東京ゲームショウ 2011レポート

東京ゲームショウレポート カプコンブースレポートPS3/Xbox 360「アスラズ ラース」
「熱く、熱く、ちょっと泣ける。」と魅力をアピール!
とんでもないスケールと展開の連続で迫る新アクションタイトル


9月15日~18日 開催(15日、16日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)、小学生以下は入場無料


 本稿では、東京ゲームショー2011カプコンブースで開催された「アスラズラース」のスペシャルステージイベント「土屋P、松山社長に聞く!最新第●●話公開ステージ」での模様と、ブースで本作を試遊したレポートをお送りしよう。「アスラズ ラース」は、株式会社サイバーコネクトツーが開発するプレイステーション 3/Xbox 360用“体験型連続活劇アクション”。2012年発売予定。



■ “演出とアクションの融合”土屋P、松山社長が熱くアピール!

スペシャルステージに登場したカプコンのプロデューサー土屋和弘氏と、サイバーコネクトツー代表取締役社長 松山洋氏。本作の魅力を熱く語った

 壇上には、カプコンよりプロデューサーの土屋和弘氏と、サイバーコネクトツー代表取締役社長 松山洋氏が登場。本作の魅力のポイントや最新情報を公開した。

 カプコンとサイバーコネクトツーが共同で作り上げる“まったく新しいオリジナルアクション”というコンセプトで始まったという本作。仏教をテーマにし、演出には特にこだわっているという。

 大きな特徴は、漫画・アニメ・TVドラマのような構成をしている事と語る2人。いわゆる、ひとつのステージを第●話というように話数に見立て、オープニングから始まりゲームシーンのAパートとBパートの間にはアイキャッチ(アニメ等でよくあるCMに入る時に出る演出)も入れている。そして、その回のエンディングが流れ、最後にストーリーの続きが気になるところで「つづく。」と出て終わっていく。まさにアニメ的な構成だ。


漫画・アニメ・TVドラマ的な構成しているという本作。場面展開にアイキャッチが挟まれるのがいかにもだ

 ここで2人から、今回新たに発表したいという新情報が公開された。映像が上映されるとそこには、アスラと敵対する存在の1人「ヤシャ」が何かアスラのことを考えて思い悩んでいる様子が描かれていた。その後「不義を正しに行くのだ。」と語りどこかに行こうとするヤシャ。それを食い止めようとする者たちを蹴散らしながら、ヤシャが駆けだしたところで、「つづく。」と出て映像は終わっていった。この映像は下に掲載しているのでぜひご覧いただきたい。

 これはゲーム本編中にもあるヤシャの目線で描かれている場面であり、ヤシャは“もうひとりの主人公”なのだという。TVドラマなどでもあるように、アスラが戦っている場面から「一方その頃ヤシャは……。」というように別の場面に切り替わるようなストーリー展開も入れいているということだ。ヤシャはアスラとはまた違ったタイプで、スピードに秀でているとのこと。


【プロモーションムービー】


松山社長が実演プレイ。第6話のヤシャ戦を披露した

 試遊コーナーでは本作の中から5話と11話のどちらかがプレイできるようになっており、この2つの話は良い意味でまるで違う要素を持つステージになっているということだ。全体のストーリーの中では盛り上がるポイントになっている回ということだ。

 ここで松山氏による実演プレイが披露された。プレイするのは試遊台にはない第6話。試遊できる5話の続きというわけだ。5話の終盤ではアスラが絶体絶命のピンチをはねのけたものの、ボロボロに傷つき倒れてしまった。その続きとなる。

 この第6話にはヤシャが登場する。一方のアスラは腕を全て失っている。松山氏は「これじゃ戦えないじゃんと思うかもしれないが、使えるものは何でも使って戦うんです。」とプレイを開始。ヤシャの攻撃を避けつつ、足での近接攻撃で戦うアスラ。本来だとアスラは遠距離攻撃の弾を撃てるのだが、このシーンでは腕がないので弾も撃てない。一方のヤシャは強敵であり、松山氏も真剣にプレイしていた。

 松山氏が苦労しつつもなんとかカウンター攻撃を決めた。続いて画面に△と表示されたところでタイミングよく△ボタンを押し攻撃を成功させた。強烈な蹴りがヤシャの顔面にヒット、これは決まったかというところでアイキャッチ。


第5話で腕を全て失っているアスラ。それでも残っている足で果敢に挑んでいく。劣勢ながらもヤシャに渾身の蹴りが決まったところで、アイキャッチ!

最後の怒りと力を振り絞って、渾身の頭突き!アスラの怒りの凄まじさとそれが起こす起死回生も本作の見所だ

 Bパートに入るとなんとヤシャはほとんどダメージを受けておらず、さらに猛然とアスラを攻め立てる。攻撃のパターンがより強烈なものに変わって苦戦を強いられる松山氏。だが、攻撃をかいくぐり蹴りでダメージを与え続け、ついにクライマックスのチャンス!QTE操作(画面に表示されたボタンを押すアクション)を成功させ、アスラの捨て身の頭突きが決まった!ヤシャの身体を突き抜け背後の山が崩れるほどの頭突きに、さすがのヤシャも仮面が割れて素顔があらわになった。だが、アスラは……、という実にいいところで実演は終了となった。このように回ごとに戦いがありピンチから逆転へという盛り上がりのピークを迎え、次の回へと続いていくというわけだ。

 実演を終え、最後に松山氏は「このゲームのやりすぎなぐらいの演出を見て『バカじゃね~の(笑)』と言ってもらえたら、こちらとしてはありがとうなんです(笑)。燃えて燃えて、ちょっと泣ける。アスラズラースご期待ください。」と語ってイベントを締めくくった。


イーカプコン限定の特装版や、怒りをテーマにしたイラストコンテストの開催を発表。コンテスト入賞作品はゲーム内のアイキャッチに採用されるという。このほか、ニュータイプエースでは連載漫画もスタートする



■ 「試遊レポート」本作の“アクションと演出が融合した作り”と“熱さ”を感じさせてくれる試遊バージョン

アスラズ ラースブースは、中央頭上にワイゼンの指先があるというユニークな作り
大権現ワイゼン入道。アスラに宇宙まで殴り飛ばされるも、地球より巨大になってアスラに逆襲する

 試遊台では、ワイゼンという仏像のような敵と戦う第5話か、アスラと少し似ているオーガスという相手と戦う第11話を選べる。この2つはイベントステージでもあったように、全く異なるプレイになるステージ。

 まず巨体のワイゼンとの戦い。ワイゼンとは遠距離攻撃の弾を撃つ攻撃を中心に戦うことになる。イベントシーンの連続のような作りで、ワイゼンの身体をロックオンして弾を放ち、ワイゼンが呼び寄せた戦艦から放たれるミサイルを遠距離攻撃で撃ち落としつつ、地上から近づいてくる雑魚と近接攻撃で戦う、ワイゼンが体制を崩したところでQTE操作を行ない、強烈な攻撃を成功させていく。QTEを含んだイベントシーンとアクションとが融合していて連続で展開されるような、独特の見せ方になっていた。

 攻撃をヒットさせることでバーストゲージが溜まっていき、最大になると渾身の攻撃を繰り出せる。それによって新たな展開へ進むという具合だ。アスラの強烈な攻撃で宇宙にまではじき飛ばされたワイゼン。勝負は決まったかというところでアイキャッチ。

 アイキャッチが終わると(アイキャッチはCMを飛ばしたようにすぐ終わる)、ワイゼンは不敵な笑みを浮かべ、パワーを集中。みるみるうちに巨大になり、ついには地球よりも巨大な身体になった。宇宙に浮かぶ地球とそれより巨大な仏像のワイゼン。そんなバカなと思わず言いたくなるスケール感がナイスだ。ワイゼンは指先をアスラがいたあたりの大陸めがけ降ろしていく。

 アスラの頭上から降りてくる巨大な指先。それを受け止めるも、一度は押しつぶされてしまう。もはや絶体絶命。だがアスラは神に捕らわれている娘を思い出し、怒りをみなぎらせ立ち上がる。ワイゼンの指先に向かって猛然と殴る、殴る、殴る。6本の腕が次々に砕けていく。だが、それでも殴る。最後の片腕で渾身の一撃を撃ち込んだ……!


巨大なワイゼンとの戦いはイベント戦闘が連続していくように、いろんなアクションを駆使して戦っていく。2段目の画像のように戦艦と地上の雑魚を同時に相手にするような展開も。宇宙でさらに巨大になったワイゼンは指先でアスラを押しつぶそうとするが、それをひたすらに殴り返す。腕が割れようともひたすらに。この笑ってしまうようなスケール感と熱い展開がなんともたまらない

アスラをよく知るオーガスと1対1での戦い
フィールドを移動しつつ、オーガスの攻撃を交わしてこちらの攻撃をヒットさせていく。ジャンプボタンでうまく交わすのがポイント

 続いて第11話の「オーガス」戦。こちらはワイゼンとはうって変わって、アスラとほとんど同じ体格をしたオーガスとの一騎打ち。昔からの顔なじみの2人。場面は2人の会話から始まるのだが、会話中には常に「オーガスを黙らせる」というボタン表示が出ている。途中で話をやめて殴りかかれるわけだ。

 オーガスとの戦いは広いフィールドを、オーガスをロックオンして移動しつつ戦うというスタイル。ジャンプボタンで攻撃を避けつつ、カウンターで強攻撃をお見舞いしていく。オーガスがダッシュで突っ込んできたところにQTE操作で反応して拳と拳をぶつけ合うラッシュ対決。それを制して、オーガスが吹っ飛んだところでアイキャッチ。

 アイキャッチ後はオーガスが刀を抜く。と、ここでまったく別の場所で戦いを見ているらしき2人が「オーガスが刀を抜くとは。アスラの力がそれほどとは……。」的な会話を見せる。定番ではあるが、魅力ある演出だ。

 刀を振り、その斬撃がまるでレーザーのようにアスラに襲いかかるが、それをかいくぐり攻撃を浴びせていく。オーガスの刀が伸びて真上から振り下ろされると、QTE操作で反応して真剣白刃取り。そのまま刀をレールのように掴んだまま前へ進み、オーガスへ強烈な一撃! そうしてダメージを与えていくと、オーガスは最後の一撃だと語って渾身の突きを放つ。

 伸びてきた刀を掴むも、刀は伸び続けついにはアスラは浮かび上がり、そのまま、戦っていた舞台の星(おそらく月)も飛び出して宇宙空間へ押し出される。アスラと刀の切っ先は地球まで伸びていき、そのまま大気圏突入。刀とアスラはまるで一筋の流れ星のように空に光り、地球にはそれを見つめている1人の女の子の姿が。ついに地球の地面に激突したアスラはついに刀に貫かれてしまう。絶体絶命。だが、妻や娘を愚弄するオーガスの勝ち誇るような言葉に、アスラは身を震わせ、最後の力を怒りに宿し、刀めがけて拳を撃ち込んだ……!


アスラとのラッシュに押され吹き飛んだオーガスは、ついに刀を抜く。それに驚くヤシャ。刀の剣劇を交わしてオーガスを追い詰めるも、オーガス最後の一撃はアスラを宇宙まで押しやり、大気圏に突入して、地上に落としていった。ワイゼン戦同様、こちらもスケール感がとてつもない

 プレイ模様はこのような具合だ。イベント戦闘の連続のようなワイゼン戦と、攻撃を交わし当てるというスタンダードな1対1のアクション戦闘ながら随所に演出が盛り込まれているオーガス戦と、まったく異なるアクションを楽しめるようになっていた。QTE操作が非常に多かったが、ほとんどのものは操作の猶予時間が長めで、ボタン表示の円に向かって小さく狭まっていく丸いラインを見て、タイミングよくボタンを押すというものになっている。そのタイミングが合っているかどうかでGOODやEXCELLENTのような評価も出ていた。反応が求められるシビアなものになりすぎないように配慮しているのを感じたところだ。

 まるでアニメを楽しんでいるかのようなプレイが楽しめるわけだが、地球より大きくなってしまうワイゼンや、刀が伸びて大気圏に突入していくようなそのセンス、突き抜けたスケール感には驚かされる。ピンチと逆転の連続が続く熱い展開も見所満載だ。新しいスタイルのアクションとして期待したい1本だ。

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(2011年 9月 16日)

[Reported by 山村智美]