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MSI、最新ゲーミングPCがズラリ! 新技術を搭載した新製品を一挙に発表

GeForce GTX 1080のSLI構成が可能な「GT75VR Titan」を含む5機種を発表

5月30日 発表

 MSIは5月30日に、台湾・台北市内のホテルで発表会「NEXT GAINING DIMENSION」を開催し、GeForce GTX 1080またはGeForce GTX 1070のSLI構成が選べる「GT75VR Titan」と、オーバークロック仕様のGeForce GTX 1070を搭載する「GE63VR/73VR Raider」、通常版のGeForce GTX 1070を搭載する「GS63VR/73VR Stealth Pro」のゲーミングPC5機種を発表した。日本での発売は、「GE63VR/73VR Raider」、「GS63VR/73VR Stealth Pro」は本年夏以降、「GT75VR Titan」は本年末を予定している。

 今回の発表会は、5月30日より開催されている「Computex Taipei 2017」に合わせて、海外プレス向けも含めて開催されたもの。発表会の席上、同社のグローバルノートブックマーケティング長であるDerek Chen氏から、同社の戦略について語られた。

 Chen氏は、「MSIがゲーミングを選んだのはなぜか? 10年前を考えると、確かに高性能なCPUとGPUを搭載しているPCはあった。しかしゲーマーにとってはとても選べるものではなかったし、満足のいくものではなかった」と語る。

 そこで同社はハイパフォーマンスなゲーミングセグメントのPCを作り出すことにした。「ゲーマーが求めているのは、パフォーマンスがよく、ストリーミングにも耐え、操作性もよく、ビジュアルにも優れ、オーディオもよいものである」とChen氏。こうして世界に先駆け、2007年に登場したのが、同社の「GX600」だった。

MSI グローバルノートブックマーケティング長であるDerek Chen氏
MSIが目指してきたポジション
ゲーマーが求めている条件
2007年に発表されたゲーミングPC「GX800」

 そして2011年には、RGBでキーボードが光る「GT780」を発売。2013年には薄型のゲーミングPC「GS70」が世に出ることになる。この流れは止まることなく、2014年には厚さが19.95ミリと薄い15.6インチノートブック「GS60」、2015年にはゲーミングPCで始めてメカニカルキーボードを搭載した「GT80」が発売された。

 そして今回発表された製品は、5つの新たな技術にこだわって作られている。「Cooler Boost 5」、応答速度3ms、リフレッシュレート120Hzのディスプレイ、「SteelSeries PerKey RGB」のキートップ、「Rapidメカニカルキーボード」、「GIANT SPEAKER」だ。「これらの技術により、新たなゲーミングの時代に皆さんをお連れする」と語りスピーチを終えた。

2011年に発売された「GT780」
2013年に発売された「GS70」
2014年に発売された「GS60」
2015年に発売された「GT80」

新たなクーリングによりパフォーマンスを向上させる「Cooler Boost 5」

 ここからは、今回発表された最新のゲーミングPCにどのような技術が搭載されたのかご紹介していこう。

 「GE63VR/73VR Raider」には「Cooler Boost 5」が採用されており、31のブレードを持つ2つのファンと、7つのヒートパイプ、排気口は4つ用意されている。より熱量が高くなる「GT75VR Titan」では「Cooler Boost TITAN」を採用し、ヒートパイプは12本に、排気口は4つが使われている。

 実際にどの程度の冷却効果があるのかについてだが、ヒートパイプの近くでも40度以下となっており、かなりの冷却効率を誇る。しかしパフォーマンスは落ちることなく、3DMark11のベンチマークテストでも「22280」という値をたたき出している。「GE63VR/73VR Raider」も同様で、ターボモードに設定しても温度はさほど上がることはない。また、いずれもパームレストのあたりは30度台なので、(手が熱くならず)一晩中でもゲームができると同社は語る。

「GE63VR/73VR Raider」の冷却構成
筐体内部に張り巡らされているヒートパイプ
「GT75VR Titan」における冷却構成
「GT75VR Titan」の3DMark11でのベンチマークテスト結果
筐体の温度を測定した結果。GTX 1080を搭載する他社製との比較(右)
「GE63VR/73VR Raider」のベンチマークテスト結果とモード設定
筐体の温度を測定した結果。他社製との比較も(右)

新たな体験を呼び起こすディスプレイ

 そして次にディスプレイだ。先ほども紹介したとおり、新機種は応答速度3ms、リフレッシュレート120Hzのディスプレイを搭載するが、それだけでなくsRGB空間の再現率が94%とのこと。

ディスプレイにもたらされる新たな次元
94%の色空間を持つ
ハイライト部もしっかりと表現
シャドウ部もつぶれずに表現できている

すべてのキーが光る「Per Key RGB」

 キーボードだが、新たに「Per Key RGB」というすべてのキーに独自の色を設定できる機能が搭載されている。またメカニカルキーボードを採用することで、早いレスポンスが得られるという。なおキーボードについては引き続きSteelSeriesとのコラボレーションによるゲーミングキーボードが採用されている。

すべてのキーがさまざまに光る
キートップを外すとこのような形になっている
光り方はツールによって設定可能
さまざまな光り方を見せるキーボード

「GIANT SPEAKER」によりもたらされる新たな音響

 最後に紹介されたのが「GIANT SPEAKER」だ。ハイレゾオーディオにも対応するスピーカーシステムだが、これまでのデザインだとキーボードの左右にスピーカーを配置し、音を鳴らすというパターンだが、新機種ではパームレスト部にスピーカーを配置。5つのスピーカーを利用することで、これまでよりも50%より大きな音が出せるようになった。会場では実際にデモとして音を鳴らせたのだが、ノートPCにありがちなチープな音でなく、低音部もしっかりと鳴っており、確かに性能は向上しているように感じた。

ハイレゾオーディオにも対応する「GIANT SPEAKER」
これまではパームレストの左右などにスピーカーを配置していた
パームレストの下にスピーカーを配置
これまでより50%より大きな音を出せるように

写真で見る新機種

 ここからは、写真を中心に気になった部分をダイジェストでお届けする。

GT75VR Titan SLIの正面
背面にある排気口
本体左
キートップを外したところ
GE73VR Raider
GE63VR Raider
GS73VR Stealth
GS63VR Stealth