【特別企画】

アーケード用STG「バルガス」が40周年! あのカプコンのビデオゲーム第1号作品をプレイバック

【バルガス】

1984年5月 稼働開始

 カプコンが1984年5月に発売したアーケードゲーム「バルガス」が、2024年5月でちょうど40周年を迎えた。

 本作は8方向レバーとショット、キャノン砲発射ボタンの2ボタンで自機を操作して敵を倒していく縦スクロールシューティングゲームで、カプコンの記念すべきビデオゲーム第1号作品でもある。現在ではほとんどのゲームファンが、カプコンと言えば「モンスターハンター」や「ストリートファイター」、「バイオハザード」シリーズが真っ先に浮かぶだろうが、設立当時は本作のようなシューティングゲームを数多くリリースしていた。

 以下、稼働開始からめでたく40周年を迎えたタイミングで、本作の魅力を改めて振り返ってみよう。

※写真はNintendo Switch版「カプコンアーケードスタジアム」で撮影(以下同)

敵との戦いも、ボーナス得点稼ぎもとにかくアツい!

 本作の最も面白いところは、ゲームスタート直後から息を継ぐ間もなく、次から次へと敵キャラが出現して襲い掛かってくるところにある。多くの敵キャラは、自機の背後からでもしばしば体当たりを仕掛け、加えて弾を大量に撃ってくるので、短いプレイ時間でも全身が汗だくになるほどアツい戦いが繰り広げられる。

 敵キャラの大半は自機とほぼ同じサイズだが、ときどき出現する昆虫のような風貌で耐久力の高い大型の敵キャラを倒すと、1,000点のボーナスが加算される。大型の敵は、今の目で見るとそれほど大きくないかもしれないが、自機のすぐ近く(画面下部)までしばしば接近することもあり、当時としてはかなりの迫力があったように思う。

 正確な時期は忘れてしまったが、筆者が本作を初めてプレイしたのは発売されてからしばらく後のことだった。それでも、本作独特の白熱の攻防は面白く、背景の岩肌や宇宙空間などのビジュアルも、素直にカッコいいなと思ったことを今でもよく覚えている。

次から次へと、ひっきりなしに敵キャラが出現する。時折出現する大型の敵の不気味さと威圧感も特筆に値する

 特定の敵編隊を全滅させると獲得できる、500点のボーナスを狙ってプレイするのもまた楽しい。さらに敵編隊の全滅ボーナスは、ノーミスで(※自機を破壊されずに)取り続けると、得点が1,000点、1,500点、2,000点と500点ずつ上がり、最高5,000点までアップする。なので、どこまでノーミス、かつ5,000点ボーナスを何回取れるのかも、プレイヤーの腕の見せどころとなる。

 自機がパワーアップする要素は存在しないが、たまに出現する「敵サインS」、「同D」、「同E」の3種類のアイテムを取ると、それぞれ敵の移動スピードが上がる効果を解除する、敵弾の数が増える効果を解除する、敵の出現数が増える効果を解除する効果が得られ、より有利に戦えるのも本作ならではの特徴だ。

敵編隊の全滅ボーナスは、最高5,000点までアップする
アイテムを取ると敵の攻撃が鈍るのも本作ならではの特徴。写真は「敵サインS」のアイテム

撃ちまくるのか、それとも温存するのか? キャノン砲による得点稼ぎのアイデア

 キャノン砲は、使用できる数が限られている(※ゲームスタート時は6発。「POWアイテム」を取るとストックが増え、最大15発までストック可能)が、小型の敵は貫通し、大型の敵でも1発で倒せる強力な武器だ。さらに1発のキャノン砲で複数の敵をまとめて倒すと、高得点のボーナスが獲得できるメリットもある。

 ステージ構成は1周9ステージで、最終地点に出現するボスキャラ、バルガスを倒すと1周クリアとなり、より高難度の2周目へと突入する。バルガスは耐久力が非常に高く、その周辺には別の敵キャラも数多く出現するので、キャノン砲をなるべく多くストックしておくと楽に戦える……のだが、実はキャノン砲を一切使わずに温存すると別のメリットが得られる。

 そのメリットとは、キャノン砲を一切使わずにしばらくプレイし続けると、1万点の高得点ボーナスが入る★マークのアイテム「佐吉」が出現すること。「佐吉」は1回限りではなく繰り返し出現するので、より得点を稼ぐのであれば、キャノン砲による破壊ボーナスではなく、むしろ「佐吉」を狙ったほうがよい印象を受ける。

 強力なキャノン砲を積極的に使って敵を倒しまくるか、それとも封印して「佐吉」で稼ぐのか? プレイヤーの腕や好みに応じた楽しみ方ができるところも、本作ならではの面白さと言えるだろう。

敵を貫通するキャノン砲で、まとめて敵を倒すことでも得点が稼げる
大型の敵も、キャノン砲なら1発で仕留めることが可能
耐久力がとにかく高い、ボスキャラのバルガス。キャノン砲でも一撃では倒せないので長期戦は必至だ

 マップの背景が宇宙空間に切り替わるステージ(※最後の対バルガス戦を除く)は、大型の敵と全滅ボーナスがもらえる敵編隊しか出現せず、しかも弾をほとんど撃ってこないので、言わばボーナスステージのような位置付けになっている感がある。本作は、スコアが1万点と5万点に到達するとエクステンド(1UP)になることもあり、プレイヤーをますます得点稼ぎに夢中にさせてしまう、このようなステージの存在も非常に良いアイデアだったように思われる。

 前述の「佐吉」に加えて、初期のカプコン作品ではおなじみのキャラクター、風車の「弥七」も本作に登場する。「弥七」は、後に発売された「ソンソン」、「1942」、「ブラックドラゴン」、「1943」などでは得点、1UPまたは回復アイテムとして登場するが、本作では自機に向かって体当たりを仕掛ける敵キャラとして出現していた。

デビュー作では敵キャラ役だった「弥七」
取れば1万点ボーナスとなる「佐吉」
2周目のマップの先頭位置には、企業宣伝のためなのか「CAPCOM」のロゴがデザインされている

 本作は、カプコンがプレイステーション 4/Xbox One/Nintendo Switch/Steamで配信中の「カプコンアーケードスタジアム」に収録されているので、今でも手軽に遊ぶことができる。しかも「カプコンアーケードスタジアム」版は、ショット連射ボタンやプレイデータのセーブなど、さまざまな便利機能を搭載しているのも嬉しい。今までカプコン第1号作品を知らなかったという人は、今遊んでもアツくなる本作を、ぜひこの機会にプレイしていただきたい。

□「カプコンアーケードスタジアム」のページ