インタビュー

「FFXIV: 新生エオルゼア」プロデューサー吉田直樹氏インタビュー(後編)

「パッチ2.1」で変わるプレイスタイル。週1制限は「より多くのコンテンツを遊んで貰うため」

「パッチ2.1」で変わるプレイスタイル。週1制限は「より多くのコンテンツを遊んで貰うため」

週1制限を指折り数えながらその意図を解説する吉田氏。できるだけゲームを飽きさせないようにするためには、一定の制限は必要だと考えているようだ
クリスタルタワーの報酬は週1回まで。希望の装備をフルセット集めるのに、1カ月以上掛かることになりそうだ

――そろそろまとめに入らせていただきますが、「2.1」実装後の世界について、どのような期待感をお持ちですか?

吉田氏:やはり今は、1つの狭いゲーム範囲、狭いモチベーションの中に、ギュッと閉じ込められているような窮屈感を味あわせてしまっているところがあると思います。木にたとえると、1本の幹だけドカーンとあって枝葉が少ない状態でした。その幹と同じように、太くなっていく要素がまず入ります。それがプレーヤー同士が戦う対人戦であったり、エオルゼアの世界に住むためのハウジングというものが入って、その新しい幹にも血が通い始めます。その新しい幹から、さらに枝葉が生まれていくイメージです。これらはお互いに絡んでいるので、日々選択しながら、どの枝で遊ぼうか考え、楽しめるようになります。それをまずは是非お楽しみください。

 “日々の選択”という部分について、これを正しく理解してもらうために1つ大事な説明が抜けていました。今回、デイリーとウィークリーで制限のあるコンテンツがすごく多いのです。例えば、今ウィークリー制限に、「神話の上限300」というのがあります。大迷宮バハムートのクリアフラグも、ウィークリーでリセットがかかるという仕様になっています。

 今回は、クリスタルタワーのアイテムドロップのニード権に対して、ウィークリーの制限を設定しています。例えば1度行って、3つのアイテムがドロップしました。そのアイテムのどれかにニードして、ロールで勝った場合、翌週の特定時間まで一切ニードできなくなります。ただこれはアイテムを手に入れた場合のみです。1回ニードしたら消えるわけではなくて、取れるまで何度でもニードできます。リセットされればまた取れる。だから最初は本当に欲しいものにニードしてください。ただコンテンツには何度でも行けるので、例えば友達の手伝い。24人のうちあと2人足りないとか、そんなときは手伝いが可能になっています。

――ニードはできないけどグリードはできる?

吉田氏:ダメです。オートパスになります。ただリセットがされれば、またニード権が復活するので、ニードできるようになります。

――おー! つまり1週間に1つしかアイテムを取れない仕様なわけですね。

吉田氏:そうですね。あと蛮族デイリークエストはさっきも言ったように、1日複数のお題がランダムに出てきます。ただし、6つクリアしちゃったら、それ以上はその日はもうできません。

 そして極蛮神戦。これは3つあります。3つをクリアすると、一応極のエンディングがあります。極蛮神は倒すことで特殊なアイテムをドロップします。この3つを持ってとあることをすると、任意の好きなアイテムレベル90の武器と交換できます。

 極蛮神に挑戦すること自体には何の制限もないのですが、このアイテムを武器と交換できるのは1週間に1回だけ。ですので、1週間のうちに、こいつら1回ずつ倒せれば、毎週90の武器が好きなのをもらえると思っていただけたら。

 以上で計5つになると思います。1個ずつを見ると制限だらけに見えるのですが、1週間の自分のスケジュールを考えた時に、なかなか大変なことになっています。「大迷宮バハムートをまず自分の行っている層をクリアして……、それから週450になる神話を集めて、クリスタルタワーに行って欲しいアイテムを手に入れる。けど、1回でドロップしないだろうしなあ……。あと毎日蛮族デイリークエストをプレイする時間と、極蛮神を3匹、なんとしても1週間のうちに倒して、レベル90の武器をゲット……、全部で8ジョブあるから、最速でも8週か……」と考えていくと、これは制限では無く、ひとつを飽きるまで繰り返すというスタイルを止めて、いろいろやって、でもアイテムは着実に手に入っていくという方法なんだなあ、と思っていただきたくて。

――1つ1つには制限があっても、それを全部こなそうとすると凄いボリュームになるわけですね。

吉田氏:「2.1」実装直後、パッチノートを見た方から、「また制限だらけか」という声は出そうだとは思うのですが、ただやってみると、「あ、なるほど、というか制限でもしてくれないと全部はできないわ」という状態になると思います。これこそが、「焦らなくてもいいよの証」のつもりです。

 さらにトレジャーハントがあったり、ウルヴズジェイルにも通いたい、ハウジングもあったっけ、それこそギルドリーヴもあるし、ギルドオーダーもあるし、コンテンツルーレットもあるし、だから制限を1個で考えて、身構えないでいただきたいと思います。全体で見ると、「どれやろうかな今週、あ、こいつ終わったから消去していいや、あと残り自分が出来そうな時間の中でやることを選ぼうかな」という風になって欲しいのです。

PvPが楽しめるウルヴズジェイル
PvP専用の装備以外に、かなり多くの専用スキルが用意されていることがわかる
みんな欲しいハウジング。しかし、そう簡単にはいかなそうだ……

――ちなみに「パッチ2.1」の2大コンテンツとなるウルヴスジェイルとハウジングは何か制限はありますか?

吉田氏:ないですね、逆に。何度でもプレイできますし、ポイントが貯まればアイテムに交換できます。負けてもポイントが入りますので序盤は気楽にぜひ。

 ハウジングはそれこそ300種類ほどアイテムが増えますので、全コンプしようと思ったら、相当大変です。家具、庭具、塀、壁、屋根、風見鶏……、ほんと総プレイ時間を聞かれるとなかなか難しいのです。

――ダメもとでお伺いしますが、ハウジングの価格ってまだ秘密なんですか?

吉田氏:なんと、まだ決まってないのです。

――それはウソでしょう(笑)。

吉田氏:本当に。

――せめて競売で6時間ごとにいくら価格が下がっていくのかぐらい教えて下さい。

吉田氏:それ言ったらだいたい計算できるじゃないですか(笑)。しかも「ドラクエX」という前例があって、「ドラクエX」の初期の価格っていくらだという記録もあるわけですし……。

 実は本当に決めてなくて、11月25日の朝やっとハウジング担当から、全ハウジングアイテムの価格表、土地とハウスの値段が出てきたんです。ただ、僕はその価格がどうこうよりも算出したアルゴリズムを重視します。そこに疑問点が2つあったので調整中です。

――どこが疑問だったのですか? 高すぎるとかそういうことですか?

吉田氏:いいえ、数字の妥当性ではなくて、根拠の部分です。この数字を出そうとした根拠は? と聞いたら、根拠に疑問があったので、その点をすり合わせています。そうしないと価格の妥当性が出ないのです。

――価格のケタが知りたいのですが。3ケタ万ギルぐらいまでだったら手が届きそうですが、4ケタだったらぜんぜん無理だなと。

吉田氏:建物はそんなにしないですが、土地が高いですね。やはり。現実と同じです。上ものは建て替えたいとかありますので。

――最後にユーザーさんに向けてメッセージをお願いします。

吉田氏:本当におまたせしました。インタビューの中でお話したとおり、遊園地にたとえると、メインシナリオという「まっすぐなメインストリート」に沿ってアトラクションが転々と置いてあり、ジェットコースターを次々乗り継いでいた“縦に長い遊園地状態”でしたが、「パッチ2.1」からは、コーヒーカップもできますし、観覧車もできます。1日1回券だったり、ファストパスだったり、いろんな要素がシステム的にも入ってきます。本当にお待たせしましたが、エオルゼアという遊園地の、ある意味、本当の意味でのグランドオープンになると思いますので、まずはぜひ楽しんでいただければ幸いです。

――ありがとうございました。

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(中村聖司)