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日本マイクロソフト、新年度経営方針記者会見を開催
東京ゲームショウにXbox Oneを出展。泉水氏「Donの退任は個人的に残念」
(2013/7/2 17:29)
日本マイクロソフトは、毎年恒例となっている新会計年度(2013年7月1日~2014年6月30日)に向けた経営方針説明会を、東京品川の日本マイクロソフト本社会議室にて開催した。記者会見には代表執行役社長の樋口泰行氏をはじめ、各事業担当役員が出席。記者会見後は、懇親会が開かれ、各事業担当役員と情報交換を行なうことができた。本稿ではXbox事業を中心に記者会見と懇親会の模様をお伝えしたい。
記者会見では、例年通り樋口氏自らが説明を担当した。社長就任5年を振り返りながらFY13(2013年度)については、Windows 8とSurfaceのリリースに力点を置いた説明を展開。具体的な数字は例によって明らかにしなかったが、Surface RTは直近の販売台数が4週連続でiPadを上回り、今後は法人専任のチームを整え、Surface Proも含めた形で法人営業も本格的に開始していくという。
Xboxを中心としたインタラクティブエンターテインメント事業については、FY13についてもFY14についても一切触れられず、そのことを質疑応答で問われると、樋口氏は「過渡期」という言葉を繰り返しながら、現在は日本マイクロソフトとしてエンターテインメントビジネスの転換期であり、その先にあるデバイスがXbox Oneであるという認識を示し、「そのビジョンが固まったらまたお知らせしたい」とXbox Oneのリリース時期について具体的なコミットを避けた。
続いて樋口氏に変わってXbox事業に関してコメントした日本マイクロソフト執行役 IEB(Interactive Entertainment Business)ゼネラルマネージャーの泉水敬氏は、予備知識としてXboxというブランドが、Windows 8のリリースを境に、ゲームビジネス単体を指すブランドから、Microsoftのエンターテインメントビジネス全体を指すブランドに変わったことを挙げ、そうした中で昨年度は“Xbox Video”という映像配信ビジネスも開始したことを紹介し、ゲーム以外のビジネスにも力を入れていたことをアピール。
FY13のXboxビジネスという点では、「引き続き多くのパートナーからタイトルの供給があり、多くのゲームファンに楽しんで貰えたのではないか。Xbox LIVEのユーザーも非常にアクティブに継続していただいている」と非常にザックリとした感想を述べるに留め、FY14については「新しい世代の(ゲームコンソールの)展開に向けて準備を進めており、その展開の内容については別途機会を設けて説明させていただきたい」とまとめた。
記者会見後の懇親会で泉水氏にXbox Oneの日本展開について話を向けたところ、「今年は東京ゲームショウに出展しますので、そこでユーザーの皆さんが満足するものをご覧に入れるべく、現在準備を進めているところです」と、Xbox Oneの国内初披露の場とすべく準備を進めていることを匂わせた。発売時期については明言は避けつつも、「現在、水面下で新しい世代の準備も着々と進めていますので、どうかご期待下さい」と笑顔で述べ、早期リリースに向けて準備を進めていることを明かしてくれた。
既存のXbox 360については、E3で発表された新型のXbox 360を日本でもリリースする方針であることを改めてコメントし、「新型Xbox 360については準備ができ次第ご案内します。Xbox 360のビジネスは今後も継続していきますし、ユーザーの皆さんに満足して貰えるようにゲームタイトルやLIVEサービスの充実を図っていくつもりですのでご安心下さい」と述べ、今後も引き続きXbox 360を日本でもしっかり展開していく方針を明確にした。
最後に今朝のDon Mattrick氏の退任発表について話を向けると、「Donは日本展開についてもかなり力を入れてくれた人物なので、個人的には非常に残念です」と率直な感想を述べ、今後のIEB部門については、Steve Ballmerが当面の間事業を直轄し、Don直下の各セクションの経験豊富なリーダーがチームとして全体を回していくことになるのではないかと予測。Microsoft Studiosについては、全体と北米をFill Spencer、ヨーロッパをFill Harrisonの2人がマネージする体制に変更はないとコメントし、Mattrick氏の退任がIEBに与える影響は限定的という見方を示した。