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Gamania Digital Entertainment CEO Albert Liu氏インタビュー
GGSの手応えやアニメやソーシャルなど新規事業について聞く


9月9日収録

会場:台北市台北華山藝文中心



 台湾大手ゲームメーカーGamania Digital Entertainmentが初開催したプライベートショウ「2011 Gamania Game Show」が成功裏に幕を閉じた。

 GGSでは、今後もGamaniaはクライアント型のMMORPGに力を入れていくことと、アニメーションやモバイル、ソーシャルなど、他分野にも手を広げていくこと、そしてGamaniaが現在非常に勢いのあるメーカーで、今後もユニークなコンテンツが誕生するポテンシャルを秘めていることなどを内外のメディアにアピールする効果があったと考えられる。

 個人的には、グローバルでこれだけオンラインゲームビジネスが多様化する中で、Gamaniaとしてももう少しソーシャルゲームやブラウザゲーム、スマートフォン向けに事業の方向が傾くかと思っていたが、むしろクライアント型のMMORPGにこだわりぬく姿勢を明確にしていた点が印象的だった。

 GGS最後のレポートでは、ご存じGamania CEO Albert Liu(アルバート・リュウ)氏のインタビューをお届けしたい。非常に限られた時間でのインタビューとなったため、今回発表されたアニメーションの共同制作事業と、GGSで出展されたタイトルに絞って話を伺った。

【ウェルカムパーティー】
9月8日の夜にはウェルカムパーティーが開かれ、数百名の参加者がパーティーを楽しんだ



■ 「HERO:108」に続く新しいアニメーション事業について。「『HERO:108』は失敗した」

Gamania Digital Entertainment CEO Albert Liu氏
9月8日の朝に開催されたアニメーションの共同制作発表会。合弁会社Two Tigersを設立し、グローバルで通用するアニメーションを制作していく
アニメーション「Jade Armor(玉甲)」のパイロットフィルムが公開された。ビデオカメラを持つ少年の周りにいる動物たちが“四神”
台湾のアニメーションスタジオSOFA Studio(首映創意)との合弁で誕生した新しいアニメ出版会社Two Tigers

編: 今回、新作アニメーションに関する発表会を開催しました。Gamaniaはここ数年、アニメーション事業を強化してきていますが、その理由はなんですか?

Albert氏: アニメーションを重視する理由は新しいIPの獲得のためです。ゲームメーカーの価値は持っているタイトル数で決まるのではなく、持っているIPの数で決まると思います。新しいIPからストーリーが生まれ、それがアニメーションとなり、ゲームとなったり、漫画となるのです。

編: 今回発表された新作アニメーション「Jade Armor」はどのような内容のアニメーションで、どのような形で公開される予定ですか?

Albert氏: 実はまだその部分は検討中です。今回発表したかったのはアニメーションのコンセプトの部分で、映画になるかテレビシリーズになるかはこれから検討していきます。今年の年末には確定すると思います。

編: アニメーションの公開時期は?

Albert氏: まだ会社が設立されたばかりなのでそのあたりはまだ決まっていません。

編: GamaniaとSOFAの合弁会社Two Tigersは、どれぐらいの規模のアニメーションスタジオで、今回発表された「Jade Armor」以外に今後どのようなアニメーションを制作していく予定ですか?

Albert氏: Two Tigersは合弁会社ですが、財務上の会計はGamaniaの子会社となります。現時点で動いているのは「Jade Armor」だけですが、今後もオリエンタルストーリーのアニメーションを手がけていく予定です。

編: アニメーションの制作発表と同時に、オンラインゲーム、モバイルゲームの制作も発表されました。これらは当然Gamaniaが手がけていくことになるのだと思いますが、いったいどのようなゲームになりますか?

Albert氏: アニメーションそのものもまだ未定な部分が多いので、ゲームについてはまずはアニメーションの完成を待ってからということになりますが、個人的にはしっかりとしたMMORPGを作りたいですね。

編: ゲームの完成はずいぶん先になりそうですね。

Albert氏: そうですね。再来年か、もっと先かという感じです。

編: ゲームの件はひとまず置いておくとして、アニメーションの日本展開についてはどのように考えていますか?

Albert氏: 社内では日本のアニメーション企業と提携して日本進出を図るという予定はないのですが、個人的にはとてもやってみたいです。日本のアニメ業界は台湾と比較してもかなり発展しているので、Gamaniaのアニメーションが一定以上のクオリティに達して、一緒に仕事をしてくれる日本のパートナーが現われたらぜひチャンスをつかんでいきたいと思います。

編: Gamaniaのアニメ事業は、将来的にビジネスとしてどのぐらいの規模になることを期待していますか?

Albert氏: その質問に答えるのは難しいです。Gamaniaのアニメ事業はスタートしたばかりです。完成したアニメーションはまだ「HERO:108」しかありませんし、現時点で売り上げの規模は考えられませんが、最終的にはオンラインゲームと同等のところまで引き上げていきたいですね。

編: なるほど。同等ということは、今後Gamaniaの新IPは、「HERO:108」のようにゲームとアニメを同時展開していくつもりですか?

Albert氏: そうはならないと思います。正直に申し上げて「HERO:108」のプロジェクトは経営的には失敗したと考えています。理由は「HERO:108」はゲームとアニメを同時に展開したが、ターゲットがそれぞれ別になってしまい、シナジーがあまり発揮できなかったからです。ですから、今後、ゲームとアニメ両方に展開するとしても、いずれかを先行スタートさせて、しっかりIPを育ててからもうひとつの方もサービスするという形にしていきたいですね。

編: マルチ展開という点では、昨年の東京ゲームショウで正式発表した「Reign of Assassins」がありますね。オンラインゲームとジョン・ウー監督の映画の同時展開ということでしたが、今回のイベントでは見られませんでした。現在どのような状況になっていますか?

Albert氏: 「Reign of Assassins」も私から見ると失敗したプロジェクトです(笑)。

編: 正式サービス前に失敗確定ですか?

Albert氏: 失敗です。といっても、まだ失敗が完全に決まったわけではなく、これからもゲームの開発は続けていきます。「Reign of Assassins」は映画の制作スピードが速すぎて、オンラインゲームの制作が追いつかず、コンテンツ不足の内容になってしまいました。

編: 「Reign of Assassins」は中国向けのMMORPGとして、台湾や中国でβテストを実施していると伺っていますが、正式サービスについてはどのように考えていますか?

Albert氏: 正式サービスをやるかどうかに関しては台湾と中国の運営チームに任せています。「Reign of Assassins」の映画は成功していて、オンラインゲームのほうもオープンβテストの段階まで来ていますから、大量のユーザーの獲得は無理でも、映画のファンに提供できたらいいなと思っています。




■ Gamania Game Showについて。「1番力を注いでいるのはMMORPG」

Albert氏は日本で大震災が発生するまでは東京ゲームショウに出展することを考えていたため、その点では残念だとも語っていた
Albert氏は実はあまり表に顔を出さないタイプのCEOだが、今回は多くのメディアのインタビューを受けたため、非常に緊張したという
各コーナーでガイドをしてくれたコンパニオンたち。昨年の東京ゲームショウと同等の力の入れようだった
Gamania一押しのタイトル「Core Blaze」。欧米水準の3Dアクションをオンラインで実現しようという意欲的なプロジェクト。Albert氏によれば2012年末CBT開始予定ということだ

編: 今回初めて台湾でGamania Game Show(GGS)を開催したわけですが、実際に開催してみてどのような手応え、感想を持ちましたか?

Albert氏: オープニングの時は凄く緊張しました。あれから1日が経過して冷静に見られるようになりましたが、各タイトルのデモも順調に行なわれているし、メディアさんからの反応も良いので、ホッと安心しているところです。イベント終了後に社内で検討し、イベントが効果的だと判断されたら今後は毎年開催する可能性もあります。

編: 今回、4大タイトルということで4本のMMORPGを大きくプッシュしていましたが、Albertさんから見てそれぞれ期待しているポイントを教えてください。

Albert氏: まず「ティアラ コンチェルト」については、昨年の東京ゲームショウに出展して大きな反響をいただいたタイトルですので、日本市場での展開に大きな期待を寄せています。日本以外にも台湾、香港などアジア圏で展開していきます。

 「ラングリッサー シュヴァルツ」は、日本で成功したIPを使用したオンラインゲームになりますので、もともとのPCゲームが流通していて人気だった日本、台湾、中国で展開することを考えています。

 「ドリームドロップス」は、PlayCooが開発しているタイトルです。PlayCooは「ルーセントハート」と「DIVINA」をヒットさせた実績がありますので、今回はそれ以上の結果が出ることを期待しています。これらの3タイトルはいずれもアジア市場向けのタイトルですが、欧米市場への展開をあきらめているわけではなく、現地の反応を見ながらローカライズを行なっていきたいと考えています。

 最後の「Core Blaze」に関しては、アジア地域に加えて北米や欧州などGamaniaが子会社を置いているすべての地域で成功することを目指しており、グローバル市場でAAAランクを獲得することを期待しています。

編: 個人的には、Gamaniaとしてまったく新しいチャレンジとなる「Core Blaze」に1番注目しています。開発に長い時間が掛かっていますが、サービス開始時期はいつ頃を考えていますか?

Albert氏: 2012年の年末になると思います。それぐらいの時期にクローズドβテストを行なえればいいなと考えております。ボリューム満点にしてからサービスしていきたいのでそれぐらいの時間が必要です。

編: GGSで印象的だったのはFacebookタイトルが一気に充実していたことです。これまではOpenちゃんを育てる「Open City」だけでしたが、今回は新規タイトルを4本も出展していました。これらソーシャルゲームの分野については今後どのような期待を寄せていますか?

Albert氏: Facebookタイトルに関しては、まだ売り上げは期待していません。理由は、まだGamaniaはソーシャルゲームの開発や運営のノウハウが十分ではないと思うからです。今回まではテストケースとしてノウハウの蓄積と市場のリサーチを行ない、その次で勝負をかけたいと思っています。

編: 今回、Gamaniaグループの多様なデジタルコンテンツを取材することができましたが、Albertさん自身が、いま1番注力しているビジネスは何ですか?

Albert氏: Gamaniaグループはいま2つの大きな方針があります。ひとつはグローバル化です。アメリカ、ヨーロッパなどの新しい地域のビジネスを安定化させることと、台湾、香港、日本といった既存のエリアの引き続きの拡大を目指しています。もうひとつが自社開発コンテンツの拡大です。自社コンテンツの開発の中にはオンラインゲームだけではなく、アニメーションやFacebookタイトル、スマートフォンタイトルなども含んでいますが、1番力を注いでいるのはMMORPGです。

編: MMORPGに今後も力を入れていくというのはオンラインゲームファンにとっては嬉しい発言だと思いますが、MMOファーストという方針は今後も変えるつもりはない?

Albert氏: 現時点ではMMORPGが1番というだけです(笑)。最終的にはすべての分野でオンラインゲームと同じレベルまで引き上げ、同等の成功を期待しています。

編: 日本のユーザーに向けてメッセージをお願いします。

Albert氏: 日本は、海外の支社の中でもっとも成功している地域のひとつです。Gamaniaグループとしても、常に日本のユーザーのニーズを把握しようと努めていますし、意見を重視しています。現在開発中のゲームの多くは日本市場を強く意識していますのでぜひご期待ください。

編: ありがとうございました。


(C) 2011 Gamania Digital Entertainment Co.,Ltd.

 

 

(2011年 9月 12日)

[Reported by 中村聖司]