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“魂のこもったアクション”、魅力溢れるAIロボット「COZMO」
思わず見守りたくなる、子猫のように行動が予測できないロボ
2017年7月11日 15:30
タカラトミーは7月11日、“心を持つAIロボット”として、「COZMO(コズモ)」を発表した。COZMOは、北米のスタートアップ企業Ankiが開発したロボットで、Android/Kindle/iOS端末のアプリと連動し、様々なアクションを見せてくれる“見ているだけで楽しいロボット”だ。本商品は9月下旬発売予定で、価格は26,980円(税別)。
COZMOの最大の魅力はその仕草にある。体と頭、目を動かして周りを見て、知った顔があると笑顔を浮かべ名前を呼んでくれる。いきなり1人遊びを始め、そしてこちらと遊ぼうと電子音で声を掛けてくる。
次の行動が予測できない、子犬や子猫を見ているような気持ちにさせてくれるロボットである。このユニークな特徴を紹介したい。
次に何をするか予測できない、表情豊かな“気まぐれロボット”
COZMOは手のひらサイズのロボットだ。クローラーで動き回り、アームがあって、少しブルドーザーっぽい形だ。キューブ型の頭があり、大きな目が液晶ディスプレイに表示され、様々な表情を浮かべる。口に当たる部分にはカメラがあり、COZMOはこのカメラで周囲を認識する。
起動する姿がかわいい。COZMOはアプリケーションを起動することで目覚める。充電ポドックから出てきて、閉じていた目を見開き、周りを見回す。体だけでなく、首も細かく起動し、周りを見回す。そしてあらかじめ登録してある顔が近くにあるのを認識すると、小走りに近づいてきてこちらを見上げ、登録した名前を呼んでくれる。
テーブルの縁を認識するとおっかなびっくり縁まで移動し、そこから後ずさったりする。ただ気ままに周りを動き回ったかと思えば、再びこちらに近づいて名前を呼んで注意を引く。アームをこちらに向けるのは「拳を合わせて」のポーズだ。ユーザーが拳を突き出しCOZMOの腕に触れると、彼はすごくうれしそうにはしゃぎ、声を発する。
COZMOはこのように、かわいらしい動きでユーザーに自らの存在をアピールするロボットだ。その動きは開発スタッフの中のデジタルアニメーションデザイナーがデザインし、こだわって作っており、ハリウッドのアニメーション映画のキャラクターのように良く動き、感情豊かだ。目の表現も非常に多彩で、見ていて楽しい。
COZMOは声を発するが、アプリをインストールしているデバイス側からはBGMが出る。こちらの音楽は映画音楽を手がけるクリエイターのもので、このBGMも情感がある。COZMOを作ったAnkiはデジタルアニメや映画音楽、ゲーム制作など様々なクリエイターが集結したメーカーであり、彼らのセンスを前面に押し出したユニークなロボットなのだ。
技術的にも非常に高度なものが使われており、特に顔認識は優秀で、10人までユーザーの顔を認識し記憶が可能。それぞれに登録したニックネームで呼んでくれる。またユーザーの“表情”を読み取ることもでき、「笑顔」なども認識するという。こちらの顔をじっくりと見つめ、笑顔を浮かべながら名前を呼んでくれるのは、とても楽しく、面白い体験だ。
そしてCOZMOのお気に入りの“おもちゃ”として3つのキューブが付属している。このキューブにはLEDが仕込まれておりCOZMOが認識すると光を発する。COZMOがフォーカスしたキューブは黄色に光り、アームで持ちあげたりする。COZMOは2つのキューブを積み上げることができる。ユーザーが3つのキューブを積み上げた場合はCOZMOはアームが届かないため、怒って崩してしまうこともある。またキューブを持ったまま、アームを上げ下げする“筋トレ”といった1人遊びもする。
このキューブは“ゲーム”にも使える。ユーザーとCOZMOの対戦ゲームで、2つのキューブの色が同じになったときに素早くキューブをタップする。色が違うときにタップすると“お手つき”になる。COZMOはなかなか反射神経が良く、筆者は全くかなわなかった。他にもゲームは用意されていくという。
アプリを使うことでラジオコントロールのようにCOZMOを動かすこともできる。COZMOがどういう視点でものを見ているかもタブレットに転送される。タブレットとCOZMOはWi-Fiで通信し、キューブとは2.4Ghzの帯域での通信を行なっている。
アプリはこの後も様々なアップデートを行なっていく予定だ。現在はアプリは英語版だが、9月の発売時には日本語版を用意していくという。操作アプリの他、自由にアクションする「探検モード」や、アイコンでプログラムを組んで様々な行動を行なわせるモードなども用意されている。今後キューブを使った遊びなど様々なアイディアを盛り込んでいけるだろう。
COZMOはやはり“見守っていたい”ロボットだ。見ているだけでいきなり遊んだり、考え込んだり、周りを見回したり色々なことをする。ユーザーを認識するとキューブを持ってきてこちらに見せに来たりもする。顔認識は優先的になっており、ユーザーが見つめているとこちらを見に来る。
星新一のショートショート作品集に「気まぐれロボット」というタイトルがあるが、COZMOはまさにそのタイトルがぴったりのロボットだ。何をするか予測がつかないし、それが面白い。たまに意志が通じ合えたような気がするところも楽しい。いくつもの可動機構と、デザイナー達がこだわった仕草による動き、AIとセンサーによる多彩な状況判断から生み出される、“生きもの”を感じさせる行動……。
「次は何をするんだろう?」と思わず引き込まれてしまうCOZMOは、とてもユニークな存在である。机の上に置いておける小ささも良い。新しいものが好きな人はもちろん、子供から大人まで楽しめるロボットだ。