ニュース

【特別企画】楽しく遊ぶための「World of Tanks Console」ビギナーガイド

5連勝しても増長せず、10連敗しても泣かない。勝ち負けよりも戦績にこだわる

気持ちよく勝ってMバッジも取れれば最高だが、そういつもうまくいくとは限らない

 「WoT」は平均して10分ぐらいで1戦できて、連戦を前提とせず1戦遊びきりなので、お昼休みに、あるいは夜寝る前に、場合によっては起きた直後に、さくさく10戦ほど遊ぶという楽しみ方ができる。筆者の遊び方は、LocustやLuchsといったお気に入りの軽戦車から乗りはじめ、その日の気分によって、現在保有している100輌近くの中から好きな車輌に乗ったり、その時に実施されているOPS(ミッション)に対応した車輌を多めに乗っていく、という自由気ままな遊び方をしている。

 その深層心理には、好きな車輌≒得意な車輌なので、まずは幸先良く勝って気持ちを楽にしてから「World of Tanks」ワールドに入っていきたいという願望がある。のだが、これが勝てないときは全然勝てないのだ。

 3連敗、5連敗などは普通にあるし、この間などは、OPS絡みで不得意な車輌ばかりを遊んでいたこともあってあれよあれよと負け続け、10連敗もしてしまった。このときばかりは見えない何かに運命付けられているような気がしたものだが、先述したように「WoT」は15対15という大人数で対戦するため、特に自分がビギナーのうちは、味方に恵まれない場合、そういうことがありうる。

 たとえば、ずっと後方から動かず最前線で盾役を担おうとしない重戦車、小隊を組んだお友達の自走砲をずっと横で守っている中戦車、開幕特攻で早々と散っていく軽戦車、なぜか最前線に行きたがる自走砲などなど、1戦10分ペースで回していると、実に様々なプレーヤーに遭遇するものだ。ここで挙げた方々は、まったく戦局に良い影響を与えておらず、こういうプレーヤーが多いと、負ける確率がグッと上がる。もちろん、味方だけでなく、先ほど紹介した始めたての頃の筆者の重戦車のように、自分が下手でもその分だけ勝利は遠のく。それらの積み重ねがトータルの勝率となって現われるわけだ。

 「WoT」で代表的な議論のひとつが、「ティーガーIは前線に出るべきかどうか」というものがある。議論になる理由は、ティーガーは、TierVII帯重戦車の中ではもっとも装甲が薄いことだ。同Tierにはもちろんのこと、下位Tierにも抜かれることが多く、その一方で強力で精度の高い主砲を備えているため、「ティーガーIの存在価値を最大限に活かすために、駆逐戦車と同様に後方で狙撃に徹するべきだ」という意見がある。ただ、筆者の経験上、この考えは200%間違いだ。

 理由はシンプルだ。その高いHP、存在感も含めて重戦車だからだ。WGLでプロ選手が使う言葉のひとつに「HPを使う」というものがある。Grand Finalsの試合を見ていると気づくのは、双方のHPがほぼ均等に少しずつ減っていくことだ。これは最前線を担う盾役が、HPの状況に応じてその都度変わっているからだ。HPが1でも残っている限り、その潜在的な打撃力は維持される。相手が1発撃つ間に、こちらも1発撃つチャンスが生まれる。そのチャンスを生み出すのが重戦車の役割なのだ。

【ティーガーは前に出るべき】
ティーガーは最前線に立って、その豊富なHPで誰かの代わりに攻撃を受けつつ、返す刀で存分にその打撃力を活かすべきだ

 また、TierVIII以降の高Tier帯になると、クランメンバー同士で小隊を組んで戦いに挑んでくるケースが多く、味方だと心強い反面、敵に回ると何もできずに数の暴力で一方的に撃破されるケースが増えてくる。日本のプロチームB-Gamingのある選手は、トレーニングの一環として小隊を組んでランダム戦に参加することがあるというが、20連勝、30連勝は“余裕”だといっていた。これは経験上、真実だと思う。「WoT」では平均勝率は50%を下回る48%と言われるが、それはこうした確実に勝利を持っていく“プロ小隊” の存在が大きいと思う。コンソール版ではWGLが存在しないため、そういった凄まじいプロプレーヤーはいないわけだが、やはり驚くほど上手いプレーヤー、「いやあ、これは無理でしょ」と思わされる連携ぴったりの小隊にはいくらでも遭遇する。

【試合結果】
勲章やマスターバッジの獲得、チーム内ランキング5位以内を目指そう

 こうしたことから、筆者は勝ち負けにはあまりこだわらなくなり、その代わり、戦績にこだわるようになった。それは軽戦車ならしっかりスポットやアシストが取れているかどうか、中戦車や駆逐戦車ならしっかりダメージが出せているかどうか、重戦車ならダメージに加えて、しっかりブロックした上で生存できているかどうかといったことだ。不思議なもので戦績にこだわると、勝敗も上がってくる気がする。

 もっともわかりやすい戦績の把握の仕方は、戦闘終了後に表示されるチーム内取得経験値のランキングだ。1位なら素晴らしいし、5位以内なら上出来だ。「WoT Console」の各種Opsでも「5位以内でポイント獲得」というケースが多いので、まずは5位以内を1つの目標にするといいと思う。「いつも10位ぐらいでいまいち何だよね」という場合は、その車種が向いていないか、車輌がとびきり弱いか、何らかの理由を探ってみた方がいい。

【戦績】
ゲーム内からも戦績は参照できる。ただ、一覧性が悪く、確認できる情報も限られている

【自分の戦績】
「World of Tanks Console」公式ページの「統計」→「自分の戦績」で自分の戦績を確認できる
全車両の戦数、勝敗、獲得バッジを基本に、これまで獲得したすべての勲章が車輌別、全体で確認できる

 ほかにも戦績を知るいくつかの方法がある。1つは、公式ページの「自分の戦績」から確認できる「パーソナルレーティング(PR)」だ。戦績を数値化したもので、しっかり活躍すれば上がるようになっている。また、WGLに参加するような上級者も含めて強さの指標になっているのがWNと呼ばれる評価システムだ。現在はWN8が主流で、日本のプロチームCaren Tigerのメンバー募集でも「直近1,000戦のランダム戦勝率が53%以上・WN8が2000以上」といった具合で、実力の指標として使われている。

 ちなみに、筆者のWN8は1,300(Good)前後で、ランク的に言うと2つほど低く、まったく条件を満たしていない。始めたばかりの頃、400台(Below Average)で、どうしようもないほど下手だったのに比べると、自分で自分を褒めてあげたいが、プロになるのは永遠に無理だと言うことがよくわかる。個人的には勝ち負けにこだわらず、車種の役割をしっかりこなすことを意識しながらのびのびと遊ぶスタイルの方が楽しいし、結果として勝率もついてくると思う。

【WOTINFO】
Wargaming.net APIを使ったサイトでおそらくもっとも情報が充実しているのがWOTINFO
便利なのがこのEfficiency Trend。今日から遡って過去の戦績を辿ることができる
各車両をクリックすると過去数カ月の戦績がグラフ表示で確認できる

 ちなみに、公式ページの「自分の戦績」や、「WOTINFO」、「cellbrock.net」のような戦績データ表示サイトは、全ユーザーの戦績データをAPIとして公開している「World of Tanks」ならではの大きな魅力のひとつであり、モチベーションを維持する上で、あるいはゲームを楽しむ上で必要不可欠なサービスだと思う。

 これらWargaming.net APIを使ったサービスでは、自分を含めた全ユーザーのこれまでの戦績が文字通りすべて記録されており、WN8などの評価システムと合わせて参照できるため、自分はどういう戦績を残していて、どの車輌が得意なのかを全部知ることができる。これは自分だけでなく、プレーヤーネームさえわかればどのユーザーの戦績も引けるため、非常に有用性が高い。

 「この人は上手いなあ」と思った人がいたら、名前をメモっておいて後で調べて見ると納得の戦績だったりするし、ケツブロ(退避行動を邪魔して逃げられなくする迷惑行為)してくるようなアンポンタンは、もう例外なく勝率が40%台だ。こうしたサービスもうまく活用しながら、自ら楽しみを見つけながらマイペースでゲームを楽しむことをオススメしたい。

【cellbrock.net】
日本発のサービスとしてもっとも優れているのはcellbrock.net。もともと「World of Tanks Blitz」向けのサービスだったが、PS4/Xboxにも対応した
国別、Tier別、車種別で勝率が表示されるため、自分がどのタイプが得意なのか、苦手なのかが一目でわかる
車輌別のデータベースは、わかりやすい色分け表示。WNは7までの対応だが、とても参考になる
ソートも行なえる。筆者は軽戦車の重要指標である「平均スポット」でソートしてから、戦績をチェックするのが日課