インタビュー
3DS「逆転裁判5」特別ロングインタビュー
3Dグラフィックスを活かして“演出の幅”もアップ! ただ、2D時代の見た目の再現には苦労がたくさん
(2013/7/27 00:00)
3Dグラフィックスを活かして“演出の幅”もアップ! ただ、2D時代の見た目の再現には苦労がたくさん
――そうしてシステムを固めて材料が揃ったところで、シナリオの本格作成の段階に入っていくわけですが?
山崎氏:シナリオに入ると、まずはいろいろ考えるんですよね。いろんなキャラクターを出さなければいけないし、インパクトがなければいけない。そして、そもそも話が面白くなければいけない。
そこで、アプローチはいつも(「逆転検事」シリーズでも)同じなのですが、「この話ではこういう事件が起きるよ」というインパクトで遊ぶ人の興味をそそらなければいけない。そこを最初に考えています。
僕を含めシナリオチームでたくさんのアイデアを出し合って、1番いいものを絞り込むのに時間をかけて。1話なら「法廷崩壊」があり、2話では「妖怪」が出てきたりとか、3話は今までにない「学園物」になっていきました。インパクトと新鮮味のあるシチュエーションになっていて、各話の個性が際立った話になっていると思います。
そうやって1番最初にインパクトのあるシーンやネタを入れて、それをどうするのかは後から考えてます。最初に「法廷が爆破された」ことを考えて、「どうして爆破されたかはその後」という感じですね。最初のアイデアは面白いけど、いかにそれを面白く実現していくのか、いつもそれに苦心してますね。自分で自分のハードルを上げている感じですけど(笑)。今回も、ちゃんと上げたハードルを飛び越えられたかなぁと思います。
江城氏:「なんじゃこりゃー!?」っていうところからスタートやね。
山崎氏:それがまず大事で。そこをスタートに、奇妙な謎があり、最後の盛り上がりまで繋がっていく。途中には“逆転”がなければいけないですよね。「こう思っていたら、実はこうだった」というような。そこがスタート後の最初のステップですかね。それができてから、シナリオとギミックを繋げ、考えていくという感じです。
――ファーストインパクトから考えていくというのは、初見の印象で判断している江城さんの考えに、通じるものを感じますね?
江城氏:そうですね。僕の方でシナリオ面をチェックする時には、彼らの考えたインパクトのあるものが、どう説得力を持って展開されるのかを特に見ていました。嘘でも大きな嘘をついて、そこに沿って大胆に物語が展開されていれば、説得力の面では気にはならないと思うんですけど、場面ごとに細かな辻褄合わせをしようとしていると、どうしても矛盾や違和感が出てきがち。
そういうところには結構ツッコミましたね。「これはなんでこうなってん?」と話して、返答にそれなりの理由があっても、「俺はこれに違和感を感じたんやけど、いざ何万人、何十万人の人にプレイしてもらったら、どれだけの人が違和感を感じると思う?」って話をして。説得力をもっと上げるか、わかりやすくしてもらうようにしました。ネタそのものよりも、なぜそうなっているかの説得力や違和感の少なさをチェックしました。
山崎氏:これはもう江城と僕の間だけでなく、シナリオだけでなくチーム全体で意見を出し合ったところですね。それこそ、そこもチーム内が殴り合いになっていたところです。チームの中で、例えばシナリオとデザイナーさんとで意見を戦わせていたりとかを繰り返して、みんなで磨いていったところですね。
――なるほど。細かなダメだしやチーム内での意見の出し合いが活発だったのは、3Dグラフィックスになったことで、より変更がしやすくなったというのも理由にあるのかなと思えます。2Dグラフィックスだと何かを変えたいとなった時に、ものによっては大きな描き直しになってしまうわけですよね?
山崎氏:そうですね、作業工程をちょっと戻りやすくなったり、モーションやアングルを変えたりがしやすくなったこともありますね。
――カメラワークをいじれるようになって演出に凝ったりも可能になったぶん、デザイナーさんへの注文もより多彩になったりしました?
江城氏:演出のアイデアやパターン、どう見せるのが効果的なのか? 今回は、そうしたクリエイティブ面の幅が広がっていると思いますね。
ただ、3Dになって幅が広がったけれど、そもそもの“3Dにする大変さ”もかなりあったんですよ。元々の2D画面のパース(遠近感)とカメラアングルを、3Dモデルでそのままにやっても、できあがったものの見た目は全然違ってしまうんです。そこで、モデリング担当は“状況によっていろんなモデルを用意する”という工夫を行なっています。
法廷用の成歩堂モデルをそのまま探偵パートで正面から映すと、違和感がすごかったり。それこそ、同じ場面でもカメラアングルが変わるとおかしく見えたりもするんです。そういう時に、モデルのパーツだけを切り替えていたり。あたかも同じ3Dモデルがどんな場面でも自然に使われているように見えるようにしています。
――なるほど、そういう解決方法なんですね。尺やカメラアングルに対応した異なるモデルをたくさん用意してるわけですね?
江城氏:場面ごとに最適化したモデルをたくさん使っています。
山崎氏:やっぱり2Dのままを3Dで再現しようとすると、そうなっちゃうんですよね。例えば、これまでの「逆転裁判」で成歩堂くんが指を差しているポーズも、手のパースはものすごく嘘をついているんです。手だけ大きく見せているんですよね。
江城氏:3Dモデリングであのパースを再現しようとすると、手だけめっちゃでかくなるんですよ(笑)。
山崎氏:大きくしないと迫力のないしょっぱいポーズになるんです(笑)。なので、指を差す前の振りかぶるところまでは法廷用の通常モデルで、ビシッと指を差した瞬間には手の大きい専用モデルに切り替えていたりするんですよ。
――そこはむしろ2Dグラフィックスっぽい発想ですね。3Dモデリングになったのに……。
江城氏:そうしないと「逆転裁判」を実現できなかったんですよね。そのぶん作る量はどんどん増えて、現場はハードルが上がっていったんですけど(苦笑)。物量をどうやって作るのか、スケジュールとの戦いになって。各セクションの人間がスケジュールマネージメントから修正・変更に至るまで、ベストパフォーマンスを発揮してくれたので、当初に僕が想定していたよりも早いペースで完成してくれましたね。発売はもうちょい後になるかなと思っていました。
――なるほど。当初の想定では、発売はどれぐらいと考えていたのでしょう?
江城氏:あとプラス1、2カ月はかかったかもしれないですね。東京ゲームショウに2回目の出展になるぐらい。それは嫌だったんですよね。急ぎすぎてクオリティが低いのはまずいし、かといって、待たせすぎるのもまずい。ギリギリの見極めとして、東京ゲームショウ2013前に発売したいというのがありました。
そのスケジューリングに対して、後半の巻き返しがどれぐらいできるか。越えるべきハードルがはっきり見えてからの“命を削って作りましょう”っていうカプコンスタイルなんですけど(笑)。その姿勢でスタッフはがんばってくれましたね。
――ここまでのお話を聞くと、ハードも表現も、その幅も変わって、どのセクションの人もフルモデルチェンジに挑むのに近かったのかなと思います。
山崎氏:制作チーム内でもそれは言ってましたね。フルモデルチェンジだねって。
――2Dの印象そのままを3Dで作るというところからの物量は、相当なものがあったと思うのですが、山崎さんがシナリオを作る時は物量を意識するところはあったのでしょうか?例えば、「こういう場所を出したいけど、3Dモデルが作れるかな?」と心配になるような?
山崎氏:うーん、シナリオを書く時にそこはあまり意識しなかったんですが、キャラクターの表現というところでは、シナリオチームとデザイナーチームとで一緒に作っているので、「これは表現できる?」という確認はありましたね。
例えば、犯人のキャラクターは最後にブレイク(犯人が最後に見せる派手な撃沈)するのがシリーズのお約束ですけど、そのリアクション込みでキャラクターのデザインや設定を考えていて。シナリオ側はこういうキャラクターで行きたい、デザイン側はこうしたいというアイデアを出し合うんです。
今回はそこに“アイデアを3Dで実現するにはどうすればいいのか”というハードルがあって。そこはモデル担当やプログラマーさんの力次第にもなってくるわけです。「このアイデアは実現できるかな?」と考える瞬間はありましたね。
――なるほど、犯人が最後にはじけるブレイクが3Dになる、というのは大きいですよね。今までと全く違う見せ方ができるし。
山崎氏:できる事がすごく増えていますね。正面だけでなくカメラアングルを変えたり、カメラをぐるっと回り込ませたりもできる。いろいろと3D化の恩恵を受けているところです。3DSというハードと3Dグラフィックスの恩恵をどこまで活かせるか、という戦いでしたね。
――ブレイクはまだ体験版では見られませんし、そこは情報としても見せていないですよね。アウチ検事のアレは今回どんな風に飛ぶのやら(笑)。
江城氏:(笑)。ブレイクはね、製品版を買ってプレイしてもらって、ぜひ見てもらいたいですね。
山崎氏:あとは、ブレイク以外にも僕がシナリオ書いていくなかで、あれもしたい、これもしたいというのがたくさんあって……。
――公式ブログでも「欲張り」と書かれていましたね?
山崎氏:いろいろやってますね。関わるチームの人達からすれば「どこまでやるんだ」ってツッコミたかったと思います(笑)。「今回のシナリオは何も捨てずにやっていこう」ということもありましたし、3Dでの工夫や演出もありますし。キャラクターにしても、王泥喜法介も別のキャラのように見た目を変えてもらって。他のキャラもそうですね。使い回しもできず、デザイナーはさっきのパースの件まであってシチュエーション別にカスタムモデルをひたすら作る。僕はそこに欲張りに「あれもこれも」って言い続けるという(苦笑)。みんなに本当にがんばってもらいました。
――過去シリーズのキャラクターもどんどん出てきましたね。システムにはサイコロックもありますし。
山崎氏:今回の探偵パートでは、成歩堂くんは「サイコロック」、王泥喜くんは「みぬく」を駆使していきます。3Dで作られている背景をいろんな調べ方をするというのもあります。法廷の方では「ココロスコープ」と「カンガエルート」がありますね。
江城氏:システムの方でも過去最高に盛り込んでいるというか。“盛り”というより“盛り盛り”なぐらい。
山崎氏:だいぶ盛りましたね(笑)。
江城氏:あらゆる面でやれることをやろうという意味でも、「4」で残されていた謎も、ある程度見解を出していくことのもやっています。遊びごたえはがっつりありますね。
――「逆転検事」と「2」の盛り込み具合が浮かびますね。どちらも、特に「2」はすごいボリュームになっていましたから……。
江城氏:僕と山崎が組むと盛ってしまう(笑)。
山崎氏:それはあるかもしれませんね(笑)。
1番苦労したキャラクターはやはり“成歩堂”。既存の新規キャラは“シリーズ未体験の人”にもすんなり楽しめるように配慮
――「逆転裁判」と「逆転検事」とで、制作するうえで何が違うのか? シナリオではどういうところがありましたか?
山崎氏:やっぱり法廷バトルの存在ですよね。弁護士と検事と裁判長と証人がいて。その4人しかいない空間で話を展開するというのは、結構独特なんです。「逆転検事」の時にはなかったので、近いシチュエーションはあったけど似て非なるものです。そこは苦労しましたね。
あとは、実は「成歩堂」っていうキャラクターですね。プレーヤーキャラクターだということもあって、彼にはわかりやすい特徴が実はないんです。イトノコ刑事なら、「~~ッス!」って言えばそれらしくなる。でも、成歩堂はそういうものがない。ちょっとした言葉遣いや考え方に気を配らないと、成歩堂にならないです。
――あの世界においては数少ない“普通の人”ですよね?
山崎氏:そうなんですよ、あの人は実は普通の人なんです(笑)。そこをニュアンスで表現して行動させる、というのが最初難しかったんですね。1話目でそこを苦労して書いているうちにだんだんと掴めてきたという感じでした。
――他にも、過去シリーズのキャラクターを出すにしても、「4」からゲーム中の世界は8年経っているわけで、登場させるなら時間経過による変化も入れないといけない。
江城氏:既存のキャラクターを出す上では、それと同時に、6年ぶりの新作ですから、「逆転裁判」を名前しか知らない未プレイの人もたくさんいるということも大事に考えました。「5」が初めてプレイするシリーズ作でも全く問題がないように。既存キャラクターを出す時も、登場する理由がちゃんとあること、物語にちゃんと沿っていることを必須にしています。
山崎氏:出すにしても、キャラクターに8年分のアレンジを加えるというところは、かなりこだわりましたね。どのキャラクターも愛されていて、おかしなものにしたら大変です。成歩堂と御剣は「3」の印象に近いものをベースに、時間経過を加えていて。途中には髪を伸ばしたり、ヒゲを付けたりもしたんですけど(苦笑)。最終的には今公開しているデザインになりました。
成歩堂は、前髪を垂らしてスーツの前を開けて大人の余裕を出していますね。御剣は立場が検事から検事局長に出世していますので。昔よりもディティールがゴージャスに、メガネもかけるようになってより大人らしくなっています。
――新規のプレーヤーさんからすると、ちゃんと理由があって出てくるキャラクターで、既存シリーズからのファンなら成長が楽しめるということですね。ファンの人目線としては、まだ登場するかが触れられていないキャラクターがどれぐらい出てくるかも気になりますね。
江城氏:「あのキャラも、このキャラも~」ってなりますよね。それを「5」として、100%全て求められるキャラクターを出そうとすれば、新キャラクターの入る隙間が結構無くなって、ゲームとしての全体がブレてくるんですよね。「新しい作品を作りたいのか」、「ファン向けのゲームを作るのか」みたいなところがブレてくる。そこで、「意味のある登場にできるキャラクターなら出しましょう」という厳選の仕方をしています。
――なるほどなるほど。あえてまだ突っ込んじゃいますけど、既存キャラクターの登場はどこまで楽しみにしていいでしょうか? まだまだいろいろ出てくるよと期待してもいい?
江城氏:うーん言いたいですけどね(苦笑)。でも、「逆転裁判」ファンの人は本当にネタバレすると怒られるので。すごく怖いですよ(笑)。匂わせたぐらいでも、ものすごい反応がきて。それこそ、こういうインタビューとかリリース情報とかも、もう発売までシャットアウトするっていう人もいるんですよね。でも僕らは期待感を持ってもらうために魅力を何か伝えたい。そういうのを考えると今言えるのは……「安心してください」といいますか(笑)。
――キャラクター以外にも、新規の人に向けてこだわったところというのはありますか?
江城氏:初めて「逆転裁判」をプレイする人に向けて、システム面ではバックログを見られるようにしたり、セーブファイルを2つにしたり。探偵メモっていうメモ機能や、詰まった時のヘルプ機能も入れています。遊ぶ時のストレスを極力減らして、考える醍醐味を楽しめるようにしています。
ユーザーインターフェイスも細かく工夫しています。シリーズファンの人はもちろんですけど、シリーズ未プレイの人にもぜひ遊んでもらいたいですね。「5」ってナンバーが付いているシリーズ作ですから、なかなか手を出しづらいとは思うんですが、ぜひやってみてもらいたいです。
山崎氏:制作初期の企画書の段階でも、前作から6年経って、その間に宝塚(の舞台)や映画などでユーザーさんは広がっている、シリーズ未プレイの人もたくさんいる。その人達の事を考えて作る、という話が出ていました。インターフェイスも雰囲気はシリーズを踏襲しつつ、中身は全部作り直して。
システム面では他にも、例えば、これまでは、探偵パートの移動に関して、別の場所に行く時には、繋がっている場所を経由しないとダメでしたが、今作では行きたい場所に1発でいけるようにしました。ユーザーフレンドリーにリニューアルしていますね。
江城氏:一方で、フレンドリーに気を使いすぎると「難易度が下がる」という懸念もありますよね。特にシリーズファンの人は「逆転裁判」っていうゲームに慣れているわけで。アドベンチャーゲームで難易度が低いのは、かなりきついですよね。つまらなくなっちゃう。フレンドリーなところは、そんなに前面には出していなくて、ユーザーさんのプレイの動きを想像して、「詰まるだろうな」というところに置いています。すらすら解いているプレイの動線には置いていないです。そのあたりは担当スタッフはだいぶ工夫してくれましたね。
ダウンロードコンテンツは本編制作後に制作! 成歩堂の弁護士復帰第1戦が描かれる
――今作はダウンロードコンテンツにも衣装や追加シナリオで対応するということですが?
江城氏:DLC関係では、まず衣装の「コスチュームパック」ですね。期間限定で期間内は無料で配信します。オドロキの私服コスチュームはオドロキのキャラクターデザイナーに「作ってくれ!」と無理を言ってできたものです。ココネはセーラー服ですね。彼女はアメリカ帰りなんですけれど、日本の高校生だったらこんな感じかな、というものですね。
他には、オリジナルストーリー付きの「クイズ推理推理」というものを出します。「逆転裁判」のキャラクター達がある事件に巻き込まれて、そのストーリーを追っかけていくと推理クイズが出てくるというオリジナルなものになっています。前編・中編・後編とわけて毎週配信予定で、こちらは有料コンテンツになりますが、なにしろ有料のものを追加購入して頂いてクリアしてくれたというワケですから、スペシャルコンテンツをプレゼントしようと考えています。
さらに、その追加シナリオのDLCは今作っています(笑)。作り置きを切り売りしているのではなく、本編を死ぬ思いで作って出し切って、そこから別のものを作っているという状態ですね。追加シナリオも結構なボリュームになってますよ。
――今はまだひと段落してないんですね(インタビュー収録は7月4日)?
江城氏:してないです(笑)。今も絶賛作り中。そのお話は特別編ということで、成歩堂くんが弁護士バッジを取得しなおした1発目の事件です。舞台は水族館で、シャチのショーが行なわれていたんですが、シャチが殺人を犯してしまう。そこで成歩堂くんはシャチの無罪を主張する……。という話になっています。
山崎氏:「復帰第1弾が普通の被告人じゃあつまらないなぁ」と思って。成歩堂なら誰でも助けられるはず、成歩堂じゃないとできない事件、というのを用意したくて。シャチの弁護です。
江城氏:ここには、面白いキャラクターがいろいろと出てきますので。期待して頂きたいですね。
――本編ではできない、はじけた感じになっていそうな予感をひしひしとしますね(笑)。
江城氏:「せっかくやし、ちょっと変化球投げようや」ってやってます(笑)。まぁ今やっているところなので。……ダウンロードコンテンツって怖いですよ。終われないですからね。
山崎氏:本当ですよ、なかなか終わらないんですよ。
――アイデアの活かし場所はまだあるぞってなっちゃう(笑)。以前ならやり残した事ができちゃって、それを次回作に入れる事をモチベーションにしたというような話もありましたけど、今は完全になくなるまでやろうとすればできちゃう。
江城氏:もう絞りカスみたいにカラッカラになるまでやれちゃう。カラッカラになったところからスタッフは休みに入るんですけど、休みの間にスポンジが水を吸うみたいにモチベーションが膨らんで、何か新しいものを作りたくなるんでしょうね。まぁ、僕は休みないんですけど(苦笑)。
山崎氏:まだ絞られている最中なので、はやくそうなりたいです(笑)。
――この他に、「逆転裁判」の今後の展開というのはいかがでしょうか?
江城氏:まずは舞台「逆転裁判 ~逆転のスポットライト~」の公演がありますね。あと、京急さんとコラボして、各駅に散りばめた謎をユーザーさんにフリー切符を購入して頂いて、指定の駅に散りばめられたヒントを探してもらって、問題を解いてもらうというものを企画しています。他に東京ジョイポリスでも参加型のミステリーイベントを行ないます。これもユーザーさんが自分で探して謎を解いて、というものですね。
カプコンバーではフードのタイアップをしたり。カプコンバーとパセラさんを横断的に使って、ミステリーイベントを企画中です。プロモーションやイベント等はそういうのがありますね。ゲームの方では、「逆転裁判5」が発売されて、ユーザーさんからどんな声をもらえるかドキドキしています。
また次の「逆転裁判」になっていくのか、「逆転検事」等の別のものになるのか。僕らは寄せられているアンケートの声や要望は全て目を通していますので。そこはまた意見を頂いてから考えていきます。
イベントもやりたいですよね。「オーケストラコンサート」もまたやりたいですし。ファンの人と交流を持てるイベントだったりとか。それこそ“逆転ツアー”みたいな、舞台をみて、京急さんの電車に乗って、東京ジョイポリスに行って、カプコンバーに行くみたいな(笑)。そんな事もできたらなと思いますね。
――それでは最後に、ユーザーの皆さんに向けて一言頂けますか?
山崎氏:今作は本当にチーム総合力で戦ったと思っていて……。みんなで磨き上げた作品です。6年ぶりのナンバリング新作ですが、お待たせした皆さんの気持ちに応えられるものになっていると思います。本編以外でもDLCもありますし、舞台やイベントもあって、これからも逆転ワールドは広がっていきますので。シリーズファンの人はもちろん、未プレイだったという人は今作から触れてもらえたらと思います。逆転の世界を好きになってもらえたら嬉しいですね。
江城氏:ひとつのタイトルで6年間待ってもらったというのは、「逆転裁判」ならではというか、コアなファンの皆さんの支持があったからこそだと思います。そこにキチッと応えられる作品になったと思います。内容は盛りだくさんで、もう盛って盛って。すごいボリュームです。でもダレる事のないようにも気を使っていますので。まだ様子を見ている方は体験版もプレイしてもらって、興味を持ってもらえればと思います。よろしくお願い致します。
――ありがとうございました。楽しみにしております。
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