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「World of Tanks Console」、PvEに特化した新モード「War Stories」を発表

1,200万ダウンロード達成を報告。車輌数は8カ国465車輌、マップは85種に

8月22日実装予定

 ウォーゲーミングジャパンは8月3日、本社会議室にて「World of Tanks Console」に関するプレスカンファレンスを開催し、まったく新しいシングルプレイキャンペーンモード「World of Tanks: War Stories」を8月22日に実装することを明らかにした。

【「World of Tanks: WarStories」Trailer】

コンソール版オリジナルモードとなる「World of Tanks: War Stories」
新モードの説明を行なったDarold Higa氏

 プレスカンファレンスには、「World of Tanks Console」の開発を手がけるシカゴオフィスから、元プロデューサーで、現在シニアゲームデザイナーを務めるDarold Higa氏が参加し、新モードの説明を行なった。

 「World of Tanks Console」は、PC向けオンラインタンクバトル「World of Tanks」をコンソール向けに移植したタイトル。PC版とはサーバーも開発も別で、それぞれ独立したサービスとして運営されている。2014年2月、Xbox 360向けにサービスがスタートし、Xbox One、PS4、PS4 Proと徐々に対応プラットフォームを広げ、今年11月に発売される新型ゲームコンソールXbox One Xにも正式対応を表明しており、PS4 Proでは成し得なかった“ネイティブ4K”に初対応する。

 ゲーム性は、15対15のオンライン対戦をいうコアの部分はそのままに、季節や昼夜、天候変化など、コンソール版オリジナル要素をふんだんに採り入れ、さらに車輌やマップもオリジナルデザインのものを盛り込み、“偉大な兄”であるPC版との差別化を図っている。アクティブユーザー数は未発表ながら、累計のダウンロード数は1,200万に達し、車輌は8カ国465車輌、マップは85種類まで拡充されている。

【「World of Tanks Console」の特徴】

「World of Tanks: War Stories」の概要

 今回発表された「World of Tanks: War Stories」も、PC版には存在しない、コンソール版オリジナルコンテンツで、「World of Tanks」ではどちらかと言えば脇役の存在であるPvE(対CPU戦)にフォーカスを当て、架空戦史ストーリーを楽しむことに主眼を置いた新モードとなる。

 Higa氏によれば、2016年に初心者に向けてPvEミッションを導入したところ、好評を博したため、数々の試行錯誤の末に、誰でも楽しめる“テーマを持ったPvEミッション”として「War Stories」が誕生したという。1人プレイのみならず、今年4月に導入されたCO-OPモードと同様、仲間と一緒に協力プレイで挑むことが可能となっている。

【スクリーンショット】
「Brothers in Armor」
「Flashpoint Berlin」

コンソール版独自の天候システムをフル活用した内容になっている
吹雪のベルリンを走行するセンチュリオン

 基本的なゲーム内容としては、従来のPvEモードと同様に、与えられた戦力で、敵戦車部隊の撃破などの目標を達成するというものだが、従来との大きな違いは、タイトルにもあるように、濃厚なストーリーが存在するところだ。

 ストーリーは、アメコミ風のカットシーンと、声優によって吹き込まれたボイスナレーションによるコミックムービーのスタイルで展開され、第二次世界大戦をモチーフにした架空戦記が楽しめる。構想としては4つのシナリオを計画しており、今回はそのうちの2本が公開された。

 1つは、1944年ルーマニアを舞台にした独ソ戦を描いた「Brothers in Armor」。主役を張るのはレンドリースされたM4 Shermanで、プレーヤーはソ連戦車兵の訓練を担当している米軍の戦車長として戦闘に参加する。

 もう1つは終戦後、第二次世界大戦後にベルリン郊外で発生した英ソ間での戦車戦というifストーリーを描く「Flashpoint Berlin」。プレーヤーはイギリス戦車師団の1人としてセンチュリオンに搭乗し、精強なソ連戦車と戦うことになる。リリースによれば“驚愕の展開”が待ち受けているという。

【コミックムービーシーン】
味のあるアメコミ風のコミックムービー。「Brothers in Armor」と「Flashpoint Berlin」で漫画家が異なり、それぞれタッチが違う

【「World of Tanks Console」Flashpoint Berlin 4K Trailer】

 アメコミはシナリオによって作画が異なり、専用のナレーションとBGMを盛り込んだコミックムービーとなっている。アメコミのカットシーンと、インゲームのBGMにそれぞれ異なる作曲家を充てるなどかなり凝った内容になっている。

 ちなみにコミックムービーの楽曲はKennedy Monk氏(代表作:Deus Ex: Human Revolution、Just Cause 3、Crysis Seriesなど)、インゲームの楽曲はInon Zur氏(代表作:Fallout 3&4、Dragon Age、EverQuest Seriesなど)と、それぞれ実績のある作曲家が手がけている。

 今回は、「Brothers in Armor」と「Flashpoint Berlin」それぞれの短いトレーラーが披露された。コミックムービーからスタートし、ナレーションと共に戦況が説明されるのは同一で、ムービーの最後にアクシデントが発生し、シームレスにバトルに進んでいく。

 映像を見ていて若干気になったのは、敵戦車の動きだ。従来のPvEでは、ターゲットに向かって一直線に突進し、敵を見つけるとその位置で射撃を繰り返すという、AIとも呼べないレベルの行動パターンが散見され、多少ゲームに慣れたプレーヤーであれば簡単にクリアすることができたが、「War Stories」でもそれと似た動きをしていた。

 Higa氏によれば、このトレーラーの映像はまだ開発段階のもので、実際には「War Stories」の開発チームにはAI専用のスタッフが在籍し、従来より強化されたAIシステムを搭載しているという。敵AIの動きも賢くなっているだけでなく、味方AIも、プレーヤーの指示に従い、プレーヤーの行動の影響を受けながら賢く行動するということだ。

 気になる報酬については、従来のPvEよりは多くなるということで、1度クリアすることで、チャレンジモードが解放される。チャレンジモードでは、所有している車輌から自由に戦車を選べるようになり、かつクリアするとより多くの報酬が得られるようになるという。

【「War Stories」の企画コンセプト】

 残る2本のシナリオについては現在鋭意開発中ということでまだ情報は明かされなかったが、ユーザーの支持が厚い歴史改変モノに加えて、過去に期間限定イベントとして実装された月や火星を戦場としたファンタジーモノのストーリーも作っていきたいとしており、コンソール版ならではの奇想天外な内容になる可能性もあるようだ。

 今のところ、「ガールズ&パンツァー」のストーリーをなぞるようなアニメーションコラボや、日本の漫画家によるコミックムービーは予定していないということだが、「実装後反応が良ければそういったこともやっていきたい」と語ってくれた。今後のアップデートが楽しみな新モードだ。

【スクリーンショット】