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【特別企画】Steamでダウンロードして「みんなのA列車でいこうPC」を遊んでみた!
低スペックマシンでもサクサクプレイできる入門作
2016年12月23日 12:00
「A列車で行こう」シリーズ最新作はSteamから
「A列車で行こう」シリーズの最新作となる「みんなのA列車で行こうPC」が12月15日に発売された。今回のタイトルは、パッケージソフト以外にも、ゲーム流通のプラットフォームであるSteamにて発売されているのが特徴だ。
本作の基本的な内容は、2014年2月13日に発売されたニンテンドー3DSソフト「A列車で行こう3D」のPC移植版なのだが、マウスとキーボードでのプレイに最適化され、ユーザビリティはかなり改善されているうえ、PCの液晶ディスプレイであれば1,920×1,080ドットなどの高解像度でプレイできるので、かなりプレイの印象が変わったように感じた。
「ゲームを始める」を選んだら、会社名と代表者名を決めて入力してスタート。続いてシナリオを選ぶのだが、初心者向けに「A列車で行こう」、「循環する都市」、「未来へ続く軌跡」の3つ、本作に慣れている中級者以上向けには20本のシナリオが用意されている(そのうち6つはシナリオをクリアしないと選ぶことができない)。
初心者向けシナリオ3つのさわりをご紹介
では、初心者向けに用意されているシナリオ3つをざっと紹介していこう。
シナリオ「A列車で行こう」では、鉄道線路の敷設と駅の設置、列車の設置および運行情報の設定が可能。あらかじめ設定してある工場から資源を貨物列車で輸送し、資源置き場に置くことで町が発展する様子が楽しめる。「A列車で行こう」シリーズをプレイしたことがない人には、このシナリオから始めるとよいだろう。マップも小さいし、クリア目標も人口1万人の達成なので、数時間で目標を達成することができるだろう。会社情報から損益計算書を見ることもできるので、自分の会社が赤字なのか黒字なのかといった判断もできる。
「A列車」シリーズで線路を敷くときには、とにかく輸送力アップを図るために「円軌道」を描くことが鉄則。効率的に輸送力アップを図った方が町は発展する。シナリオ「A列車で行こう」では最初、東側に2駅分の単線がひかれているだけだが、これを、島を回るようにぐるっと線路を引いていくことを目標にしよう。なお、町の発展には資材が必要なので、旅客列車だけでなく、資材用の貨物列車を走らせることが必要だ。駅近くに資源置き場を設定して資源を置き、町の発展材料とするのだ。
ただこのシナリオは最初のチュートリアルも兼ねているので、画面左下に表示される秘書が手取り足取り教えてくれる。ひとまずはその通りに進めていけばよい。一通りの機能が使えるようになったら、町の発展を目指し、線路を引いていくようにしよう。
徐々に自由度が増していくシナリオをプレイ
次の「循環する都市」のシナリオでは、「A列車で行こう」のシナリオで使えるようになった機能に加えて、道路の設置、バスおよび輸送トラックの設定、停留所、駐車場の設置、路面電車の敷設が行なえるようになる。また、このシナリオからは「プラン」という項目が増え、車両の改良に取り組むことが可能だ。最初の「A列車で行こう」のシナリオよりも、かなりやることが増えているので、このあたりからは結構忙しくなる。
ここでのクリア条件は、「道路総延長100キロ」と、「2年連続黒字」というもの。発展している北部地域と、中央の田園地帯をいかに開発するかがポイントとなるだろう。なおマップを見るとわかるのだが、中央に段差が設けられている。このため、高架線を作りながら、段差をかわしてうまく鉄道や道路を敷設してもよいだろう。ただし高架線は、地上に線路を敷くことに比べてかなり割高となるので、予算には注意したいところだ。
加えてこのシナリオでは、発展の基礎となる資材工場のほか、木材の伐採所や炭鉱、油井などの素材を運搬して資金を得ることも可能だ。町の発展やクリア条件には関わってくるわけではないが、多彩なプレイを楽しみたいならチャレンジしてもよいだろう。
さてマップである。北部の鉄道はエリア外に引かれており、外の世界から人を流入させることが可能となっている。これはこれでしっかりと動いているのでそのままにしておき、その南側の田園地帯を開発することにした。また、元々木材輸送列車がエリア外へ向けて引かれているが、これもそのままにしておくことにする。秘書の指示に基づいて行なったのは、北部にある伐採所と製材所を鉄道で結び、木材を活用できるようにしたことだけ。しばらくして輸送人数が増えてきたら、環状線を建設した。
ところで、列車がかなり自由に扱えるようになってくると、その運行時刻を設定して、夜の間は走らせないようにし、ムダを押さえる必要が出てくる。列車アイコンから設定したい電車を選び、「運行計画」から「営業時間」を選ぶとその設定が可能だ。普通に走っている列車と同じように、午前0時~午前6時までを運休時刻とした。
ところで忘れがちなのだが、このシナリオのクリア条件は「道路総延長100キロ」ということ。鉄道だけでなく、道路を引いて利益を上げていくことが求められる。そこで環状線を引いた後は、その内部に道路網を設置し、バスとトラックを走らせることで売上を上げることにする。
なおバスやトラックについては、交差点での右左折、直進、停留所での進行方向などが細かく設定できるので、停留所や駐車場を作ったら、バスルートやトラックルートを設定し、町の中をぐるぐると回るようにしておく。
道路は鉄道と違って縦横無尽、どこにでも引けるのだが、あまり複雑にしてしまうとルート設定が難しくなってしまうので、なるべく枡形に敷くようにしておこう。マップにはあらかじめ道路が敷かれているので、それを利用するのでもよいだろう。
いろいろと敷いているはずなのだが、まだ道路の総延長が足りない模様。このため北部にある伐採所から、トラックでも運んでくるように、長く道路を敷くことにした。これで無事、道路総延長100キロを達成する。あとは2年連続黒字決算だが、これは業績が好調なので、期末まで待っていれば自動的に達成だろう。
本作に用意されている機能を使いこなして都市を作り上げる
「未来へ続く軌跡」のシナリオでは、本作に用意されている機能をほとんど使えるようになる。これまでのシナリオで使えた機能に加えて、子会社の設置ができるようになるほか、ライバル会社などが建てた建物の買収も可能となる。「循環する都市」のシナリオまででは、線路の先に余計な建物が設置されてしまうと、そこへ新たに線路や道路を敷設することができないため、あらかじめ用地買収をしておく必要があり、かなり面倒だった。しかしこのシナリオからは、建てたい場所に障害があれば、最悪の場合はその建物を買収したあと潰し、線路や道路を敷設することができるので、プレイの自由度も上がる。
このシナリオのクリア条件は、開始後10年以内に総資産が1,000億円を超えることと、株式を公開すること。子会社を増やしつつ路線を広げ、利益をいかに出していくかが重要だ。また路線設置に当たっては、高架線・高架道路をいかに敷設するかがポイントとなる。段差も多いうえに山があったり、海を隔てて町が存在するマップなので、高架は必須だ。
なお、高架橋を建設したり、子会社を設置して開発する際に資金が不足するようであれば、銀行から借りてもよい。ある程度事業の伸びが見えていて、黒字も予想できるなら、借入資金でまかなうことも検討する方がよいだろう。筆者の場合は2年目で資金不足になり、倒産の危機に瀕したが、借入金で何とかしのぐことができたものの、それも返せるかどうか不安になるという無茶な開発を行なってしまった。気をつけたい。
このほか「プラン」アイコンでは、地下鉄の技術を開発したり、よりよい車両の開発ができるようになっている。「プラン」でまずやっておきたいのは営業部の人員増強。複数のプランが実行できるようになるからだ。また、クリア条件である株式公開を準備するのも、この「プラン」アイコンから。剰余金が300億円を越えたらプランを発動させてよい。総資産1,000億円を達成するよりも剰余金が300億円を超す方が早いので、株式公開の方が早く目標達成できるかもしれない。
また、「未来へ続く軌跡」になると、レポートでは損益計算書だけでなく、貸借対照表まで見ることができるようになる。ここまで数字を見られるようになると、まるで上場企業のIR情報を調べているようなものだ。かなり細かな数字にわたって参照できるので、株式投資などをやっている人であれば、その実感がわかるのではないだろうか。
発展していく町、子会社を作りより大きな町に
さてこのマップだが、先ほども述べたように、南北に2つの町が存在し、その間を列車が往復している。この町を使ってどのように発展させていくかがキーポイントとなるが、今存在する路線については、他社の子会社を買収していかないとホームの拡張もできない感じだ。これはあまり効率のいい話ではないので、いっそのこともう1本新たに線路を引いて、町を発展させることにした。町北部に新たに線を設け、西部の駅は拡張して共通利用。高架を引いて川をまたいだあとは、南部の町の北位置に駅を新たに設けた。
そのあとは子会社の建設だ。最初は小規模のマンション、商業施設を建てるところから開始。うまく利益が回るようになったら、中規模クラスに変更して建てていく。売上報告書を見ると分かるが、ほとんどの利益は子会社から。その次に資源関係の取引で、鉄道の売上は子会社の10分の1ほどだ。
なお、どこに子会社を設置すればよいかは、営業部長の麻布稼頭夫がアドバイスしてくれるので参考にしよう。建設したい子会社を決めて「決定」ボタンを押し、場所をクリックすると、その土地に建設すべきかどうかを教えてくれる。喜んだ顔になるほどうまくいくということなのだが、これはあくまで鉄道を引いてその町を発展させていくゲーム。路線を新設したあとは「立地がよいと言えない」と言われたとしても、そこを発展させるにはまず住民を増やし、商業を立ち上げ、娯楽施設などで沿線の価値を高めなければならない。あまりこのコメントに一喜一憂せず、長い目で見て開発することをオススメする。
こうして子会社を建て発展させていくわけだが、一番大きいのは港の設置だ。これだけで売上、利益ともにかなり上がるようになる。東にある漁港に隣接するように水産倉庫を建てるとともに、農業組合所に隣接する形で農業倉庫を建てる。町の発展用に資材置き場も作ったら、その近くに港を建てよう。これで、資源関係の売上で稼げるといった具合だ。
筆者の場合は、あらかじめ設置されている北側の資材工場に隣接する形で1つ作り、その南の水産倉庫、農業倉庫から物資を移送する貨物列車を作ったが、隣接させればよいだけなので、貨物列車はあまり意味がなかったかもしれない。都合3つ建設したが、総資産がかなり増えることとなった。
以上のことをやっておけば、黙っていても剰余金が300億円たまり、時間が経つにつれて総資産1,000億円を視野に入れることもできるだろう。ただし「早送り」だけで単にゲームを消化するだけではもったいないので、タワーを建ててみたりとか、バス路線を様々作り、そのルートを細かく決めて動かしたりなど、箱庭を楽しめるのが「A列車で行こう」シリーズの醍醐味だ。
こうしておくうちに、創業5年目の昭和56年に総資産1,000億円を達成して、株式上場と合わせて条件クリアとなった。意外と長くかかってしまったというのが実感だ。なお、この初心者編の3シナリオをクリアすると、難易度設定ができるようになるほか、マップを1から作り上げる「マップコンストラクション」のモードも使えるようになる。
Steamで「みんなのA列車で行こうPC」を購入する
冒頭でも述べたように、本作はPCゲームの販売のプラットフォームであるSteamでも購入が可能だ。また、Steamを使ってアクティベーションを行なうため、インターネット環境が必要となるSteamで購入するためにはアカウントを作ったりと、通販サイトなどで賞品を購入するのとは異なるので、その手順について解説しておこう。
まずはSteamのWebサイトにアクセス。右上にある「ログイン」をクリックする。登録用の画面が表示されるので「Steamに登録」をクリック。登録の画面が表示されたら、「Steamアカウント」に任意の名前を入れて、パスワードを入力。登録用のメールアドレスも入力したら1番下までスクロールして、「私は13歳以上で、これらに同意します」にチェックを入れたら、「アカウントを作成」をクリックする。これでアカウントの作成は終わりだ。
続いて、Steamソフトウェアのダウンロードとインストールを行なう。SteamのWebサイトが表示されているので、右上にある「Steamをインストール」をクリックする。ダウンロードページが表示されるので、「Steamをインストール」をクリックする。自動的にダウンロードされるので、終了したらソフトウェアを実行しよう。
ソフトウェアを実行すると、セットアップウィザードが起動するので、基本的には「次へ」で追っていけばよい。Steamアカウントのセットアップが終了したら、「ストア」から「みんなのA列車でいこうPC」を検索して購入しよう。
インストールが終了すると、Steamが起動する。ここでは先ほど登録したアカウントを入力して、メールアドレスの認証を済ませれば、Steamが使えるようになる。
低スペックのマシンでも動作する「A列車」
本作の動作環境だが、以下のようなスペックを満たせばOKとなっている。
項目 | スペック |
---|---|
対応OS | Windows 10/8.1/8/7(いずれも32/64bit) |
CPU | Celeron 1.7GHz以上推奨 |
メモリ | 2GB以上 |
HDD空き容量 | 1.6GB以上 |
DirectX | DirectX 9.0c以上 |
ディスプレイ | 1,280×720ドット以上推奨 |
サウンド | Direct Sound対応 |
入力機器 | キーボード、ホイール付きマウス推奨 |
その他 | インストール時にDVD-ROMドライブ、インターネット環境が必須 |
「A列車で行こう」シリーズといえば、巨大な町を描画するために高いマシンスペックを要求するソフトであると思われがちだが、本作の場合はCeleronでの動作も可能だ。そこで1番低スペックであると思われる、サードウェーブデジノスの「Altair VH-AD2」という、3万円以下で買えるWindows 10ノートPCを用意し、インストールして検証してみた。
【Altair VH-AD2】
項目 | スペック |
---|---|
CPU | Celeron N3150(クアッドコア/定格1.60GHz/最大2.08GHz/L2キャッシュ2MB) |
GPU | インテル HDグラフィックス(CPU内蔵) |
メモリ | 4GB DDR3L |
ストレージ | 32GB eMMC |
ディスプレイ | 14インチ光沢液晶(1,366×768ドット) |
OS | Windows 10 Home |
インストール自体は正常に終了。そして起動してみるがまったく問題ない印象。マップ生成にもそれほど時間がかからずに表示してくれた。ゲーム進行中の列車やバスの運行、路面電車の運行表示はもたつきを感じることはまったくない。早送りでもきびきびと動作する。後述するCore i7で動作させているのと遜色ない感じだ。確かにCeleronマシンでも十分に動作し、快適なプレイができると思った。
それではもっと昔のマシンではどのような感じなのか検証するために、7年前のCore 2 Duoを搭載した「Let's note CF-S8」にも入れてみた。このマシンのスペックだが、CPUはCore 2 Duo P8700(2.53GHz)、メモリは増設してあり4GBを搭載する。
インストール後起動してみたが、マップを生成するところは多少もたつくものの、問題なく画面表示が終了。タッチパッドを左クリックしてマップを動かすが、意外と問題ない印象。ただし列車や自動車が走っているところはちょっとゆったりとしすぎていて、快適にプレイできるとは言いがたい。しかしそのあたりをわきまえて動作させる分には、意外とプレイできてしまうのでは、という印象だった。
なおハイスペックの代表として、Core i7-4700MQを搭載する、2年前に購入したNECのLAVIEでもプレイしてみたが、もちろん何のストレスもなくサクサクと動かすことができた。画面サイズも1,920×1,080ピクセルのため、マップの見通しもよく、気持ちよくプレイができた。今回レビューに使用したのはこのマシンなので、これまで紹介したキャプチャ画像からそのサイズをなんとなく想像していただけるかと思う。解像度はなるべく高い方がマップも広く見渡せるようになるので、できるだけ高い解像度でプレイした方がよいだろう。
年末はおこたでA列車はいかが
これまで紹介してきたように、本作は必ずしもパワフルなデスクトップPCが必要というわけではなく、低スペックのノートPCでも動作することができるのはうれしいところ。シリーズのファンだけでなく、「A列車でいこう」シリーズに興味があるなら是非ともプレイしてほしい。わざわざパッケージソフトを買わなくても、オンラインで購入できるのもよいところだ。今年の年末年始は、こたつに入ってじっくりと「A列車でいこう」をプレイしてみてはいかがだろうか。
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