インタビュー
「モンスターハンター フロンティアG」インタビュー
6年目でついに「G級」実装。新要素・新企画満載の第2ローンチへ
(2013/4/12 15:00)
カプコンが開発・運営しているXbox 360/Windows用オンラインハンティングアクション「モンスターハンター フロンティア オンライン」(MHF)が、4月17日にいよいよ“G級”を解禁し、「モンスターハンター フロンティアG」(MHF-G)に改題する。
「MHF」は2007年にサービスを開始してから、現在の「フォワード.5」まで、約20回に及ぶ大規模アップデートを行なってきた。しかし今回はその中でも比較にならない超大規模で、上位カテゴリとなる「G級」とともに10体の新モンスターを一挙追加。さらに11種全ての武器種に新アクションを追加するなど、改題にふさわしい大きな変化がある。
アップデートごとに恒例となっているインタビューだが、今回は実装される項目があまりに多岐にわたっているので、特に重要なポイントに絞って話を聞いた。詳細は公式サイトでも発表されているので、双方に目を通して情報を補足しあっていただければ幸いだ。
お答えいただいたのは、プロデューサーの杉浦一徳氏とアシスタントプロデューサーの宮下輝樹氏。さらに今回から開発を担当するディレクターの木本龍己氏も加わっていただき、より詳しいお話を伺った。
「MHF-G」発表後の「フォワード.5」を振り返る
――今回は木本さんが加わって、初めて3名でのインタビューとなりましたね。木本さんの登場には何か事情があるのですか?
杉浦一徳氏: 私がだんだんフェードアウトしているので、影の黒幕を表に出さざるを得ないなと(笑)。真面目な話をすると、木本は「MHF」のローンチ時から開発を担当していて、現在開発の責任者を務めている、「MHF」の全てを知っている男です。
――今までは杉浦さんと宮下さんという運営担当の方とお話ししてきたわけですが、今後は開発の方も表に出てこられると。
杉浦氏: 昨年、開発と運営の組織を改編して1つにまとめました。今は運営や開発という分け方をしていなくて、みんなで運営し、みんなで開発しようというスタンスになっています。イベントや課金面でも木本が活躍する場がありますし、今までどおりにG級コンテンツも見てもらっています。お客様に向けてのメッセージも、今後は木本からさせていただくことが増えると思います。
――わかりました。ではお話しに移ります。まずは現状の「フォワード.5」ですが、プレーヤーとしてはこれまでのアップデートよりも盛況だったように感じます。杉浦さんの雑感としてはいかがですか?
杉浦氏: 数字は予想以上によかったです。昨年の9月に「MHF-G」を発表した後、普通ならそれまで休もうかという風になるところですが、「MHF-G」までもっと頑張るぞというモチベーションをご提供しましょうというお題をチームに出していました。覇種の最後の「テオ・テスカトル」が出た後はさすがに落ちてしまいましたが、それでも長く持ったなと思います。全体としては予定通りか、それ以上に推移しています。
“第2ローンチ”を徹底した「MHF-G」
――では「MHF-G」の話に移ります。タイトル変更も含めて大きなアップデートになりますが、その狙いを改めて教えていただけますか。
杉浦氏: 「MHF」をスタートしてから、それなりの年月が経ちました。お客様に長く遊んでいただけているのはありがたいことですが、新鮮さという部分を何か出さなければという話はずっとしていて、それが今だったというところです。
私がチームに伝えたことは、今回は大型アップデートではまずいということです。以前の反省として、アップデートの呼称を「シーズン10」から「フォワード.1」に変えた時、お客様の期待度とアップデート内容に少し差があったのかなと思います。ゲームが新しいスタートになっているという部分をお客様に訴えるためには、中身が伴わないといけない、ただのアップデートではダメだということです。
そしてコンテンツが決まり、ボリュームが決まり、これにふさわしい名称変更は何なのかと話をした時に、「シーズン」や「フォワード」というアップデートではないということになり、タイトル自体を変えることになりました。そして「モンスターハンター」シリーズを遊んでいただいているお客様に一番なじみのある名称は「G」だろうということで、今回は「MHF」に「G」を付けることになりました。
これは第2ローンチだとチームに言っています。アップデート感覚のプレゼンや企画を持ってこようものなら、私がまず雷を落とすという感じでした。企画について「なぜこうなったの?」と聞いたら「今までどおりのルールから行くと……」と言うので、「今までどおりのルール? ローンチだって言ってるじゃないか!」という感じで。それを表明する意味でも、タイトルには「G」を使い、コンテンツやモンスターについてもそういうものの実装を木本に頼みました。言うのは簡単なのですが……。
――中ではいろいろ大変なことがあったと。「MHF-G」というタイトルについては、パッケージに「G1」とありますよね。サブタイトルもなくなりましたが、今後は「G2」といった感じで数字を付けていくのでしょうか。
杉浦氏: アップデートタイトルをどうするかという話はあったのですが、わかりやすさや、しっくりくる形を議論したら、シンプルに「G1」、「G2」というところに落ち着きました。サブタイトルを付けてもいいのですが、ドラマなんかでサブタイトルを見ると、それで内容がバレますよね。「MHF」のサブタイトルも、「そのサブタイトルだとモンスター名や新フィールドがばれる」、「でもそれが売りだから入れないと」という議論が毎度ループしていましたので、今後はこの形で行くことにしました。
――第2ローンチとして大きな変化を迎えるわけですが、モンスターを倒して素材を集めて武具を作る、というゲームの方向性や仕組みは今までと違うのでしょうか?
木本氏: 基本ルールの類は今までどおりです。いま最前線でプレイしている方々のためにG級というものを設定させていただいただけで、武器や防具を作るというところは今までどおりです。ただ「シジル」という新しい要素や、防具を装飾品に変えられたりと、目的の部分で新しい要素が加わっています。
また新たにゲームを始める方々には、「MHF-G」でのハンターの新アクションをぜひ体験していただきたいです。新たなアクションを追加したり、操作を変えたりと、かなりいじっています。他の「モンスターハンター」シリーズをプレイされた方が「MHF-G」を遊んでも、他とは違うアクションで新鮮さを感じていただけるはずです。
――G級コンテンツも気になりますが、「MHF-G」になって新たにプレイを始める方もいらっしゃると思います。特にこれまで、春のアップデートは初心者向けと言われていましたし、その点についてはどうお考えでしょうか?
木本氏: 先ほど話してしまいましたが、新たにプレイを始める方には「新アクション」部分に注目いただきたいです。チュートリアル関係は次回のアップデートで大きく手を入れる予定で、今回はほとんど手を付けられませんでした。
杉浦氏: 春のアップデートは新規対策をしなければいけないのですが、今回はこれだけのボリュームをやる上で、私も諦めて次に回しました。でもここには次に回した理由があるんです。今は言えませんが、後で「ああ、なるほど」と思っていただけるはずです。8月ごろになれば、新規対策を後に回した理由がわかりますので楽しみにしていてください。
――では直近で、「MHF-G」サービス開始以降、G級の人とSR以下の人が一緒に遊んだ時に何かボーナスが付いたりはしますか?
杉浦氏: 特にないです。以前、HRの方とSRの方でボーナスを付けたのですが、あまりうまくいきませんでした。それを反省して練り直している最中です。
――HCチケットのプレゼントですよね。あれではダメでしたか?
杉浦氏: そうやって物で釣ると、新しい人を「物を供給するシステム」としか見てくれない可能性が出てきます。新しい人からすると、それが伝わった時に不快な思いをされますよね。ですからそのやり方はよくないなという反省があり、様子を見ています。ただ先程言ったとおり、秋口には何かありますから、期待していてください。