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「モンスターハンター:ワールド」、日本で初の実機プレイを公開!
モンスターたちが暮らす「モンハン」の“世界”がそこにはあった
2017年6月21日 11:00
カプコンは6月20日、「モンスターハンター:ワールド(MHW)」スペシャル公開生放送をベルサール秋葉原で開催した。
「MHW」の最新トレーラーやプレイアブルデモはE3にて公開されていたが、日本で「MHW」実機プレイが公開されるのは初めてのことだ。やはり「モンハン」シリーズのファンも心待ちにしていたようで、当日は多数のファンが訪れて大変な混雑であった。先着100名までが入場可能とのことだったのだが、席はあっという間に満席となり、多数の立ち見が出るほどである。
そんな熱い期待の眼差しが集まる中、PlayStation Plusに加入すればマルチプレイができるなど、ポロリと最新情報の飛び出す公開生放送はスタートした。
公開生放送、開幕
配信が始まると、はじめに「MHW」プロデューサーの辻本良三氏が登壇。辻本氏は「ワールド」という言葉が示す通り、最新技術のすべてをつぎ込んで「モンハン」の世界=ワールドを作りこみたいという想いがあったことを熱く語った。また、ナンバリングを廃して「ワールド」というサブタイトルを付けた理由について、ナンバリングが進むにつれてゲームが“コア化”していくことで新規プレーヤーが参入しにくくなるのではという懸念と、“世界”同時発売であることにかけて、このような形になったと説明した。なお、世界中のプレーヤーと一緒に遊ぶことができる一方、言語によるフィルターをかけることもできるという。
また、従来のファンにも新規プレーヤーにも楽しんでもらえるようにシステムを調整しており、その一環でなんと登場人物が「日本語」で話すようになったという。「モンハン」語ではなく日本語ボイスが収録されるのはシリーズ初となる。操作中にもガイドが入るようにしたことで、新規のプレーヤーにもわかりやすくしたことを意識した結果だということだ。もちろん設定によって「モンハン語」に戻すこともできるということで、自分なりの「モンハン」観にこだわりのあるプレーヤーも安心である。
その後はエグゼクティブディレクター/アートディレクターの藤岡要氏、ディレクターの徳田優也氏が登壇し、徳田氏による実際のゲームプレイへと移っていった。
実際のゲームプレイで明らかにされる「ワールド」、そしてアクション
プレイはトレーラーをなぞるような形で進められ、シームレスなクエストマップの様子や、新要素である「導蟲」の働き、環境を利用した戦いなどが紹介されていった。ここで先述の受付嬢が日本語を喋るシーンが披露され、会場にはどよめきが広がっていた。戦闘中にもシステム的な説明をしてくれるのだが、「モンハン語」ではない言葉を話すNPCというのはなかなかに新鮮であった。
プレイを進めるとトカゲのようなモンスター「ドスジャグラス」がお馴染み草食系モンスターの「アプトノス」を丸飲みする衝撃的なシーンに立ち会うことになる。複数のモンスターが互いに関わりあう生態系が存在することが改めて紹介されたわけであるが、実際にゲーム画面で見てみるとこれがなかなかえげつない。なすすべなく呑み込まれるアプトノスの姿には生物としての上下関係を感じずにはいられなかった。
しかし、生態系においては上には上がいる。先ほどアプトノスを丸吞みしたドスジャグラスは、まさしく恐竜のような姿をした凶暴なモンスター「アンジャナフ」と出会うと、首にかみつかれ、振り回されてたたきつけられるという憂き目にあう。徳田氏はドスジャグラスからアンジャナフへとターゲットを変え、フックによる移動や、ツタの木を倒してモンスターを絡めとるというギミックを紹介しつつ戦っていた。
また、アンジャナフはダメージを与えて怒り状態になるとプレーヤーを延々と追いかけてくるという習性も明らかにされ、これを利用して有利な場所へ誘き出す動きを見せた。狭い洞窟だろうと高所であろうと追いかけてくるアンジャナフは画面で見るだけでもなかなかにホラーであったのだが、ともあれ誘き出された先はプレイ中の「古代樹の森」マップの象徴たる古代樹の頂上だ。
そこに姿を現したのは古代樹の森における生態系の頂点であり、「モンハン」において最も有名なモンスターの1匹、「リオレウス」である。トレーラーにおいてもリオレウスがアンジャナフと敵対するシーンがあったのだが、実際のゲームプレイでそのシーンを見ると圧倒的な力の差を感じさせる。「王」リオレウスは縄張りを荒らされたことに怒り、あの凶暴なアンジャナフをいとも簡単に爪で空中に持ち上げ、地面に叩きつけて格の違いを見せつけるのだ。
リオレウスは開発陣にとってもかなりの強敵らしく、ここで徳田氏は「救難信号」を発する。これにより同じサーバーにいるプレーヤーが同じマップに参加し、共闘することが可能になるということだ。集会所を出るとメンバーは固定となっていた従来の作品と大きく異なる点といえるだろう。
そして集まった開発陣により、マルチプレイでリオレウスと戦っていくのだが、担いでいる武器はさりげなく「MHW」初公開のハンマー、ランスである。基本的な動作は従来と変わらないようだが、個人的には少し動きが格好良くなっているような気がした。また、「MHW」では高さを利用したアクションが可能なため、大ジャンプからの攻撃をするシーンがあったのだが、ハンマーは飛びながら縦回転するという派手なアクションになっており、観覧席からは大きな歓声があがっていた。
その後時間的な制限からリオレウスの討伐を諦め、マップに点在するキャンプを即時に移動できる新機能「ファストトラベル」を用いてアンジャナフの元へと戻る。討伐時間が迫る中、見事アンジャナフを討伐すると、会場からは大きな拍手が送られた。
少しずつ明かされる「MHW」のシステム
その後はスライドを用いて、ゲームプレイに関する説明がなされた。
ハンターは調査団として新大陸を調査するためにクエストに臨んでいく。その最初のフィールドとなるのが「古代樹の森」で、古代樹を中心に広がる森だ。
フィールドには多数の痕跡が残されており、導蟲を用いてその痕跡をたどってモンスターを探していく。藤岡氏と徳田氏は方向音痴だそうで、マップが広くなったことで道に迷いやすくなったため、1種のガイド機能である導蟲の開発に全力を尽くしたという。
また、ツタの罠になる植物やモンスターを滝壺に落として大ダメージを与えることができるなど、フィールドにはプレーヤーがハンティングに生かすことができるようなものが多数設置されている。環境を利用して遊ぶことが「MHW」のコンセプトの1つだ。
ハンターが左腕に装着している、簡易ボウガンの「スリンガー」は、拾った木の実や石などを打ちだすこともできる。木にぶら下がったりするロープアクションはサポート的なもので、移動におけるショートカットとしての使用などが主な用途となる。
また、従来のシリーズに登場した武器14種類はすべて使うことができるうえ、いずれの武器も調整や新アクションの実装が行なわれているとのこと。例えば「ヘヴィボウガン」は、動きながらリロードができるなど、TPS(サードパーソンシューティング)に近い操作ができるようになっている。トレーラーなどで紹介されたガトリングのような打ち方は「機関榴弾」という弾を装備することで使えるようになるとのことで、状況に合わせて装備を使い分ける楽しみがある。
ドスジャグラスの「ドス」は群れのボス格を表すもので、「古代樹の森」の広範囲に生息するジャグラスを束ねるリーダーだ。丸のみしたモンスターを咀嚼し、吐き出してジャグラスに餌を与えたりもする。モンスターを食べて太ったときはアクションも変わり、太ったときのほうが強いとのこと。爬虫類好きの徳田氏は、餌を食べた後の膨らみ方などを爬虫類園で研究してリアリティを追求したという。
アンジャナフは主に「古代樹の森」の低地をテリトリーとして広い範囲で暴れまわるモンスターで、凶暴な見た目通り好戦的だ。藤岡氏は恐竜には毛が生えていたという説を元にアンジャナフをデザインしたという。威嚇や周囲の情報収集のため、探索時や怒りモードになると鼻がまるで角のように膨らむという特徴があるほか、複数列ならんだ歯は万一折れてしまったときに他の歯でカバーできるようになっており、肉食動物をはじめ生物を研究して作りこんだ結果だという。
今までできなかった表現を盛り込むべく、1番最初に作りこみ始めたのがやはり代表的なモンスター、リオレウスだったと藤岡氏は語る。最先端の技術を投じてリアルさを追究するべく、鱗の質感や骨格のつくり、翼の造形など、1からデザインしなおしているという。中でも翼の透け感については、藤岡氏が非常にこだわった部分であり、光の当たり具合によって透け方や色が微妙に変化するなど、非常にリアルな作りになっている。
「モンハン」の世界を堪能できる新作に期待が高まる
以上で見てきたように、リアルに表現された「モンハン」の世界をまるごと味わえる本作は、歴代シリーズファンにとっても、新たなプレーヤーにとっても極めて魅力的な作品であるといえる。今後も続々情報が公開されるほか、東京ゲームショーにも出展する予定だという。続報を楽しみに待ちたいところだ。
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