インタビュー
「モンスターハンター:ワールド」は“環境を利用”したアクションに!
モンスター同士に上下関係あり? カプコン辻本良三P、藤岡要Dにインタビュー
2017年6月14日 14:15
カプコンがE3 2017で発表した「モンスターハンター」シリーズの新作「モンスターハンター:ワールド」。現地時間の6月12日に開催された「PlayStation E3 Showcase」でのデモプレイ映像が世界初公開となった。
このデモ映像では、これまでのシリーズ作と比べてグラフィックスが刷新され、見たことのない探索方法や、見たことのないハンターの動きでモンスターと戦っていく様子が映し出されていた。
本作は2018年初頭の発売を目指して開発中だが、公開直後のE3 2017の会場にて、本作プロデューサーの辻本良三氏、本作エグゼクティブディレクター兼アートディレクターの藤岡要氏にインタビューすることができたので、こちらの模様をお伝えする。
「止まらないアクション」で、歩きながら回復、食事もできる!
――本作はオープンワールドタイプになるのでしょうか?
辻本氏: 完全にそうというわけではなく、拠点からクエストに行く際にはロードが入りますが、その先のフィールド内ではシームレスに繋がっています。1つのフィールドは、今までの2.5倍の広さになっています。
藤岡氏: 加えて、フィールドは密度が濃く遊べるようになっています。採取やギミックなど、ちょっとでも動いたら何かあるようなイメージです。これらはもともとのシリーズの遊び方と親和性が高いはずです。
――フィールド内がシームレスに繋がっているということは、エリアを変えて、一旦装備を整えて……といったことができないのでしょうか。
藤岡氏: そうです。そのため今作では、アクションが止まらないように作られています。
辻本氏: たとえば回復などは、歩きながらできて、途中でキャンセルもできます。アクションの硬直が減っていて、動きの中でプレイを進めていくイメージです。
映像のなかでは草に隠れる場面もありましたが、より安全のために隠れる、といった感じです。お肉も歩きながら食べられるんですよ。
――今作の制作の経緯は何でしょうか。
辻本氏: 据え置き機、とくにPS4でプレイしたいという要望を多く頂いていました。その上で、今の技術で「モンスターハンター」を作ったらどうなるかというコンセプトです。
なので、あくまでも「モンスターハンター」なんです。「モンスターハンター」がベースにあって、「これは足してもいい」、「ここは変えていい」と遊びのシステムを入れていっています。
――Nintendo Switch版は検討していますか?
辻本氏: 今のところ予定はありません。
――アクションのなかで大きく変化したのはどの部分でしょう?
藤岡氏: ハンターが腕に装着している「スリンガー」を使ったアクションです。スリンガーでは木の実や石、その場にあるものを飛ばすことができる装備で、ものを飛ばすサポートとして機能します。今までは石ころのようなアイテムでもいちいち選択してから使う必要があったのですが、これらはもっと手軽に取って手軽に使えるようになります。
また映像内でロープを使ったアクションがありますが、あれもスリンガーの標準機能の1つです。ワイヤーアクションがメインにあるのではなく、あくまでサポートという位置づけで、条件が整えば、吹き飛び途中から体勢を立て直したり、移動を素早くできたりします。
辻本氏: 武器や防具は今まで通りのものがあって、その上で周りの環境を利用しながらプレイを進めていくイメージです。
藤岡氏: その場で使えるものとしてはほかに、「ヒカリゴケ」という植物があって、暗いところでは光源になったり、モンスターに見つからない位置からヒカリゴケを刺激して光らせることができます。
また「導蟲(しるべむし)」という虫もいて、猟犬のような役割を果たします。周囲の利用できるアイテムや、モンスターの痕跡などを教えてくれます。導蟲は足跡や粘液、はいずったような跡といった痕跡を覚えてくれて、見つければ見つけるほどモンスターへのガイドがより明確になっていきます。
――本作はマルチプレイも入るということですが、コミュニケーションの手段はどのようなものがありますか?
辻本氏: ボイスチャット、またテキストチャットを考えています。マッチング方法はワールドワイドでも可能ですが、言語で絞ることもできます。ただ定型文でのチャットやスタンプもあるので、海外の人ともプレイできるようにはなっています。
――映像ではアンジャナフと戦闘していると、リオレウスがアンジャナフに襲いかかるという場面がありました。今作ではクエスト対象以外のモンスターもエリア内に多く存在するということでしょうか。
藤岡氏: 色々なモンスターがいます。モンスターの生態系にはある程度上下関係があるので、モンスター同士をぶつけるといったことも可能です。普段はお互いにテリトリーがあるので干渉することはないのですが、そこをあえてぶつけてみるなど、どちらかというと環境利用の選択肢が増えている感じです。
装備をガチガチに固めて戦闘することもできますが、環境利用をした方がアイテムの消費が少なくて済む、といったことはあります。
――ギリースーツのようなものを被るシーンもありましたが、あれはどういう要素でしょうか?
藤岡氏: あれも特殊な装備で、一定時間隠蔽率を高めるものになります。
――武器の種類は?
辻本氏: 14種類あります。
――パーティーの受注方法は?
辻本氏: 基本的には拠点で受注して、一緒に入る感じです。ただ、今作では進行中のクエストに、途中から参加できるようになっています。
映像の最後には救難信号を出すシーンがありましたが、救難信号を出すとサーバー内にいる人に救難信号が出たクエストが表示されるようになって、助けに行くことができます。★レベルなどの条件はありますが、条件を満たせば誰でも入っていけます。
――今回使用されているゲームエンジンは何でしょうか?
辻本氏: 自社のエンジンにMT Frameworkというものがあるのですが、これを本作用に改造した次世代エンジンを使っています。エンジニアの方たちにゴリゴリにチューンナップしてもらっていて、正式名ではありませんが、自分たちの中では「ワールドエンジン」と呼んでいました。
――ここで時間ということです。ありがとうございました。