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「Tree of Savior」で高レベルキャラクターのパーティプレイを体験!
キム ハッキュ氏、今濱氏にゲームへの想いをインタビュー
2016年7月13日 09:17
ネクソンは、8月24日よりオープンβテスト予定のMMORPG「Tree of Savior」の発表会を開催した。この発表会ではサービススケジュールの他、オープンβテストでの追加要素も明らかとなった。
今回は280レベルという最高レベルの7次職のキャラクターを使って、4人でのパーティプレイを体験することができた。本稿ではこちらのレポートと、開発元であるIMC GAMES CEOのキム ハッキュ氏、本作のプロジェクトマネージャーを務めるネクソンの今濱隆一郎氏のインタビューを紹介したい。
パーティプレイで高レベル帯もサクサク!? レベル280の最強キャラクターを体験
「Tree of Savior(以下、「ToS」)」のオープンβテストの目玉は「7次職」である。「ToS」では頻繁にキャラクターは転職可能となり、様々なスキルを身につけていける。プレーヤーは上級職に転職するごとに増えていくスキルを選び、選択的に上げていき自分の目指したキャラクタービルドを行なっていく。
今回体験できたのは、戦士系の7次職「ドラグーン」。キャラクターは槍を得意とするセッティングで様々なスキルを使うことができた。特に槍を得意とする「ホプライト」のスキルを重視しているようで、突き系の技を多く使えた。しかし正直、いきなりずらりと並ぶスキルを渡されても、使いこなすことができず、ひたすらスキルを使い敵を撃退するので精一杯だった。
これまで「ToS」は魔法系をプレイしていたが、今回戦士職をプレイしてみて、仲間のバックアップを受けながら、しっかり前衛をこなしていく楽しさを体験できた。ホプライトのスキルを重点的に習得した今回のキャラクターは、槍のスキルを中心に、振り回し周囲にダメージを与えるスキルや、空中に飛び上がって武器を振り下ろす剣でも使えるスキルも合わせて使っていった。また武器を持ち替えることで剣のスキルも使えた。
槍のスキルはダメージそのものは大きくはないが、手数の多さが楽しい。スキルはキーボードに割り振られていたが、QとAの段ほとんど全てにスキルが割り振られていた。A、S、D……と連続してスキルをたたき込んでいくのが爽快で、さらにスキルを連打することで連続して槍を突き出すスキルもあった。敵をスタンさせる代わりにノックバックさせて拡散させてしまうスキルもあり、敵をまとめて引き受けるという役割をどうこなしていくかを考えさせられた。
今回はハンター系の7次職「キャノニア」と、クレリック系の「ブレイクドクター」を2人交えたパーティプレイをした。キャノニアはその名の通り大砲を撃つことができる職業。前衛職が効果的に敵をまとめることで大ダメージが与えられる強力なスキルが使える。ハンター系であるため弓の攻撃や、トラップのスキルもあり、敵を弱めるデバッファーとしても活躍してくれた。
「ブレイクドクター」は「敵が使ってくるデバフの防御」、「味方が敵にかけたデバフの効果拡大」だという。これまでのスキルの習得で、ヒールとバフも強力なキャラクターとなっていた。今回は170レベル程度の筆者達から見れば低レベルの敵から、240レベルの強い敵と戦ったのだが、サクサク進めることができたのは、2人のブレイクドクターの強力な支援があったからだ。
正直筆者は敵をうまく止められず悪戦苦闘していたのだが、彼らの活躍で仲間は安定した戦いをすることができた。ブレイクドクターは様々なバフの他、一直線の光を放つ派手な攻撃スキルも持っており、格好良かった。このスキルは「モンク」のものだという。
今回は170の中レベル地域、240の高レベル地域とダンジョンを中心に戦ったが、実は最初に最難関の「大地の塔」にも挑んでみたのだが、大量のモンスターに飲み込まれてしまった。他の地域では安定して戦えたので、ここがどれだけ大変な場所なのかは、後になって実感した。最難関コンテンツだけに、しっかりした連携と、準備が求められる場所だろう。
フィールドは細かく描き込まれていて、見応えがある。クローズドβテストではフィールドに敵が溢れていたのだが、今回は少ない地域もあった。しかし何カ所か、1匹の敵をトリガーに複数の敵が突然現われるところもあって油断はできなそうだ。また、インスタンスダンジョンでは大量の敵が配置されている場所があり、少しずつ敵を引き寄せて撃退していく戦いが楽しめた。
やはりパーティプレイは楽しい。今回の体験プレイでは、高レベルキャラクターのド派手なスキルと共に、MMORPGプレーヤーだからこそ楽しいパーティプレイが体験できた。盾役になり敵をまとめ、アタッカーが攻撃しやすい状況を作り、バッファーに助けてもらう。安定したプレイができれば瞬殺された「大地の塔」でもしっかり戦えそうである。自分で作り上げたキャラクターで思う存分楽しみたいと強く思った。オープンβテストが楽しみだ。
高いゲーム性、サーバー間を越えるマッチングでユーザーの繋がりを促す
今回は、キム氏、今濱氏に合同インタビューを行なった。本作の見所を質問されたキム氏は「多様なキャラクターとグラフィックス、そして入念に行なったゲームバランス」と答えた。ただひたすらレベルを上げるのではなく、フィールドの雰囲気や、マップの細かい部分もチェックして欲しいという。
オープンβにおいて重視しているのは「安定性」だ。クライアントの最適化、不具合の修正、細かい調整……オープンβテストを開始するまで時間をかけたのも、オープンβテストを1カ月近く行なうのもやはり安定した環境でプレイして貰いたいからだとキム氏は語った。
「ToS」はパーティプレイや、ギルドシステムなどユーザー間での交流にフォーカスしている。昨今はソロ志向も強いが、本作ではどのようにユーザーを繋げていくのだろうか? キム氏は「スキルの繋がり」を挙げた。各キャラクターのスキルは他のキャラクターのスキルとの「組み合わせ」を考えてデザインされている。パーティプレイでのスキルの連携こそが、キャラクターの真の力を発揮できるという。各スキルはその連携を1つ以上は考えているとのこと。かなりパーティプレイを意識したゲームデザインになっているようだ。
ネクソンの運営側でもプレーヤーの繋がりは意識していると今濱氏は語った。現在、サービススタート時には3つのサーバーでの運用を予定しているが、ギルド対戦、インスタンスダンジョンではサーバー間を越えてマッチングする予定だという。コミュニティに関しては、運営側もより繋がりやすく公式ページなどでも働きかけていくという。
昨今のゲームに比べると「ToS」はパーティ感での連携や、ギルドシステムなど濃い繋がりを求められるバランスになっており、ゲーム性も高い“硬派”なゲームであると言える。この敷居の高い部分に関して今濱氏は「ユーザーに考えて欲しい」と語った。ユーザー自身が考え、やり方を模索していく、積極的にゲームを楽しむ姿勢を応援していくという。
キム氏は「日本のユーザーは他国以上に、プレイマナーに気を配り、ユニークなプレイスタイルを見せてくれる。日本の方が私のコンテンツを遊んでくれる姿は、私の開発に強いインスピレーションを与えてくれた。皆さんがどう本作を遊んでくれるかも楽しみです」とユーザーに語りかけた。
もう1つ、こちらはメールインタビューという形になったが、「韓国のプレイや、日本のプレイで開発者さえ驚いたプレイスタイルや、スキルの組み合わせ、というものはあったか?」という質問もしてみた。
IMC Games開発統括のキム・セヨン氏は、複数人の「アイスウォール」で閉鎖空間を作ってから「スワップ(使用者と指定モンスターの位置を入れ換えるスキル)」でボスモンスターを閉じこめておくプレイを見て、面白かったという。丘の上にいるモンスターと自分をスワップして素早く段差を上っていくプレイも印象的だったとのことだ。
さらに韓国のユーザーはディフェンスミッションでモンスターが狙っている守護対象のオブジェクトを「ハイディング(透明にして狙われなくするスキル)」で隠すとか、レイドミッションで「メルスティス(バフの持続時間経過を一定時間抑えるスキル)」を利用して無敵バフの持続時間がなるべく途切れないよう停止させるプレイをするなどで開発者を驚かせているという。かなり高いゲーム性を持った作品となりそうだ。日本のプレーヤー達がどんな戦法を生み出すかも期待したい。