東京ゲームショウ2011レポート

「東京ゲームショウ2011」 セガブース体験プレイレポート
定番シリーズの続編から新規オリジナルまで
多数のタイトルが試遊可能


9月15日~18日 開催(15日、16日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)、小学生以下は入場無料


 サプライズでのプレイアブル出展となった「Project mirai(仮)」や、「龍が如くスタジオ」の最新2タイトル「バイナリー ドメイン」&「クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編」など、期待作が目白押しのセガブース。そのほかにも「初音ミク -Project DIVA- extend」や「リズム怪盗R 皇帝ナポレオンの遺産」、「Shinobi 3D」などの、今冬の発売を控えるタイトルが数多くプレイアブル出展されており、気になるタイトルをまとめてプレイするのに絶好の機会といえる。

 本稿では、これらセガブースに出展されているプレイアブルタイトルのうち、セガラインナップに属する情報をまとめてお届けする。



■ セガラインナップのうちプレイアブルは11タイトル

 セガラインナップタイトルのうち、プレイアブル出展されていたのは「バイナリー ドメイン」、「クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編」、「初音ミク -Project DIVA- extend」、「Project mirai(仮)」、「ファンタシースターオンライン2」、「リズム怪盗R 皇帝ナポレオンの遺産」、「ソニックジェネレーションズ 白の時空」、「ソニックジェネレーションズ 青の時空」、「ぷよぷよ!!」(3DS版)、「Shinobi 3D」、「MAX ANARCHY(マックスアナーキー)」の11タイトル。

 このうち、「ソニックジェネレーションズ 白の時空」と「ソニックジェネレーションズ 青の時空」、「ぷよぷよ!!」(Wii/PSP版)の3タイトルは、一般公開日となる17日からは、ファミリーコーナーにおいても出展される。セガブース内が混雑している場合などは、こちらに足を運んでみてはいかがだろうか。


■ PS3/Xbox 360「バイナリー ドメイン」

 「バイナリー ドメイン」は2080年の東京を舞台とした“命”をテーマにしたチームアクションゲームで、基本的なプレイ感覚としてはTPSに近いが、味方に指示を送りながら戦略的に進めるという局面もあり、ただのTPSとはひと味違ったプレイ感を感じることができる。

 またストーリーにかなり重点が置かれているようで、「人間」と「ロボット」に加えて、そしてそのどちらでもない「ホロウチルドレン」と呼ばれる存在が人類の未来を決める戦いの火種となっていく、映画のようなシナリオにも注目といえる。

 体験プレイは、クローズドシアター13分+ゲームの試遊12分がセットになっており、合計すると約25分程度の時間が必要となっている。クローズドシアターでは前半部は「バイナリー ドメイン」のストーリーについての解説や、人物についての紹介などが行なわれ、クライマックスには驚くべき真相が明らかになる、映画の予告篇を見ているかのような迫力あるムービーが楽しめる。後半部分ではゲームシステムの解説が行なわれ、本作の最大の特徴でもあるリップルリンクシステムについての詳しい解説が受けられる。

 クローズドシアター後の試遊は、通常のボタンによるコマンド入力で楽しめる試遊台が26台と、ヘッドセットでボイスコマンドを使ってプレイできる試遊台が4台の計30台が用意されていた。どちらで遊ぶかというのは残念ながら選択できないようなので、ヘッドセットでプレイしたい場合は何度か並ぶ必要がありそうだ。なお、ヘッドセットで遊べる4台に関しては個室でのプレイとなる。

 ヘッドセットが用意された試遊台の場合は、ボイスコマンドによるコミュニケーションを楽しむこともできるので、積極的に話しかけてみるといいだろう。「集まれ」、「援護しろ」などという戦術的なコマンド以外にも、名前を呼びかけたり「よくやった」と褒めてあげることができる。ほかにも、「バカ」、「アホ」といった相手を罵倒する言葉も認識するようで、かなり良くできている印象を受けた。また、ゲームの解説用紙には書かれていない言葉も認識するようで「愛してる」などの言葉にも反応を返してくることもあるそうだ。

 どちら試遊台の場合も、規定の試遊時間を過ぎるとゲーム終了となってしまうが、要領よくこなしていけばボスの撃破をすることができるので、腕に自信のあるプレーヤーはクリアを目指してみてはいかがだろうか。

 ストーリーの謎も気になるし、ゲームとしても遊びやすいだけでなく、斬新な音声入力など、総合的にみて、かなりのポテンシャルを秘めた作品と感じられた。試遊台で遊べる体験版の完成度も高く、何度も遊びたくなるようなしっかりとした作りになっているので、少しでも興味がある方は、ぜひ1度足を運んでいただきたい。

 2012年2月16日発売予定。価格は8,390円。


渋谷スラム街ステージに出現するグランランサー。堅い装甲に覆われておりマシンガンなどでは歯が立たない強敵だ渋谷駅前広場ステージに出現するスパイダー。かなりの巨体だが、それだけに足にかかる負担は大きいようだリップルリンクシステムによるイベントの様子がこちら。どう答えるかで信頼度がかわってくるので、迅速に判断して答えよう

(C)SEGA




■ PSP「クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編」

 「クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編」は、右京龍也を主人公としたアクションアドベンチャーゲームで、深みのあるシナリオと豪華なキャスト陣がその重厚な人間ドラマを盛り上げる異色の作品となっている。

 作品のリアルさに色を添えるべく多くの実在の企業が参加しており、今回舞台として大阪が追加されたことで、おなじみの「ドン・キホーテ」や「松屋」をはじめ「かに道楽」、「づぼらや」、「がんこ寿司」といった大阪ならではの店舗が追加され、いままで以上にリアルな街が演出されている点も見逃せない。システム的にはタッグパートナーが登場することにより仲間と力をあわせて大ダメージを与える「ツープラトン技」や敵を羽交い絞めにしてチャンスを作り出してもらったり、逆にピンチの時には助けてくれたりなど「二人で力をあわせて戦うケンカ」を楽しめるようになっている。

 今回のゲームショーでは出展にあわせた専用の体験版が20台設置されており、約13分ほどのプレイが可能となっていた。ゲームの内容としては今回新たに追加された大阪「蒼天掘」で仲間を追いかけたり、現地のヤクザと戦うなどといった、シリーズファンにはおなじみの内容で、最後には「ドラゴンヒート」での戦いもあるなど、らしさを味わえる体験版に仕上がっている。

 基本のシステムは前作を踏襲した内容となっており、バトルの状況や相手によって長所や短所、ヒートアクションを切り替えられるスタイルシステムも健在。頭、胴、腕、足など部位ごとにダメージを追う体の怪我のシステムなども同様なので、前作と同じ感覚でプレイを進めることができた。なお、ヒートゲージが持越しができないなどの点も同様なので、うまくバランスをとりながらゲームを進めていく必要がある。

 このようにシステム的には同様の部分が多いものの、新ヒートアクションの追加や各種スタイルの追加など前作より大幅にボリュームアップしているので、前作とは一味違ったプレイを楽しめる。なおシリーズ恒例となっている、キャバクラなどミニゲームは今回は遊ぶことがきながったが、製品版では搭載されるようなので楽しみに待っておこう。

 2012年春発売予定。価格未定。


前回よりもさらにリアルな町並みは見ごたえがある。大阪ならでは有名店舗にも注目ムービーシーンではリアルに描かれたピクチャー仕立てのキャラクターがストーリーを盛り上げるド派手なヒートアクションは今回も健在。前回よりも大幅にボリュームアップした大迫力のケンカシーンから目が離せない!

(C)SEGA




■ PSP「初音ミク -Project DIVA- extend」
  3DS「Project mirai(仮)」

 「初音ミク -Project DIVA- extend」はシリーズ3作目となるリズムアクション。前作の「初音ミク -Project DIVA- 2nd」を踏襲したシステムを採用しており、前作を遊んだことがあるプレイヤーなら違和感なくゲームを進めていくことが可能だ。

 「Project Mirai(仮)」はグッドスマイルカンパニーの人気フィギュア「ねんどろいど」のデザインが印象的な3Dリズムアクションゲーム。初音ミクが3DSの中を所狭しと駆け回る様はファンならずとも必見。リズムゲーム以外にも立体視で描かれるキャラクターを鑑賞できるマイルームや、3DSのAR機能を使って自分の部屋で歌って踊る初音ミクのコンサートを開催したりと、魅力が十二分に味わえる1本となっている。

 こちらのステージ&試遊レポートでは、プロデューサー内海氏と初音ミクの声を担当した藤田咲さんが登場したステージの情報や、試遊台プレイレポートが掲載されているので、チェックしてもらいたい。

 「初音ミク -Project DIVA- extend」は11月10日発売予定。価格は5,229円。「Project Mirai(仮)」は2012年3月発売予定となっており、価格は未定。


【初音ミク -Project DIVA- extend】
(C) SEGA / (C) Crypton Future Media, Inc.
VOCALOIDはヤマハ株式会社の登録商標です。

【Project Mirai(仮)】
(C) SEGA
(C) Crypton Future Media, Inc.
デザイン協力:ねんどろいど



■ 3DS「リズム怪盗R 皇帝ナポレオンの遺産」

 「リズム怪盗R 皇帝ナポレオンの遺産」はストーリーにあわせて多彩なリズムゲームがプレイできる、リズムゲームの中でも珍しいストーリー部分に比重をおいたリズムアクションゲーム。プレーヤーは立体視で描き出されるドラマチックなアニメーションを楽しみつつ、スライドやタッチ、ジャイロ機能などの3DSならではの機能を用いたミニゲームをプレイしながらゲームを進めていくスタイルを取っている。

 今回のゲームショーではゲームの冒頭部からプレイできるストーリーモードと、4種類のリズムゲームをプレイできるリズムゲームモードの2種類から選んで遊ぶことができた。

 ストーリーモードでは3DSの機能をうまく使った迫力のある立体視で描き出されるアニメーションを見ながら進めていくことになる。ムービーが終わると最初のリズムゲームパートとなり、リズムに合わせて指示通りにスライドさせて敵NPCとダンスでバトルする。このリズムゲームのスコアによって、ゲーム中の買い物で必要になるコインなどが入手できるが、今回は残念ながら使う機会はなかった。リズムパートが終了するとアドベンチャーモードとなり、会話や移動を行なうことでゲームを進められる。なお、アドベンチャーパートでは他にも推理仕立てのミニゲームなどを楽しむことができ、最終的に2番目のリズムゲームまで進めたところで、今回の試遊は終了となった。

 リズムゲームモードではストーリーモードのところでも紹介したダンスバトルを行なう「SHOW TIME」、タイミング良くABボタンを押して警官から逃げる「パリ市警からの逃走」、左右から迫ってくる悪魔の騎士団をタイミング良くボタンと十字ボタンを押して迎え撃つ「バトル 悪魔の騎士団」、執事からの攻撃をリズムに合わせてDS自体を傾けることでかわしていく「対決執事ロアン」が体験可能だ。こちらでは純粋にリズムゲームだけを楽しむことができるので、自分の趣向にあわせてモードを選択するといいだろう。

 今回試遊時間は13分程度と、やや長めにとられているので、ゆったりと楽しめる印象だった。試遊台数も30台と多めに用意されているので、混雑が予想される一般日でも、比較的並ばずに楽しめそうだ。ストーリーにあわせて多彩なゲームを楽しめ、リズムゲームファンでなくとも楽しめるように随所に工夫が凝らされている点が好印象だった。

 2011年冬発売予定。価格未定。


うまく石像と同じポーズを取って警官に見つからないようにしよう。ストーリーモードを選択しないとこのリズムゲームはプレイできないので注意ジャイロを使ったリズムゲームの場合、タイミングがややシビアなので、しっかりとタイミングを計り「ココだ!」というタイミングで傾けよう美しいムービーも本作の魅力の1つ。実機では3Dになっているので、より迫力のあるアニメーションを楽しめる

(C)SEGA




■ 3DS「ソニックジェネレーションズ 青の冒険」

 「ソニックジェネレーションズ 青の冒険」は今年で20周年を迎える「ソニック」シリーズの最新作。爽快な横スクロールアクションの「クラシック」モードと、さらに高速の3Dアクションを楽しめる「モダン」モードを搭載し、2つの異なるプレイ感を味わえる。オールドファン、新規のユーザーのどちらも楽しめる20周年にふさわしい作品だ。

 今回の試遊では4台の試遊台が用意されており、製品版と同じ2つのステージとボス戦を体験することができる。2つのステージはそれぞれクラシックとモダン両方のモードで遊ぶことができるようになっていた。

 クラシックモードはスピンダッシュとジャンプでさくさくとステージを突破していくおなじみのモードになっているが、モダンモードはソニックの動きがガラリと変わる印象だ。円を描くようにゆるやかに飛び回るクラシックモードに対して、モダンモードでは空中でのダッシュが行なえるようになっており、直線的な鋭いアクションを取れる。またスピンダッシュの代わりに、リングを取ったり敵を倒したりすることでたまるブーストゲージを利用して、より高速のダッシュができるなどの要素もあって、全体的に動きがどんどん加速していく。さらにブーストしながらのダッシュ中はカメラアングルが自動的に切り替わり、画面の奥や手前にソニックが進行していく演出もあり、前述のスピーディさとあいまって画面がめまぐるしく変化し、驚かせてくれる。

 12月8日発売予定。価格は5,229円。


クラシックモードはいつものソニックシリーズを着実に踏襲しているという印象で、非常に安心して遊ぶことができる。しかしモダンモードは一転、操作、演出共にスピードアップし、ソニックの動きも鋭角的なものになる

(C)SEGA




■ PS3/Xbox 360「ソニックジェネレーションズ 白の時空」

  「ソニックジェネレーションズ 白の時空」はニンテンドー3DSの「ソニックジェネレーションズ 青の冒険」と同時に、PS3とXbox 360向けに発売される。

 従来のシリーズで味わえたスピーディな2Dアクションの爽快感をしっかりと継承した「クラシック」モードと、高速の3Dアクションを楽しめる「モダン」モードという、2つの異なるプレイ感を味わえる作品に仕上がっている。今回の試遊では、ステージこそ暴走トラックから逃げる「シティエスケープ」1つだったが、クラシックとモダン、両方のモードでのプレイが可能になっていた。

 今回、3DSの「青の冒険」でクラシックモードを遊んでいたので、こちらではモダンモードを選択したのだが、プレイして正直驚かされた。もともとソニックシリーズは爽快なプレイ感が売りのゲームだったが、それはあくまでソニックの乗っているジェットコースターを見て「早いな」と思っていたようなものだった。しかし、今回3Dになったことで、スピード感に加えて迫力という要素が加わり、まるでソニックと一緒に疾走するジェットコースターに乗っているかのような衝撃を受けた。モダンモードでは、スピンダッシュに代わるブーストダッシュができるようになっているが、それを使わなくても十分なほどのスピードを感じることが可能で、初見ではおそらくほとんどのプレイヤーがソニックが走り回るさまを目で追うのがせいいっぱいとなるだろう。それほどに本作の疾走感と迫力は高い。

 また、ステージ後半に現れる暴走トラックに追われるのも、映画を思わせるような巧みなカメラワークが施されており、ちゃんとプレイすれば逃げきれるとわかっていても、肌があわ立つようなゾクゾク感を得ることができる。今回、ぜひともプレイしてみてほしい作品だ。

 12月8日発売予定。価格は7,329円。


静止画ではなかなか迫力が伝わらないが、本作は3Dであることを大いに活用しており、遊んでいて実際に自分が猛スピードで滑走しているような感覚を味わうことができる。試遊台が2台と少ないので、遊びたい人は早めに足を運ぶようにしよう。試遊時間は10分ほどあり、ステージを両方のモードで遊ぶことができる。

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■ 3DS/Wii/PSP「ぷよぷよ!!」

 「ぷよぷよ」シリーズの最新作「ぷよぷよ!!」のニンテンドー3DSとWii、PSP版が12月15日に発売されることが決定し、今回のゲームショウで試遊ができるようになっている。試遊できるのは3DS版だ。試遊時間は10分程度で、数は8台が用意されている。

 試遊では「ペアでぷよぷよ」、「ぷよぷよSUN」、「ぷよぷよフィーバー」、「アクティブ」の4つのモードでCPU戦を遊ぶことができる。「ペアでぷよぷよ」は自分のほかに選んだキャラクター(CPUが操作)とペアを組み、ペアの連鎖中に自分もぷよを消すことで連鎖がつながるチーム戦だ。小さな連鎖しか組めなくても、タイミングを合わせることで5連鎖、6連鎖といった大連鎖を発生させることができる。例えば、2連鎖+3連鎖でも5連鎖ぶんのおじゃまぷよを落とせるので、とてもダイナミックな展開が楽しめる。上級者同士で一触即発の戦いをするのはもちろん、大連鎖が組みたくても、まだ慣れていない初心者のプレーヤーにもオススメのモードだ。

 「ぷよぷよSUN」と「ぷよぷよフィーバー」はそれぞれ過去の作品に準じたシステムが採用されており、「ぷよぷよSUN」では、おじゃまぷよを相殺することで落ちてくる太陽ぷよを消すことで、大量のおじゃまぷよを発生させられる。「ぷよぷよフィーバー」では、相殺でゲージをためて大連鎖が可能になるフィーバーモードに突入することが可能だ。

 「アクティブ」モードでは、連鎖中も次のぷよを落とすことができるので、連鎖が起こっているあいだに新たなぷよを積み、連鎖をつなげていくことができる。うまくやれば通常のぷよぷよでは考えられない数の連鎖を途切れさせずに続けられる。

 「ぷよをつなげて消す」という基本をしっかりと踏襲しながら、新たなルールを盛り込んで、いまだに進歩する「ぷよぷよ」シリーズ。現役でバリバリ楽しんでいる人はもちろん、「昔は、遊んでたな」という人も今回の試遊でぜひ遊んでみてほしい。

 11月17日発売予定で、価格はそれぞれ5,229円。3DSに用意される限定版「ぷよぷよ!! アニバーサリーピンズコレクション」は8,715円。


製品版では「ぷよぷよ通」や「なぞぷよ」など、合計15ものモードが楽しめるようになっている。対戦以外にも総勢24のキャラクターのストーリーモードも搭載しており、1人で楽しい、みんなで楽しいパーティゲームになっている

(C)SEGA




■ 3DS「Shinobi 3D」

 「Shinobi 3D」はアーケードからメガドライブ、プレイステーション 2にXboxなど、さまざまなプラットフォームで展開されているアクションゲームシリーズの最新作。プレイヤーは忍者ジロー・ムサシを操作し、斬撃、手裏剣、忍術などさまざまな手段で、立ちはだかる敵を打ち倒し進んでいく。各種攻撃や八双飛びなど、従来のシリーズのアクション性はそのままに、立体視やジャイロセンサーなど、3DSの機能を利用したギミックや新たなステージが用意された意欲作だ。

 ブースには試遊台が2台設置され、約10分の試遊が可能になっている。燃え上がる寺院らしき建物に進入していくステージと、そこから続く、馬に乗って走り、倒れた木などの障害物を回避しながら追いすがってくる敵を切り倒すという2つのステージを体験できる。

 操作方法はいたってシンプルで、Yボタンで斬撃、Aボタンで手裏剣を飛ばすといった攻撃を行なう。役割がしっかりとわけられており、近い敵にはYボタンを連打しての連続斬り、遠くの敵には手裏剣を飛ばして先手を打つなど、簡単な操作で小気味いいアクションが可能で、サクサクと進んでいくことができる。Rボタンのガード

 また、Bボタンでジャンプ、Xボタンでいろいろなものをつかむ鉤をのばすことができる。Bボタンでのジャンプ中にさらにBボタンを押すことで八双飛び(2段ジャンプ)になり、この時に手裏剣を投げると攻撃範囲の広い八双手裏剣を投げられる。さらに、必殺技としてLボタンで画面全体に攻撃できる火遁の術など4種の忍術を使うことができる。

 このほか、Rボタンのガードは相手の攻撃にタイミングを合わせることで、ほとんどの攻撃をノーダメージに抑えることが可能だ。これらに加えて壁ジャンプや、天井につかまるなどのアクションを駆使してステージを進んでいく。

 通常ステージでは、「敵をうまく蹴散らす、敵の攻撃をタイミングよくガードする」という2種類の異なる気持ちよさを感じられるが、今回試遊できる馬上で敵を倒していくステージは、3DSの機能がよく活かされ、新たな気持ちよさを感じることができる。馬に騎乗し、走りながら敵を倒すだけの、わかりやすいステージだが、3Dになったことで、風を切って走る感覚や、進路をふさぐ木などがぐいぐいと近づいてくる迫力を感じることができる。その臨場感のなかで、同じように馬で追いかけてくる敵を倒し、駆け抜けていくのは非常に爽快で、新しいかたちでの達成感を与えてくれる。

 老舗アクションゲームの高い完成度はそのままに、ハードの機能を活かした第3のおもしろさを追加した本作。時間を見つけてぜひ試遊に立ち寄ってもらいたい。

 11月17日発売予定。価格は5,229円。


ジャンプ、鉤をのばしてつかむなど操作方法はどれもシンプルだが、壁を蹴っての多段ジャンプや、壁に鉤をひっかけて張りつくなど、多彩なアクションが楽しめる。攻撃面のアクションも八双飛びからの八双手裏剣や忍術など多岐にわたり、プレイしていて飽きさせないつくりになっている

3D機能を活かしたステージでは、これまでのシリーズとはまた違った迫力、臨場感を味わうことができる。ジャイロセンサーを使って右や左に振ることができるそうだが、今回の試遊では3DSが台に固定してあったので残念ながら試してみることができなかった。製品版に期待したい

(C)SEGA




■ PS3/Xbox 360「MAX ANARCHY(マックス アナーキー)」

 「MAX ANARCHY」はセガとプラチナゲームスと共同で開発し、PS3とXBOX360で2012年1月に発売が予定されている“乱戦”格闘アクションだ。乱戦と銘打たれているように、多人数による近接戦闘をベースに、定期的に投下される武装、ステージ上に設置された武器としても使えるオブジェクトなど、さまざまな「荒れる」要素を加えた作品になっている。SEGAブースではPS3版を使っての4人対戦ができる試遊台が1セット設置されており、本作の醍醐味である多人数戦が体験できる。

 本作では、左右のアナログスティックでキャラクターの移動とカメラ操作を行ない、□ボタンで弱、△ボタンで強攻撃を繰り出すことができる。対戦相手に近付くと自動的にロックオンされ、それに向かって攻撃が出るようになり、また□→□→△などは連続ヒットするコンボになる。

 また、L2を押し続けることでキリングウェポンと呼ばれる強力な武装を構えることができ、この状態で□や△で攻撃を行なうと、発生は遅いものの威力の高い攻撃を放つ。 そのほか×ボタンでのジャンプ、○ボタンで対戦相手やオブジェクトをつかむ、□△同時押しで体力を消費しての全方位攻撃、戦闘中にたまるゲージを消費しての必殺技「レイジ」など、さまざまなアクションを取ることができるが、全体的に直感的な操作が可能で、アクションゲームが苦手な筆者でもすぐにプレイに慣れることができた。

 遊んでみてグッときたのは、近接攻撃メインでの多人数戦の荒れ具合だ。気持ちよくコンボを叩き込んでいると、いつの間にか背後に別の相手が迫っていて、今までコンボを決めていた相手と一緒に自分もコンボを食らう、というような事が平気で起こる。 それならば全員が漁夫の利を狙おうとしてこう着するのかと思いきや、そんなことはなく、コンボを決めながら、□△での全方位攻撃で追っ払うというようなことも可能で、さらに4人対戦では、漁夫の利を得ようとするプレイヤーもさらに別のプレイヤーの動向に気をつけなくてはいけないので、結局みな細かいことを考えずにガンガン相手に襲いかかっていくスタイルになる。 そんななかで、うまく立ち回って複数のプレイヤーをまとめて倒したときの「やってやった」感は非常に高く、扱いやすい操作方法とあいまって、プレイしていて爽快で、楽しい。

 今回は試遊ということもあって、ステージ上に投下される武器や、ステージ中のギミックを使ってのプレイはあまりクローズアップされていなかったが、ただ4人で走り回り、スキをうかがって攻撃をしかけるというもっとも根本的な部分だけでも充分に本作の魅力を味わうことができた。これにさまざまな武器やステージギミックが加わる製品版が非常に楽しみになる作品となっている。

 ビジネスデイでもある程度行列のできる人気ぶりだったので、明日以降はさらなる混雑が予想されるが、対戦アクションが好きなプレイヤーは、ぜひとも遊んでみてほしい。

 2012年1月発売予定。価格未定。


多人数での戦闘は混迷をきわめる。なるべくステージの外周部分を走り回って他のプレイヤーのスキをうかがうのがいいかもしれない。しかしその場合自分の逃げ場所がなくなることもある。そのあたりの綱引きが実に面白い。ぜひ自分だけの立ち回り方法を考えてみてほしい

(C)SEGA



(2011年 9月 17日)

[Reported by 菅原哲二]