Electronic Entertainment Expo 2009現地レポート

Electronic Entertainment Expo 2009開幕直前レポート
“メガショウ”への復古、ハード・ソフトともに充実した発表を期待!!

6月2~4日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center


 世界最大規模のゲーム展示会Electronic Entertainment Expo(E3)が、現地時間の6月2日より開幕する。6月1日は、Xbox 360を擁する米Microsoftを皮切りに、複数の大手ゲームメーカーのプレスカンファレンスが予定されており、実質的なE3初日となる。GAME Watchでは明日以降、精力的に現地レポートをお届けしていくので、ぜひご注目頂きたい。本稿では、現在Los Angeles Convention Centerにおいて急ピッチで設営が進むE3会場の模様と、今年E3の見所をお伝えしよう。

West Hallの入り口には、SCEAの巨大ポスターが復活。SCEのロゴがデザインされた手が、PS3コントローラを力強く掴んでいる。意味深なポスターだ
Convention Center近くの老舗ホテルには「ファイナルファンタジー XIII」のポスターが。発売時期は2010年(日本では2009年予定)。Xbox 360/Xbox LIVEアイコンに注目したい
各社ともティザーサイトの準備に余念がない。画面はMicrosoftのE3特設サイト。赤いヴェールの奥には何が隠されているのか!?

 E3は、米国のゲーム協会Entertainment Software Association(ESA)を主催単位に、ESAメンバーらと共に開催する米国最大のゲーム関連のトレードショウ。4月にメキシコで発生した新型インフルエンザの影響で一時は開催そのものが危ぶまれたが、メーカーの出展キャンセルはほとんどなく、大勢に影響はない形で無事開催される運びとなった。

 今年のE3のトピックは大きく分けて3つが挙げられる。ひとつはE3そのもののメガショウへの復古、2つ目はハードウェア、ネットワークサービスの進化による“次世代機”への機運の高まり、そして3点目のソフトウェア方面では現行機が発売から3~4年目を迎え、昨年以上に大豊作の時期が到来していることだ。

 まず、メガショウへの復古については、2006年のE3終了後にESAが「もはやメガショウは必要ではない」と声明を発表したことが発端となっている。2007年と2008年は「E3 Media and Business Summit」とイベントタイトルを変え、公約を守る形で開催規模を大幅に縮小して開催されたが、メーカーや業界関係者から大不評を受けてわずか3年で元のスタイルに戻した形となる。

 今年は広大なSouth HallとWest Hallでのブース出展が全面的に復活し、大手ゲームメーカーの出展ブースが軒を連ねるというE3恒例の風景が帰ってくる。東欧やアジア地域のマイナーメーカーの小規模なブースが密集し、掘り出し物の宝庫だったKentia Hallと、South HallとWest Hallを繋ぐConcourse Hallの出展は行なわれないが、全体の8割方は戻ってきたという印象だ。

 次に次世代機に関しては、水面下で開発されているのは間違いないものの、実際にE3で発表するかどうかは、メーカートップの判断次第であり、今年のE3の話題に上るかどうか、この点については予断を許さない。ただし、据え置き型と携帯型の現行機ではキャッチアップできない、できにくいサービスが広がりつつあるのもまた事実であり、ここ数年のうちにいくつかのプラットフォーマーから新たな動きがあるのは間違いない。今年はその契機となるかどうか。明日、明後日のプラットフォームカンファレンスに注目したい。

 3つ目の新作のゲームの大豊作ぶりに関しては言うまでもないだろう。いずれのゲームプラットフォームとも、開発用のライブラリ、ミドルウェア、ゲームエンジンが充実し、クリエイターのクリエイティビティが存分に発揮できる環境が完成しつつある。現時点での各社の発表では、心なしか日本のみならず欧米のメーカーでもシリーズモノ、ナンバリングモノが増えつつある印象だが、これでもかとばかりにメジャータイトルの最新作が目白押しだ。明日以降のレポートにぜひご注目頂きたい。


【場外ポスター】
メガショウ復古により大型ポスターが復活したのも嬉しいところ。左から順に「Assassin's Creed II」(Ubisoft)、「The Sims 3」(Electronic Arts)、「Mafia II」(2K Games)

【場内ポスター】
場内も大作のポスターが目白押し。左上のポスターは、SCEAの場外特大ポスターの横断幕バージョンだが、PSPの中に「リトルビッグプラネット」のメインキャラクタ“リビッツ”がいるのが気になるところ。その隣は今年のE3でもっとも注目されているタイトルのひとつである「Call of Duty: Modern Warfare 2」(Activision)と「SplinterCell: Conviction」(Ubisoft)。下段は左から順に「Battlefield 1943」(Electronic Arts)、「Need for Speed: Shift」(Electronic Arts)、「鉄拳6」(バンダイナムコゲームス)

【ファイナルファンタジー XIII】
メイン会場となるSouth Hall入り口にも「ファイナルファンタジー XIII」が全面展開されている。ホテルの壁の全面広告といい、スクウェア・エニックスの同作の注力ぶりに驚かされる。欧米への注力は言うまでもないことだが、きわめて大きな規模のビジネスを想定しているようだ

(2009年 6月 1日)

[Reported by 中村聖司 ]