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MSI、崑山工場でノートPCの生産ラインを公開! 次々とできあがっていく様子は見ているだけでとても楽しい!!
2017年6月3日 18:44
5月30日~6月3日に台湾・台北市で開催されている「COMPUTEX 2017」に合わせて、MSIが世界中のプレスを集め、中華人民共和国江蘇省崑山市にある同社の工場見学を実施した。GAME Watchではこれに参加することができたので、その様子をご紹介しよう。
集まったプレスのメンツはさまざま。西はイギリス、オランダに始まり、カナダ、チリなど。アジア圏では筆者を始め、韓国、台湾、フィリピン、タイ、シンガポール、イランといった様子。これほどさまざまな国から集まるとは思っていなかったので、交流会はとても楽しく過ごすことができた。
それはさておき工場である。崑山市は上海の南に位置しており、高速鉄道である和諧号を使うと20分足らずでついてしまうという。我々の場合は市内から延ばすツアーだったので、およそ3時間ほどかかることとなった。ちなみにMSIはここ以外に、中国・深センに工場を持っているほか、台湾にも工場がある。
崑山工場の総面積は27万2000平方メートル。よく言われる「東京ドームで」で換算すると約6個分という広さとなる。2003年に完成し、それから稼働している。我々はまずR&Dセンターでレクチャーを受けた後、A棟とB棟を訪れたのだが、1番離れたB棟から戻ってきたときには、歩いて大体5分くらいかかった。
見学できたのは、マザーボードを製造している「PCBAプロセス」ラインと、実際にノートPCをアッセンブリーする「ASSYプロセス」ラインの2つだ。まずはA棟にあるPCBAプロセスからご紹介していこう。
自動化されているマザーボード製造工程
マザーボードを製造するPCBAプロセスラインでは、製造機械の中を次々とマザーボード基板が通過していくだけで作り上げられるという、自動化された製造工程となっている。所々に人が立っていたり、ラインに座っていたりするが、それは製造機械がちゃんと動いているか監視しているのと、できあがったマザーボードをチェックししているだけだ。製造工程のほとんどを自動化したおかげで、昔は100人くらいで作っていたのが、今では20名程度に削減できたという。ラインの流れだがとてもゆっくり。感覚値で言うと大体秒速2センチくらいだろうか。
それぞれの部品のはんだ付けだが、当然ながら、ホビーで電子工作をするときによくあるように、はんだごてでチクチクとつけていくわけではない。ペースト状のはんだをマザーボードに塗り、その上に部品を載せて熱して取り付けるというもの。電子工作の時にチップ抵抗などを取り付ける作業をしたことがある人ならわかるかもしれない。
そしてノートPCを作り上げる「ASSYプロセス」へ
実際にノートPCを作り上げていくASSYプロセスラインは、別棟のB棟にあった。ラインの流れだが、ディスプレイを組み立てる工程が1つと、できあがったマザーボードをパネルに取り付け、そしてメモリなどの部品を次々と取り付けてふたをして、完成したノートPCをチェック。チェックの終わったものをパッキングしていくという感じだ。こちらは先ほどのPCBAプロセスラインとは異なり人海戦術。人の手でパーツを次々と組み上げ、PCを完成させていく。今回は16インチのノートPCと、15.5インチのノートPCを作成している工程を見ることができた。
なかなか見ることができないPC工場を見学できたのはとても興味深かった。先日の発表会レポート(MSI、最新ゲーミングPCがズラリ! 新技術を搭載した新製品を一挙に発表)でもお届けしたが、生産工程を説明するヤン氏の熱量も高く、同社がノートPCに自信を持っている一端がうかがえた。ちなみにMSIが日本のPCメーカーにOEM供給をしているのはご存じの通りだが、筆者が持っているLAVIEをかばんから取り出すと、それはこの工場で作られているとのことで、工場長に褒められてしまった。実は日本ともかなりなじみ深いMSIだったのであった。