower of AION」、「Blade & Soul」といった既存のタイトルをモバイルに持ち込むという発想はありえるのだろうか。これについては、まだ具体的な計画はないとしながらも、「一部のタイトルでモバイル化を準備している。早ければ2012年下半期から2013年上半期には出てくるのでは」と答えた。しかもこれはミニゲームに落とし込むようなものではなく、「既存タイトルが持つ面白さをモバイルに最適化する形でユーザーに楽しんでもらうことに焦点を当てたい」としており、本格的な形での展開を考えているようだ。

 プラットフォームについては、現在はiOSのみだが、Androidにも展開したいとしている。iOS版とAndroid版を同時に発売するのか、iOS版が先になるのかは、マーケットの状況を見ながら判断したいという。

 ビジネスモデルについては、基本無料のフリーミアム型を重点的に考えているとしながらも、有料販売型も想定はしており、ゲームの特徴に合ったものを導入したいとしている。実例としてiPhone版の「雀龍門Mobile」は無料ダウンロードでアイテム課金型を採用、iPad版も85円と本体は安価ながらアイテム課金型にすることで、間口を広げている。




■ 「雀龍門Mobile」のAndroid版は2012年初旬に登場。WIN「雀龍門4」も着々と計画中

Kim Daejin氏
Windows「雀龍門3」

 「雀龍門」については、まず「雀龍門Mobile」の開発コンセプトについて尋ねた。同社のモバイルタイトルにおいて、初期段階で麻雀というルールが難しいゲームを提供したことについて、「日本では麻雀が好きな方が多く、またモバイル化の流れがある。オンライン麻雀が好きな方のために、いつでもどこでも楽にアクセスできる環境を届けようと考えて作った」という。

 今後のアップデート計画については、「Windows版にある要素を盛り込むことを最大の目標にしている」という。現在は実装されていないWindows版との通信対戦については、開発でも検討はしたそうだが、「『雀龍門Mobile』は日本の麻雀を全世界の人に学んでもらう機会を届ける、ということを考えて開発されているそので、今後も直接的な連動は考えにくい」としている。しかし、「双方のユーザーが一緒に何かできるものは考えたい」とも述べた。なおAndroid版は開発中で、2012年第1四半期には配信できるとしている。

 続いてWindows版「雀龍門」について、まだ気が早い話ではあるが、「雀龍門4」として提供されるであろう次回バージョンアップの計画について聞いた。やはり具体的な部分までは話してもらえなかったが、「かなり面白いコンテンツを『雀龍門4』として用意しており、早ければ2012年にはお見せできる」とした。

 また以前から実装が期待されている観戦モードについては、「既存の麻雀ゲームにはない、1段階アップグレードした面白いアイデアが出ている」という。実装時期は「実際に開発してみないとわからない。『雀龍門4』が開始される時に導入するか、その前に導入するか、まだ検討中」としている。


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(2011年 11月 10日)

[Reported by 石田賀津男]