東京ゲームショウ2009レポート

コーエー/テクモ、オンラインゲームプロデューサー特別インタビュー(後編)
「信On」、「三On」拡張パック情報や「El Oriente」、「Revolution 5」の気になる中身を聞く


9月24日~27日 開催(24日、25日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)、小学生以下は入場無料


 前回に引き続き、コーエー/テクモのオンラインゲームプロデューサーへのインタビューの模様をお伝えする。

 インタビュー後編では「信長の野望 Online」の開発プロデューサー 渡辺知宏氏、「大航海時代 Online」の運営プロデューサー 渥美貴史氏、「三國志 Online」の運営プロデューサー 上野彰三氏、「真・三國無双 Online」の開発プロデューサー 藤重和博氏の4人から、それぞれのゲームの最新情報や、今後のアップデート計画を聞いた。



■ 「信長の野望 Online」 “面白さを根本から見直す”という拡張パックは桜の開花前に発表!

「信長の野望 Online」の開発プロデューサー 渡辺知宏氏
トークショーでは実装されたばかりのペットシステムを紹介
「伊勢路の戦い」は勢力単位で楽しむコンテンツとして導入された

――8月に実装された「伊勢路の戦い」は、公式掲示板でもユーザーの間で問題になっていますね。

渡辺知宏氏: 繰り返しの戦闘が多くて、変化が少し少ないかなという所が問題になっています。そういった所を解消するアップデートを、今後考えていきたいと思っています。このままにはしたくないですね。色々な部分で1度出した物に対してケアしていくということを常に意識して、アップデートの中に放り込んでいきたいと思っています。時期はまだ決まっていませんが、必ずケアを行ないます。

――ペットシステムについても、進展があるようですが、ステージイベントで発表していた鳴き声「ワン!」のペットは年内中に実装されますか?

渡辺氏: あれも早いうちに入れていきたいと思っています。その際、ペットの色々な機能の拡張も合わせて行なっていきたいと思っています。

――それはどのような機能ですか?

渡辺氏: そうですね。ペットの姿勢とか、色々な遊び方の幅が広がるような機能を追加していきます。たくさんの案を考えているのですが、多すぎて一気に出すことが難しいのです。これからのアップデートの中で色々な種類のペットを出していく中で、そういった部分でも楽しみを増やしていきたいと思っています。

――ペットが屋敷の外に出てくることもあるのでしょうか?

渡辺氏: もちろん検討したいと思っています。

――ペットについて今後こういう方向性でと思っているものはありますか?

渡辺氏: 色々と考えられます。馬だったら、馬を捕ってきて飼ってみたりだとか、また式神についてもユーザーの方からも色々と要望がありますので、参考にさせていただいています。様々な遊び方ができるペットを今後も追加していきたいです。

――11月のアップデートで生産が変わるということですが、どのように変わるのでしょうか?

渡辺氏: ユーザーインターフェイスに関しては、どんなものがどんな材料で作れるのかがわかりにくいのを改善していきます。今までのアップデートでたくさんのアイテムが追加されましたが、そういったものをきっちりとわかるようなインターフェイスにする予定です。多種多様な材料アイテムを集めるのも非常に難しいですから、レシピも見直して、より簡単に手軽に生産が楽しめるように変更していきたいと思います。

――知行材料を整理したりするということですか?

渡辺氏: そういったことも含めて考えていきたいと思っています。難易度を下げて、生産をやりやすくするようなものを目指しています。

――新しい生産品は入りますか?

渡辺氏: 検討しています。新グラフィックスの物に関しては、まだ検討中なので、はっきりとはお答えできません。

――12月のアップデートはどのような内容になるのですか?

渡辺氏: こちらの方は今までの遊び方というのをより強化するように、「信長の野望 Online」の勢力の活動がより活発化できるようなコンテンツを新しく実装したいと思っています。「伊勢路の戦い」とコンセプトとしては近いです。勢力としての目標がより明確にされるという形になります。詳しい内容については、勢力の活動というところでご想像いただくことで。キーワードは「勢力」です。

拡張パックではゲーム全体を強化する、と渡辺氏

――ステージイベントで拡張パックを開発しているという発言が出ましたが、具体的な情報はいつ頃出てきそうですか?

藤重氏:そう遠くない時期にお伝えしようと思っています。桜が咲く前にはお伝えします。

――拡張パックはどのような物になるんですか?

渡辺氏: いまの「信長の野望 Online」のおもしろさを根本から見直して、ゲームの遊び方が変わる。今までとはちょっと違った形での、全体を強化する形のものになります。

――拡張パックの発表は、また「争覇の章」の時のようなイベントがあるのでしょうか?

渡辺氏: その予定です

――ユーザーさんに対するメッセージをお願いします

渡辺氏: 皆さんには遊んでいただいて感謝しています。拡張パックや大型アップデートをしつつ、今までのコンテンツを見直して、きっちりした物を作って行きたいと思っています。特に拡張パックに関しては、皆さんの遊び方をよりシンプルかつ、目標がきっちりと持てるような形に作って行きたいと思いますので、これからも末永くよろしくお願いします。



■ 「大航海時代 Online」―リニューアルされた陸上戦は派手なアクションのリアルタイムバトル

「大航海時代 Online」の運営プロデューサー 渥美貴史氏
陸上戦は、戦いの雰囲気が一新された
甲板戦は陸上戦のシステムを使った対人戦になる?
――ブースの体験プレイで陸上戦を試してみましたが、随分変わりましたね。

渥美貴史氏: 陸上戦闘のリニューアルは、今回非常に力を入れている部分です。「El Oriente」の発表会では、東アジアが登場しますということ、東アジアらしい新しいゲームシステムが入りますということと合わせて、もう1点既存のシステムでも大きくリニューアルするものはしますという形で「El Oriente」のゲーム性を紹介させていただいたんですが、今回の「陸上戦闘」の試遊はそのうちの3点目ですね。既存要素の中で大きくリニューアルする部分を先に見ていただこうということで、出させてもらいました。

――甲板での戦闘もあれに近い物に変わるのでしょうか?

渥美氏: あの陸上戦のシステムが基本になって甲板の上での戦いに派生し、さらには遺跡のダンジョンの中でも使われることになるので、1番ベーシックな部分のリニューアルというか、拡張部分です。ですのでまずはそこをプレーヤーの皆さんに見ていただいて、それで私たちの方でも拾えるものがあったら品質を高める参考にしてみたいと思いました。

――陸上戦の中で使えるスキルはユーザー側で選んだり、増やしたりしていけるものなのですか?

渥美氏: 「El Oriente」の詳細な情報は、秋風が冷たくなってきた頃にだんだんと手厚く出していく予定ではありますが、その状態で発表させていただきたいと思います。

――戦闘に役割分担ができていったり、一般的なMMORPGの戦闘に近いようなものになっていくのですか?

渥美氏: 今まで「大航海時代 Onlnie」の陸戦というのは、コマンド制かつターン制に近い形だったのですが、現在世の中でMMORPGと呼ばれているゲームの大半では、自由な位置取りでリアルタイムでバトルが行なわれるのがスタンダードなので、それに近づけた形です。かつ今まで以上の爽快感を味わって欲しいということで、ややアクション性を高くしました。「大航海時代 Online」は韓国、台湾、中国にも進出していますが、そういった市場のお客様にも楽しんでいただくためには、今回の新しい仕組みの方がいいだろうと言うことになりました。

――ダンジョンも新しく追加していくと言うことですが、どこから追加されていくのですか?

渥美氏: 一応発表会の時に画像をださせていただいたので、ひょっとしたら察しのいい方はお気づきいただけたかと思うのですが、ヨーロッパを起点として、わりと行きやすい地中海の沿岸の辺りというヒントでお願いしたいです。

――例えば神話で有名な場所であるとか?

渥美氏: 神話で有名な所といえば、有名な所です。非常にメジャーな場所だと思います。

――ダンジョンに潜るということで、陸上にいる時間が結構長くなっていきますか?

渥美氏: 長くなるでしょうね。ただ、「大航海時代 Online」は海の上を冒険していくゲームなので、そこをおろそかにするつもりはありません。東アジアが入った後にも、洋上を航海しながら新しいところを開拓して航海していく楽しみを引き続き出していきたいですね。

――「大航海時代 Online」というと、歴史考証がしっかりしていて勉強にも使えるようなイメージですが、ダンジョンというファンタジックなものを入れて、そのあたりのバランスは維持できるのでしょうか?

渥美氏: 逆にそういったことを1番やりやすいのが遺跡ダンジョン的な場所かなと思っています。その他の部分では、今日もステージイベントで酒場のメニューの質問が出ていましたが、ああいったプレーヤーが連想しやすい部分はごまかしがききにくい部分なのです。でも、遺跡のダンジョンといったものは今でも発掘していて未だにわからないこともあるような場所ですから、そういった少しファンタジックなことも世界観にマッチしやすいかなと思います。

――敵も今までのような人間タイプとは違うものが出てくるんでしょうか?

渥美氏: そこは「こうご期待」と言うところで(笑)。


トークイベントで紹介された堺の様子
「遣欧少年使節団」では東アジアへの期待と、歴史の息吹を感じて欲しい、と渥美氏

――日本の街については、どの辺りが登場するのでしょうか?

渥美氏: 1つだけ明かしますと、今日のステージイベントの時に写真で使わせていただいたのは、実は堺の街なんです。当然、他にもいくつかの港が出てくると思いますが、まずは堺の街にヨーロッパの航海者がいるような光景を出させていただきました。「信長の野望 Online」の堺と見比べていただくと面白いのではないでしょうか(笑)。

――「遣欧少年使節団」のイベントが、その後本編に関わってくることはあるのでしょうか?

渥美氏: まだそこは検討中といった所ですね。ヨーロッパの人々、つまりプレーヤーなんですけど、そういった人たちが東アジアを待ち焦がれる感じを出したかったんです。なので、ヨーロッパを起点にするのではなくて、東アジアを起点にして徐々に使節団がやって来る、だんだん近づいてくると言う感じにしました。この後、だんだん近づいて来ると、どんどん東アジアらしくなって、イベントも盛り上がっていただけるかなと思います。あとは実際「遣欧少年使節団」というものは歴史上もあったことなので、歴史の息吹を感じていただきたいです。

――ユーザーへのメッセ―ジをお願いします

渥美氏: 「El Oriente」が12月にリリースされますが、今はプレイベントで徐々に気分を盛り上げるという形の施策をやらせていただいておりますので、参加していただくにはいい時期だと思います。この機会に「大航海時代 Online」に参加していただけたらと思います。



■ 「三國志 Online」―「荊州防衛戦」で初心者も気軽に合戦気分を味わえるように

「三國志 Online」の運営プロデューサー 上野彰三氏
トークイベントでも紹介された新コンテンツ「荊州防衛戦」
イベント合戦で好評だったルールが「三国制覇」に入ることも

――合戦の仕様について、今後ルール変更はあるんでしょうか?

上野彰三氏: 今年に入って3カ月に1度新しいルールを追加していく形で、合戦を実施しているのですが、現在実施中の中盤戦では投石車などの兵器の威力がかなり強化されたルールを適用中です。この次の節では、また新しいルールを適用する予定です。また、新たな仕様として「合戦軍備」と呼んでいる、開始前に施設や兵器を準備できるシステムを実装しようと思っています。これによって、どこに兵器を置くのか、どういった施設を作るのか、戦略を練る要素が生まれると考えています。

――勢力の中でプレーヤー同士が事前に話し合うということですか?

上野氏: 実際に今でも合戦の中でどこを進もうといった話は、勢力チャットで話されています。しかし、「合戦軍備」を導入することで、スタートの前の時間にどこどこのポイントになになにを作ろう、じゃあうちはここにこれを作ろうといった風に、立て板に水が流れるがごとくに戦略が決まっていくのを期待しています。今まで開始前は城の中にいて、チャットで相談することしかできなかったのが、一歩踏み込んだ仕様として開発を進めていますので、重要な新ルールになると思います。

――合戦が始まる時点で、兵器や施設が完成していたり、建設途中だったりすることになるのですか?

上野氏: そうですね。特定の地形では兵器がすごく有効だったり、特定の地形では施設が有効だったりするので、今回の合戦の場合はこうしようという議論も活発化するのではないかと思います。

――合戦の最新動向を教えてください。

上野氏: どんどん戦略が多彩になっています。このシルバーウィークにちょっと特殊なイベント合戦を行なったのですが、普段よりは死にづらくなったということで、いつもと違う戦略が取られていたり、普段勝っている所が負けていたりと変化が出ています。それがいい方向か悪い方向かはこれから精査していかなくてはいけませんが、色々なルールでユーザーの方に遊んでいただいて好評なものは残していきたいです。それを「三国制覇」の正式ルールにするかどうかについては充分考えましょうと。イベント合戦でやったものが、即「三国制覇」へというわけではなくて、色々なイベント合戦で考えさせていただく中で、これはいいというものだけを「三国制覇」に取り入れていこうと考えています。

――今後「三国制覇」の合戦に入れようと思っているルールはありますか?

上野氏: そうですね、前回やった体力が多くなっているものは結構評判が良かったです。今まで一撃で死んでしまっていたものが、少し持ちこたえて逃げ切れるようになったりと戦略の変化が見えたので。もう少しいろんな遊び方をしていただく中で、入れるかどうかを考えたいと思っています。

――次回のアップデートで導入されるという「荊州防衛戦」についてお伺いします。TGSで試遊できたものは、随分短時間で終了しましたが、実際はどのようになりますか?

上野氏: 今回の試遊バージョンは、本来のバージョンよりもかなりダイジェストというか、バッサリ切り落としてTGS用に仕上げたものです。実際のものは、時間で言うと今回の試遊台バージョンの3倍くらいです。

――「荊州防衛戦」はどのタイミングでプレイするコンテンツですか?

上野氏: キャラクターを作った最初のタイミングです。1番最初に「三國志 Online」というものを感じていただく場面として利用していただくコンテンツとなります。「三國志 Online」はオープンフィールドの戦闘なので色々と覚えることが出てくる。サービスを開始してから今年の3月にバックアタックの仕様を入れましたので、そういった所を最初に1つ1つ説明していくことで、より遊びやすくなりますし、かつ、ステージは実際の合戦場の荒野を使っていますので、合戦の雰囲気を感じつつ最初の導入部分を遊んでいただこうと思っています。

――今までは、キャラクターを作ると水鏡村に飛んでいましたが、そこが変わるのですか?

上野氏: その前の段階で入ります。

――既存の方に対してではなく、完全に新規の方向けのコンテンツなのですね

上野氏: 「三國志 Online」は、1つのワールドだけではなくて他のワールドでも遊ばれる方がいるので、すでにキャラクターを作っている方でも、他のワールドで新キャラクターを作ってそこを体感していただくことができると思います。

――すべてクリアすると水鏡村に飛んで従来の道筋が始まるのですか?

上野氏: そこはいま調整をかけている所です。「荊州防衛戦」をクリアすることでキャラクターも成長しますし、水鏡村に降り立った時にはレベル1ではなくなっているので、初期クエストも含めて、全体的な見直しを図っています。他のタイトルと同じようにチュートリアルの部分が終わった時点で、他のプレーヤーと交わりながらやっていくことになると思います。


「連続依頼」では各地のダンジョンを巡ることになる

――「連続依頼」について、一通り入りましたが、その後はどんな展開になっていくのでしょうか?

上野氏: 三国志の濃さというか、出てくる武将とか逸話もなかなか濃いめのものがあります。私も自分のキャラで魏編と呉編はやりました。蜀編はまだはいったばかりなので手をつけてないんですが。最初の方は少人数でもできますが、後半になるとパーティを組んで戦うことになります。自分の総合技能習得数を増やすための場所としても活用できます。クエストをクリアするために各地のダンジョンにいるボスを倒して来て下さいということになっていますので、しばらく行ってなかったダンジョンに行ってボスを倒すことになります。前は凄く苦戦したのに今回は楽に倒せるようになっているということを体験することで、自分が以前より強くなっているのを実感していただけると思います。

――魏、呉、蜀の後はどういった展開を考えておられますか?

上野氏: 今回7、8月にいれたものはわりと序盤から中盤にさしかかる感じの所ではあるので、まだまだ三国志というのはネタの宝庫というか、そういう話が尽きない題材です。魏呉蜀だけではなくて北にも西にも南にもたくさん控えてますから、まだまだたくさんコンテンツは追加できると思います。

――たとえば魏志倭人伝とか?

上野氏: そこはちょっと延びすぎかなあ(笑)。さすがに日本にまでは行くわけにはいかないですからね。

――ステージイベントの質問に「ソロでできることを増やして欲しい」というものがありましたが

上野氏: 「連続依頼」の最初の方はソロでもプレイできます。運営系のイベントに関しては基本的にはソロメインで、ちょっと広めに持たせてパーティというレベルの調整をしていきたいと思っています。9月17日までやっていた「蒼天航路」のイベントはソロでできる流れを作りました。今考えている「中秋節」というイベントと、その先にある「故事イベント」に関してもまたソロでもパーティでも楽しめるようにしていきたいと思っています。

――今回、新たに生産も追加されましたが?

上野氏: レベル50向けの生産が追加されました。生産者の方は自分たちが作る物が一通り作れるようになってしまうと一段落してしまうので、今度はその次にレベル50の物を作ってもらおうということで今回実装させてもらいました。次の実装はもう少ししたらまた考えたいと思っています。

――次はどういったものが入るのですか?

上野氏: 今回のものは割と普通の装備。49に続く50という意味合いでしたが、次は少しレア性を出していきたいと思っています。「三國志 Online」の場合は、そのレベル帯の方にとっては外見よりも性能の方が気にかかる部分だと思うので、そういった所で差がつけられるといいかなと思っています。まだ実装時期はいつとは言えませんが。

――イベントステージで拡張パックが制作中との発言がありましたが

上野氏: 拡張パックは現在進行中です。発表するのは桜よりはちょっと遅くなりそうかな。初めての拡張パックなので、準備をしっかりしたいんですね。

――相当なボリュームがあるということですか?

上野氏: 当然色々な所に手を入れていくことになります。最初の拡張パックというのは、そこで間違えてしまうとどうしようもない方向に行ってしまうので、運営ともしっかり話し合いをして、お客様の意見を聞いて組み上げて行きたいなと思っています。

――基本的な方向性としてはどっちに拡張していくんでしょうか? エリア拡張なのか、システム的な拡張が先なのか、あるいは全方位なのか

藤重氏: 軸はある程度絞ると思います。最初の拡張パックだから大事だというのもありますけれど、最初だからこそ柱となるところをしっかり作る必要があるわけで、仮に全方位だとしてもウエイトの置き方は、この方向というふうにウェイトを置くと思うのです。三国志らしい形にはなると思いますね。

上野氏: いま確実に言えるのは、三国志という所を外すことはないということですね。たぶん実際に今遊んでいただいている皆さんが、「三國志 Online」の拡張パックならこういう形だよね、と思うような形にはなると思います。これもう三国志の話じゃないよねということにはしたくないですね。

――ファンタジーなので何でもありでやりつつ、三国志という足かせが色々とあったりして難しいですね

上野氏: そこを足かせと見るか、土台と見るかの違いだと思います。自分たちが立っている所を、三国志と呼べるかどうか。そこを足かせと考えてしまうと、どんどん小さくなってしまう。三国志というしっかりとした土台の上にゲームを作って行くことが重要であると考えています。


拡張パックの開発も発表され、これからの広がりに期待
「拡張パックはしっかりしたものを出していきたい」と上野氏

――今は姿も形もない新要素で、今後やってみたいなと思っていることはありますか?

上野氏: 構想段階までは入ってないんですが、キーワードはありますね。

――例えば船での戦いとか?

上野氏: もう少し身近なもので考えています。今は巨大な兵器がありますが、巨大じゃない兵器があってもいいわけですし。

――最後にユーザーへのメッセージをお願いします

上野氏: 今回のTGSの段階では、「荊州防衛戦」や合戦の新しいルールのお話をさせていただきましたけれど、それだけにとどまらない様々なものも作成していきます。これからの新たな「三國志 Online」の世界にご期待ください。



■ 「真・三國無双 Online」―武器への属性付与が、戦い方を変えるかもしれない

「真・三國無双 Online」の開発プロデューサー 藤重和博氏
トークイベントでは新しい武器の実装も発表された
武器への属性付与で従来の戦術に変化が生まれるかもしれない

――「Revolution 5」で導入される、武器に属性を付加するというシステムについてもう少し詳しく教えてもらえますか?

藤重和博氏: 今まで武器に属性をつけようと思ったら、消費アイテムを持って行くという形にしていたんですが、「錬成」という仕様を入れたこともあって、今度は武器にもそういうエンチャント的なものを直接つけられるようなものを入れようと思っています。鍛えていくと、一定の確率で同じような炎の玉が出るようになる。そういう仕様を次の大型アップデートで入れようと思っています。

――武器への属性付与については、結構前から言われていましたよね?

藤重氏: そうですね。どういう順番で入れようかと考えた時に、いっぺんに入れるとバランスが崩壊してしまう恐れがあるので、まずは「錬成」を入れて消費アイテムとしてそういう強化するブースト系のものを試して様子を見ました。そこでだいたいバランスが見えたので、今は服飾にもアンチ属性を入れているのですが、今度は武器に入れていこうということになりました。

――実際には、どういった形で武器に属性を付加していくのですか?

藤重氏: 「錬成」と同じような形で、武器に「極炎玉」のようなものを合わせていくとできるといった形です。最高で5段階まで作ろうと思っていて、段階が上がるたびに発動確率が上がるという感じです。消費アイテムの場合は、当たればほぼ100%効果が出るんですけど、武器については一定の確率で出るという風に差別化を図ろうかなと思っています。その代わりなくならない。まあ耐久度があるのでそこが減っていくというのはありますが。

――「Revolution 5」では、他にどういった要素がはいるのですか?

藤重氏: ステージイベントでも発表した動物副将ですね。中国にちなんだ動物「クマ」です(笑)。

――入手には特別な制限があるんでしょうか?

藤重氏: 今のところ特別なことは考えていないんですけれども、ちょっとハードルを変えたり入手の仕方を変えたり、後は実際の効果をどうするかとか、どの辺りが1番面白いかを詰めているところです。追って細かいところを発表させていただきたいと思っています。

――実装されたら、みんな欲しがりそうですね

藤重氏: そうですね。盛り上がれる動物だと思いますので、皆さんに楽しんでいただきたいですね。連れて歩いていただきたいです。


トークイベントで発表された「クマ」(?)のシルエット
「動物副将」はプレーヤーに人気のコンテンツ

――「Revolution 5」について、今回は新しい遊びは入らないのでしょうか?

藤重氏: システム的な面では最も大きいのは先ほど言った属性の付加の部分です。戦うさまが若干変わると思いますね。属性付加をしている時に、服はどういう組み合わせで行くかという所などが、結構変わってくると思います。お客様のニーズとして、消費アイテムを2つ付けたいというものが結構昔からあるのですが、そこに対して私たちは答えとして錬成のアイテムを少しグレードアップできるとか、複数の効果を持てるという形でやってきました。今回もう1つ武器の付加が出るので、同じような変化は出ると思います。属性付加した武器に消費アイテムを付けられるようになりますから、事実上2つの効果がでるということです。

――社内でのテストではどうでしたか?

藤重氏: ちょっと行き過ぎてしまっている部分と、そうではない部分がありますので、いまは毎日対戦テストをやっています。導入直後に「なんだこのバランスは!」とならないように、日々調整しています。実装は終わっているので、後は本当に調整なんですよ。毎日時間を決めてこの時間に調整するぞとスタッフとやって、それを次の日の時間までに調整してということを毎日繰り返しています。

――属性付加が導入されることで有利となる武器はありますか?

藤重氏: それをここで言ってしまうと、みんなその武器を鍛え上げることになってしまうので、うかつなことは言えないです(笑)。

――大枠の話についてですが、拡張パック「神将乱舞」で多人数対戦を実現するという大きなハードルを乗り越えたわけですが、今考えている次の大きなハードルは何でしょうか。

藤重氏: 次のハードルは、複数の方向性が考えられます。まず1つはハードルを今以上に下げていくことですね。PC版だとお客様によって環境が違うじゃないですか。PS3版ですと一定の環境でプレイしていただける、しかもクオリティが高い所で遊んでいただけるので、間口が広がるだろうと思っています。それがマルチプラットフォーム化する理由でもあります。PCのお客様にもPS3のお客様に対しても、序盤のハードルをできるだけ下げて行くことをやっていきます。それは他のタイトルも一緒だと思います。あともう1つは、協力や対戦ができる戦闘中心のゲームで、ここまでのアクション性を持って大人数で対戦できるゲームは他にはたぶんないと思うので、そこをさらに昇華させていくというか、より高いステージに持って行きたいと思います。

――高いステージというのはさらに多い人数での多人数対戦を実現したいということですか?

藤重氏: 細かくは言えないのですが、そこに対して次に拡張パックを出すときにはもう少しチャレンジしようということですね。そこは1つ大きなことをやろうと思って、すでに開発を進めています。


PS3版も発表され、ますます盛り上がりそう
馬の導入にも積極敵な藤重氏。次の拡張パックが楽しみだ

――コンシューマーの方では、泳いだり、階段を駆け上ったりと新しいアクションがどんどん追加されていますね。ああいったものは今後盛り込まれていくのでしょうか?

藤重氏: 対戦ゲームに合う、合わないがあると思うんですよ。例えば「真・三國無双5」では、戦場で色々な遊び方ができるというのをやりましたけれど、あれが対戦ゲームになったときに楽しいかどうかについては一考の余地があると思うんです。そのまま持ってくるというのは考えていなくて、このコンテンツに合うかどうかをしっかり見極めてから入れていくという風にしたいなと思っています。はまる物についてはどんどん入れていきたいと思いますし、そうではない物は逆に他のタイトルで合うことがあるかもしれないので、そういう所に入れていく。そうやって「真・三國無双 Online」というタイトルに合う物を提供していきたいと思っています。

――例えば、「無双乱舞」に色々なバリエーションがあったほうが楽しいと思いますし、後は単純に馬に乗ってガンガン戦いたいよと意見が当然来ているのではないかと思うのですが、その辺りはどうなのですか?

藤重氏: そうですね、馬は乗ってみたいですね。そろそろやってみたいと思っているんです。これは常々お話していますけれど、お客様の環境にどうしても依存してしまう所とかインフラ的な面に依存することがあるので、馬には昔から乗ってみたかったのですが、馬は無理だとずっとプログラマーから言われていました。でも、もう2年以上も経ちましたし、そろそろやってみたいですね。今後の拡張パックで考えてもいい、大きな要素だと思いますね。

――実現したらかなり遊びが変わりますね

藤重氏: 変わると思いますね。ちょっとまた面白くなると思います。馬にするかどうかはわかりませんが、クマとかゾウとか、色々と考えて行きたいと思います。

――ユーザーへのメッセージをお願いします

藤重氏: 元々「無双」シリーズはコンシューマーから育って立ち上がったタイトルなので、オンライン版をPS3版にすることで、またコンシューマの土壌に戻ってきました。そういう意味ではいままでパッケージソフトで遊んでいただいたお客様にも、是非この機会に「真・三國無双 Online」を遊んでいただきたいなと思います。



■ ラインナップ間の情報を共有して、開発に有用なシナジー効果を発揮したい

――最後に運営と開発を代表して一言ずつメッセージをいただけますか

渥美氏: 今回のネットエンターテイメントフェスタは、新たに「DOA ONLINE」と言う強力なタイトルが出てきて、昨年以上の規模になりました。今回がいい機会でしたけれど「DOA ONLINE」をスムーズにローンチさせると共に、残り4タイトルの運営も頑張って行きたいと思います。

藤重氏: オンラインゲームを開発する時のノウハウって、ジャンルによらず決まった部分があるのです。何年か開発や運営をする中でそういう部分があることに気付きました。そういったゲームデザインを各タイトルにアレンジしていけば、もっと広がる所があるし、もっとお客様に楽しんでいただけるだろうと感じます。今も1つのタイトルで結果がちゃんとついて来た物に関しては、他のタイトルにも広げていこうという事をここ2年くらいやっています。

 そういった中で、テクモのタイトルがもう1タイトル加わって来るという事は、コーエーのタイトルが1本増えるという以上の意味があります。違った文化で育って来ているタイトルなので、また新しいキャッチアップができると思うのです。同様に、テクモ側にも情報のシェアだとか、いい効果が出ると思うのです。開発のクオリティという意味でも統合のシナジーを出していきたいと思います。

――ありがとうございました


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(2009年 10月 1日)

[Reported by 中村聖司/ 中村聖司]