ニュース

「ドラゴンクエストXI」実機プレイデモレポート 3DS編

2D・3D切り替えは教会で!“すれちがい通信”あり、そして“ぱふぱふ”も!

7月29日 発売予定

価格:
PS4 8,980円(税別)
3DS 5,980円(税別)
ダブルパック 14,960円(税別)
CEROレーティング:A

プレイ人数:1人

 「ドラゴンクエストXI」発売日発表会にて行なわれたプレイステーション 4/ニンテンドー3DS用RPG「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」の実機プレイデモンストレーション。

 先に掲載したPS4版プレイデモのレポートに続いて、本稿では3DS版の実機プレイデモの模様をお伝えしていこう。

3DS版「ドラゴンクエストXI」は2D・3Dの切り替えを教会で!“すれちがい通信”では住人が増える?

3DS実機でのプレイが行なわれた

 3DS版の実機プレイは、フィールドマップから始まった。上画面には「ドラゴンクエストIX」風なデフォルメされた3Dグラフィックスのゲーム画面が、下画面にはスーファミ世代のシリーズライクなドット画のゲーム画面が表示されている。

 これを3DSのスライドパッドで操作すると上画面がメインになり、十字ボタンで操作すると下画面がメインになるというのが、これまで明かされていた最大の特徴だ。デフォルメ3Dとドット画2Dが1台に収まっていて、同時に動く。

 戦闘のエンカウントも上下で事なり、上画面を操作しているときだとモンスターの姿に触れると戦闘に入る方式だが、下画面だとランダムエンカウントになる。実際にプレイしていた本田翼さんは、出てくるモンスターや画面の構成に「懐かしい~!」と楽しげな様子だった。

上画面に3Dモード、下画面に2Dモードが表示される3DS版。スライドパッドだと3Dモード、十字ボタンで2Dモードがメイン操作の画面になる。ちゃんと両画面がリンクして動いているが、実のところこれは調整が大変そうな仕組み。しっかりとこれを実現している
戦闘も2Dモード、3Dモードで画面構成が変化する

 北に進んでいくとデルカダールというお城が出現! 画面が切り替わって城下町へ入っていく。街の人と話すときも、スライドパッド操作中は上画面で会話するが、十字ボタンなら下画面で会話が表示される。上下でちゃんとフォントを変えていたり、漢字のルビが上はあり、下はなしになっていたりと、2D・3D世代の雰囲気を細かに作っているのが嬉しい。

険しい山に囲まれたデルカダールのお城。主人公が初めて訪れるお城であり城下町となるそうだ
3Dモード(上画面)で操作しているときは会話も上に、2Dモード(下画面)だと下に表示される。文字のフォントやルビのありなしも変えてあって、こだわりの光るポイントだ

 PS4版では「ジャンプ」の操作があり、それで建物の屋根に上がれたりしたのだが、3DS版ではジャンプが無い代わりに、同じ場所にははしごやロープがあって、同じように屋根に上がったりできるようになっている。それぞれの世代のテイストにあった作り方で、同じ場面を楽しめるようにしているというわけだ。

 ちなみに水上を進むシーンでは、3DS版の2D表示ではドット画にも様々なゲームで見かけたような「イカダ」に乗って進むが、3D表示でプレイすると「ゴンドラ」になっている。また、建物の出口の場所が遊びやすさを考慮してちょっと変わったりなど、PS4版も含めて、そうした“同じ要素でもテイストや遊びやすさに合わせて置き換えている”という工夫をたくさんしているそうだ。

PS4版だとジャンプで建物の上に登っていたが、3DS版ではハシゴやロープといった歴代シリーズお馴染みの表現で同じものを実現している
2Dモードだと「イカダ」で町の水路を進むが、3Dモードだと豪華な「ゴンドラ」に。表現に合わせてオブジェクトも変えているというわけだ。こうなるとPS4版ではどういうものになっているのかも、気になってくる

 続いてプレイするのは港町「ダーハルーネの町」。ここで3DS版の新たな要素が明かされた。これまでは上下画面に3D&2Dを表示している画面が公開されてきたが、ある程度ゲームに慣れてきたあたりで、“どちらをメインにするかを決められる”という。

 3Dと2Dのどちらの表示をメインにしても、操作する画面は上画面に表示されるようになり、下画面にはHP等のステータスやミニマップが表示されるようになる。なお、メイン表示はいつでも“教会で切り替え”できる。好みに合わせて、その日の気分で変えられるというわけだが、そのやり取りを簡素なオプションにするのではなく、教会で行なうというのが、いかにもドラクエらしい。

ある程度ゲームが進むと、2Dモードか3Dモードどちらかをメインに決めるのだという。ただ、決定後も教会でいつでもモードを切り替えられる

 港町「ダーハルーネの町」には町中に水路があって、前述の「イカダ(2Dモード)」か「ゴンドラ(3Dモード)」に乗って移動していく。

 またこの町からは主人公たちの船にも乗れる。海の上では2Dモード3Dモードのどちらでも、戦闘はランダムエンカウントになるそうだ。

 ちなみに、これまでのシリーズでは「テンション」や「必殺技」といった戦闘システムがあったが、今作ではそれらに代わる“ちょっと変わった戦闘システム”を搭載しているのだという。そちらは今後の続報に期待だ。

船に乗って海を進むシーンも披露!海では2D/3Dどちらでも戦闘はランダムエンカウントになる

 今作は「過ぎ去りし時を求めて」という副題のとおり、過去シリーズ作のいろんな要素を作品中にたくさん入れているという。そこで、この日はそのなかでも“ぱふぱふ”が紹介された!(ぱふぱふが何なのかわからないという人は各自お調べください)

 港町のちょっと入り組んだ路地に佇んでいるという、なんだか妙にこだわりのそれっぽさを感じさせる女性に話しかけると、「ぱふぱふ しない?」というティロリロリーンな誘惑が! 発売日発表会に「ぱふ ぱふ ぱふ」というテキストが流れるというシュールな展開に。

 3Dモードでももちろん同じように「ぱふぱふ」娘がいて、この日は1度教会に行ってモードを切り替え、再度ぱふぱふ娘のところに行ったのだが、モードによる見た目の変化や演出の違いを比べてみたくなるという気持ちがわかりやすい存在であり、定番ネタを見せつつもモード切り替えで2度楽しめる良さが上手く紹介されていた。

 これなら、感動の場面などを表示モードを切り替えてもう1度見てみたくなるし、さらにはPS4版でも見たいなという気持ちにもなりそうだ。

過去シリーズ作のいろんな要素が今作には詰め込まれているという。そのひとつ“ぱふぱふ”を紹介! 2Dモード、3Dモードで、ぱふぱふの見た目や演出の違いを確認したくなるのは、もうしょうがないことなのだ

 3DSということで気になる「すれちがい通信」の要素にも、少しだが触れられた。訪れた場所は、建物の作りなどが人間のそれとはちょっと違うのを感じさせる「ヨッチ村」。水色だったり赤色だったりの背の小さい不思議な種族が暮らしているようだ。

 この村がすれちがい通信の拠点になるそうで、堀井氏によると、すれちがい通信をすれば村人が増えていくそうだが……。マップには「時渡りの迷宮」という気になる施設が見えたりしたのだが、ここでどんなことができるのか、村人が増えるとどうなるのかは、まだわからない。

すれちがい通信の拠点になるという「ヨッチ村」。堀井氏によれば「すれちがいすると村人が増える」ということだが、そこからどんなことが起きるのかは、まだわからない

 最後に明かされたのは、教会にある「ふっかつのじゅもん」という気になる項目。こちらはなんと、その昔にプレイしたファミコン版「ドラゴンクエスト」、「ドラゴンクエスト2」の復活の呪文も入れられるという。

 復活の呪文を入れれば、昔にプレイした主人公の名前がちゃんと今作に引き継がれるほか、ゲーム序盤が少し楽にプレイできるような、おまけがもらえるということだ。

 また、今作のプレイ記録にも復活の呪文は利用可能。ただし、今の時代のゲームのセーブデータは容量が大きく、復活の呪文の形式で保存しようとすると、とてつもない文字数になってしまう。そこで、復活の呪文をメモ&入力すると、そのときのゲームのストーリー進行に合わせて、主人公の名前を引き継ぎつつ、大体のレベルや所持金を再現してくれるというものになっているそうだ。

 堀井氏からは、「それを“いろんなハードに”入れて楽しむ事ができる」という言葉もあり、おそらくはPS4と3DSのデータ引き継ぎもおおまかにではあるが、可能になるということだろう。

教会のメニューに「ふっかつのじゅもん」の項目が! 昔の復活の呪文を使えるだけでなく、今作のゲームデータをおおまかとは言え記録できるし、“いろんなハード”でも楽しめる

 これにて実機プレイのデモンストレーションは終了。3DS版の実機プレイでは、3Dモード、2Dモードの懐かしさや親しみやすさ、PS4版ともまた異なる魅力をしっかりと確認できた。すれちがい通信の存在もあり、さらには復活の呪文によって“いろんなハード”で楽しめるなど、「ドラゴンクエスト」シリーズのたくさんの要素を、今に役立つ形で使っているのが、なんとも“らしさ”のあるものとなっていた。これは、PS4版、3DS版どちらも手を出したくなってしまう。今後にも続報をたくさん出していくということなので、そちらにも期待だ。

 では最後に、登壇した皆様からのこの日の発表会のエンディングのコメントをまとめよう。

 PS4版プロデューサーの岡本北斗氏氏「サブタイトルの『過ぎ去りし時を求めて』にちなんでというわけではないですが、これまでの『ドラゴンクエスト』が全部入っているなと、作っていて感じました。音楽でもそれを感じられる演出になっていますので、ご期待頂ければと思います」

 3DS版プロデューサーの横田賢人氏「僕の担当する3DS版は3Dモードと2Dモードがあって、表現できることが違うので、その2つのモードでの体験がかけ離れたものにならないよう調整するのが大変です。2本分のゲームを作っているようなもので大変なのですが、それでも両方とも最初から最後までどちらのモードで楽しめるよう、全力投球で作っています。ぜひ両方のモードで遊んでもらえたらと思います」

 「DQXI」ディレクターの内川毅氏「今日お見せできたのは本当に一部分だけで、ボリュームで言いますとストーリーをクリアするだけだと50時間ほど、やりこもうとすると100時間以上遊べると思いますので。みなさん楽しみに待っていて下さい」

 「DQXI」プロデューサーの齊藤陽介氏「なんとか30周年内に出したいという思いで作ってきたのですが、堀井さんと話した結果、最後にもう一踏ん張りすることでもっと良くなるだろう、ということで。2カ月ほど時間を頂いて、最後の最後の調整を今まさに行なっているところです。ご覧頂いたとおり、ゲームの肝となるところはほぼほぼできているので、最後は堀井さんのふんばりでさらに良くなると思います。ぜひPS4版、3DS版両方遊んで頂きたいなと思います」

 「ドラゴンクエスト」ゲームデザイン&シナリオの堀井雄二氏「30年前に『ドラゴンクエスト』を初めて作ったときに、30年経ってからこのような盛大な発表会ができるなんて、本当に夢にも思いませんでした。支えて下さったファンの皆様、スタッフの皆さん、本当に感謝です。見てもらったように3DS版の2モードとか、PS4のキレイな画面とか、30年の想いが全部このソフトに詰まっています。音楽も、見た目も、ぱふぱふも(笑)。全国の体験ツアーに僕も行きますので!みなさんも遊びに来てください。今日は本当にありがとうございました!」