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日本マイクロソフト、新年度経営方針記者会見を開催
コンシューマーに特化した組織を新設、泉水氏はXbox事業専任に


7月6日開催

会場:日本マイクロソフト品川本社オフィス



 日本マイクロソフト株式会社は7月6日、2012年度(2011年7月1日〜2012年6月30日)のスタートに合わせて、毎年恒例の新年度経営方針記者会見を開催した。本稿ではXbox 360関連の話題を中心に取り上げたい。


■ コンシューマー市場を束ねるコンシューマー&パートナーグループを新設

日本マイクロソフトの2012年度の大きな特徴は組織改革と人事の刷新
グループの目標は「日本の“変わる”を支援」。具体的なコミットはほとんどなく、やや抽象的な印象だ

 毎年、東京のホテルやカンファレンスルームを会場に開催されてきた新年度経営方針記者会見だが、今年は社名変更して初の開催となるため、移転したばかりの品川本社オフィスのセミナールームでの開催となった。例年通り代表執行役社長の樋口泰之氏以下、日本マイクロソフトの執行役や業務執行役員が勢揃いし、記者会見後の懇親会では各グループごとにわかれて担当役員に直接話を聞くことができた。

 2012年度の大きな特徴は、執行チームの人事が刷新され、大胆な組織改革が行なわれたことだ。コンシューマー&オンライン事業を担当していた代表執行役副社長の堂山昌司氏、エンタープライズビジネスを担当していた執行役常務の平野拓也氏がそれぞれ6月30日を持って退任し、代わりに新設されたコンシューマー&パートナーグループの担当として、これまで米国に転籍していた香山春明氏が執行役常務としてカムバックを果たしている。

 コンシューマー&パートナーグループは、これまで泉水敬氏が本部長を務めていた旧ホーム&エンターテイメント事業本部や堂山氏のコンシューマー&オンライン事業部、リテールビジネス統括本部、OEM 統括本部、オフィスプレインストール事業統括本部などを幅広く包含した横断的な組織で、樋口氏が就任以来推進している組織改革の一環となる。

 ゲーム部門のトップである泉水氏は、これもまた新設されたインタラクティブ・エンターテイメント・ビジネスのゼネラルマネージャーとなり、これまではホーム&エンターテイメント事業本部長として、WindowsやOfficeといったソフトウェアのリテールビジネス等も担当していたが、今後はXbox 360事業(Xbox 360、Kinect for Xbox 360、Xbox LIVE)専任となる。

 さて、事業戦略の説明を行なった代表執行役社長の樋口泰之氏は、少子高齢化、GDPの低下、そして震災などの提供により日本を取り巻く状況は危機的としながらも、2011年度は、社名を変えて日本市場によりコミットする形で、クラウド事業を筆頭に着実に進化を遂げた1年だと振り返った。2012年度については、デバイス/コンシューマー、クラウド、ソリューションの3つの分野を軸に、これらのサービスを通じて日本の復興や再生を支援していくとしている。

 このうちXbox 360事業は、デバイス/コンシューマーの中に含まれ、組織的には今回新設されたコンシューマー&パートナーグループの管轄となる。日本マイクロソフトはBtoCだけでなくBtoBも幅広く扱う会社だが、どういう組織区分にしてもうまく切り分けられない部分が存在する。ここが同社のような大会社のウィークポイントとなるが、コンシューマー&パートナーグループは、BtoCに特化した集団で、コンシューマービジネスはすべてここの担当となる。

 デバイス/コンシューマーの戦略については、Windows Phone、Windows Slate PC、Xbox 360、Kinect for Xbox 360などのデバイスを軸にコンシューマー市場をドライブしていく。樋口氏は、日程こそ明らかにしなかったものの、Windows Phoneの本年度の提供を明言。

 ゲーム事業については、Xbox 360そのものについては特にコメントはなく、Kinectに関して「世界中で売れまくっている。モーションセンシングをフルに活用した有力なタイトルが出てくる。すでに案内しているとおり、“ディズニー”や“スター・ウォーズ”といった非常に親しみのあるタイトルが増えてくる。モノがないと話にならないが、モノが揃ってくるのでオールマイクロソフトジャパンで総力を挙げて推進していきたい」と、今年も改めてKinectに全力投球していくことをコミットした。

【2012年度の注目分野】
ゲーム事業に関してはKinectのみの言及に留まった。今期中の日本展開を表明したWindows Phone“Mango”については、ゲームサービスも行うようだ


■ 泉水氏はXbox専属に。有力タイトルを軸に普及に向けて活動を継続

日本マイクロソフト 執行役 インタラクティブ・エンターテイメント・ビジネス ゼネラルマネージャーの泉水敬氏
E3でのMicrosoft Media BriefingではKinectを大プッシュしていたが、日本でも基本的にその戦略を踏襲するようだ

 懇親会では泉水氏に直接話を伺うことができた。今回の人事異動については、「自分の人事に言及するのは難しいが、要するに“泉水もっと頑張れ”ということ。マイクロソフトとしてはエンターテインメントビジネスを非常に重視しているが、昨年度はあまり結果が芳しくなかった。私がもっとXboxに注力してしっかり結果を出してほしいというふうに理解している。“泉水、ちゃんとやれよ、責任取れよ”という叱咤激励ですね(笑)」とコメント。

 新年度の抱負については、「Kinectを発売したが、正直に申し上げて想定通りの普及ができなかった。学んだことも多いので、その学びを活かしながら、日本にも馴染みの深いIPを使った素晴らしいKinectタイトルや、コアゲーマーが満足できる有力タイトルを提供しながら、今年再度普及に向けての活動をしていきたい」と笑顔でコメントしてくれた。

 新年度の事業計画については、「事業の柱はあくまでゲームとエンターテインメントサービス。他社との最大の差別化要素としてKinectが存在する。そしてそれらを支えるXbox LIVEという優れたオンラインサービスがある」と回答し、E3で発表された新しい映像配信サービスについては、「我々は昨年度Zune Videoというサービスを開始していますし、現在も水面下で色々な話をさせていただいている。UFCやYouTubeなどの新コンテンツも準備ができ次第発表できると思います」と前向きなコメントだった。

 日本法人の重要なタスクである日本発のコンテンツ配信については、「Zune Videoでは、アニメーションのカテゴリの中に、日本のアニメーションを配信する“アニメ”という項目を用意し、バンダイチャンネルさんを始め、多くの日本発のコンテンツを世界に配信しています。アニメは今後も増やしていきたいと思っています」となめらかに回答してくれたが、ゲームについて話を振ると、「ゲームについてはかなり頑張らなければいけない。日本のゲーム業界全体が新しいことに取り組む雰囲気が薄くなっている。たとえば、日本ではソーシャルゲームが流行っていますが、ゲームメーカーさんもコンテンツ戦略をどこに持っていこうか迷っていらっしゃるところが多い。我々としてはそれらメーカーさんとお話ししながらしっかり取り込みながら、一緒に世界で勝負できるコンテンツを作っていきたい」と抱負を述べてくれた。

 現在準備中の日本発のMicrosoft Studiosタイトルについては、「もちろん準備しています。Kinect対応タイトルや、Xbox LIVEアーケードタイトル、メーカーも大手さんに限らず、中堅どころのメーカーさんもいる。それらを今後もどんどん世界に発信していきます。日本のクリエイターが作るタイトルは、独特なものがあって、ゲームの発祥の地から出てくるコンテンツに対する関心は依然として高い。我々としてはクリエイターの活動を今後も支援していきたい」と述べてくれた。

 ゲームファンに向けてのメッセージとして、「Xbox 360は発売から5年が経過し、非常に多くのユーザー様に遊んで頂いているが、我々はXbox 360というプラットフォームは変えずに、Kinectを追加し、今後も新しいサービスを追加していきます。ぜひ引き続きご注目ください」とコメントしてくれた。次回の大きな動きは東京ゲームショウということになるようだが、今後の同社の取り組みに引き続き注目していきたい。


(2011年 7月 6日)

[Reported by 中村聖司]