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新センサー、開発者の支援、アーケード施設など、広がるHTC Viveの世界
濃密なコンテンツを提供し、活用していくこれからの戦略
2017年3月1日 16:47
「The Holodeck Year 2: Growing the VR Ecosystem in 2017」は、HTC Viveを販売するHTCのスポンサードセッション。HTC Viveの最新の取り組みが紹介された。これまでにも発表されている情報もあるが、セッション内容をレポートしていきたい。
Presidentを務めるRikard Steiber氏が最初に提示したのは「VIVE-Tracker」。体や手に持つアイテムなど様々なものに取り付け可能なセンサーで、手足や腰に取り付け、Viveのコントローラーを持つことでこれまで以上にVR空間でプレーヤーの体をリアルに再現できる。デモ映像では、両足と腰にセンサーを取り付け、ボディビルダーのように、ポーズをとった姿をそのまま投影していた。
手足や体などのポイントだけを表現したアバターコミュニケーションも可能だし、センサーを銃型コントローラーに取り付ければガンシューティングができる。またリアルなアサルトライフル型のコントローラーも考えているという。ほかにもよりリアルなチャンバラアクションなども可能だ。
Steiber氏は、VRをPCやWEB、モバイルの先にある「マスメディア」としてとらえているという。人間がVR空間で様々な操作ができるようになる中で、VRを使って世界中の秘境を探索したり、よりユニークな形での学習や創作活動、スポーツ、ショッピングなど、あらゆることをVR空間にアクセスすることで可能にしていくというビジョンを持っていると語った。
ツールやノウハウ、さらには開発者同士のつながりまで様々なサポートを行ない、ユーザーとデベロッパーの“ハブ”として活用されているのが「VIVE PORT」だ。特に「VIVE PORT Developer Awards」は、優秀なコンテンツをピックアップし、ユーザーにユニークなVR体験をもたらす“媒体”としても機能している。打ち上げプロセスから月探検、そして地球への帰還まで体験できる「Apollo 11」はわくわくさせられる教育用コンテンツである。
このほかにもVR空間で部品を組み合わせてオブジェクトを作る「FANTASTIC CONTRAPTION」や、VRでミニゴルフを楽しめる「CLOUD LANDS」、物語を体験できるアドベンチャー「Allumette」が優秀賞を獲得している。これらの開発者は名声と共に賞金も与えられ、さらなるVRコンテンツ開発へとつなげていく。
このほかにもBMWのカーシミュレーターなどHTCは様々な活動を行なっている。そして今後の“3つの柱”となる大きな戦略も提示された。1つが家庭用向けの「HOME」、2つめは施設向けの「ARCADE」、そして3つめが「MOBILE」である。
家庭用戦略「HOME」では、「VIVE PORT SUBSURIPTION」を開始する。月額6.99ドルで、「VIVE PORT」のコンテンツ5本を自由に遊ぶことができるのだ。月額課金をすることで、各コンテンツ料金を負担せずに、最新タイトルから「VIVE PORT Developer Awards」を受賞した優秀作まで、自由にチョイスできるのである。
2つめと、3つめはいずれも中国向けのサービスとなる。「MOBILE」は、「VIVE PORT M」というスマートフォン向けのコンテンツのサービスを行なっていく。今回は発表のみで、具体的なコンテンツの紹介はなかった。「ARCADE」は、アミューズセンター向けのサービス。中国でHTC Viveを活用したVR体験施設をオープンする。
「VIVE PORT ARCADE」というカテゴリーを作り、400タイトル以上のアーケード向けのコンテンツを用意した上で、自転車型コントローラーや、「VIVE-Tracker」を活用し、ユーザーが施設を訪れることで、濃密なVR体験をすることが可能だ。HTCでは中国を皮切りに、20社のパートナーと、1,000以上のVRアミューズセンターを展開していく構想を持っているという。