YNK JAPAN、新作オンラインFPS「STING」の新ゲームモードを公開
新ゲームモード「傭兵救出」など、7月10日開始のOBT向け新要素に注目

7月10日オープンβテスト開始


無料で楽しめるオンラインFPS「STING」は、来る7月10日からオープンβテストが開始される。アカウントを作成すれば誰でも参加が可能だ

 各種オンラインゲームのサービスを展開する株式会社YNK JAPANは、7月10日より新作オンラインFPS「CODE NAME STING( 以下『STING』)」のオープンβテストを開催する。これに先立ち、7月7日にメディア向けの試遊会が開催され、オープンβテストにて実装される新たなゲームモードや、正式サービスに向けた各種のフィーチャーなど、「STING」の今後の展開が幅広く明らかにされた。

 この「STING」は、YNK JAPANと韓国YNK GamesがValveの「Souce」エンジンをライセンスして開発を進めているオンラインFPSで、この夏の正式サービス開始を目指している。つい先月、6月末には短期間のクローズドベータテストを実施したばかりだ。次のお披露目の機会は7月10日からのオープンβテストとなっているが、YNK JAPANでは8月中にも本作の大きな大会を開きたいと考えており、開発は急ピッチで進められているようだ。



■ オープンβテストで実装される新ゲームモードは「傭兵救出モード」!
 怪物のように強いAI傭兵キャラクターを巡って、激しい攻防戦が展開する?

今回の取材に対応していただいた、「STING」プロデューサーの康 詩温氏。ゲームネームは“HAC”で、以前はプロゲーマーとしても活動していた凄腕プレーヤーでもある
「傭兵救出」モードにて、監獄で救出を待つAIキャラクター。戦場に出れば無双の強さを発揮する
救出した「傭兵」は一定時間プレーヤーの仲間となり、出会う敵を凄まじい強さでなぎ倒していく

 現在、「STING」の開発状況は、7月10日のオープンβテストに向けた準備の最終段階にあるところだ。取材に答えてくれた「STING」チームのプロデューサー康 詩温氏によれば、オープンβテストで新たにお披露目となる主要な機能は2つ。新ゲームモードの「傭兵救出」と「クラン戦のサポート」だ。ちなみに、プロデューサーの康氏は、以前「Counter-Strike」のプロゲーマーとしても活動していたことのある凄腕のFPSプレーヤーであり、ゲームネームは“HAC”。本稿では本人の希望に沿い、HAC氏と表記する。

 まず、オープンβテストの目玉となるゲームモード「傭兵救出」についてご紹介していこう。これは、先月末に行なわれたクローズドベータテストで利用できた「チームデスマッチ」、「爆破ミッション」に続く第3のゲームモードだ。「傭兵救出」モードは、2チームの対戦という点では他のゲームモードと同じ構造だが、スコアを得る手段として監獄に捕らえられている「傭兵」が重要な役割を演ずる点がユニークだ。

 「傭兵」はAI制御の非常に強力なキャラクターだ。「STING」はエンジンとしてValveの「Souce」を利用しており、「Counter-Strike: Source」由来の優秀なAIシステム(BOT)を搭載している。HAC氏によるとBOTには数段階の強さ設定が存在するというが、「傭兵」はその中でも最上級の強さに設定されており、出会ったプレーヤーを情け容赦なく次々にヘッドショットでなぎ倒していくほどの存在だ。

 そしてプレーヤーは、マップ中に数箇所ある監獄で各「傭兵」を助け出すことにより、一定時間、その「傭兵」を仲間にすることができる。そうすると、その「傭兵」が敵を倒すたび、そのスコアがプレーヤー自身のスコアになるのである。

 「傭兵」は一定時間を経過するか、敵に倒されることによって(非常に強いのでレアケースになるようだ)、しばらくの間、ゲーム世界から姿を消す。しかし一定時間後にはまた同じ監獄に出現するので、各プレーヤーは「傭兵」の出現タイミングを見計らって監獄を制圧し、再び「傭兵」を助け出し、仲間にすることを目指す。また、「傭兵」によって獲得されるスコアはチームスコアではなく、それを助け出したプレーヤー個人のものとなるため、チームメンバー同士でも「傭兵」を巡って競争が展開されるという構造だ。

 

 「傭兵救出モード」では、最終的により高いスコアを記録したチームの勝利となるが、どちらかというとチームスコアよりも個人スコアを競う側面が強い。「傭兵」を仲間にすることで得られるKILLスコアは、プレーヤー自身の戦いの能力に関係なく得られるものなので、「チームデスマッチ」などでは上位に食い込めないプレーヤーでも、立ち回り次第でトップを狙うこともできるだろう。その意味で、他のゲームモードとは全く趣を異にする遊びになっているわけである。

 ゲームモードの解説をしてくれたHAC氏によれば、「傭兵救出」モード以外にも、正式サービスに向けて準備中の新ゲームモードがあるとのことなので、「STING」ではこれまでのオンラインFPSにない、新たな遊びが多数楽しめることになりそうだ。

 オープンβテストでお披露目となるもうひとつの新機能は、クラン戦の支援機能だ。クラン戦専用のロビーサーバーが用意され、あらかじめクランを作ったプレーヤーがチーム単位で対戦できるよう各種のユーザーインターフェイスなど専用の機能が用意される。現在のところクラン戦で利用できるゲームモードは現時点では「爆破ミッション」のみだ。


チーム戦ながら個人単位の争いも激しくなりそうな「傭兵救出」モード。「傭兵」が捕らえられている監獄周辺は常に激戦区となることが予想され、狭く立ち回りが重視される構造になっているようだ。同時に複数の「傭兵」を仲間にすることも可能で、それに成功すればハイスコアが期待できる

こちらもクローズドベータテストからのお披露目となる、クラン戦の支援システム。利用できるゲームモードは現時点では「爆破ミッション」のみで、ごくオーソドックスなつくりになっている。今後は正式サービスに向けて、Webとの連動機能など、クランやメンバーの戦績を管理するシステムを充実させていきたいとのことだ



■ ユーザーフィードバックを重視し、正式サービス後に新たな遊びを続々打ち出す
 「チャンピオンチーム支援プログラム」の詳細も

HAC氏はゲーム画面を指し示しつつ、様々なゲームの側面について解説を加えてくれた
正式サービスに向け、武器のカスタマイズ要素についても企画を練っているとのことだ
「Source」エンジンの特徴を生かし、マップ中には物理制御されたオブジェクトも存在する。それらを使った遊びにも期待したいところだ

 先月末に行なわれたクローズドベータテストの時点では「チームデスマッチ」、「爆破ミッション」と、極めてオーソドックスな構成で提供されていた「STING」だが、7月10日からのオープンβテスト、そして今夏中に予定されている正式サービスに向けて、次々に新たなゲームモードが打ち出されていく。HAC氏によれば、この姿勢は正式サービス後も積極的に貫いていきたいとのことだ。

 HAC氏は、「STING」の基本的な運営ポリシーとして、「ユーザーフィードバックを重視すること」を掲げている。ゲームに何を加え、どういった改善を施していくかという判断については、運営側の自己満足に陥ることが無いよう、あくまでプレーヤーの声に基づいて企画を立てていくということで、現時点で正式サービス後の実現を目指して立案されている企画についても、まずはサービス開始後の反応を見て最終決定を行ないたい意向のようだ。

 これはもともとプレーヤー出身のHAC氏らしい姿勢だが、飽和状態にあるといわれる日本のFPS市場で存在感を発揮するためにはコアユーザーの厚い支持を得る必要がある、という冷静なマーケティング上の判断でもあるだろう。それを如実にあらわしているのが、現段階で企画中という、いくつかの新ゲームモードについての情報だ。

 以下ご紹介するのはあくまで企画段階の内容であり、実際に実装されるかどうかは正式サービス後の判断を待たねばならないが、HAC氏は「ソロあるいは協力プレイ志向のゲームモード」について語ってくれた。これは仮称「クエストモード」と呼ばれているゲームモードで、「STING」の世界を彩る6カ国のメインキャラクター達にフォーカスを当てる、アドベンチャー要素の強い内容だ。

 HAC氏はこのゲームモードについて「オンラインFPSでありながら、パッケージゲームのように遊べる」ことを目指しているといい、激しい対戦プレイに抵抗のあるユーザーでもじっくりと取り組めるゲームを考えている。また昨今パッケージゲームで盛り上がりを見せている協力プレイの要素も取り入れたいとしており、これまでのオンラインFPSには全くなかった種類のモードになるようだ。

 一般のプレーヤーにしてみれば、他のプレーヤーと腕を競い合うためにはある程度の心の準備が必要だ。撃ち、撃たれるという流れに抵抗のあるプレーヤーもいるだろう。オンラインFPSでは、そういった対戦志向のゲームモードのみを備える点が普及を妨げているという見方があるのも事実である。HAC氏が考える「ソロ志向のゲームモード」は、まさにそういった障壁を取り除くための試みと言えるかもしれない。

 最後に、6月23日にお伝えした記事「YNK JAPAN、オンラインFPS「STING」の一般向け体験会を開催」にて、大会チャンピオンをプロゲーマーとして遇する年間プログラムについての言及があったが、今回、HAC氏がこのプログラムについてより詳しく語ってくれたのでお伝えしておこう。

 前回お伝えした内容では、大会の年間チャンピオンチームを「一種のプロゲーマーとして遇する」というふうに表現していたが、今回HAC氏に聞いたところでは、単純に「プロ化」を志向するようなものではないようだ。チャンピオンチームの各種の活動をYNK JAPANが支援したり、プロモーションに協力するのは事実だが、YNK JAPANが直接的なスポンサーシップを提供するわけではない。

 支援活動としては、例えば、チャンピオンチームに対して特別な大会など活躍の場を用意したり、「STING」公式サイト上で該当チームをフィーチャーするコンテンツを用意する、ということがその一環に含まれる。また仮に、該当チームが「プロ的な活動」を望むのであれば、スポンサーシップを提供できる企業を紹介するといった形で協力していきたいとのことである。

 プロデューサーのHAC氏自身、以前は「Counter-Strike」の国内トップレベルのチームを率い、企業からのスポンサーシップを受けて活動した経験の持ち主である。それだけに、ゲームでプロ的な活動を行なう難しさと、それを取り巻く一種の危うさもよくよく理解しているようだ。したがって「STING」チームとしては、プレーヤーの活動を支援しつつも、そこでは充分な慎重さを志向するようである。

 いずれにしても、1プレーヤーとしては7月10日より開始されるオープンβテストで「STING」のゲーム性を確認し、腕試しをしてみるのもいいだろう。本作では「Souce Engine」に裏付けられたAIシステムを搭載しているため、ひとりでBOTを相手に練習することもできる。気軽にプレイできると同時に本格FPSとして高い完成度を目指すタイトルとなっているので、オンラインFPSに興味のある方は是非チャレンジしてみよう。






(2009年 7月 8日)

[Reported by 佐藤カフジ]