インタビュー

「ラグナロクオンライン」“βプロジェクト”の詳細が判明!

ニコニコで“実況”を14日連続で放送。ゲーム内の世界をアピール

ニコニコで“実況”を14日連続で放送。ゲーム内の世界をアピール

登場モンスターもマップの範囲に限定される
運営スタッフには、初期からの「RO」のプレーヤーも多い。彼らの思いが込められたプロジェクトとなりそうだ
Breidablikでは、パーティプレイや、お気に入りの場所でおしゃべりなど、MMORPGの楽しさを再確認することを目指していくという
実況放送では思わぬハプニングも起こりそうだ

 「RO」はチャンネル制ではないため、1つのマップにユーザーが集中しやすい。しかしサービス開始時は1カ所にユーザーが集中しすぎるのではないか? と質問したところ、スタート時は初期のマップのみを複数作る、簡易なチャンネル制を導入することも検討しているという。またGMのイベントも“分散”という目的も持っているとのこと。

 また、移動手段が限られているため、“ホーム”となる街もプレーヤーごとに変わっていくかもしれない。筆者も昔「ウルティマオンライン」をプレイしていたときなどは、交通の便がいい都会の「ブリテイン」ではなく、港町の「トリンシック」をホームとしていた。こういった所も昔のMMOらしさを感じさせる部分だ。

 「過去にMMORPGを楽しんでいた人はもちろんですが、新しい人にBreidablikに来てもらいたい。MMORPGの楽しさの“本質的”な部分って、今の時代なかなかお見せできていないと思うんです。現在はグラフィックスや、システムの充実といったところをアピールする作品が多いのですが、今1度MMORPGとしての“当たり前”を見せていきたいんです」と中村氏は語った。

 現在のMMORPGはクエストを追いかけるだけでゲームが進み、プレーヤーが“集まる”場所も少ない。何らかの目的を提示され、そこに1人で向かっていってしまう。「何でプレーヤーが集まるのか」。移動手段を限るなど、プレーヤーが集まりやすい場を作る。こういった所で、MMORPGの黎明期の楽しさを表現できるのではないかという思いを持っているという。

 この試みは、新ワールドだからこそできる。現行の「RO」では積み上げたコンテンツも、プレーヤーのやることも多すぎて、繋がりや1つの目的にみんなで努力する感覚が得られない。だからこそ移動手段を限り、コンテンツを絞ったBreidablikでもう1度MMORPGの本質、「RO」の本質を問いかけたいとのことだ。

 ただ、古参プレーヤーにとって魅力的なBreidablikだが、これをMMORPGを全く知らない層にどうアピールしていくかは大きな課題だ。運営チームは「ニコニコ生放送」で14日間連続放送という、ニコニコ生放送でもこれまでやっていないスケールでBreidablikの生中継を行なうことで、「面白いことをやっている」と認知してもらうつもりだ。

 ニコニコ生放送はPCで視聴しているユーザーが多い。そのPCでプレイできるゲームとして「RO」をアピールしていく。これは有効な方法なのではないかとガンホーは考えているという。ニコニコ生放送は“生主”と呼ばれるすでに人気を得ているユーザー生放送の配信者がいる。運営チームは「RO」プレーヤーの生主をメインに据え、毎日ゲストの生主を呼んで放送を行なっていく予定だ。

 ゲストの生主は、ダンスが得意だったり、歌い手だったり様々なアピールポイントを持っている。その生主の個性が「RO」でどう活かされるかを工夫していく。ゲーム内の風景だけでなく、ゲームをプレイしている風景そのものもコンテンツとしていく。また、「放送時間内にゲーム内で“ウサギのヘアバンド”を作ってください」というような“指令”を出し、アイテムを作るために右往左往する様を見せるといったこともやっていきたいという。プレーヤーからの協力も、コメントからの提案も含めて放送での大きな楽しさに繋がる。

 「RO」では「ラグナロクオンラインひみつギルド」という番組を、すでに1年半ニコニコ生放送で毎週行なっている。この番組や、それ以外の「RO」などのオンラインゲームとニコニコ生放送を組み合わせたユーザー間の盛り上がり、さらにガンホーの若い社員のニコニコ生放送の浸透力といった様々なデータから、ガンホーはニコニコ生放送の“可能性”を感じており、Breidablikそして「RO」のアピールのために“実況放送”を活用していくつもりだという。

 古参プレーヤーである中村氏が当時の思い出を交えながら語るなど、この他にも運営側では様々な施策を考えている。過去の膨大な「データ」も活用していきたいという。「RO」が大好きで、プレイし続けて仕事にまでしてしまった「RO」運営スタッフの思い入れをどう活かしていくかも“βプロジェクト”のテーマの1つだ。

 思い出を語るだけでなく、Breidablik専用サイトでは、モンスターのデータや、オススメのキャラクター育成の情報といった「プレイガイド」を掲載していく。これもMMORPG初心者向けの施策の1つだ。データなどはダウンロード可能な形で、ファンサイトやファンのブログでも使える素材の提供も考えている。かなり膨大な作業量だが、通常の「RO」向けの情報提供などもこれまでと変わらずやっていく。実質、新タイトルを1つ増やしたような労力をかけたプロジェクトとなっている。

 「1番大事なのはユーザーさんの声だと思っています」と田口氏は運営の上での方針を語った。ユーザーの成長に合わせ、アップデートそのもののタイミングや、コンテンツの追加はフレキシブルにしていく。このため「ラグナロクオンラインSNS」で専用のページを作り要望を受け付けたり、アンケートを行なっていきたいという。

 コミュニティというところで筆者が気になった部分としては、MMORPGというよりも、日本人プレーヤーに顕著なところかもしれないが、ギルドの中では活発に発言するが、知らない人に対しては全く話さないという傾向がある。知らない人に話しかけないユーザーは多い。“繋がる”ことをテーマにしていくところで、この気質に対してどう対処していくのだろうか?

 ギルドでかたまってしまう傾向など気軽に出会いが生まれにくい状況に関しては、SNSの活用をしてもらい仲間作りをしたり、コンパニオンを軸にしたコミュニティ作りをするといった方法を運営側から積極的に行なっていくことで、出会いの機会を増やしていく。新ワールドによる新たな出会いも生み出していくことを考えているという。

 加えてBreidablikと通常ワールドの大きな違いとして「攻城戦がない」という点がある。Breidablikではギルド同士の対戦要素をなくすことで、ともすれば他のプレーヤーを排除してしまうような、コミュニティのハードルを上げかねないコンテンツはあえて入れない。代わりに皆で力を合わせて挑める「ボスハンティング(仮)」といった要素を入れ、繋がりを生み出すようにしたいという。これらコンテンツの詳細は、今後改めて発表される予定だ。Breidablikでは知らない人とも一緒に遊べるコンテンツを用意していく予定だ。

 既存の「RO」のワールドではコンテンツの追加されたり、様々なイベントが開催予定だが、これらの要素はBreidablikではどうなるだろうか? 中村氏は「Breidablikは独自のイベントをやりますが、季節のイベントなど既存のワールドで行なうイベントなどはしません」と語った。既存ワールドのイベントは、今持っているキャラクターのニーズに合わせ、お金が稼げたり、キャラクターを強化できるといった性格が強いが、これらはBreidablikのプレーヤーのニーズには合わない。イベント部分でも大きく差別化を行なっていく予定だ。

 最後にユーザーへのメッセージとして田口氏は「Breidablikはユーザーの皆さんと成長していく世界になります。ぜひ遊んでいただき、色々なご意見をください」。中村氏は「老舗料理屋の味は変わらない、というのは現代風にアレンジしながらも例えば出汁は変わっていなかったりする。この“変わらない”部分、MMORPGそのものの楽しさを感じていただければと思います」と語った。

 筆者自身、MMORPGの変化を見てきたプレーヤーの1人である。毎日ログインし、夢中になって何時間もゲーム内で過ごし仲間達と様々な体験をした。その中でユーザーの要望に合わせMMORPGもシステムを変化させてきた。多彩な目標が提示され、プレイは短時間でできるようになり、ソロプレイの傾向が強くなった。ユーザー同士の関わり方も変わってきている。

 10周年を迎える今だからこそ、「RO」のシステムを使いながら通常とは全く違うベクトルで「RO」の面白さをもう1度問おうというアイディアを出し、実現させたスタッフは賞賛したいし、応援したい。Breidablikはもう1度“過去のMMORPGの楽しさ”を問い直すという。ここから現在の流れとは違う“別の進化”が生まれるかもしれない。ノスタルジーだけでない、新しい方向性が生まれるかもしれない。古参MMORPGプレーヤーとして、注目したいプロジェクトだ。

新ワールド「Breidablik」先行登録キャンペーン応募要項

■キャンペーン内容
キャンペーン期間中、「Breidablik」先行登録URL(バナー)からラグナロクオンラインゲームアカウントの作成をした方に、もれなくβプロジェクト専用アイテム『アカデミーバッジ[0]』と『アカデミー新入生帽子[0]』をプレゼントいたします。

■キャンペーン期間
2013月5月7日(火)15:00~2013年5月14日(火)定期メンテナンス開始

■対象条件
「Breidablik」先行登録URLから、ラグナロクオンラインゲームアカウントを作成した方

※ラグナロクオンラインゲームアカウントの作成には、ラグナロクオンライン公式サイトにログインするためのログインIDが必要です。≫ログインIDには、ガンホーIDの他、TwitterアカウントやGoogleアカウントなどが使用できます。ログインIDについては、こちら。
※エントリーはゲームアカウント単位です。
※βプロジェクト先行登録URL(バナー)以外から、ラグナロクオンラインゲームアカウントを作成した場合、本キャンペーンの対象にはなりません。

■景品
・「Breidablik」専用アイテム『アカデミーバッジ[0]』(1個):全員
・「Breidablik」専用アイテム『アカデミー新入生帽子[0]』(1個):全員
※「Breidablik」専用アイテム『アカデミーバッジ[0]』と『アカデミー新入生帽子[0]』は、有効期間があるアイテムです。有効期間はアイテム説明文で確認できます。なお、有効期間が経過すると景品のアイテムは消滅いたします。
※βプロジェクト専用アイテム『アカデミーバッジ[0]』と『アカデミー新入生帽子[0]』は、βプロジェクト以外では使用できません。また、他のゲームアカウントへ移動することはできません。

■景品の配布について
景品と交換できるアイテムを、対象ゲームアカウントに直接配布させていただきます。
アイテム配布の際は、ガンホーゲームズのサポートセンター「投稿確認」から確認可能な「お知らせ」で、景品配布のご案内をさせていただきます。
※「お知らせ」の確認方法については、こちらをご確認ください。

■注意事項
※対象条件を満たすと自動的にエントリーされます。エントリーの取り消しはできません。
※景品の配布までにログインIDの解約やゲームアカウントの削除などにより、ラグナロクオンラインをご利用できなくなった場合、景品の配布はできません。あらかじめご了承ください。
※エントリー状況などについて、個別にお問合せいただいてもお答えできません。
※当ページの掲載内容やエントリー条件は、予告なく変更する場合があります。あらかじめご了承ください。

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(勝田哲也)