【閲覧注意】ID@Xboxの新作サイコホラー「>observer_」は異次元の怖さだった！

　Xboxのインディ向けプログラムID@Xboxの新規タイトルのお披露目会「ID@Xbox Showcase」が、今年もGDC会場の近くにあるイベントスペースXbox Loftにて行なわれた。ラインナップについてはXbox Wireで発表されているように全22タイトル。いずれもID@Xboxプログラムを通じて開発が進められており、今後順次、Xbox OneやWindows 10、あるいはその両プラットフォームでリリースされていく予定だ。時間も限られていたため、急ぎ足での試遊となったが、その中で特に気になったタイトルを幾つかご紹介したい。まずは、すべての遊び手を顔面蒼白にさせていたサイコホラー「>observer_」を取り上げたい。なお、パブリッシャーAspyr Mediaの厚意により、今回のプレイアブルバージョンの内容をすべて収録したゲームプレイデモを貰えたので、記事の最後に紹介したい。極めて恐いので、くれぐれもホラーが苦手な人は“閲覧注意”である。

タスクの内容は、アパートの部屋を調査するというもの

2084年の荒廃したクラクフのスラムが、凄まじいリアリティで描かれている。すでに恐い

調査対象の容疑者。会話にならないため、インプラントにハッキングし、彼の世界へ

どんどんおかしな世界に変わっていく……

　「>observer_」は、今や世界でもっとも優秀なゲーム開発国であるポーランドのデベロッパーBloober Teamが開発しているサイコホラー。タイトルからしてすでにバグっており薄気味悪さをたたえているが、2084年、彼らが本拠を置くポーランドクラクフのスラムを舞台に、プレーヤーは私立探偵のダニエル・ラザルスキーとなり、容疑者の心に直接ハッキングして、容疑者自身の脳内を探索していくという、文字にしているだけで嫌な汗が出てくるストーリーだ。

　筆者がプレイする前に、2人ほど待つ必要があり、後ろから見ていたが、見ていただけの印象では、三上真司氏の最新作「サイコブレイク」と、小島秀夫氏が手がけた「P.T.」を掛け合わせたようなホラーゲームかと思っていたところ、実際にプレイしてみたら全然違うゲームだった。

　「サイコブレイク」が悪夢を煮詰めたゲームで、「P.T.」が超常現象を扱ったゲームだとすると、「>observer_」は、容疑者の脳をハッキングすることで、映画「マトリックス」的な表現が次々に巻き起こるサイコホラーだ。

　主人公がいる世界と、ハッキングした世界は、まったく同じ世界のようで少し異なり、記憶が飛ぶような感覚で次々に舞台が変わったり、現実世界ではありえないような空間表現になったり、ザッピングノイズと共に世界が粉々に粉砕されたりする。プレイしてみたら全然違っていたのは、その発生のタイミングが全然わからないことであり、前に進んでいるだけでいきなり目の前の映像が崩れ、まったく予期せぬ展開となり、否応なく光の渦や不快な金切り音に襲われる感覚がたまらなく恐い。

　床がなぜか側面にあったり、そもそも床が抜けていたり、中空をバケツなどが浮遊していたりして、それらを見ているうちにいつしか方向感覚があやふやになり、徐々に嫌な汗が噴き出してくる。そうした酩酊に近い状態で夢幻回廊を彷徨っていると、またいきなりどーんとステージが入れ替わり、カラスのような黒い異形の存在が下から巻き上がってきて、あまりホラーが好きではない筆者はたまらず途中でヘッドフォンを外してしまったほどだ。

　その様子を見ていたJon Miller氏は笑顔で、「恐い？」と聞いてきたが、「とんでもなく恐い」と答えるととても喜んでいた。世の中には、人を怖がらせることを楽しむ人種が存在するということがよく分かった。

　このゲームは、ステージの概念はなく、どんどん舞台を変えながら、タスクと謎解きがリニアに続いていく展開になるという。初回プレイは謎解きに時間が掛かるため30時間ぐらい掛かるかもしれないが、慣れてくれば8時間程度でクリアできるのではないかという。正直、筆者は、このゲームをクリアするのは無理だと思った。途中で心身に異常を来して、ぶっ倒れてしまいそうだからだ。

　「>observer_」は、Xbox OneやWindows 10のみならず、LinuxやMac、そしてプレイステーション 4でもリリース予定。価格は29.99ドルで、今夏発売予定。日本発売は未定とのことだが、ぜひ出したいということだった。「我こそは！」と腕に覚えのあるホラーファンは、「>observer_」をぜひ覚えておこう。

【スクリーンショット】