スクエニ、PSP「ロード オブ アルカナ」体験版の先行配信イベントは大盛況

プロデューサーのミニインタビューも掲載


8月14日、15日 開催

【ロード オブ アルカナ】
10月14日 発売予定

価格:5,980円(UMD版)
   4,980円(ダウンロード版)

CEROレーティング:C(15歳以上対象)



スタッフがPCにユーザーのPSPを接続し、体験版をコピーする形で配布された
オフィシャルグッズのうちわの後ろには体験版の追加シナリオの配信スケジュールが!

 株式会社スクウェア・エニックスが10月14日に発売を予定しているPSP用マルチアクション「ロード オブ アルカナ(LORD of ARCANA)」。このタイトルの体験版「ロード オブ アルカナ -序章 殺戮者への扉-」が8月19日より配信されるが、その限定先行配布イベントが大阪「ソフマップ なんば ザウルス1 ソフト館」と東京「ソフマップ 秋葉原 アミューズメント館」の2店舗で、8月14日、15日の2日間開催された。

 両日ともに15時から配布が開始され、予定数の300に達し次第終了ということで、実際2時間ほどで予定数を超え、イベントは終了となった。

 体験版を受け取ることができた人には、もれなく「『ロード オブ アルカナ』オフィシャルグッズ」としてうちわ(アルカナモンスター『バハムート』イラストの皆葉英夫氏のサイン入りバージョンが混ざっていた)がプレゼントされた。このうちわの裏面には、体験版の追加配信スケジュールも公開されていた。

店頭は整理券も配られたが、配布を待つ人の列で大混雑していた取材に訪れた「ソフマップ 秋葉原 アミューズメント館」の店内でも本作をプッシュしていたデータのコピーが終わると、一刻も早くプレイしたいのか、急ぎ足で立ち去る人が多かった


■ 本作のプロデューサー、柴 貴正氏にショートインタビュー!

 秋葉原の会場にて、本作のプロデューサーである柴 貴正氏にインタビューする機会を得られたので、その模様をお届けしよう。

――まず、この体験版の狙いからお伺いできますか?

柴氏 PSPのマルチアクションゲームのマーケットには、いろいろなタイトルが出ていますが、スクウェア・エニックスとして初の挑戦になるので、ユーザーのみなさんも「このジャンルでスクウェア・エニックスがどのようなゲームを出してくるのか?」と、期待と不安が入り混じっていると思うんです。無料体験版を作った理由はまさにそこです。このジャンル後発である我々が、どのようなゲームを作ろうとしているかを理解していただくには、見た目とかではなくて、とにかくゲームの中身を触ってもらうしかないと。

――秋葉原は大盛況で、大阪でも盛況だったと伺いましたが、実際どうですか?

柴氏 正直、どの程度お客さんが来ていただけるかわからなかったのですが、これだけたくさんの方に体験版を持って帰っていただけて、嬉しく思っています。と同時に、これからいろいろな意見が出てくると思うと、身の引き締まる思いでもあります。

――製品版が100%だとしたら、体験版は何%ぐらいの要素が入っていますか?

柴氏 製品版のゲームボリュームは、このジャンルの他タイトルを比べてもかなりボリューム感のある内容になっています。なので、体験版で遊べるのはそのわずかな部分だけになります。ただ、ベースとなるゲームシステムや、バトルの手触り感は十分に感じとっていただけると思います。現時点でも製品版はギリギリまでアイテムやバトルの調整をし続けています。もちろん、体験版を遊んでいただいたご意見などは、見られる限り見続けて、反映させていきます。

――ユーザーのみなさんに体験版をどう見てほしいですか?

柴氏 触っていただいて、ストレートに厳しい意見や、感想なんかをいただけたら嬉しいですね。現時点で僕らもこのゲームを客観的に100%判断できているとは思っていないので。皆さんの意見を頂いて、修正していくという流れがベースになっていくと思います。

――ユーザーさんの意見の吸い上げはどうやって行ないますか?

柴氏 公式サイトにご意見フォームを設置させていただきますし、スクウェア・エニックスメンバーズからも意見することができます。いただいた意見は開発内部で全部読んで、随時ピックアップしつつ、製品版への参考にさせていただく予定です。

 例えば、既にいただいているご意見のひとつに、「アイテムを拾うモーションの必要性」といった話題が出ているようなんですが、これは開発としては、戦闘中に時間の経過とともに消えるアイテムをどうやって拾うか、というゲーム性を狙って入れたものになります、ただ、それでも客観的に見ていただいて、今後検討する材料にはしていきたいとは思っています。

――そのあたりはまだ幅をもたせてある、ということでしょうか?

柴氏 はい。持たせてありますね。特に最初のこの数日はいろいろなご意見がたくさん出てくると思います。ひとつでも多く参考にして、やれることはやりたいですね。ちなみに、調整したところは今後ブログなどで公表していこうと思っています。

――そういう試みは珍しいですね。

柴氏 私自身、オンラインゲームやアーケードゲームといった運営をベースにしたゲームを何作かやらせていただいていますが、遊んでいただいているユーザーの皆さんと一緒になってゲームを作り上げていくのが好きなんです。できるだけユーザーの皆さんと近いところにいて、常に声を聞いてはフィードバックしていく、そういった繰り返しがより良いゲーム作りには絶対に欠かせないと思うんです。これをコンシューマーのタイトルでも実践していきたいと考えています。

――「ロード オブ アルカナ」がほかのマルチプレイアクションゲームと差別化している部分はどこになりますか?

柴氏 マルチプレイアクションゲームにもいろいろなタイプのゲームがありますが、「ロード オブ アルカナ」の特徴の1つは、敵側の攻撃よりも先に、まずプレーヤー側の操作感を楽しむ、という部分を挙げられると思います。自分がかっこいいと思う技を敵に当てていけば、序盤は比較的サクサクと敵を倒すことができると思います。対戦格闘ゲームでいう「攻め」と「待ち」という戦法があるとすれば、敵との対戦において、このゲームは常に「攻め」の状態からスタートするわけです。ただ、もちろん中盤以降は敵もかなり強力になりますので、戦略的に攻めていかないと勝てなくなってきますが。

  もう1つの特徴としては、ゲームの導入部分をできるだけやさしくして、多くの人に最初から遊んでもらえるゲームデザインを心がけた点が挙げられると思います。実はこのノウハウにはスクウェア・エニックスが得意とするRPGのレベルデザインが活かされています。体験版だけでは物足りない、簡単、という方もいらっしゃると思いますが、現状のマルチプレイタイプのアクションゲームには、冒頭から結構ハードルが高いものが多いと感じているので、意図的に段階的に遊べるようにしているんです。

――マルチプレイアクションということで、基本的には何人でプレイすることを想定して製作されていますか?

柴氏 マルチプレイのアクションゲームといっても、シングルプレイだけでも十分に楽しめることが前提で、さらにマルチプレイで楽しい、というものでなければならないと思っています。基本的にマルチプレイのほうが、クエスト攻略が楽になるのは間違いありませんが、シングルプレイのシビアさこそが、腕を磨くという部分では必須の部分だと思います。恐らく全体の最初の3割程度がシングルでもなんとか進行できるレベル、その次の3割がマルチプレイ推奨となってきて、それ以降はもう、かなりの難易度のクエストが出てくると考えていただければと。

――今回、体験版の追加シナリオの配信も発表されていますね。

柴氏 マルチプレイアクションゲームに慣れている方から、はじめてこういったタイプのゲームを遊ばれる方まで、いろいろな方に遊んでいただけるよう、最初の方は簡単かもしれませんが、追加クエストとなると、徐々に難易度があがってきます。9月30日に配信する追加クエストなんかは発売直前ということもあり、かなり手ごたえあると思います。

――体験版をプレイされた方に、製品版ではなにかおまけがつきますか?

柴氏 追加クエストを含めて、最後まで体験版をクリアしていただいた方には、かなりレアなアイテムを製品版に引き継ぐことができます。最後の追加クエストで登場する魔物はなかなかの強敵ですが、ぜひ頑張ってトライしてほしいですね。

――最後に、体験版をプレイされる方にメッセージをお願いできますか。

柴氏 繰り返しになりますが、我々はPSPのマルチアクションゲームという市場においては後発です。ご心配もいただいていると思いますが、本気で面白いものを作り上げて、「ロード オブ アルカナ」を、このジャンルに恥じないタイトルに育てていきたいと考えています。そういった意味でも、ぜひ体験版を遊んでいただいて、たくさんのご意見をお待ちしております。ぜひ一緒になって、面白いものを作っていきましょう。よろしくお願いします。

――ありがとうございました。

(C)2010 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

(2010年 8月 16日)

[Reported by 佐伯憲司]