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五感で体感! 新型VR筐体「VR センス」完成! 対応ソフト「超 真・三國無双」なども発表

襟川恵子氏「ソフトはPlayStation VR用としても発売する」

6月28日 発表

8月ロケテ予定

「VR センス」のスペック。襟川氏によれば、「コスト考えると価格は500万円はする」というが、導入のことを考えてコストダウン。320万円(税別)まで下げたという。さらに期間限定でキャンペーン価格も設定しているという
襟川氏が車の中でデザインしたという筐体デザイン

 コーエーテクモウェーブは、アミューズメント施設用VR筐体「VR センス」の完成&新作ソフト発表会を開催した。また最新のバージョンを東京ビッグサイトで開催中の「コンテンツ東京 2017」に出展した。

 「VR センス」はPlayStation VRをベースに、座っているシートが動く「多機能3Dシート」、香りが漂ってくる「香り機能」、「タッチ機能」、風が吹いてくる「風機能」、温度を感じることができる「温冷機能」、湿気などを感じることができる「ミスト機能」といったプレーヤーの五感に訴えかける機能が搭載されている。VRにより視覚的に臨場感を感じられるだけでなく、それらをサポートし五感を刺激する演出を設定できるところがポイントとなっている。

 2月に開催された「JAEPO2017」でお披露目されたが、このほど完成し、対応コンテンツも新たに発表された。リリース時期はこの夏を予定しているが、ロケテの時期は8月以降を予定。価格は320万円(税別)で、当初はメンテナンスが煩雑なことから個人向けへの販売は行なわれない。

 大きさを抑え、2分割してコンパクトにして輸送できるようになっていることから、アミューズメント施設だけでなく、飛行場や高齢者施設などへの展開も考えているという。

 通常VRの年齢制限は13歳が想定されることが多いが、「VRセンス」は12歳以上となっている。このため、小学生などを対象とした子供向けのコンテンツは制作しないという。

 「VR センス」は筐体色が2色用意されており、それぞれ収録タイトルが異なる。3ゲームずつ同梱されており、5タイトルまで搭載可能で追加でソフトをインストールしたり、入れ替えたりすることができる。

 発表会ではいくつか開発の苦労話が語られた。2月に「VR センス」をプレイしたときは標準コントローラーとしてはPlayStation Moveが採用されていたが、その後「真・三國無双」のタイトル制作にあたってDUALSHOCK 4の方が適しているという判断が下され変更。しかしその後も「ジーワンジョッキー」の制作過程でまたもやPS Moveへと変更が加えられたが、今回の体験会の直前にシブサワ・コウ氏がテストプレイをした祭にPS Moveを筐体にぶつけてしまい、危険という判断が下され、再度DUALSHOCK 4へと変更になったという。

 これは迷走しているというよりは、不特定多数の人がプレイすることを想定したときの商品化の難しさを物語っている。ちなみに、「ゲームによってコントローラーを選択できるようにしないのか?」いう問いには、「混乱してしまう」としてコントローラーは統一するとしている。基本的には、筐体のそばにオペレーターが張り付きでいなくても良いようにオペレーションフリーに近づけるためには、プレーヤーが選択するような要素を少なくしていきたいという判断だろう。

「VR センス」は筐体色が2色用意され、それぞれ違ったタイトルが3タイトルずつ納められている左がパープルで、右がシルバー
シートはかなり激しく動くようだ。傾きは最大8度。シートベルト必須となっている
1番力が入っているという香り機能。6種類以上を用意しておりコンプレッサーで制御。ただし筐体内にこもらないよう工夫されている。匂いを納めたカートリッジはコーエーテクモウェーブが一定期間で交換するオペレーションを考えているという
実際にプレーヤーに触れる「タッチ機能」。物理的にプレーヤーに当たるとい言うが、現在は風で対応しているという
強風からそよ風まで数段階で制御される「風機能」
炎のシーンで温風が吹きかけられるなど「温冷機能」も用意されている
滝のそばで釣りをしたり、雨のシーンなどで水滴を感じられる「ミスト機能」

 VRのヘッドセットについては、PlayStation VRをそのまま使用しているため現状ヘッドフォンとゴーグルが分離推しているが、今後はより簡単に装着が可能になり、女性が髪型を気にしなくても良いよう配慮したデザインに独自開発を行なうことも視野に入れているという。

ヘッドセットに関しては、当初PlayStation VRをそのまま使用することになるが、より使いやすいものを開発したいという。ちなみに現状は、プレーヤーが自分でゴーグルを清掃するイメージで考えられている

新作ソフト続々開発開始! 彼女の匂いまで感じられる?「DEAD OR ALIVE XTREME SENSE」など

ゲームタイトルの開発を行なっている、「VRセンス」メインプランナーの南 達尊氏

 発表会では現在開発中のタイトルについて発表となった。

 既に発表されているタイトルとしては、廃屋で悪霊に捕まってしまい恐怖体験を味わうことになる「ホラー SENSE ~だるまさんがころんだ~」、ジョッキーを体験できる「ジーワンジョッキー SENSE」、一騎当千の爽快感溢れるゲーム性に磨きをかけた「超 真・三國無双」の3タイトル。

 「ホラー SENSE ~だるまさんがころんだ~」は、単純に怖いだけでなく、謎解き要素も用意されており、何度でも楽しめるゲームになっているという。虫が頭に落ちてきたり、足下をネズミの大群が押し寄せるなど、ホラーの定番的な演出も盛り込まれるが、「定番の怖い演出も五感に訴える内容となっているので、すごく恐く感じられるとしている。

 「ジーワンジョッキー SENSE」は、中山競馬場と東京競馬場を再現。日本ダービーを制覇する事を目的としたジョッキーシミュレーション。2月の時点では天候は晴れしかなかったが、雨の競馬場も盛り込まれており、ミスト機能などで雨の日の騎乗を体感することができるという。難易度についてもかなり高くなっており、そう簡単には1着になることは難しくなっているとか。

 「超 真・三國無双」は、VRならではの臨場感を高めるようシステム面を突き詰めて制作が進められており、本家ナンバリングを超える意気込みで作っているという。演出として、吊り橋からの急降下などこれまでないアクションを楽しめるという。

 新規タイトルとしては2タイトルが明らかになった。1つは「超 戦国コースター」。コーエーテクモが得意とする戦国時代を舞台にコースターが駆け巡るという、これまでに無い内容となっている。ただ、「戦国時代の中を、ジェットコースターで巡るだけだと面白くない(襟川恵子氏)」ということで、野戦の中や、砲撃が行き交う中を進んでいくという。

 そして。開発当初は襟川氏が「下品だから却下した」という「DEAD OR ALIVE XTREME SENSE」だが、周りから「これが1番ウケる」という提案が相次ぎ、一転開発がGOとなったという。海岸で遊ぶ彼女たちによる跳ねる水しぶきや香りなどで、彼女たちを“体感”することができる。現在はかすみが遊ぶ姿を見ることしかできないが、今後は、ただ一緒に遊ぶだけでなく、彼女たちを楽しませればご褒美が待っているといったゲーム要素も盛り込まれる。

 この他にも他社IPのビックタイトルも予定していると言うことで、多くのタイトルが開発中であるという。襟川氏によれば「VR センス」用タイトルとして開発されたものはPlayStation VR用タイトルとして販売される予定。襟川氏は「PlayStation VRで遊んだ人がVR センスでもプレイしてくれて、VR センスの臨場感を体感してこちらでもプレイしてくれたら」とその意図を語っている。

 同社によれば、他社にも技術開示を行ない、ラインナップを充実させていきたい意向のようだ。

女性向けのIPを使用した新作の開発も進行中とか