インタビュー

「FFXIV: 新生エオルゼア」プロデューサー吉田直樹氏インタビュー(前編)

過去の「FF」シリーズや、他のMMORPGの要素を何でも貪欲に取り入れていく「新生FFXIV」

過去の「FF」シリーズや、他のMMORPGの要素を何でも貪欲に取り入れていく「新生FFXIV」

「FF」ネタはおもしろければ何でも入れるというポリシーだと語る吉田氏

――いまお話しした3つの軸のお話しは基本的に「FFXIV」本編のみ、つまり、次の拡張ディスクが出るまでに語られるストーリーということですか?

吉田氏:1つ目の柱は拡張パック後も続きます。また、今回、「新生FFXIV」の特徴として、歴代「FF」シリーズの良さを入れていきますと言うのは、以前からお話させていただいていますね。モーグリやチョコボがいて、クリスタルタワーがあったり「FF」シリーズのボスとも戦ってもらいますよと。すでに公開しているアモンは、モデルはほぼ完成しています。あの魔導アーマーはもう開発は乗り回していますし、プレーヤーも乗れるようになります。

――「FF」シリーズの世界観は統一されていませんよね。それらを入れ込んでいくということですが、その整合性はどう取っていくのですか?

吉田氏:基本は「FFXIV」のストーリーに合うように設定調整されてでてくるので、あくまでも「FFXIV」の世界の一部になっています。クリスタルタワーをあえて「『FFIII』のクリスタルタワー」って言ってるのは、そのほうがわかりやすいからです。PRのために言っているだけで、ゲームの中では古代アラグ帝国のタワーが復活したと言う話になっています。その塔の名前がクリスタルタワー。あくまでも「FFXIV」の世界なんですね。

【クリスタルタワー】

――なるほど。ということは、他の「FF」シリーズの世界設定なり、勢力が、「FFXIV」の世界に侵食してくるようなことはないわけですね。

吉田氏:そういうイメージではないです。でも、わかんないですけどね(笑)。イヴァリースと繋がっちゃったとかいうのも「別におもしろければいいじゃん」というスタンスではあるので。

――「FF」シリーズというと、「FFI」から「FFXIII」までありますが、全部なんらかの形で出ると考えて良いですか?

吉田氏:網羅できたらいいなとは考えていますが、すでに新生ローンチ時でも結構ありますね。ただ、全部入れるのが使命だとは思っていません。

――ただ、「FF」ファンは期待しますよね。トードを唱えて潜れる洞窟が出るかなとか?

吉田氏:それはそれでいいんじゃないですか? 面白ければ入れますし。それはナンバーだから入れるんじゃなくて、それが面白いとなったら入れればいいと思っています。だから偏る可能性はありますよね。「FFIII」からやたら入ってきてるなーとか。そこはあまり全タイトルを必ず1つずつ入れなきゃというモチベーションで作っているわけではありませんので。

――「新生FFXIV」では、カットシーンも数多く入るということですが、これはリアルタイムレンダリングのカットシーン以外に、プリレンダーのシーンも入ってくるんですか?

吉田氏:プリレンダーのシーンもありますよ。多くはないですけどね。

――でも、カットシーンの基本はリアルタイムですよね?

吉田氏:そうです。なぜかというと、MMOでは、自分のキャラクターがシーン内に登場しないと、つまらないと思うので。

――それでは、どういったシーンでプリレンダーのカットシーンが入ってくるのですか?

吉田氏:エオルゼアの歴史を語るシーンが主になりますね。「旧FFXIV」の高画質映像もありますし。

――過去の使っていない設定もふくめてそういったものをプリレンダームービーで見せると?

吉田氏:はい。良い物は使った方が絶対にいいので

【プリレンダームービー】
「時代の終焉トレーラー」より。プリレンダーはプリレンダーの良さがある。プリレンダーのイベントシーンは、「新生FFXIV」でも存在するようだ

――そういう点では、シドは新生で出てくるんですか?

吉田氏:それはお答えできないです。シドがどうなってしまったのか気になっていると思うのですが、そこはまさしくネタバレなので

――もう言ってるようなものですね(笑)

吉田氏:あとはやっぱりMMOのビジュアルというものを僕らは革新していきたいなと思っています。やはりこの頭身、この品質で長く遊び続けられるMMOは本当に「FFXIV」だけだと思っています。ローンチしてからもPC市場やコンソール市場がどんどんアップグレードされていくのであれば、僕らのグラフィックスも底辺は維持しながら、上限は上に引き上げ続けるつもりなので。

――PC版をブラッシュアップしていくのは当然としても、PS3版はどうなるんですか?

吉田氏:そこは変わらずです。PS3の性能が上がる訳じゃないので。

――ひたすらオプティマイズすることによって、その限界を少しずつ乗り越えていくのかなと。

吉田氏:いやー、後ほど見ていただきますが、正直なところ、もう限界までやってるので。

 また、僕は欲張りなので、MMORPGの要素を貪欲に何でも入れていこうと思っています。たとえばハウジング。これだけバトルコンテンツとストーリーが充実したグローバルスタンダード向けのMMORPGだと、ハウジングなどの要素は後回しだったり、やらなかったりする部分なのですが、「新生FFXIV」では大規模に用意していますし。

――ハウジングの風景って、公開されているイメージイラストのように高台から多くの家々が見下ろせるイメージでいいんですか?

吉田氏:はい。これはもうモックアップができて、本制作に入っています。これリムサロ・ミンサのハウジング専用エリアです。

――へえー。こうやって見ると感動ですね。

【ハウジング】
これは前回のインタビューで見せて頂いたハウジングの資料。ハウジングは、プロデューサーレターLIVEやインタビューではたびたび言及しているが、具体的な実装時期や画面素材は一度も公開されていない

吉田氏:後はもう、一般にパブリッククエストというタイプのコンテンツもある、ダンジョンもたくさん、レイドもですね。蛮神バトルというのは「FF」らしいバトルコンテンツだと思いますし。またβでダンジョンを2つプレイできるようになっていますので、そちらもお楽しみに。

――新しいダンジョンの対象レベルはいくつくらいですか?

吉田氏:レベル25と30で、1つはトトラクの千獄の新生版になります。

――βテストフェーズ1のレベルキャップはいくつなんですか?

吉田氏:レベル35ですね。ですので、レベリングをしていただければ遊べます。がんばってレベリングをしてください(笑)。

Amazonで購入

(中村聖司)