Electronic Entertainment Expo 2009現地レポート

ルーカスアーツブースレポート~スターウォーズ、インディジョーンズだけじゃない。
9年ぶりにモンキーアイランド復活!

6月2~4日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 

 ジョージルーカス直属のゲームスタジオのルーカスアーツ・ブースでは、今年もスター・ウォーズとインディージョーンズの関連ゲームタイトルを展示。さらに、昔懐かしのモンキーアイランドシリーズの最新作も発表。2009年もルーカスアーツはバリエーションに富んだ製品展開を行なう。

ルーカスアーツ・ブース



■ 「STAR WARS THE CLONE WARS REPUBLIC HEROES」
  TVアニメシリーズ「スター・ウォーズ」のゲーム化作品が登場

プレゼンの様子

 ルーカスアーツ今期イチオシのタイトルは「スター・ウォーズ」を題材にしたゲーム「STAR WARS THE CLONE WARS REPUBLIC HEROES」(以下REPUBLIC HEROES)であった。

 REPUBLIC HEROESは映画版「スター・ウォーズ」ではなくテレビアニメシリーズで展開されている「クローンウォーズ」エピソードを題材にしたゲームで、アナキンがダースベイダーに墜ちる前の、オビワンに師事していた時代が描かれる。具体的には、テレビシリーズのシーズン1と2の間を題材とし、謎の賞金稼ぎCad Baneの追跡と、スカコ人の悪玉Kul Teskaを撃ち倒すための冒険がメインストーリーとなる。

 プレーヤーはこの時代に活躍したジェダイ、あるいはクローントゥルーパーを選択してプレーが可能。スター・ウォーズ新三部作シリーズ通しての主人公の2人、Anakin Skywalker、Obi-Wan Kenobiはもちろん、サミュエル・L・ジャクソンの怪演が印象的だったMace Windu、その他の異星人JEDIのAhsoka Tano、Kit Fistoも選択可能。キャラクターボイスにはテレビシリーズと同じ声優を起用するのもトピック。

 ゲームは後方カメラ3人称視点のアクションゲームのスタイルを踏襲。ジェダイに扮した場合は、飛び来るレーザーをライトセーバーで打ち返し、アクロバティックな剣術で大量の敵をバタバタと切り裂いていく一騎当千なヒロイズムを味わえる。クローントゥルーパーに扮した場合は、多量のNPC兵と陣形を組んで突撃し、「数対数」の物量ダイナミズムが味わえる。

 アドベンチャーゲーム要素も色濃く盛り込まれており、先へ進めないトラップを回避するためには敵の力を借りなければならない局面も。たとえばジェダイに扮しているならば、ドロイド兵の肩上に取り付き、ビームサーベルをドロイド兵頭部に突き刺してコンピュータを狂わせ、そのままプレーヤーがドロイドを操作して分厚い壁を破壊…なんていうパズルシーンがあったりする。

 協力プレーモードも搭載。登場する敵を相手プレーヤーよりもいかに多く撃破するかを競うシューティング・ギャラリーチックなパーティプレーモードも搭載。

 開発はKrome Studiosが担当。プラットフォームはPS3/PS2/Xbox 360/Wii/PSP/ニンテンドーDS、そしてPCの全てに対応。発売は2009年9月15日を予定。


【「STAR WARS THE CLONE WARS REPUBLIC HEROES」 プレイムービー】
中盤のドロイドを狂わせて操るプレーに注目

【スクリーンショット】





■ 「LEGO Indiana Jones 2:The Adventure Continues」

LEGOインディージョーンズ2展示コーナー

 みんなが知っている映画やキャラクターを、あのLEGOブロック世界で再現しちゃう荒唐無稽なこのシリーズは、日本ではあまり馴染みがないが、欧米では異常に高い人気を誇る。

 そんな人気のLEGOブロックゲームの新作としてLucasArtsは、ジョージ・ルーカスが作り上げた冒険映画の名作「インディー・ジョーンズ」シリーズを投入する。

 「2」とあるように、今作は続編。ただし、前作とのストーリーの関係はほぼなしといってよく、前作をプレーしていなくても楽しめる。ただ、前提条件として、映画版は一通り見ていた方がいい。

 今作では映画版「インディー・ジョーンズ」の全4作品(「Indiana Jones and the Raiders of the Lost Ark」「Indiana Jones and the Temple of Doom」「Indiana Jones and the Last Crusade」「 Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull」)の名場面をLEGOゲーム化して搭載しており、ただ忠実にLEGOで再現するのではなく、パロディやギャグを盛り込んでいるのが特徴。

 「失われた聖櫃」のラストシーンだと、映画では聖櫃から出てきた亡霊達がナチス兵を食い尽くすというショッキングな終わり方であった。しかし今作では聖櫃からノリのいい音楽が聞こえてきてナチス兵達が楽しそうに踊りまくり、最後には憔悴しきってLEGOパーツにバラバラに分解してしまうというギャグシーンになっている。映画の名シーンが、どんな「笑い」に転換されているのかを楽しむのも、この作品の醍醐味なのだ。

 注目は、ゲーム化作品としては初めてとなる映画最新作「クリスタルスカルの王国」を題材にしたシーンが盛り込まれていること。「クリスタル~」からは南アメリカのジャングルシーン、ペルー遺跡のシーンなどがゲーム化されており、バイクに乗ったMutt Williamsでプレーすることも可能。

 ゲームはカメラ位置をやや俯瞰に置いた3人称視点のアクションゲームスタイルを採用。我らがインディージョーンズは手足の短いLEGO姿になりながらも、敵を鞭で掴んで投げる映画でお馴染みのアクションで敵を撃破可能。

 今作では乗り物に乗って戦うシーンが多く盛り込まれているのも特徴。航空機、船舶、トロッコなどなどバリエーションに富んでおり、「魔宮の伝説」のオープニングシーンの上海でのカーチェイスシーンも見事にLEGOゲーム化されている。

 2人同時プレーにも対応しており、二人が画面内で大きく離れたときには動的に画面が分割される新しい表現手法を導入。

 ゲーム中に集まる「遺物」の回収個数により、プレーキャラクターが増える実績システムを採用。実績解除でMarion Ravenwood、Short Round、Rene Belloq、Willie Scott、Marcus Brody、Dr.Henry Jones Sr.、Irina Spalkoなどの、映画でお馴染みの脇役、悪役でプレー出来るようになるのは、シリーズファンにとっては嬉しいはず。

 おまけとして、プレーヤーが自在にLEGOインディージョーンズのステージを制作できるコンストラクションキットも付属。このキットは、まさにコンピュータの中でLEGOブロック遊びをしている感覚になる。

 プラットフォームはPS3/Xbox 360/PSP/Wii/ニンテンドーDS。発売は2009年秋を予定。


【スクリーンショット】
LEGO世界と言うことで、「LEGO感」(?)の再現にもこだわっているのも今作の特徴。敵やオブジェクトを破壊すればLEGOパーツに分解するし、破片LEGOを使っての攻撃まで行なえる。プレーしていると、あのボツボツとした凸部分に直に触れているような感覚にもなってくるかも。



■ 「THE SECRET OF MONKEY ISLAND:SPECIAL EDITION」
  名作モンキーアイランドをフルHDリメイク!

モンキーアイランドSE、展示コーナー

 1990年に発売されたLucasArtsのクラシカル傑作アドベンチャー「THE SECRET OF MONKEY ISLAND」を、現代に美しくハイビジョンクオリティに蘇らせたのが、この「THE SECRET OF MONKEY ISLAND:SPECIAL EDITION」(以下、モンキーアイランドSE)だ。

 「モンキーアイランドSE」はオリジナル版の完全互換作品で、ストーリー上、シナリオ上のパワーアップはあえて一切行なわれていない。なにがSpecial Editionなのかというと、それは映像とサウンド。

 オリジナルの低解像度のドット画を、オリジナルのイメージを崩さずに1080pのHDクオリティに完全な描き直しを行なっているのだ。背景の壁の傷やら、脇役キャラの身につけている細かいアクセサリーに至るまでが丁寧に省略せずに描き込まれているほどで、この描き直しのクオリティは実に秀逸だ。こうした旧作のリメイクでは3Dグラフィックス化されるのがおきまりのパターンなのだが、LucasArtsスタッフによれば「あえてオリジナルのタッチを活かした描き割りにこだわった」という。

 また、オールドゲームファンのために、ボタン一発でオリジナルの低解像度のクラシックグラフィックスに切り換えられるモードも搭載。リアルタイム反応で切り替わるため、旧作ファンは交互に切り換えて昔との対比を気軽に懐かしめる。

 サウンドはオリジナル作品ではMIDI演奏だったものが、今作ではフルオーケストラ演奏で収録。オリジナル作品では会話が文字表示だったのが、今作では声優を使ってのフルボイスとなっている。LucasArtsらしい作品に愛を感じられるリメイクで旧作ファンからも、初めて触れられるニューユーザーの双方から好印象を持たれそうだ。

 難易度の高い謎が印象的な「モンキーアイランド」。ただ、19年前の作品と言うことで、すでに攻略サイトがそこかしこにある。そんなわけで、謎のネタバレについては、開き直っている節があり、このリメイク版では、完全な解法までが表示されるヒントシステムを搭載している。最初は本当に普通のヒントを与えてくれるが、ヒントを要求するたびに「ネタバレ」に近いヒントになっていき、最終的には「解き方」までを教えてくれる。そのヒント表示のためのレスポンスメッセージもギャグ満載で面白い。

 プラットフォームはPS3/Xbox 360/PC。発売は2009年夏を予定。なお、パッケージ版での発売予定は今のところなく、ダウンロードコンテンツとしてリリースされる予定。Xbox 360はXbox LIVE Arcade、PS3はPlayStation Networkで提供される。PC版についての提供手段は未定とのこと。


【「THE SECRET OF MONKEY ISLAND:SPECIAL EDITION」ムービー1】

【「THE SECRET OF MONKEY ISLAND:SPECIAL EDITION」ムービー2】
名作なので是非とも日本語版も欲しいところ!

【スクリーンショット】
物語の主人公は、海賊になりたがり屋の青年ガイブラシュ・スリープウッド。彼は海賊になるために、海賊の集うモンキーアイランドを訪れるが、海賊たちはへんてこな試練を与えてくれるばかり。果たしてスリープウッドは、悪徳海賊ルチャックを倒し、海賊になれるのか。美しい女知事エレイン・マーレイとのロマンスの行方やいかに?



■ 「Tales of Monkey Island」
 「モンキーアイランド」シリーズ最新作は3Dで登場!

「テイルズ・オブ・モンキーアイランド」展示コーナー

 「モンキーアイランド」シリーズ第5作が9年ぶりに登場。主人公は今作もガイブラシュ。ただ、前作から時間が空いたためか、髭をたくわえちょっと年を食った印象だ。今作は、宿命のライバル海賊ルチャックとの戦闘の過程で、恐怖の伝染病がモンキーアイランドに広まってしまうというお話。この伝染病は島の海賊たちをモンスターに変えてしまう恐るべきもので、ガイブラシュはこの治療薬を探すために大海原に乗り出す。

 テーマは重い感じがするが、ご安心を。モンキーアイランドなので脱力系ギャグ満載のコメディアドベンチャーになっている。お馴染み、悪魔の海賊ルチャックの他、美しき愛妻エレイン、うさんくさい女占い師が登場するのはもちろん、意地悪でへんてこな新キャラも続々登場してガイブラシュを妨害してくる。

 グラフィックスは前出の「モンキーアイランドSE」とは異なり3Dを採用。ただし、リアル系に振ったものではなく、テクスチャ表現も最低限に留めた非常にシンプルなビジュアルに仕立てている。このあたりはクラシックアドベンチャーの雰囲気を引き継ぎたいというコンセプト維持の面と、カジュアルゲーム故にロースペックPCでも動作させてあげたいという調整面での意図も感じられる。ちなみに、PC以外では今作はWii(Wiiウェア)にも提供される。

 今作では5章仕立ての連作アドベンチャーのスタイルをとり、北米では7月7日より、毎月1章分のエピソードが分割リリースされる形式を取る。1章あたりのプレー想定時間は4~6時間程度。そして、1エピソードあたりの価格は9ドル前後を想定。

 全エピソード提供完了後は5エピソードパックとしての提供も考えているとのこと。


【「Tales of Monkey Island」 トレーラー】

【アートワーク】

【スクリーンショット】




■ 「Star Wars Battlefront:Elite Squadron」

 広い戦場で白兵戦から空中戦までをリアルタイムでなおかつシームレスに楽しめるスターウォーズ・バトルフロント・シリーズの最新作「Star Wars Battlefront:Elite Squadron」が登場。

 混戦状態の戦場にて歩兵で活躍するもよし、ウォーカーで歩兵を踏みつぶすのもよし、ファイターで空中戦に酔いしれるもよし。あのバトルフロントならではの自由度は今作でもそのまま継承されている。今作ではX-Wing・ファイターのような戦闘機で、シームレスで宇宙に飛び出し、そのまま宇宙ドッグファイトをプレイできるようになっているところがすごい。もちろん宇宙から大気圏内への進入も可能。まさに今作での戦闘は地上と宇宙の境界線がなくなっており、戦いのダイナミズムはシリーズ最高峰だ。

 描かれるストーリーはクローン戦争時代(新3部作)から帝国崩壊時代(旧3部作)はもちろん、映画化されていない皇帝没後の世界までを網羅。

 フリーバトルでのプレーヤー・キャラクタはRPGのキャラメイキングのように自分の好きな外見のものを作ることができ、ヒーロー対悪者モードでは、Luke Skywalker、Obi-Wan Kenobi、Kit Fisto、Darth Maul、Count Dooku、Asajj Ventress、Boba Fettといった映画本編にも出てきたヒロイックキャラクターを選択できる。登場メカもタイファイター、X-Wing、AT-RT、LAATなど反乱軍、帝国軍のお馴染みのものを全て搭載。スター・ウォーズの世界にどっぷりと浸かれること間違いなし。

 戦場としてはTatooine、Endor、Yavin 4、Hothなど、映画「スター・ウォーズ」ではお馴染みの惑星が登場。対戦だけではなく、ストーリーモード(キャンペーンモード)も搭載しており、PSP版では12ステージ、ニンテンドーDS版では11ステージが実装されている。

 オンライン対戦モードはPSP版では無線LANを介したインフラストラクチャーモードに対応する。インフラストラクチャーモードでは最大16人まで、アドホックモードでも最大6人までの同時プレーが可能。 プラットフォームはPSPとニンテンドーDS。発売は2009年秋を予定。


【DS「Star Wars Battlefront:Elite Squadron」プレイムービー】
ニンテンドーDS版のプレイムービー

【PSP「Star Wars Battlefront:Elite Squadron」プレイムービー】
PSP版のプレイムービー

【PSP「Star Wars Battlefront:Elite Squadron」スクリーンショット】

【DS「Star Wars Battlefront:Elite Squadron」スクリーンショット】


(2009年 6月 7日)

[Reported by トライゼット西川善司 ]