タイトー、iOS「GROOVE COASTER ZERO」が基本無料で登場!
「ポリリズム」をはじめ有名曲でグルーヴを楽しめる!
ゲームデザイナーインタビューも掲載
株式会社タイトーはiOS用ゲームアプリ「GROOVE COASTER ZERO」の配信を2012年11月20日より開始した。前作「GROOVE COASTER」は、ハイセンスなビジュアルと、疾走感やグルーヴ感をダイレクトに楽しめるゲーム性で世界中から絶賛された。そのシリーズ最新作は、アプリ料金無料・基本プレイ無料のいわゆるFree to Play(F2P)タイトルとして登場となった。
世界中のiOSユーザーに衝撃を与え、国内外から数々の賞を受賞した「スペースインベーダー インフィニティジーン」をはじめ、「GROOVE COASTER」、そして今作の「GROOVE COASTER ZERO」を手がけるゲームデザイナー・本作のゲームデザイナーである石田礼輔氏に今作の魅力を解説頂いたので、それも交えつつお伝えしていこう。
■「GROOVE COASTER ZERO」(iTunesプレビューリンク)
- 対応OS:iOS4.2以降
対象機種:iPhone/iPod touch/iPad
縦横無尽に伸びているラインをアバターが進んでいき、ライン上のターゲットと重なった瞬間にタップ! 曲のグルーヴにラインによる動きもシンクロする |
「GROOVE COASTER ZERO」は、楽曲が再生されるなかアバターがラインに沿って進んでいき、ライン上に置かれたターゲットをアバターと重なった瞬間にタップしていくというリズムゲーム。ラインはくるりと回転したり、ジグザグと曲がっていたりと、まるでジェットコースターのレールのようで、その動きが楽曲のリズムとシンクロしている。眼と耳とそして操作の全てでグルーヴを感じ、楽しめるゲームとなっている。
ワイヤーフレームを基調にビジュアルエフェクトが彩る映像表現も見所で、ゲームプレイや凝ったユーザーインターフェイスなど、各所にクラブシーンを思わせるようなテイストの漂う、ハイセンスなタイトルだ。
今作の「GROOVE COASTER ZERO」は基本無料のF2Pタイトルとなったわけだが、前作「GROOVE COASTER」の無料版というわけではなく、新しい楽曲、新しいアプローチがたくさん込められた完全な新作だ。タイトル名についた「ZERO」の由来は、「ライト版(体験版)ではないですよ、でも無料ですという意味を込めています」とのこと。
ゲームデザイナーの石田氏に今作をF2Pタイトルにしたいきさつを伺ってみたところ、「まずなによりも、たくさんの人に触ってもらいたい」という思いからの判断だったとのこと。というのも、本作の独特なテイスト……例えばグルーヴ感という魅力ひとつにしても、なかなか上手く伝えづらい。なによりも「プレイしてもらうのが1番伝わる」ということで、F2Pにしようと考えたということだ。
ちなみに今作はアプリのサイズを小さく収めて、3G通信でもダウンロードできるようにしてある。無料であることも含め、思い立ったらすぐさまダウンロードして楽しめるようになっているというわけだ。
【プロモーションムービー】
■メジャー楽曲を多数ラインナップで新たなグルーヴへ! 無料収録曲もたっぷり20曲以上!!
多ジャンルの曲が楽しめるのが今作最大のポイント。無料で楽しめる曲もフルボリュームに入っている |
今作での大きなポイントは「誰もがおなじみのメジャー楽曲の配信」があること。詳しくは下の配信楽曲一部紹介をご覧頂きたいが、Perfumeの「ポリリズム」や電気グルーヴのテクノアンセム「虹」など、それこそ誰もが知っているぐらいにメジャーな曲が有料配信中。今後も「ファッションモンスター」や「リライト」などのリリースが予定されている。もちろんボーカル曲はインストゥルメンタルではなく、ボーカルも収録されている。
コアなユーザー向けの楽曲も見逃せない。ファミコンサウンドでポップな曲を手がけるYMCKの「奇々怪界」8BITリミックス、「ディシディア ファイナルファンタジー」等の楽曲を手がけた石元丈晴氏や鈴木光人氏、スクウェア・エニックスの浜渦正志氏、ナムコを出発点に数々のゲームミュージックを手がけるSampling Masters MEGAこと細江慎治氏と、驚きの名前が並んでいる。石田氏いわく「有名曲と、ちょっと通好みな曲を取りそろえて。毎月提供していきます」とのこと。今後の配信曲にも期待大だ。
一方で、「じゃあ無料で遊べる曲はどうなの?」というところが気になると思うが、こちらもたっぷり20曲以上が収録されている。石田氏は「F2Pタイトルとは言っても無料で遊べる量が体験版レベルだと意味がない」と考えたそうで、無料曲だけでもお腹いっぱいに、どっぷりと魅力にのめり込めるぐらいな収録数となっている。
- 【配信楽曲 一部紹介】
ポリリズム / J-POP
TREE CLIMBERS / J-POP
BACK ON MY FEET / J-POP
虹 / J-POP
SPACE INVADERS 2003 / KEN ISHII VS FLARE
KIKIKAIKAI / YMCK
Music Revolver / 世阿弥
Dreamer / Takeharu Ishimoto・Yuriko Kaida
Freestyle Beats / Mitsuto Suzuki
Shooting Star / Masashi Hamauzu・Mina
Wacky dance ethnic / Sampling Masters MEGA
The Star-Spangled Banner / COSIO
カンナンシンク / Shohei Tsuchiya
And more…
■“レコメンド機能”で配信曲をお試しプレイ可能! 前作ユーザーはレア楽曲がもらえる!
有料曲をお試しできる新機能「レコメンド」も搭載。これはゲームプレイをしていると、そのプレイの傾向を見て「配信曲のこちらはどうですか?」とオススメしてくれて1回無料でプレイできるというもの。ストリーミングでの視聴もできるので、試して聴いて納得してから購入できる。
配信曲の購入以外にも、タイトーIDの登録やハイスコアの投稿でもらえる楽曲もあるということで、取得条件はゲーム中で確認できる。また、前作「GROOVE COASTER」を購入したユーザーには、「GROOVE COASTER ZERO」のレア楽曲を3曲と前作から1曲をプレゼント! 前作を購入していて、今作の無料版をダウンロードしない理由はないと思うが、お得なプレゼントもあるので、見逃さずにチェック頂きたい。
- 【前作購入者へのプレゼント楽曲】
Shadoow
Eclipse Landscape
Static Const Void
Music Plot Type Zero
■「ポリリズム」と「SPACE INVADERS 2003」をプレイ! リズムもゆらぎも、グルーヴを全身で楽しむ
鳥の姿のアバターを使っていることも大きいが、まるでデジタルな世界をどこまでも飛んでいくような疾走感がある |
石田氏に解説を頂きつつ、配信曲の「ポリリズム」と「SPACE INVADERS 2003」をプレイしてみた。まずは「ポリリズム」だが、まず曲の再現度の高さが耳に飛び込んでくる。ボーカルもばっちりだ。タップしていくターゲットのリズムも、拍を取ったり、裏の拍を取ったりと多彩で、曲のグルーヴ感としっかりマッチしている。
タップ以外にも、「ホールド(長押し)」、「ビート(連打)」、「フリック(タップ後左右にスライド)」、「スクラッチ(タップから細かにこする)」といった操作があって、これらが曲の音とシンクロしてくる。例えば「ポリリズム」をはじめとしたテクノ調の曲だと、音が他方面から飛び込んできたり、ゆらがせたりといったものがあるが、フリックで音が抜けていく操作をしたり、ゆらぎの音でスクラッチをしたり。
ジェットコースター的に伸びているラインを進んでいく動きも見所で、アバターがビジュアルエフェクトに満ちた世界の空を飛んでいくよう。疾走感に溢れている。まさにグルーヴをコースターのように楽しめる。
続いては「SPACE INVADERS 2003」。タイトル通り「スペースインベーダー」をテーマにした楽曲で、ターゲットはインベーダー。曲も冒頭からあの「スペースインベーダー」ステージ中に流れる「デッデッデッデ……」というリズムから入り、弾を撃った時の「ピキューン!」やヒットした時の「ピキュン!」といったSEがふんだんに盛り込まれている。それが次第にリズムを作っていき、どんどんテクノ調に進化していく。
石田氏いわく、「このステージではだんだんとインベーダーがカラーになっていくのを表現しています」とのことで、確かにターゲットのインベーダーが最初は白黒だったが、曲が進化していくのと同時にカラーになっていく。赤セロファン的な表現で、画面が赤くなったりと、「スペースインベーダー」の歴史が込められていた。遊び心たっぷりの曲だ。
ちなみに、ターゲットがない場所でもリズムに合わせてタップする「アドリブ」という要素もある。アドリブのポイントは隠れているのだが、アイテムを使ってヒントを表示させることも可能。なお、クリア後にはプレイレベルが上がって楽曲が解放されていくほか、今作ではアイテムももらえるようになっている。
誰もが知るメジャー曲とコアな曲の2曲、配信曲をプレイしてみたが、この独特なビジュアルセンスとグルーヴを楽しめる疾走感、プレイの気持ちよさがなんと言っても秀逸で、センスがダイレクトに体に飛び込んでくるかのようだ。無料であり、3G通信でどこからでも落とせる。これに手を出さないなんてもったいない。iOS端末をお持ちの方は今すぐダウンロードして頂きたい。
■ゲームデザイナー石田氏にインタビュー! 「無料なのでまずは触ってみてもらいたい」
ゲームデザイナーの石田礼輔氏には、上に書いてきた以外にもいろいろとお話を伺わせて頂いたので、ミニインタビューという形でお伝えしよう。
ゲームデザイナーの石田礼輔氏。「スペースインベーダー インフィニティジーン」、「GROOVE COASTER」、そして今作の「GROOVE COASTER ZERO」を手がけるゲームデザイナーだ |
――今作ではメジャーなJ-POPの曲が多数配信されるんですね
ゲームデザイナー石田礼輔氏:前作だとタイトーのサウンドチーム「ZUNTATA」の曲が中心だったのですが、今作ではそれもありつつ、J-POPの有名な曲も入れています。それをきっかけにライトな人にも遊んでもらえたら嬉しいですね。
そうした配信曲って、そのままだと「購入しないと遊べない」わけですが、そこで「レコメンド」という機能を入れています。プレイして一定時間経つごとに発生するもので、プレイの傾向から「こういう曲が好きなんじゃないか」というものから配信曲をオススメします。その曲を1回プレイできるので、曲が聴けるだけじゃなくて、本作で大事なそのステージでのプレイ感やグルーヴ感も確かめてもらえます。
「GROOVE COASTER ZERO」ってどの曲でも同じように譜面が流れてくるというわけではなくて、ラインの動きや映像の表現がありますから、収録曲を聴くだけでは良さがわかってもらえないと思うんですよね。それを伝えるためにどうしたらいいのかというところから、このレコメンドという機能を入れました。F2Pにしたのもそもそもそういったところからで。動画で紹介しても伝わらないですし、触ってもらうのが1番だ、と考えました。「とりあえず遊んでみてください!」という感じです(笑)。
――無料曲だけでも20曲以上というのはすごいですね。これだけでもフルサイズなボリュームに思えます
石田氏:有料の配信曲よりも多いぐらいで。前作も250円という価格の中にたっぷりと曲数を入れたのですが、今作は無料になったのにさらに多く無料曲が入りました。「F2Pであって体験版ではない」というのが大きくて、「損はしないので遊んでみてね」と言えるぐらいに詰め込んでます。「無料でお腹いっぱいにします、腹ぺこでは帰しません!」という感じで。さらに配信曲というデザートも用意しています。
――(「ポリリズム」をプレイしながら)曲の再現度がすごく高いですね。このタップの流し方もいい感じですね
石田氏:やっぱり有名曲は曲を知っているというのが大きいですよね。曲の個性をすごく重視していて、開発中には「この曲はこういう演出が合うよね」とか「この曲のステージにはこういう仕掛けを入れたい」というのがたくさん出てきます。スタッフ一同そのあたりには苦労しながらも完成した時に達成感もあって。楽しみながら作っていますね。
タップ箇所の置き方でも“音の印象を操作で表現したい”というのがあって。スクラッチさせる箇所とかも音の揺らぎを入れているところですね。――曲と操作がシンクロしていて没頭できますね。では次は……「SPACE INVADERS 2003」をプレイしてみます
石田氏:曲を楽しみながら「当時のスペースインベーダーの興奮を再現する」というのがテーマのひとつになっています。これは今難易度イージーでプレイしてもらっていますが、ハードになるとショットを撃つっていう感覚がたくさん入ってきます。このゲームは基本的にはハードが1番凝っていて楽しいというのがあって。ゲームに慣れると共に難易度をアップしていってもらえれば、どんどん面白い作りが出てくるのを楽しんでもらえます。
――「スペースインベーダー インフィニティジーン」、「GROOVE COASTER」、そして今作の「GROOVE COASTER ZERO」と独特なセンスを感じさせるタイトルを作られていますが、どういったコンセプトで作っているのでしょう?
石田氏:「スペースインベーダー インフィニティジーン」でワイヤーフレームを基本にした映像表現をしたのですが、「GROOVE COASTER」ではそれを踏襲しつつも、生き物とか花とかの有機物を入れたいというのがありました。それでいて、イメージを固めすぎずにいろんな受け取り方のできる表現にとどめていますね。具体的に描きすぎると、その見え方のイメージに縛られてしまうので。人それぞれにいろんなものを連想してもらえるような表現です。
ワイヤーフレームとポリゴン感そのままなグラフィックスがソリッドでとにかくかっこいい |
――ワイヤーフレームやテクスチャ無しのいわゆる生ポリゴンで映像を作っていますが、それがむしろソリッドでかっこいいですよね。自分も実は生ポリゴンの映像ってすごく好きなんです
石田氏:「スペースインベーダー インフィニティジーン」の時には、まずインベーダーのビジュアルが中心だったので、それに合う映像表現はなんだろうというところから、ワイヤーフレームを基本にしたんです。他にない手法を使いたいというのもありましたね。
同時に、「スペースインベーダー」が進化するというコンセプトもあったので、未来的な、進化の歴史を感じさせる方向で、ワイヤーフレームに生ポリゴンが加わっていくというものにしました。「GROOVE COASTER」はそれを踏襲しているシリーズ展開と言えるものですので、そこにカラフルさが加わっています。
「スペースインベーダー インフィニティジーン」をリリースした頃は今と比べるとまだiPhoneを持っているという人は少なくて、あの頃にiPhoneを持っている人って新しもの好きなアンテナの高い人だったと思います。そこにワイヤーフレームを基調にした“あえてのビジュアル”はすごく食いついてもらえたと思うのですが、でも今はもっとiPhoneを持っている層が広がって、アプリもたくさんあって。その時代の変化の中で触ってもらうためにも、今作はF2Pで提供しようという考えになりました。「こういう表現もありだな」と、こういう尖った表現が今よりも受け入れてもらえるようになったらと思います。
――ワイヤーフレームに生ポリゴンが加わったぐらいの表現ってすごくサイバーな匂いがあってかっこいいですよね。独特なセンスの出せる表現だと思います。
石田氏:最新技術を使ったリッチなグラフィックスはもちろん良さがありますが、どんなに最新のものでも時代が進むと技術的には古くなっていきますよね。それが、ワイヤーフレームと生ポリゴンだと、素材そのままの状態なので古くならないと思うんです。もう確立されているというか。レトロなのは間違いないですが、未来にプレイしてもらっても「この表現は狙ってやっているんだ」とわかってもらえるんじゃないかなと。
――変な言い方ですけど、生ポリゴンは負けないですよね(笑)。
石田氏:負けないです(笑)。これはもうこういうものなのでと思ってもらえるかなと。iOS機種をお持ちの方はぜひ触ってみてもらいたいです。
――今作ももちろんですが、今後も楽しみにしております。今日はありがとうございました。
(C)TAITO CORP.1978,2012
(2012年 11月 20日)