ネクソン、「マビノギ英雄伝 SEASON2」開発・運営インタビュー

新たな冒険とストーリーをもたらす新地域、素早さが魅力の新女戦士ベラが登場


11月20日実装



 ネクソンはWindows用MOアクションRPG「マビノギ英雄伝」において、11月20日に大規模アップデート「SEASON2 Episode1」実装し、さらに12月に新キャラクター「ベラ」を投入する。今回は、それらの新規コンテンツについて、実装に先がけて開発者と運用担当者にインタビューを行なった。

 「マビノギ英雄伝」はこれまでの魔族との戦いを描いていたが、「SEASON2」では異なる地域での新しいストーリーが描かれる。ストーリーの時間軸は初期のストーリーで分岐するため、初心者から楽しむことができる。またレベルキャップが解放され、上級者には更なる高みが提示される。

 新地域では広大なフィールドを舞台とした冒険が楽しめ、新しいプレイスタイルが提示される。それと共に既存のスキルが見なおされ、キャラクターの個性がさらに強まる調整が入るという。また、新キャラクター「ベラ」は素早い攻撃に特化した女戦士となる。

 インタビューしたのは日本とヨーロッパのサービスを担当する韓国NEXON「マビノギ英雄伝」LIVE2チームチーム長キム・ソンアン氏、「SEASON2」担当の開発者であるLIVE2チーム企画パート長のイ・キュドン氏、ベラ担当の企画者LIVE3チームチーム長のイム・ドックビン氏、英雄伝の他様々なNEXONのタイトルを担当するローカライゼーション2チームチーム長のイ・ミギョン氏そして日本の「マビノギ英雄伝」運用担当のネクソンの始澤健太郎氏。「SEASON2」はどんなコンテンツであり、これから「マビノギ英雄伝」はどのような変化を迎えるだろうか。





■ 新たな地域で、トレジャーハンターのストーリーが始まる、「マビノギ英雄伝 SEASON2」

新たな世界は、これまでの雪が多かった地域から、南国風の地域に

 最初に、11月20日に実装される「マビノギ英雄伝 SEASON2」の概要を紹介したい。「SEASON2」では新しい村と共に、新しいストーリーがスタートする。ストーリーの時間軸としてはプロローグの後にすぐ展開するストーリー「カルブラム傭兵団」を終えた後で、これまでのストーリーでは騎士団への入隊や、魔族との本格的な戦闘へ展開していくが、「SEASON2」は、これまでのストーリーを進めなくても楽しめる。初心者は従来のストーリーと、「SEASON2」のストーリーを両方進めていくことも可能だ。

 「SEASON2」ではミレッドというトレジャーハンターを目指す少年がストーリーの中心となり、プレーヤーは彼と共に様々な冒険していくこととなる。「モルバン」という村を中心に、密林地帯のある「三日月島」、セイレンが多くの船を沈めたという恐ろしい「船の墓場」という2つの冒険地域が登場するという。これまでの「マビノギ英雄伝」は北方地帯のモンスターが多かったが、新モンスターは巨大な蜂やカメ、クラーケンや海賊ゾンビなどが登場する。

 また、「SEASON2」実装に合わせてシステム面にも手が加えられる。リシタ、フィオナ、カロックのスキルに調整が行なわれ、その他のキャラにも調整が入る。またジャンプアクションが追加されるという。レベルキャップが80に引き上げられ、新武器も追加される。また、キャラクター作成画面で体型変化も可能になっている。これまではインスタンスダンジョンに入るには「トークン」というアイテムが必要だったが、今回からはこの制限がなくなり、代わりに導入される「疲労度」によって報酬の調整が行なわれるようになった。

 次に12月に追加される新キャラクター・ベラの概要を紹介したい。ベラはデュアルソードを持った女戦士で、カウンターを使いこなす。一撃の重さよりも、連続してダメージを重ねていく、スピードを活かした戦い方をするという。同じくデュアルソードを使うリシタとどう差別化をしていくかも気になる。今回はベラをデザインしたスタッフも来日しており、彼のベラへの想いを聞くことができた。

 「マビノギ英雄伝」では、落ち着いた雰囲気の防御重視の戦士フィオナと、幼く元気なイメージと派手な魔法が特徴の魔法使いイヴィという女性キャラクターがいる。ベラは3人目の女キャラクターとなる。キャラクターの造形という部分にも注目したい。インタビューではこれら新要素を中心に質問してみた。

【新地域】
冒険の拠点となる村、モルバン
密林地域の三日月島
壊れた船が集まっている船の墓場




■ 複数のボスが待ち受ける広大なフィールドで、これまでとは異なる冒険が展開

日本とヨーロッパのサービスを担当する韓国NEXON「マビノギ英雄伝」LIVE2チームチーム長キム・ソンアン氏
「SEASON2」担当の開発者であるLIVE2チーム企画パート長のイ・キュドン氏
英雄伝の他様々なNEXONのタイトルを担当するローカライゼーション2チームチーム長のイ・ミギョン氏

 「マビノギ英雄伝」は韓国ではサービス開始から3年となる。まず最初にこれまでの「マビノギ英雄伝」の開発・展開についての感想を聞いてみた。韓国NEXON「マビノギ英雄伝」LIVE2チームチーム長であり、日本とヨーロッパのサービスを担当するキム・ソンアン氏は「『マビノギ英雄伝』は苦労を重ねながら開発をしています。ユーザーの消費速度が速く、コンテンツ不足という課題は抱えています。しかし、今回のアップデートによって、この課題が多少解決できると思いますし、私達の苦労の分だけユーザーさんに楽しんでもらっているという実感も持っています」と語った。

 今回実装される「SEASON2」は「マビノギ英雄伝」に大きな変化をもたらす。大きな項目は2つあり「ストーリーと新地域」という部分と、「キャラクターのスキルバランスの調整」だ。ストーリーに関しては、これまでの寒冷地帯を中心に、力を増してくる魔族に大きな脅威を感じ、戦いを繰り広げて行くというシリアスなストーリーが語られていた。
 そして「SEASON2」では、シリアスな話から一転、熱帯地帯で明るい物語が展開していくこととなる。トレジャーハンターを目指す少年ミレッドと、彼を心配する姉のエイレを中心に、「SEASON1」とは全く別なストーリーが語られていく。「SEASON1」ではプレーヤーは騎士団に所属し、大きな戦いに身を投じていくが、「SEASON2」でのプレーヤーの立場は一介の冒険者であり、時間軸的にも分岐している。「SEASON1」をプレイした人も楽しめるし、初心者は「SEASON2」のストーリーのみを進めることも、両方を並行して進めていくことも可能だ。

 「SEASON2」を担当するLIVE2チームパート長のイ・キュドン氏によれば、「SEASON2」では2つの大きな柱があるという。1つは明るく軽妙な雰囲気のトレジャーハンターに関するストーリー、そしてもう1つが戦闘の楽しさ。「SEASON2」の三日月島、船の墓場という2つの冒険用マップはこれまでのダンジョンの奥にボスがいる、というシンプルなMOフィールドではなく、まるでMMORPGのような広大な空間で、プレーヤー達は様々な場所を冒険し、隅々まで探索していくことになるという。ちなみに広さはMMOなみだが、区分としてはMO空間であり、冒険するのは1パーティのみとのことだ。

 「SEASON2」でもこれまでと同じように、村でクエストを受け、フィールドに向かうこととなる。今回大きく異なっているのはこれまでは対象レベルごとに冒険するフィールドが決められていたが、新マップでは挑戦するマップの対象レベルをより細かく設定できるようになった。レベル8から、最高レベルのレベル80まで、キャラクターのレベルに応じて変動する。対象レベルの設定でフィールドの広さなどは変わらないが、登場するモンスターの強さが変わり、攻撃パターンも変化するという。

 三日月島、船の墓場には様々な地域に各5体のボスがいる。パーティで挑戦して5体全てのボスを倒すことも可能だし、1体だけ挑戦するということも可能だ。クエストはボス討伐だけでなく様々な目的がありパーティで何度も挑戦が可能だ。レベル80を目指すプレーヤーにとって、キャラクターを鍛え上げる場所ともなるし、仲間と共に連続ボス討伐にも挑戦できる場所ともなるという。

 各地域の特徴もきいてみた。日本運営の始澤氏によるとモルバンはこれまでの街と違い高低差があり、特に街を眼下に一望できる展望台があるのが面白いとのこと。また空間的にもこちらは広くなっており、これまでの街とは印象が異なるものとなっている。

 三日月島はジャングルになっており、原始トロールや巨大な女王蜂が待ちかまえている、人跡未踏の荒々しい自然を感じさせる危険な場所となっているという。ストーリー的に船の墓場より先に訪れる場所となるため、「SEASON2の冒険」を印象づけるマップになっているという。

 船の墓場は難破した船が集まっており、暗くじめじめした不気味な場所となっている。ここでは“雷”に注意だ。特定の場所では天候が変わり雷雨になる事があり、この時に雷に打たれてダメージを受けることもあるという。キュドン氏は「雷の光り方や、音などもこだわって作ったので、是非見てください」と語った。

 韓国での新ストーリー新地域の反応は、次の新システムの追加・調整も含めおおむね好評だったという。「SEASON2」の新マップは、これまでのように1つのシナリオを終えたら強制的にマップから出されるのではなく、プレーヤーが望むだけフィールドにとどまり、たっぷり冒険ができるようになる。「SEASON2では、これまでに無い新しい楽しさを提示できたのではないか」とキム氏は語った。


【新モンスター】
新モンスターのイメージイラスト。クラーケン原始タートル
セイレン墓蟹
女王蜂クィシアモナルカ
海賊船長トロール族長




■ キャラクターの特性をパワーアップしたスキル調整、体型変化で思い入れもさらに深く!

日本の「マビノギ英雄伝」運用担当のネクソンの始澤健太郎氏

 「SEASON2」のもう1つの柱である“戦闘の楽しさ”とは、キャラクターのスキルの調整が大きい。キム氏は、「マビノギ英雄伝」はこれまで、キャラクター同士のバランスが合っていない部分があり、不便さを感じさせてしまう部分があったと語った。特にフィオナ、カロック、イヴィのスキルを調整したという。

 フィオナは防御力が高い一方で攻撃力が足りなかった。そこで攻撃力を増す調整を行なった。カロックに関しては攻撃の遅さを解消しより攻撃しやすくした。イヴィは範囲攻撃が強かったのに対し、ドレインスキルが弱く、ドレインスキルの強化を行なった。キュドン氏は「各キャラクターの弱点を補強するということではなく、各キャラクターの特性を強める調整を行ないました」と語った。韓国ではスキルの調整は好評で、各キャラクターを使うプレーヤーからも喜びの声が聞かれたという。

 一方、日本のユーザーからはリシタに関する要望が大きかった。特にデュアルスピアを使う場合、リシタは防御力を捨て攻撃に特化した特性となる。このスタイルは韓国でも人気だったが、日本では倒されやすいので何とかして欲しいという声が上がっていた。今回の調整では回避能力を強化し、敵の攻撃を避ける戦い方が強化された。

 「SEASON2」での大きな変更点として“疲労度”の導入と“トークン”の廃止がある。これまで「マビノギ英雄伝」では各インスタンスダンジョンに向かうにはトークンというアイテムを使わなくてはならなかった。このためダンジョンに挑戦する回数が限られていたのだが、この制限がなくなり何度でも挑戦できるようになった。変わりに疲労度システムが導入された。疲労度が溜まりきると、ダンジョンクリア時の報酬を得ることができなくなる。反対に疲労度が少ないときには報酬にボーナスが上乗せされるようになった。

 また、キャラクターの体型変化に関しては、際限なく太らせるというわけではないが、アーティストがこだわった範囲での体型変化が楽しめる。「肩幅」や「筋肉量」といったパラメーターが加わり、細身のカロックや、太ったイヴィといったこれまでのキャラクターイメージを大きく変えた調整も可能になる。体型変化は最初の1回は無料で行なえるが、2度目以降は課金アイテムの「体型変更チケット」が必要になる。




■ 新キャラ・ベラはスピードを活かし、相手の力も利用する女戦士

ベラ担当の企画者、LIVE3チームチーム長のイム・ドックビン氏
新キャラクター・ベラは、凛々しさを持った女戦士だ。武器はデュアルソードを使う

 大きな変化がもたらされる「SEASON2」実装の後に追加されるのが、新キャラクターのベラである。ベラ担当の企画者、LIVE3チームチーム長のイム・ドックビン氏によれば、デュアルソードによるスピード感のあるキャラクターとなるという。同じようにデュアルソードを使うリシタとの違いはスキルにあり、敵の攻撃のタイミングを合わせ、こちらがスキルを使うことで大きなダメージを与えるカウンタースキルが強く、テクニカルな戦いが楽しめる。

 さらに、遠距離攻撃にも対応したスキルもある。攻撃を加えてから離脱する「スリップアウェイ」や、周囲の敵を引き寄せまとめてダメージを与える「タイフーンスラッシュ」、その上ボス戦に特化した乱舞攻撃「テンペスト」といったスキルも持っている。もちろんこれまでのキャラクター同様、どのスキルを育てていくか、プレーヤーの好みでも大きく戦い方を変えていく。

 ベラを企画したイム氏はユーザーの反応にかなりの満足感を得られたようで、韓国での人気を聞くと、笑みを浮かべて親指を上げるポーズで示した。ベラはソロでもパーティプレイでも大いに活躍できるキャラクターであり、攻撃速度で敵を圧倒しつつ、強力な敵の攻撃には華麗に反撃するプレイスタイルが楽しめるという。

 「マビノギ英雄伝」にはかわいらしいイビィと凛々しいフィオナ、という女性キャラクターがいる。外見的な部分での差別化はどうしていくのだろうか。イム氏は「東洋でも西洋のユーザーにも満足してもらえるように、外見は何度も変えました」とのこと。初期はきつい性格を思わせる顔立ちをしているが、ここから柔らかさを持たせるようにしていったという。

 日本へのコンテンツ投入に関して、ローカライゼーション2チームチーム長のイ・ミギョン氏は「私達は日本ユーザーの声に常に傾け、それを開発に届けています。今回の調整要素に関しても、日本からの要望が実現したものも多くあります」と語った。今回紹介された以外の部分でも細かい調整が行なわれており、日本では韓国で何回かに分けて実装された修正を、まとめた形で投入していく。ギルド倉庫の実装など、様々な要素も実装されるという。

 日本では「マビノギ英雄伝」はゲームのクオリィティの高さが評価されている。一方でコンテンツ不足を指摘する声や、レベル帯によってはパーティが組みにくいという面もあったという。始澤氏は「SEASON2」実装によって新しいユーザーや、新規キャラクターで始めるユーザーも増加し、広大なフィールドとやり込み要素によってコンテンツ量の不満も緩和できるのではないかと考えている。実装に合わせ、ゲーム内外でキャンペーンを企画していきたいという。

 さらに、今後の要素として、装備品とは違う外見だけ変えられる“アバターシステム”の準備をしており、年内実装を目標としている。また、「マビノギ英雄伝」初となるタイアップ企画も進めており、こちらも期待して欲しいとのことだ。

 最後にユーザーへのメッセージとして、ミギョン氏は「『マビノギ英雄伝』はリアルな世界観と、アクションが楽しめるゲームですが、SEASON2でさらに面白いコンテンツが入り、ベラという新キャラクターも追加されます。これからどんどん面白くなるので、ご期待下さい」と語った。

 キム氏は「さらに安定したサービスができるよう、心がけていきます。ユーザーの皆さんにぜひ楽しんでもらえればと思います」。キュドン氏は「SEASON2はこれが全てではありません。あくまでエピソード1です。今後さらにトレジャーハンターのストーリーと冒険は大きくなっていきます。また足りないと感じている点や、アイディアなどは何でも言って下さい。繰り返しますが、今回が始まりです。ご期待下さい」と語った。

 イム氏は「私は企画担当ですが、皆さんが私のコンテンツに対して反応してくれるのがとても嬉しいです。肯定でも、否定でも、感想をいただければそれが力になります。よろしくお願いします」。始澤氏は「全く新しい地域やモンスターの追加、大幅なシステム改善、またその後のキャラクター追加と盛りだくさんです。既にマビノギ英雄伝をプレイしている方も、まだプレイした事が無い方も、サービス開始後最大規模のアップデートとなるSEASON2を楽しんでいただけたら幸いです」と語った。

【ベラ】
素早いスピードで剣を振るベラ。カウンター攻撃も得意だ

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(2012年 11月 11日)

[Reported by 勝田哲也]