アルケミア、ブラウザゲーム「天外魔境 JIPANG7」の記者発表会を開催
「天外」シリーズ最新作はオンラインゲーム! 力を合わせて暗黒ランを切り倒せ!!


1月18日開催

場所:レッド・エンタテインメント本社


 株式会社アルケミアは、東京中央区のレッド・エンタテインメント本社にて、1月18日、ブラウザ型のオンラインゲーム「天外魔境 JIPANG7」の記者発表会を開催した。「天外魔境 JIPANG7」は1月下旬より公式ホームページでクローズドβテスターを募集し、1月31日よりクローズドβテストを開始する予定だ。2月中にも基本プレイ無料のアイテム課金制による正式サービスに移行する見込み。

 「天外魔境 JIPANG7」は、架空の国「ジパング」を舞台にしたゲームシリーズ「天外魔境」のシリーズ7作目にあたるゲームだ。「天外魔境 JIPANG7」は「天外魔境II」の千年前を舞台に、プレーヤーは世界征服をたくらむ「根の一族」が暗躍する世界で、7つの国のどこかに所属し、戦っていくことになる。

 発表会では、プロデューサーのRoute24代表の西健一氏と、ディレクターを務めるアマツ取締役の澤紫臣氏から、本作が作られるまでの経緯とゲームの詳細が説明された。


■ シリーズ7作目は“戦乱ソーシャルオンライン活劇”! ピースフルで力を合わせるゲームを目指す

本作のプロデューサーを務めるRoute24代表の西健一氏
ディレクターを務めるアマツ取締役の澤紫臣氏

 「天外魔境 JIPANG7」は「天外魔境」7作目に当たるシリーズ最新作。7人の勇者、7つの国など“7”がキーワードとなるという。本作はジパングのヤマトと呼ばれる地方を舞台としている。根の一族は「ヨミ」という存在の復活をもくろんでおり、ヨミに魂を送り届けるための「暗黒ラン」を各地で育て始め、人々の生活を脅かしている。

 本作のプレーヤーキャラクターは、平凡な「ジパングの民」のほかにも、根の一族に対抗する「火の一族」や「人魚」、「鬼」、「天狗」など、人間以外のキャラクターも選べる。プレーヤーは自分の陣地である「あばら家」にある火田(ひだ)で素材を育成、戦闘で使う「絵札」等をほこらで合成していく。「英雄召喚絵札」が合成できたら、各地の根の一族と戦いを行なうことができるという。さらにプレーヤー達が協力して、根の一族の暗黒ランの打倒を目指していく。

 記者発表会で最初に挨拶したのはアルケミアのゲームポータルサイト「GameComplex」のディレクター土屋謙氏。土屋氏は「我々はこれまで、スマートフォンのアプリや、携帯電話向けソーシャルコンテンツなどをサービスしてきましたが、この度、プロデューサーに西健一氏、ディレクターに澤紫臣氏を迎えて、『天外魔境』シリーズ最新作をサービスすることになりました」と説明した。

 続いて登壇したレッド・エンタテイメントのクロスメディア事業本部プロデュース2課部長代理のトニー・福井氏はプロジェクトがスタートするまでの流れを語った。このプロジェクトは去年の年頭に西氏と澤氏から「天外魔境」でブラウザーゲームをやりたい、という希望があり、話をしていく上で仕様が固まっていった。

 澤氏は「天外魔境」シリーズの大ファンで、西氏からは海外産の殺伐としたものではなく、“ピースフル”な仲間と助け合えるような国産ブラウザゲームを目指そうというそれぞれの思いが合わさって作られた。「天外魔境 JIPANG7」という名前は本作がシリーズ7作目であるところなどから、福井氏と広井王子氏が考えついた名前とのことだ。

 続いて、西氏と澤氏からゲームのコンセプトと、基本要素が語られた。「天外魔境 JIPANG7」は“戦乱ソーシャルオンライン活劇”として、今までのジャンルに当てはまらないソーシャルゲームを作ろうという西氏の思いと、澤氏の「天外魔境」シリーズへの思い入れから生まれたゲームだという。澤氏は自宅からPCエンジンを持ってきて、ソフトを前に出してから、ゲームの説明を始めた。

 本作の企画は「天外魔境II」の「1000年前に大きな戦いがあった」というゲーム内のエピソードからスタートしている。そのエピソードをふくらませた上で、群像劇として、当時の人々が根の一族の支配と戦うストーリーを描き、クエストで細かくストーリー要素を盛りこんでいく。ゲームシステム的な部分では、西氏は特に、これまでの多くのソーシャルゲームは領土や資源の奪い合いなど殺伐としたものばかりだったが、本作では「人が仲良くなれる」、「他の人とコミュニケーションが取れる」ゲームを目指したかったという。

 「天外魔境 JIPANG7」ではプレーヤーは火田で作物を作る。プレーヤーによっては積極的に外に出て戦うこともできるし、じっと家にこもって生産に集中することも可能だ。西氏は「戦争の時でも全部の人が戦場で戦っていたわけではなく、のんびりした側面もあったはずだ。そういった雰囲気を入れたかった」と語った。また、本作では「天外魔境 風雲カブキ伝」や「サクラ大戦」シリーズの音楽を手掛けた田中公平氏が音楽を担当することも発表された。

 澤氏は「オンラインゲームはコミュニケーションであり、そこで育つプレーヤーキャラクターが何をするか、それを増やしていけるゲームだと思います。『天外魔境 JIPANG7』でも、色々なことができるようにしたい。そのベースをまず提供したいと思っています」と語った。

 西氏は最後に、「僕は、コンシューマー畑でゲームを開発してきたことを武器にしていきたいと思っています。コンシューマーっぽさを盛りこんで、演出や、反応や感触、“手触り感”をだしていきたいと思っています」と語った。


左から、アルケミアのゲームポータルサイト「GameComplex」のディレクター土屋謙氏、レッド・エンタテイメントクロスメディア事業本部プロデュース2課部長代理のトニー・福井氏。右は澤氏のPCエンジン。引っ越しの際に出してきたという

■ 負けた方にデメリットがないPvP、3カ月に1度、全てのプレーヤーが協力して、強大な敵に挑む!

自分の拠点となるあばら家。のどかな雰囲気が面白い
フィールド画面。モンスターが闊歩し、海草のような暗黒ランの根がプレーヤー達の移動を制限している

 「天外魔境 JIPANG7」では、人や鬼、天狗など7つの種族から1つを選択、自分の陣地である「あばら家」を拠点に活動していく。あばら家には火田があり、ここにアイテムを植えて育てていくことで、貴重なアイテムが得られる。種や竹などの植物だけでなく、団子や鎌など、ゲームに登場するどんなアイテムも植えて育てることができる。

 アイテムはあばら家にある「ほこら」で合成することができる。合成は成功値が決まっており、レシピを探し出すのも楽しみの1つだ。ランダムで良いものが合成できる場合もある。ここで合成できる「絵札」は、組み合わせることで戦闘に活用できるようになる。

 プレーヤーキャラクターはあばら家を出て、フィールドを探索することができる。フィールドは画面単位で100万画面あり、広大なフィールドが用意されている。フィールドにはモンスターが闊歩しており、モンスターを倒すことで「徳」を得て「段(レベル)」を上昇させられる。戦闘は絵札をセットして行なう。段が上がればより沢山の絵札をセットすることができる。

 絵札はジャンケンの属性があり、勝った方が先制攻撃をすることができ、あいこだとお互いのカード効果が打ち消され相殺となる。敵は種族ごとにセット内容が決まっており、一度やられても「戦闘を振り返る」というコマンドで敵の手札を研究することができる。強いカードをあいこで打ち消したり、自分の強いカードをいつぶつけるか、手札を工夫しながら敵を撃破する攻略要素もあるという。

 フィールドでは行く手を阻む「暗黒ランの根」が張っている場合がある。これを壊さなくてはより遠い場所へ行くことができない。根を壊すには一定時間と、「行動力」が消費される。このほか、ダンジョンがありここでは敵と連続して戦うことができるという。ダンジョンなどでも行動力を消費する。行動力は3分に1ずつ回復すると言うことで、一定時間にあまりにも大きな行動ができないような制限が加えられるということだ。

 また、フィールドには「?」マークのある場所があり、その場所に行くとクエストが始まる。生産アイテムを渡すなど、チュートリアル要素もあり、他の人にメールを出すなどコミュニケーションの初歩も学べる。「天外魔境」シリーズの流れを汲むストーリーも展開していく。本作は「天外魔境II」の1000年前の世界を舞台としているが、「1,000年前にもこいつはいたはずだ」というキャラクターはきちんと登場するということで、ファンには楽しめる要素も盛りこまれる。

 そして、フィールドで移動しているほかキャラクターと遭遇すると戦闘になる。戦闘はモンスターと同じようにそのとき持っている絵札のセットで行なわれる。また、ログアウトしているときなどはあばら家の待ち受け画面で対戦を希望しておけば、訪れたユーザーとの対戦が楽しめる。本作のPvPは負けても資源などが奪われることがなく、勝った方は徳を得る。勝敗の結果は公式ページのPvPランキングに反映される。この他、ギルドに当たる「団」では、専用の火田と祠が用意されている。団体戦もできるような、GvG要素も計画している。

 「天外魔境 JIPANG7」は“シーズン”という概念があり、1シーズンの期間は3カ月前後を予定しており、これが根の一族が暗黒ランを育て上げるまでのタイムリミットとなる。プレーヤー達はそれまでに各地にある暗黒ランを倒し、そして根の一族がヨミ復活を画策して育てる巨大暗黒ランへと挑むことになる。各地にある暗黒ランはクエストで挑戦することになる。この時は、あばら家で待機しているプレーヤーキャラクターの力を借りてパーティーを組むことができる。力の強い仲間を得られれば戦いを有利に進められそうだ。

 そして根の一族が育てる暗黒ランの中心となる、巨大暗黒ランとの戦いは、サーバーにいる全てのプレーヤーの力を集結するような一大イベントになるという。このとき、ユーザーはログインすることで戦闘に参加できるような方向を考えているとのこと。生産中心のプレーヤーも支援などで力を貸すことができる、全ての力を集結した大決戦が展開する。

 また、課金アイテムに関してはシリーズに登場したキャラクターなどが描かれ、高い性能を持った絵札をガチャのような方式で販売するかどうかを検討している。「時短丹」と呼ばれる必要時間を短縮するアイテムや、ほこらでの合成の成功確率を上げるアイテム、暗黒ランの根を切るアイテムなど、様々なラインナップを考えているとのことだ。


畑では、鍬や団子なども植えれば育つ。中央はプレーヤー画面。右はクエスト画面だ
合成ができるほこら。アイテムを組み合わせ、絵札などを作る
絵札を使った戦闘画面。セットを作って、相手と戦う。戦闘そのものはオートで進行する
ワクイ氏がデザインするロボット。今後のプレーヤーキャラクターとなる。独自の世界観、設定がどう活かされるかも注目したい
左から、フィールド画面、訪れたプレーヤーにプレゼントを設定する画面、暗黒ランの根を切るシーン
課金アイテムを取り扱う商店と、一定時間行動力を増やすアイテム。右はログアウト中の仲間をパーティーに加える画面だ
Presented by GameComplex (C)HUDSON SOFT (C)RED



(2011年 1月 18日)

[Reported by 勝田哲也]